平成18年11月定例教育委員会

開催日時

平成18年11月20日(月) 10時~16時30分

開催場所

鳥取県教育委員室

出席委員

  • 委員長 山田 修平
  • 委員(職務代行者) 武田 勝文
  • 委員 石谷 寸美子
  • 委員 堀田 收
  • 委員 今出 コズエ
  • 委員(教育長) 中永 廣樹

議事

(1)議案

  • 非公開 議案第1号 平成18年度教育表彰について
  • 公開 議案第2号 懲戒処分の指針等の改正について
  • 公開 議案第3号 平成19年度鳥取県立高等学校専攻科入学者選抜実施要項について
  • 公開 議案第4号 平成18年度末公立学校教職員人事異動方針について

(2)報告事項

  • 公開 報告事項ア 教育委員会事務部局人事について
  • 公開 報告事項イ 処理に困っている通帳等に関する追加調査結果について
  • 公開 報告事項ウ 「読書活動推進フォーラム」の実施結果について
  • 公開 報告事項エ 青谷上寺地遺跡建築部材について
  • 公開 報告事項オ 青谷上寺地遺跡史跡整備活用フォーラムの開催について
  • 公開 報告事項カ 第4回鳥取県ジュニア美術展覧会について
  • 公開 報告事項キ 平成18年度地域文化功労者文部科学大臣表彰の受賞者について
  • 公開 報告事項ク 三徳山の世界遺産暫定一覧表への追加に向けた取組について
  • 公開 報告事項ケ 特別展「-鳥取藩御用絵師- 沖 一峨」の開催結果について
  • 公開 報告事項コ 平成18年度の巡回展等の実施状況について
  • 公開 報告事項サ 平成18年度「郷土作家展」について
  • 公開 報告事項シ 平成18年度体育指導委員功労者表彰について
  • 公開 報告事項ス 平成18年度学校給食文部科学大臣表彰について
  • 公開 報告事項セ 平成18年度学校保健及び学校安全文部科学大臣表彰について

(3)協議事項

  • 公開 協議事項1 教育基本法について
  • 公開 協議事項2 いじめ問題への取組について
  • 非公開 協議事項3 最近の教職員の不祥事について

※非公開の議案等につきましては、会議録は公開されません。

議事録

1.開会

(委員長)
 18年11月の定例教育委員会を開会します。教育総務課長から日程説明をお願いします。

2.日程説明

 それではお手元の日程表をご覧ください。
 最初に、議案につきましては、第1号平成18年度教育表彰について、第2号懲戒処分の指針等の改正について、第3号平成19年度鳥取県立高等学校専攻科入学者選抜実施要項について、第4号平成18年度末公立学校教職員人事異動方針についての4件でございます。
 次に報告事項ですが、ア教育委員会事務部局人事について、イ処理に困っている通帳等に関する追加調査結果について外ご覧の14件でございます。
 さらに協議事項としまして、1教育基本法について、2いじめ問題への取組について、3最近の教職員の不祥事についての3件をお願いすることとしています。

3.一般報告

(委員長)
 では、続いて、教育長の方から一般報告をお願いします。
 
(教育長)
 では日を追って説明をいたします。

 最初に県立学校長会を10月30日に行いました。各課、室等から説明がありましたけど、私の方からあいさつの中で、教育課程を適正に運用すること、未履修の問題とかいじめへの対応を的確に行うこと、それから服務規律を徹底するようにとか、この辺を中心にあいさつの中で話をいたしました。

 それから、市町村の教育委員会との意見交換会ということで、これはいじめの対応を中心にいろんな意見交換をしました。11月の1日、2日、9日に、各地区ごとに行いました。いじめへの対応とか、もしいじめがあった場合の学校での指導体制をきちんと整えることとか、もし子供たちがどうしても話を最後、聞いてほしいときのホットラインのようなものの設置はどうかとか、そんなようなことも話をしました。

 それから、読書活動推進フォーラムを11月3日に行いました。手紙、作文コンクールの表彰をしたり、NHKの「こどもニュース」の池上彰さんに来ていただいて講演をいただきました。それからその後で、野川図書館長がコーディネーターということでパネルディスカッションを行いました。鳥取短期大学の安藤さんもパネリストの中に出ていただきました。東伯中の冨本さんだとか、倉吉東高の宮崎君だとか、いろんな方の話を聞きました。

 それから、11月4日にみんなで進める教育県民大会を行いまして、これもパネルディスカッションがありました。それからもう一つは、早寝早起きと脳とのかかわりで有名な神山潤さんの講演もいただきました。

 それから続けて、中国5県の教育長会議が11月7日に山口で行われました。いろんな意見交換をしたんですけども、特に教員免許の更新制の問題ですとか、それから市町村への教職員の人事権の移譲についてなどといった話をしました。

 それから、県立学校をできるだけたくさん見てこようということで、今一生懸命回っています。結構回数を増やしながら行っていますが、11月8日、10日、13日、15日、できるだけ時間があれば回ってました。21校ほど今まで回っています。ねらいは、やっぱり授業をしっかり見てみたいと。子供たちの学ぶ状況、様子とを見たいというのと、先生方の指導の方法を見てみたい。それはすなわち学校の運営とか学校の経営全体が見えるというふうなことにもつながるということであります。あわせて校長との話の中で、いじめですとか未履修の問題についてもちょっと意見交換をしたりしました。

 それから、技術・家庭の中国大会というのが11月9日にありました。これあいさつをさせていただきまして、ものづくりだとか実社会の中で生きて働く知識とか、そういうものが技術とか家庭の中に大事ですよという話をさせてもらいました。

 あとは、それぞれ委員の皆様方にお世話になりましたけれども、中国5県の教育委員会の全員協議会ですとか、それから委員研修とか、お世話になりました。以上でございます。

(委員長)
 それでは、議題に入りますが、本日の署名委員さん、武田委員さんと今出委員さんにお願いします。よろしくお願いします。

4.会議録

議案第2号 懲戒処分の指針等の改正について
教育総務課長 議案第2号、懲戒処分の指針等の一部改正についてお諮りします。
 
資料をめくっていただきまして1ページをお願いいたします。懲戒処分の指針といいますのは、教育委員会では平成16年に現在の指針を策定して、4月から適用しているところです。このたび、御承知のとおり福岡の事件等を踏まえまして、全国的に飲酒運転を中心に、かなりこのような懲戒処分関係の見直しが進んでおりまして、一足早く知事部局の方では、今年の11月1日から飲酒運転関係の処分を厳罰化する内容の改正を行って、これは新聞にも報道されているとおりであります。
 
今回の教育委員会の懲戒処分の指針と、それから「等」と上げておりますのは、教育委員会の場合、懲戒処分関係の規程が一本にまとまっていないといいますか、二本立ての格好になっておりますので、それらもあわせてという意味です。基本的に知事部局の改正方針の趣旨に沿って直す部分と、それから教育委員会独自の改正が必要な部分がありますので、今回それをあわせてやるということであります。
 
それで、まず1ページの1ですが、指針の一部改正ということで、次の2ページの新旧対照表をご覧いただきたいのですが、真ん中辺に改正後の欄で⑦というところがアンダーラインが入って追加になっております。これは今年4月から教育総務課の中にある教育業務改善ヘルプラインを設けております。これについてはヘルプラインを通して自主的に非違行為について自己申告といいますか、例えはおかしいですけど、刑事事件の自首みたいなものだと思いますけども、そういったようなことをしてきた場合には、それは量定をする際の参考にするということで、これは知事部局の方に前からあるヘルプラインについては、知事部局の懲戒処分の指針には書いてありまして、本来うちも4月に設置したときに盛り込むべきところだったのを、今回気がつきまして入れるということであります。
 
それから、もう一回1ページの方に戻っていただきまして、1の(2)ですが、個人情報の漏えい等に対する処分の基準の追加とあります。これは2ページの新旧でいえば一番最後の行から3ページにかけてアンダーラインの引いてある部分ですが、これについても個人情報の漏えいについては他県の規程にもございまして、当然、業務に関する個人情報を漏らしたりというようなことは、従来でもその事案が起これば懲戒処分の対象として検討してきたのですが、明文の規定を整備してなかったということで、今回、この機会に量定の標準例の中に書き加えるという改正をしております。ですから、これは知事部局の方で今回やったものにはありませんけども、今回の改正の機会をとらえて追加するというものであります。
 
それから、1ページの2番に上げておりますのが、交通事故を起こした教職員等に対する処分の基準の一部改正として、これは2ページ、3ページに上げております処分の指針の中には、具体的な量定の基準としては出てまいりませんが、4ページ以下に処分の基準ということで、別の規程の中にその量定の標準例を挙げておりまして、今回、厳罰化の方向での規定の見直しをするというものであります。
 
話が戻りますが、2ページの右側の欄の真ん中辺をごらんいただきたいのですが、懲戒処分の指針といいますのは、すべての懲戒処分についての一番元になる上位の規程ですので、この中に基本的な事項が盛り込んであるわけです。この2ページの一番上のところに、第1、基本事項ということが書いてありますが、これは交通事故違反であっても、その他の事案であっても、すべて懲戒処分を検討するときには基本となる考え方を書いてある部分なのですが、今まで右側の欄のアンダーラインが引いてあるところにありますとおり、但し書きで、交通事故や交通法規違反関係は、別に定めます、交通事故処理基準によるものとするということで除いてありました。これが除いてあったのは、平成16年にこの指針を設ける前から、この交通事故関係の処分基準というのはかなり厳しい内容のものが制定されておりまして、懲戒処分の指針をつくったからといって特にどうこうということではなく、厳しくした基準をそのまま使えばいいのではないかという判断で、この場合は但し書きで除いていたということですが、今回、懲戒処分の指針の中に、2ページの下の方にある標準例というのが挙げてありますが、この標準例の一番最後、3ページの左側の欄の一番下を見ていただきたいんですが、5番ということで、交通事故・交通法規違反関係に、今まで但し書きで除外していました交通事故関係を持ってきました。考え方はさっき言いましたとおり懲戒処分について、上位の元になる規程というのはこの指針ですので、基本的事項は交通事故関係も含めて全てに適用するべきものだということでして、その際に、判断の元になる標準的な処分の目安というのを書いてあるのが処理基準だという位置付けに改めて整理し直したものであります。そのために改正前の但し書きを削りまして、新旧の規定の方に新たに5番目の項目として入れたと。これが形式的なものですが、交通事故関係の規定の整理であります。
 
具体的な中身につきましては、4ページからの処分の基準の規定の方にあります。4ページの表の中の左側の改正後の欄の真ん中辺にアンダーラインを引いたところがありますが、例えば第2の(4)のところには、飲酒運転の者を処分するのは当然ですが、その際に、飲酒の事実を知りながら同乗するなどの行為を容認した職員、例えば飲食店で車で来ているお客に対して酒を勧めたりとか、送ってくれというようなことで助手席に乗って、運転者が飲酒しているのをわかっていながら一緒に運転させたというようなこと、それから事後の隠ぺいに関与するなどというのは、例えば身替わりになってくれとか、それから飲酒運転の事実を隠すために大量のミネラルウオーターを持ってきてがぶ飲みさせたりというようなことが福岡でもありましたが、そういったような行為をした場合には、この職員も免職または停職の処分にするという規定を新たに設けたものであります。この辺は知事部局が今回定めたものと同様の趣旨であります。
 
それから、第2の規定の(1)から(3)の方は改正をしておりませんが、この飲酒運転等で相手を死に至らしめたりといったような場合には免職処分といったような規定が既にありました。その際に、今まででしたら、例えば第2の(2)には、(1)に至らない人身事故、すなわち死ななかったような場合、重傷を負ったりしたような人身事故を起こしたときは、免職又は四月以上の停職の処分ということで、この四月以上の停職から上の中で、範囲で考えるということにしていたわけです。今回それに関係して、(5)として、(2)及び(3)において、停職というのは、前日に飲酒した場合など、飲酒後に一般的に酒酔いがさめたと判断し得る程度の時間が経過している状況において検挙された場合、その他故意によるものとは認めがたい場合に限定して適用するということを、あえて規定を置くということで、安易に停職の方の規定は使えませんよと。逆に言えば大半の飲酒運転関係の検挙は免職処分になるということを規定した。これが厳罰化ということになります。
 
それから、(5)の最後のところに、「なお、この場合において、その後の危険防止を怠る等の措置義務違反をした職員は、その処分を加重する」とありますが、これも今まで運用ではそういったようなことは当然あったわけですが、これらもあわせてきちんとした対応がされていない場合の加重の規定も文言として入れたということであります。
 
それから、4ページの左側の第4が新たに入っておりますが、報告義務違反ということで、上記第1から第3までに該当しながらというのは、処分の対象となる事案を起こしながら、その報告を怠った者については、その処分を加重するということで、これも今までもそういったようなことは考慮には入れられていたと思いますが、明文として書いたということであります。
 
それから、第5は、管理職職員と運転業務従事者への適用に当たっては、厳しい運用を図るということで、先般もどこかの県でありましたけども、交通運転業務を本来業務とするような職員というのは、特にこの飲酒運転についてはみずからを律しないといけないところですが、そういったような職員が飲酒運転で検挙されたときには、厳重な厳しい運用を図るということを明定したものであります。
 
それから、4ページの右側の欄の第5というところを削っておりますが、これは先ほど懲戒処分の指針の方で位置付けを整理したと言いましたが、こちらの処分の基準の中に量定の、例えば免職処分になっていた者も改悛の情等があれば、諭旨免職とすることができるという規定が残るというか、ありますので、これは指針の方の基本事項とダブりますので削ったというものであります。
 
そういったような改正をした上で、今年の12月1日からこの懲戒処分の指針の適用をスタートしたいという具合に考えております。以上です。
委員長 御質問、御意見ありましたらお願いいたします。
委員 この4ページの5番、非常に解釈が難しいとこがありますよね。4ページの(5)の故意によるものと認めがたい場合にとはどういう場合だとか、酒酔いがさめたと判断し得る程度の時間というのは、これ実際に運用する場合は非常にあいまいな部分ですよね。ただ常識的に考えると、次の日の朝、出ちゃったとかっていうのは、ちょっと同情してもいいかなというニュアンスですね。ただ実際問題、そういうのがあったときどっちになるか、例えば4時まで飲んでいて9時に捕まった、どうかと考えると、運用して度合いを決めるときに非常に難しい判断になるのじゃないかなという気がいたします。
教育総務課長 先ほど最初の方にも言いましたけども、懲戒処分の指針の第1のところに基本事項というのがありまして、例えば非違行為の動機とか態様とか結果はどうであったかとか、故意又は過失の度合いはどの程度あったとか云々と幾つかの基準を見たり、それから適宜、日ごろの勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するというのが最後にありまして、ですから、今の但し書きの故意によると認めがたい場合に限定してというのは、その中間といいますか、やはり処分はしないといけないけども、免職というのにするのはこの対応を見て故意にやったのではない、でも不問にも付せないというようなときに、この辺が微妙なところが出ると思いますけども、厳格に運用するための一つの要件に書いたということだと思います。ですから、これに当てはまるので停職にというのはなかなか難しいかもしれませんけど、免職にするかどうかというところを判断した際に、他の免職にした事由と比べてこれも免職とするのはどうかというときの、逆に理由にこの但し書きがないと、それが一切できなくなりますので。やはりこういうやや抽象的ですけども、これが中間にないと運用上非常に困ることになると思います。
委員 ちなみに開業外科医はまず夜酒を飲みません。一般に。それも専門職として、命にかかわる事態に対応できるようにいうことでね。 それで深酒の問題をどうするかということは、結構、教育界以外の方から厳しく批判を聞くことがあるのです。酒臭いようなことで授業に立つというようなことが、生徒を通して保護者に伝わるケースは今もあるんじゃないかと思います。子供、児童生徒あるいは高校生だとかを相手に授業したり指導したりするということは、やはり相当自己規律を持たなければ、安易に裁量権を使って教育指導ができるという、そういう面を保護者とか一般社会が厳しく見ている面があります。今の時代、酒についての教育者としての節度というものを自覚させるような姿勢というか、方向性が必要じゃないかなと思います。今後、教育委員会の指導基準として、ひっかからなかったらいいというのでなくて、最低基準をもう少し上げる必要があるのではと思いますが、いかがでしょうか。ちょっと微妙ですが。
委員 最終的には総合的に判断しなくちゃならないということですよね。いろいろ指針はあっても、最終的には委員会の方で責任を持って判断するということですよね。
教育長 大きな原則として免職というのがあると。大きな基本的な方向性はあると。ただ、さっきのような二日酔い的な感じの時とか、どうするかっていうときは、今おっしゃったように総合的にいろんな状況、時間だとか量だとか、いろんなものを総合的に判断しなくてはいけないということになると思いますけどね。
委員長 指針の問題は指針の問題としてきちっと抑えといて、あとは委員のおっしゃったのは、もう一つ別の角度からあるんですけどね。
教育長 これはこれでまた別の話をしなくてはいけませんね。
委員 どう教育委員会が指導するかっていうこと、非常に難しいです。ここで議論しているようなことが完結できるような取り組みは、今の実態を見るとなかなか調整するのは難しいと思いますね。だから、そういう職業倫理というものについての自覚ということを一方で促しながら、この懲戒処分の方針を貫いていく方向は今の学校教育が置かれている厳しいものを考えたら、もっと厳しいものになりますよということを徐々に浸透させていくということが課題ではないかということになります。
教育長 そうですね。また校長会等でその辺の話はしたいと思います。
委員長 印象として、学校の先生方よく飲まれますね。
教育長 ええ、飲みますよね。
委員長 ものすごいそういう印象を持っていますね。飲むことが悪いことではないのですけど。
じゃあ指針の問題としては、これをきちっとするということでいいでしょうか。原案のとおりで。では議案の第3号。
   
 
議案第3号 平成19年度鳥取県立高等学校専攻科入学者選抜実施要項について
高等学校課長 それでは、議案第3号、平成19年度鳥取県立高等学校専攻科入学者選抜実施要項についてでございます。
 
募集高等学校及び募集生徒数ですが、専攻科を設置しておりますのが3校でございます。募集生徒数は、平成18年度から各学校10名ずつその前の年より減らしておりまして、50人、70人、50人でございます。この形で平成20年度までしまして、鳥取東と米子東が21年度から募集停止という計画になっております。
 
出願方法等ですが、内容的には昨年度とほぼ変更はありません。入試時の曜日との関係で日にちあるいは曜日の変更をしたものでございます。
 
それから、5の(3)学力検査の教科のなお書き以降ですが、昨年度は教育課程の新旧のちょうど間にいた受験者がおりましたので、移行措置を実施しました。今年度はそれもなし、新課程分で教科を定めるというようにしております。以上でございます。
委員長 質問、御意見ありましたらお願いします。よろしいですか。では議案第4号をお願いします。
 
議案第4号 平成18年度末公立学校教職員人事異動方針について
高等学校課長 それでは、議案第4号、平成18年度末公立学校教職員人事異動方針についてでございます。
 
1ページをお開きいただきますと、これが人事異動方針でございまして、昨年度のものと変更はございません。
 
1番のすぐれた資質・能力を持つ新進気鋭の者を採用するという、これは教員採用についてでございます。2番は管理職登用について。3番は幅広い人事交流と校種間交流、教職員の適正な配置についてでございます。4番は同一校勤務、長くなるのを排除すると、あるいは短期間過ぎる異動は避けるということでございます。5番はへき地教育を初め、そこに上げてありますようなそれぞれの教育の充実を図るために、教職員の適正配置を行う、あるいは人事交流を行うということでございます。それから6番は市町村教育の内申、あるいは県立学校では校長の意見具申を尊重するという教育方針でございます。
 
2ページをお開きください。その方針を受けて、これは人事異動取り扱い要領を定めるものでございます。
 
これにつきましては、変更した部分だけ御説明させていただきますと、まず1ページ目は県立学校についてですが、2番の教職員人事についてということで、(1)番のイの2行目ですが、校種間等の幅広い人事交流を促進するというぐあいに掲げております。昨年度は、等の幅広いというのがございませんでしたが、これは学校間、地域間、郡市間はもちろんですが、他県との人事交流も常に意識しているということで、それを踏まえて入れたものでございます。それから、その次のオでございますが、オにつきましては、高等学校で人事異動公募制度を導入しておりますので、そのことを入れたものでございます。
 
3ページをお開きいただきますと、(2)番のイの事務職員、司書につきましての勤務年数でございますが、原則として4年以上というようにいたしました。昨年度までは5年以上というようになっております。知事部局との交流も踏まえて年数を4年にしたものでございます。それから、ウの事務職員の後に司書というのを加えまして、それにつきましても学校以外の職場との人事交流に努めたいと考えています。それから、エの実習助手について上げておりますが、これは先ほどの教員の場合の公募制度に上げたものと同様の趣旨でございます。
 
それから、5番の(2)番、退職の促進という項目でございますが、これは昨年度、勧奨退職というようにしておりまして、基本的には昨年度の趣旨と同じでございますが、アの心身の状況等の事情がある者につきましては退職を促すと。それからイとして、学級数の減少等に対応するため、退職を促進するという項目を入れております。
 
4ページ以降は、小・中・養護学校の取り扱い要領でございますが、基本的には先ほど御説明しました県立学校と同じでございます。
 
5ページの一番最後の4番の(2)番、退職の促進という項目でございますが、これも昨年度は勧奨退職となっておりましたが、表現をこのように変えております。以上でございます。
委員長 御質問、御意見ありましたらお願いします。
委員 3ページ、5ページの最後の学級減による退職を促進するというのがありますが、法的にはできることなんですけども、これはどういう考えで我々理解したらいいでしょうか。あり得るということで、実際にはどのような運用にされるわけですか。
高等学校課長 これもあり得るということで、もともとそういう学級減とか再編数を読んで人事をしておりますので、この要項に上げて即何名かを退職の勧奨をするということは、県立の方ではございません。
委員 はい、わかりました。
委員長 妙な事を言いますけども、定年退職後の多くの先生方はどうして過ごされているんですかね。というのは、趣旨が、今、雇用の問題からいうと65歳までの雇用を確保しようという動きで、民間企業、全部それに動いているんですね。公務員とか教員の先生方も今後、それ検討材料だと思っています。かなり大きな問題になっていると思うわけですね。そういうことを踏まえて考えると、今の実情はどうなのでしょうかという話なんですけど。
高等学校課長 再任用の制度が入ってまいりまして、希望された場合、その定数の問題もございますが、そこで再任用の教諭として勤務をいただいてる方もございますし、あるいは再任用でなくて一般的な講師という身分で、高校の場合ですと高校で教えていただいてる方もございます。あるいはもうそういう学校で勤務することはしないというお考えの方もいらっしゃいますので、その方はお考えのとおりで。すべての方が再任用なり講師で学校で勤務されているということはございません。
委員長 これの大体の率はわかりますか。
高等学校課長 ちょっと今、手元にございませんが。
委員長 またちょっと今後の話として教えていただけますか。
高等学校課長 はい。
委員 ほかにはどうですか、今、率として女性の先生が小・中は多いですが、退職後まで何かもうほとんど働きたくないということをよく聞くのですが。もう疲れ果てたと。教育委員としては年金をもらえるまでのことを心配してしているんですが、事務局では、今の制度のままで全部こちらはできますからというように言われて、やっぱり何か、全然一般とは違いますね。我々は、教員の考えていることや、おかれている現状について正しく理解しておかないといけないのではないかなと思います。
委員長 そのうちに思っているほど年金もらえないようになりますね。それとの絡みもあると思うんですね。
教育次長 鳥取県の現状として教員の年齢構成とか、そういったものを見たときに、新陳代謝をやっぱりやっていかないといけないという現状がありますので、再任用を積極的にという気持ちはないです。むしろ勧奨と、優遇措置ができませんけども、身を引いていただきながら、そして少しでも年齢構成がまた同じような状況になりますので、そのあたりのところを考えたいというふうなところでございます。
委員長 大きな体制が、例えば将来的に65になったら、今度は入れるところとのバランスの量を考えとかないけないようになって、それがどう変わるかわからないと思いますよ。企業も初め55だと思っていたのが、今65だって言われてるわけですから、そのことも念頭に入れたことをちょっと作戦を考えていかなければいけないと思いますからね。
確かに教育ということからいうと、今おっしゃったように新陳代謝がどうだ云々という話があるけど、一方で雇用還流の問題という視点からいうと、また違ってくると思うので。
委員 来年度の学校数、学級数はどのぐらいの減になるのかわかりますか。
小中学校課長 小中学校ですが、来年度、まず学校の今後の予定ですが、鳥取市の旧青谷町の5小学校が名目統合で、学校は1校ですが校舎が2校ということで、現実には学校が3校減るという予定でございます。そのほかの日南町の方とか江府町の方は統合が検討されておりますので、これは来年度ではないですが、近い将来には統合が見込まれております。
それから、学級数ですが、これは子供たちの転出入によって数字は動きますので、確かな数字はありませんが、推計では小学校で20学級程度は落ちるものと思います。中学校は、19年度についてはほとんど変わりません。将来的には、やはり統合が進めば、さらに学級減も進んでいくものと思われます。以上です。
委員 この退職の促進ということが出て、これは去年までは退職の勧奨だということだったんですけど、早期退職の優遇措置とか、そういうのはないんですか。
高等学校課長 早期退職は7月末だったでしょうか、ぐらいまでにその手続をしないとその対象にならないということで、この退職を促進するというのは、勧奨退というのは退職が有利になりますので該当すると、そういう措置がとれる方は、その勧奨退扱いができる、ということで、その対象にならない方は、通常の自己都合の退職扱いにするしかないんですが、それも含めて退職を促進するというぐあいで。
委員 そうですか。早期退職による優遇措置の適用期限についてですが、6カ月前の7月末というのは変えられないでしょうか。例えば、8月以降に急に親が病気になったりして、家庭の事情でやめなければいけないということが起きた場合、その時は気の毒だけど救済措置にはならなかったですが、今も、ずっと昔からの6カ月前のままですか。
高等学校課長 そうです。早期退職の制度ができてから、その形で来ていると。
委員 検討の余地がないですか。今はいいですけどね、今後、高齢化社会を配慮した見直しとして、何かそういうことについては。
教育次長 勧奨扱いでの退職を認めないという方向になりますので。ただ、しかし勧奨ではないんですけれども、どうですかということは促進をしていきながら、年度末に優遇措置を受けるということであれば、次年度の7月までにということになりますから、少し今、揺らしながらいこうということですね。
委員 じゃあ今はむしろ促進のための。
教育次長 早期退職につなげていくというための促しという格好ですね。
委員 わかりました。
委員長 ちょっと教えてほしいんですけど、先ほど再任用とか講師とかあったんですが、そのときの賃金というか、労働条件はおおむねどんな感じになるんですか。再任用された場合の賃金体系はどうなるかとか、講師になられたときはどうなるかとか。
高等学校課長 再任用の場合は、その給与表がございますので。
委員長 例えば従来100だとするとどんな感じですか。
教育次長 かなり厳しいですね。
教育長 6割とか。
教育次長 一般の講師任用がありますから、その場合は半額以下になります。
委員長 講師はそう毎日来なくていいんでしょう。
高等学校課長 常勤の場合は毎日です。
委員長 再任用の場合はどんな感じですか。
教育長 6割ぐらいとか、ちょっと調べてみないとわかりませんけど7割ぐらいの給与になるんじゃないかと思っています。もちろん常勤で。
委員 学校数が減って、生徒さんの数が減るという中で、やっぱり職場が減るんで退職を促進するということは必要かなと思うんですけど、何とか将来の不安がないようにというか、なるべくその辺を。今ごろはそうはいっても町村の方で学校数が急に減る計画を立てられたりとかで、なかなか読めないし、計画が立てられないと思うんですけど、何とか先生方のモチベーションが将来不安で落ちないような形にしてもらいたいなというふうには思います。やっぱり退職を促進するというのは、新陳代謝もあって活性化するっていう面もあるけれども、将来の不安とかということを考えると、逆にモチベーションが落ちると。もうずっといっても先々いつ勧奨されるかっていうか、勧奨っていうことはないということなんですけど、退職を進められるかなということで、将来不安からモチベーションが下がるということもあるんじゃないかなということを私は懸念しますが、その辺はどうなんですかね。
教育長 そうすると今の学校数や学級数の減少に対応するための退職の促進というのはない方がいいんじゃないかという、そういう見解ですかね。
委員 職場がなくなるし、現実に仕事がなくなる、必要人員が少なくなるということで、それは現実的には促進をせざるを得ないんだろうけれども、その中でも計画的になるべくそういう方が少なくなるような形でいろいろ募集とか人員配置を考えていただきたいなということです。やっぱり仕事が少なくなる、学校が少なくなると、必要人員というのはおのずと少なくせざるを得ないんですけれども、なるべくその辺のところは、退職をしていただくという人が少なくなるような形で持っていって計画を立てていっていただきたいなということと、やっぱり残られる先生方にとっても将来不安とかということをなるべく感じさせないようにして、モチベーションが落ちないように、教育の熱意が持てるような形の人事が何とか、難しい中だけど工夫をしていただきたいなというふうに思います。
教育長 この夏行った採用試験、来年採用の人たちですけども、小学校、中学校はそれぞれ60人とか40人あったのを20人ずつ、小学校、中学校を落としてきたんですよね。これはちょっとほかの要素も若干あるんですけれども、それもこれから先の学校数、再編等をされて学校数が減ったり学級数が減ってくるということをにらんで落としてきてますので、ある程度のことはもちろんちゃんとしてやってますけど、予想を超えていくような、急にどんどん市町村の方が再編成をしていくということはあり得るんですよね。それから、さっきの新陳代謝的な意味合いもあって、若い人は本当に少なくしか採用できなくなると困ってしまうなという、その辺のところをいろいろ考えてなんですけど。文言としてあんまりこれがあるとモチベーションも下がっちゃって、本当に何か困ってしまうっていうんだったら、また再考しなきゃいけないかもしれないし。
委員長 僕は、65も視野に入れながらという話をしましたが、一方で終身雇用だけじゃなくて途中でどんどんお辞めになる先生がいてもいいなというふうに思っているんですけどね。そういう両面を考えていかないといけない。一回入ったらずっといきますよという発想ではない、そういう教員のあり方というのもこれからのテーマになってくるだろうと思っています。企業も大体そうですね、終身雇用が崩れてきてますよね、一方で。だから指導力不足とか自分がもう限界感じている40代の先生がぱっとお辞めになるというのもあっていいんじゃないかとか、一方でそっちも考えたいという。
委員 教育の問題というのは本当に根が深いんですけどね、活力ある教育集団を確保・維持するためにどこから手をつけて変えていくかって、色々な試みがでるが、いつもしりすぼみにもなっているんです。鳥取県は鳥取県の小さいところを生かしてわりと賢くしてきたという面はありますが、力ある教員が力ある仕事をするというための採用を何が何でもやっていくんだという思いで取り組んでいくことが大事です。今、私は委員長さんが言われたような雰囲気こそ大切だと思うんですね。人生の途中であろうと教員をやってみたいという人で、優秀なら採るとか、教員は向かんなとかえらいなと思ったらやめてもらうという、そういうふうにして絶えず健全な活力ある先生方の、血液が教育界に流れていないと、やっぱり学校教育の建て直しの効果は薄いと思います。しかしそういう新陳代謝をやっても、学校に入ってみて違うなというときに、あるいはまた、その先生に欠点があればきちんとサポートしていい先生に育てるというようなことが必要です。そういう人材が30代でも40代でもあれば、そして増えていけば、私は本当に学校現場の活性化とか教員指導力とか、保護者との信頼関係においてももっとぐんと高まっていくんじゃないかなと思います。大きな制度改革も必要ですけど、さっき言ったように制度改革は非常に教育の世界は難しい面がある、つまり実効性を発揮するまでに時間がかかるという問題があると思うのです。教育長さんもそういう姿勢で物を見ていくようなリードをぜひお願いしたいなと思います。多分私はいいことがたくさんあると思うんです。
委員長 多分詰めれば教員の問題だと思いますからね、ここをよくすると随分変わってくると思うんですね。やっぱりこういう雇用システムをどうするかというのは、ちょっと恒久の問題があるなと思うんですけどね。
委員 モチベーションという話がありましたが、先日、京都に視察に行かせてもらったり、今回いろいろ勉強させてもらいましたが、その中でやはり校長のリーダーシップだなというものを非常に強く感じました。やっぱり校長先生方が将来が描けるようなシステムが非常に重要だなと思います。
今60歳定年ですが、定年であっても、じゃあそこから先どのように自分の人生が描けるかということではないかと思います。鳥取県の事情もいろいろありますが、島根県に私も友達が結構いるのですが、島根県はやめた人が再任用という、正式じゃないんですけれども講師という形で結構入っていて、いろいろ問題のある学校なんかでその力を発揮したりしている人がいるのですが、鳥取県はそのような状況はどうなんでしょうか。
やっぱり今、携わっている教頭先生、校長先生方が、自分の学校をこんなふうによくして、子供たちを変えるんだという明るい展望が見えるようなシステムが非常に重要だなという感想を持ちました。
鳥取県のやめられた先生方が講師でも入っておられますかね。
教育次長 中にはありますけれども、やはり今それよりも若返りの方が今、緊急な課題であるということになりまして、下手をすれば義務教育の、特に小学校においては、後数年後には教員の半数が50代になってしまうという状況がありますので、これ何とかせないけないというところです。さまざまなところを他県との人事交流等も含めて、何とか穴をあけて採用を確保したいというのが今の事務局の思いですね。
ですから、必要な先生については、また、そういう場合で、個別の場合において、やっぱりベテランの先生に入ってもらうということはあり得るけれども、大きな流れとしては、やはりこの年齢構成をまた同じことをさせてはいけない、30年前と同じことなんですね。これがまた来ますので、これを何とか防がなければいけないということがございます。採用ゼロということがないような、こういうことをするためにも、やはり退職を促していくということが必要なんじゃないかというところで頭を今痛めているところでございます。
委員長 指導力不足云々というのは、案外40代50代に多かったですね。むしろめちゃくちゃ若いところなんかじゃなくて。やっぱりあそこら辺に上手なメスの入れ方というのはないのかなと思いますけどね、一方で。
小中学校課長 済みません、一つ訂正を。先ほど学校の統合の予定で、鳥取市の旧青谷町で5校が3校減って2校になると言いましたが、あと大山町で本年度、名目統合で名和小学校が現在西校舎、東校舎の2つの校舎で授業してます。これが2校というふうに変わりますと、来年これが実質統合し1校になりますので、マイナス1ということで、合わせて学校としては4校減ると、訂正をさせていただきます。
委員長 この方針については、皆さん、さほど異論があるわけじゃないんですけど、今後の雇用のありようとか、教員のありようと、また別の機会に協議をしていただきます。
ということで、第4号議案はよろしいですか。
では、そのようにします。議案は以上で終わりまして、以下、報告事項に入ります。報告事項のア、お願いします。
   
   
   
報告事項ア 教育委員会事務部局人事について
教育総務課長 それでは報告事項ア、教育委員会事務部局人事について御報告いたします。
 
資料は1ページだけですが、ご覧いただけますでしょうか。今回は、課長補佐以下の事務の職員7名の異動でありまして、11月15日付で行うものであります。
 
松島室長補佐以下7名ですが、残る職員につきましても3月末まで全員がいるということではなく、教員が中心になると思いますが、教育委員会からの異動等ということで、また御報告することになろうかと思います。以上です。
委員長 何か御質問がありますでしょうか。なければ報告事項のイ、お願いします。
   
報告事項イ 処理に困っている通帳等に関する追加調査結果について
教育総務課 処理に困っている通帳等に関する追加調査結果についてということで御報告いたします。
参事  
  処理に困っている通帳などがないかということで、9月の終わりから10月上旬にかけて一度調査をいたしまして、その状況につきましては、前回の教育委員会で御報告させていただいたところでございますが、今回はこういった機会ですからロッカーや金庫の中をもう一回見てもらって、何らかのそういったものがないかということで調査しました。
   
  資料の1枚、1ページおはぐりいただきたいと思います。県教委がいろんな事務局をしているような任意の団体というものがいろいろあるんですけども、そうしたものをもう一回出していただいて、今後の経理処理の透明化を図っていこうとか、あるいはきちんとした仕組みがないためにちょっと困っているような事例、そういったものを聞いて調査をして上がってきたものを御報告させていただくものでございます。調査対象機関としては、前回と同様でございます。
   
  調査いたしまして、その結果のこの4番というところで記載させていただいておりますが、このうちの4の(1)の1番、2番、3番、6番、これはロッカーとか金庫の奥、今回探してみたらこういうものがありましたというので報告のあったものでございます。
   
  最初のものは、これは教育総務課なんですけど、教育関係職員録を以前は鳥取県教育調査研究協会というところで発行しておりました。今は互助会の方で出しているんですけども、どうも当時の名残のものが出てきたというものでございます。2番に出てまいりますタクシークーポン、これにつきましては平成9年度からはきちんと受け払い簿で管理するようになっているんですけど、どうもそれ以前に購入してたものが埋もれてたというものでございます。
   
  さらには東部教育局で切手ですね、3万いくらが出てまいりましたが、これは現物、私も見てきたんですけど、切手の裏側ののりがもうございませんでした。というのは、何かに張った切手を水なんかではがしたような状態のものばかりでございましたので、これも不正にということでなくて、何か郵送しようと思って張ったけども郵送しなくて済んだ、だから捨てるのがもったいないということではいでためていたというものでなかろうかと思われます。
   
  それから4番、5番、博物館の関係でございます。この特に4番ですけども、金額的に20万円というものの今回報告がございました。これは博物館の受付業務で当然つり銭を出さないといけないとか、お客さんが来られてちょっと両替してくださいよというような場合が多々あるわけでして、そういった業務のためにそういったお金を用意していた。これはもう昭和47年の開館当時からこういった現金というものはあったということでございます。これを今回報告がございました。ただ、おくればせながらといいますか、今年度からこういった金銭とか両替用のお金というものが正式に資金前渡という格好で処理できるようになりました。これは今年度からこういった制度ができて、博物館の5月の終わりごろから新しくこういった資金前渡制度に改めて、現在では運用しているということでございます。
   
  それから5番目は、落とし物とか忘れ物等の現金でございまして、これは電話代等でつり銭をとり忘れたものですとか、あるいは玄関に落ちていたとか、そういったような金銭、忘れ物等の現金、これ大半が小銭でございます。そういったようなものが今回博物館から報告が上がってまいりましたが、そういったものです。
   
  あと経緯不明なものということで教育センターから、これもふだんは使わないロッカーをこの機会だからということでちょっと整理してもらっていたら出てきたというものでございました。
   
  これらについての方針ですけども、一番最初の教職員録の作成にかかわっていたと思われるものについては、これは職員互助会の方に今、教職員名簿は職員互助会に作っていただいてますので、そちらの方に引き継ぐと。それから後、博物館の落とし物、忘れ物等の関係は、一度警察の方に相談してみたらどうかというふうに方針等は考えております。それ以外のものについては、県の方に必要な手続を経た上で繰り入れていくというようにしたいと思っております。
   
  それから、(2)番目ですけども、これはきちんとした仕組みがなくて経理処理に困っている事例ということで、人権教育課の方から上がってきたものでございまして、これはいわゆる奨学金を返す人に納入通知書を出すと。県内の場合でしたら金融機関、合銀でも鳥銀でもいろいろそれを持って払いに行けるところというのはたくさんあるわけでございますが、特に県外になりますとそういった指定金融機関というのが余りございません。当然、鳥銀だ、合銀だという支店が県外は特に余りないわけですし、都市銀行なんかでも特定のところは都市銀行で取り扱いをしてくれるんですけども、そうでない地元にそういうのが余りないような場合は、なかなか納入通知書を持っていっても払えないというようなことがあるものですから、そういった方の便宜を図るという意味合いで、人権教育課の方で口座を1つ用意しておられて、それに返還するお金を振り込んでいただくと。本人の都合がいい銀行から振り込んでいただくと。それが振り込まれたら人権教育課の職員が通帳からおろして、納入通知書を再発行という格好でもう一回プリントアウトして金融機関の窓口に納入するというような仲立ち的なことに使っていて、こうしたことも本来は直接そういった納入通知書で返還されるのが理想ですので、そういったようなことについて、これも関係機関の方に検討を依頼していこうというのでございます。
   
  それから、一番最後は、県教委が事務局を行っている団体、これはいろいろあるんですけど、その中でも特に経理の透明化を図る必要があるというふうに判断したものを2つ御報告させていただいてます。これは経理などの出し入れとか、そういったことを担当者が中心になってやっていて、外からチェックされるような仕組みというようなものが現在のところ余りないということで、今後そういったようなものを検討していただくということで、この教育総務課と図書館の2つの任意の団体というものを御報告させていただいております。
   
  おはぐりいただいて、あと一覧表それぞれおつけしております。今回の再点検の関係で上がってきたもの、それと先ほどの任意の団体の関係のもの。ここに経緯等は書いておりますが、先ほど私が申し上げたような状況でございます。
   
  今回の追加調査については、報告は以上でございます。
委員長 何か御質問等ありますでしょうか。よろしいですか。
じゃあ次に行きましょう。報告事項のウ、お願いします。
   
   
   
報告事項ウ 「読書活動推進フォーラム」の実施結果について
家庭・地域教育課長 「読書活動推進フォーラム」の実施結果についてでございますけれども、先ほど教育長の方が内容につきましてお話もされましたので、本当に簡単にさせていただきたいと思います。
 
11月3日に倉吉未来中心で池上彰さんを記念講演の講師にお迎えして、内容につきましては、大変「テレビの人間も実は本が大好きだった」というような内容でしていただきました。あと午後ですが、パネルディスカッションで野川県立図書館長をコーディネーターにして4名のパネラーの意見などをいただきました。とってもいい会だったと思います。そのほか、手紙、作文・小論文コンクールの表彰式、それから展示も皆さんに見ていただきました。530名ほどの皆さんがおいでいただいたのですが、特に午後は鳥取短大の学生がたくさん来てくださいまして、本当に質問等もしていただいて、大変いい感じでできました。ありがとうございました。以上でございます。
委員長 何か御質問がありますでしょうか。
多分、図書館司書を受講している学生たちを行かせたんだと思うんですけど。
それでは、報告事項のエ、お願いします。
   
報告事項エ 青谷上寺地遺跡建築部材について
文化課長 報告事項エでございます。青谷上寺地遺跡から特徴のあるものが出てまいりましたので、既に新聞報道で御承知かもわかりませんが御説明いたします。
 
1つは弥生時代の最長の柱でございます。もう1点は、日本最古の蟻棧(ありざん)ということでございます。中国の歴史書の「魏志倭人伝」の中に、楼観、これは「楼観、城柵、厳かに設け」というくだりがございます。それを現物で裏づける実証でございます。
 
この柱でございますが、長さが約7メートル、直径は17センチでございますが、柱の途中に横架材、横向きに刺し入れる材でございますが、それを入れるぬき穴が2カ所90度に直交する形でくり抜かれていたということで、当時の楼観を物語る出土でございました。これは平成10年度から13年度にかけて青谷で出土していたわけですけども、このたびインターネットでデータベースを作成する中で調査しておりましたところ、こういう特徴が発見されたものでございます。
 
もう1点は、日本最古の蟻棧「ありざん」と読みますが、これは板材の断面に台形の溝を彫って、この板が反り返らないように施されたものでございます。当時の金属加工の非常に高い加工技術を実証するものでございます。出土例としては日本最古のものということでございます。
 
既に先日18日でございますが、環境大学の浅川先生に現地で説明会をしていただいたところでございます。一般公開につきましては、11日から既に始めておりまして、訂正をお願いします。26日の日曜日まで、午前9時から17時まで現地の展示館の方で公開しておりますので、ぜひ足を運んでやっていただきたいと思います。
 
2ページは、その柱と蟻棧と楼観の復元図でございます。以上です。
委員長 何かございますか。では、報告事項オ、お願いします
   
   
報告事項オ 青谷上寺地遺跡史跡整備活用フォーラムの開催について
文化課長 報告事項オでございます。もう1点、青谷関連でございますが、9月の議会の約束事項でもございましたが、今、国の史跡指定に向けて、地権者の同意を積極的にとっているのですが、地元の皆さんを中心にこの青谷の史跡整備につきまして構想を練っていただきたいということで、この木曜日23日に青谷の総合支所で開催するものでございます。
 
この会議は、矢野先生、これは「史跡整備における現状と課題」ということで、専門的なお話をしていただくと同時に、先進事例といたしまして安国寺集落遺跡といいますと、大分県の国東半島でございますけども、弥生時代から古墳時代初めの低湿地の集落遺跡でございます。静岡県の登呂に対しまして西の登呂遺跡と称せられる平成4年に国史跡に指定された遺跡でございます。ここの金田先生と、もう1点は戦国大名、朝倉氏の本拠地、一乗谷の遺跡の水野副館長さんですね。ここは昭和46年に国の特別史跡に指定されております。こういったお二方に先進事例を交えながら講演いただきたいと考えております。その後に中原室長以下パネリストをお迎えしてフォーラムを開催することといたしております。以上でございます。
委員長 何かございますか。よろしいですか。
では続きまして、報告事項のカ、お願いします。
   
報告事項カ 第4回鳥取県ジュニア美術展覧会について
文化課長 報告事項カでございます。ジュニア県展について御案内いたします。
去る10月31日に審査会を開催いたしまして、知事賞以下123点の入賞、入選作品を選定いたしました。入選作品含めまして1,589点ということでございました。
今年度は、そこの巡回展のところで、右端に書いておりますが、各地域の出品作品のうち入選された作品を各地域で展示することといたしました。これが去年より変わった点でございます。ことしも総数4,000点を超える出品があり、12月9日を皮切りに開催するものでございます。
別冊で作品一覧とカラーコピーをつけておりますので、そちらもごらんいただきたいと思います。以上です。
委員 件数4,000点ということでしたが、ちなみに昨年、一昨年とか、推移のことについてお聞かせください。
文化課長 初回が15年度から始めたわけですけども、初回は約5,000点を超えておりました。2カ年目が約3,600点、ちょっと減少いたしましたが、昨年が4,260点、今年度が4,092点というものでございます
委員長 報告事項のキになりますでしょうか。お願いします。
   
   
報告事項キ 平成18年度地域文化功労者文部科学大臣表彰の受賞者について
文化課長 報告事項キでございます。地域文化功労者の大臣表彰受賞者でございます。
 
そこに掲げております芸術文化の面で山枡行雄さん、87歳になられます。それから文化財保護関係で江尾十七夜保存会、このお二方に表彰が決定いたしました。表彰は11月13日、既に終わっておりますけども、東京で開催されております。以上でございます。
委員長 よろしいでしょうか。では報告事項のク、お願いします。
報告事項ク 三徳山の世界遺産暫定一覧表への追加に向けた取組について
文化課長 報告事項クでございます。三徳山の世界遺産への動きについてでございます。
経緯でございますが、ことし9月15日に国の文化審議会の中に世界文化遺産特別委員会というものが設けられました。文化庁の方では広く地方自治体から提案を受けて、この特別委員会で選定をするという方針が示されました。
このたび三朝町と県とで共同で、三徳山を世界遺産、これ暫定一覧表でございますが、まずユネスコに出すためには国内で暫定一覧表に載ることが不可欠でございます。
提案のコンセプトといたしましては、良好な自然、それから修験道の精神世界、投入堂を初めとした建造物群、こういったことを大きな柱として、今コンセプトを検討中でございます。提出期限が今月末となっておりまして、今、三朝町なり文化観光局とともに提案書について作成を鋭意努力しているところでございます。
今後の日程でございますが、大体1月ごろにこの特別委員会が設けられまして、そこで国内から出てまいりましたものの選定がなされるというスケジュールになっております。以上でございます。
委員長 これは数の限定なんてあるんですか、国内推薦の。
文化課長 それはございません。
委員長 それはない。よければ全部推薦。
文化課長 はい。
委員長 よろしいでしょうか。
じゃあ報告事項のケ、お願いします。
報告事項ケ 特別展「-鳥取藩御用絵師- 沖 一峨」の開催結果について
博物館長 報告事項のケで、特別展の鳥取藩御用絵師の沖一峨展の開催結果につきまして御報告します。
今年度からこういう特別展につきましては、やったあとの開催結果と評価を教育委員会に報告させていただいております。「遠い海」に次いで特別展の関係では2回目になると思いますが、1ページからその開催結果の概要を書いております。
まず、入館者数が7,607人ということで、予算要求したときといいますか、この事業を組んだときのスキームでは5,000人を目標にしておりましたけども、1.5倍ぐらい入ったのでよかったかなと思っております。
それから、調べてみますと過去15年間の美術展で、水木しげるさんのがすごく多く入ったんですが、それに次ぐ多さということであります。もっとずっと開館以降で全部調べますと、開館直後に8,100人といって前田寛治の作品展があったのですが、これは開館直後ということで、追い風参考みたいな記録かなと思っていますので、かなり高い記録になったんじゃないかなというふうに評価しております。
アンケートをしっかりとっておりまして、3番のところ以降に書いておりますけども、特に大きな特異な事はないんですが、2ページの上の方で何でこの展覧会を知りましたかというところがあると思うんですが、ポスター・看板が、最近ここのところが、ほかの展覧会もそうですけども、ここで来る人が増えております。逆にポスターとか看板にちょっと力を入れております、こういうことを踏まえて。例えば今回ですとジャスコ北店といったようなところに大きく出しました。初めて出しました。それからあと今井書店にはずっと出しているんですけども、それ以外にも例えば西町の県の総合庁舎の前、車で朝通勤するときは車が止まって、信号で止まってちょっと渋滞が続きますけど、あのあたりにも出したりして増やしております。
それから展覧会の印象がその下に書いてあります。大変よかった、よかった、1人だけ悪かったというのが、これは確か照明が暗かったみたいなことを言われた方ですが、かなり高い満足度を記録しましたということです。
主な意見のところに、評価された点と、それから問題点・苦情を書いております。まず苦情の方からいきますと、やはりもっと宣伝をしてはどうかと言われますし、駐車スペースが、これはずっと課題になっているんですが少ない。照明が暗い、暗い照明については、ちょっと注書きを出しておりますが、読まれてない方がやっぱり何でこんなに暗いんかなということで、資料の保存のためだということをきちんと書いているんですが、見られた方はそうかそうかという感じになるということです。
評価された点も幾つか書いておりますけども、一番ちょっとここで報告したいことが、一番最後のその他のところに書いてある所見でございます。今回の展覧会の大きな特徴がこれでありまして、今回は県外の専門家、研究者、近世の美術の研究家ですとか、大学の先生とか、各美術館の学芸員とか、そういう研究者、専門家の間で非常に大きな関心を呼んでおりました。チラシでまず見て、御用絵師を取り上げた展覧会というのは全国でもほとんどありませんので、どんな展覧会ができるのだろうということで非常に関心を呼んだと。そのうち図録のしっかりしたのが送られてきて、かなり皆さんが驚かれたということで話題になって、かなりの方が実は鳥取県の方においでになりました。近世美術界の開祖と言われるような人たちがたくさんやってきておりますし、大学の先生方も学生を連れてやってきております。武蔵美の学生さんとかやってきております。そういうところが今までなかったことであります。逆に言いますと今回のこの展覧会によって、私どもの博物館の学芸員の、何ていうのでしょうか、がかなり評価されたと。近世の美術の研究家として大きな確固たる一歩を築いたのじゃないかなと思います。山下という学芸員ですけども、山下学芸員の名前はこの近世美術の研究者の間で非常に今回で有名になったということでございます。大きな励みにもなったと思っております。それと鳥取の近世の美術、芸術が非常に高いレベルであったということがあわせてアピールできたのじゃないかなということが一番大きな点です。
あと、その他にも書いてありますように、ポスターのデザインが非常によいということで、展覧会が終わったらポスターをぜひ下さいというのが殺到しておりました。今回ポスター、チラシを今までにないぐらい非常にこだわりをもって何度もやり直しをさせました。県民に受けるということもそうですけども、ポスターを見ただけで来るようなものにしたいということで、何度もデザイナーにやり直しをしてもらいました。展覧会に来ていた人、先ほどの満足度でもありますように、来た人はほとんど満足いたします。だから展覧会に足を運んでもらうと満足させるだけの、感動させるだけの中身はこちらは自信があるので、ただないのが足を運んでもらうという誘因ですので、そこにポスターのデザインにかなり気を使ったということでございます。
それから、今回、高齢者の福祉施設だったんですけども、入所されている方にバスを差し向けて来てもらうという、バス招待事業をここに活用して、約100名の方にも来ていただきました。沖一峨の絵ということで、江戸時代の軸物が多いものですから、非常に年寄りの方も大変きれいだし、感動して喜んで帰られたことが、ちょっと印象的でありました。以上であります。
委員長 何かありますか。
委員 言うならば、もうちょっと伊藤若冲とか、そういう絵についても、こういうものもしていますよということを、もう一言添えて宣伝してほしかった。
博物館長 おっしゃるとおりです。伊藤若冲とか江戸琳派の巨匠たちが実はいたんで、最初はもう沖一峨展で発してたんですけども、もったいないな、もう少し副題とかで示すとかしたらよかったなと思ってます。後からのチラシの中にはかなり酒井抱一とか名作を意図的にたくさん入れるようにしましたので。
委員 やっぱり抱一と若冲のものが来ているということは、これでもっと宣伝効果が出ただろうと思うんです。
博物館長 少しそういうところを反省して、今後気をつけたいと思っています。
委員長 よろしいですか。ではどうぞ。
委員 感想ですけど。前回もちょっと触れたんですけども、今日の説明にあったように、やはりポスターの格調、品格、これがかなり私は大きいと思います。いろんな所に大きく掲示するということで成果があったということですが、ポスターの力というものが認められたんですけど、やはりこのような魅力的な内容でないと、貼ればいいというもんじゃないと。県民文化会館の館長していた経験からも、やはりすごくそういうことは大事だと思いました。
そういう成功した戦略というものを、さらに徹底されていくということで、三田館長になってから博物館のマネジメント能力というのが、非常に高くなったのじゃないかと、いたく満足しております。ありがとうございます。
委員 本当によかったです。
委員長 じゃあ報告事項のコ、お願いします。
報告事項コ 平成18年度の巡回展等の実施状況について
博物館長 報告事項のコですが、平成18年度の巡回展等の実施状況についてということです。
 
博物館は、博物館の中でいろんな展覧会や事業をやっていますけども、博物館の外に出ていくような事業はやっているのかという質問が結構ありまして、とてもショックを受けたので、今回こういう報告をしたいと思った次第です。
 
最近、美術館とか博物館は、博物館の方から外に出ていって、館外に出ていって活動をやることにかなり力を入れてきております。アウトリーチという言い方で、出かけていくという意味のアウトリーチ事業ということで一般的には脚光を浴びているのですけども、それをかなり鳥取県立博物館でもやってますということを報告したいと思うんですが、その具体的な状況を1ページから3ページまでありまして、大きく分けて巡回展ということで、いわば鳥取県立博物館の展覧会を別なところにどかんと再現するような、回すような事業ということで、ちょっと大がかりにやるようなものです。
 
それから、次にある移動博物館というのは、そうではなくて特定のテーマだけに限った、もう少しぐっと規模が小さい展覧会といいますか、そういう展示をやるのが次の移動博物館ということです。
 
巡回展と移動博物館は、はっきり言ってしまえば、規模の違いみたいなところもあるんで、来年度からそれを少し統合してやっていこうじゃないかというふうに思っておりますけど。
 
まず巡回展の方が1ページに書いてあるようなものでございます。現在、石谷家住宅の一号蔵でもやらせていただいていますけど、美術部門でこういうこともやっております。自然と人文でそれぞれ毎年テーマを決めまして、美術館とか博物館とか、ちょっと大きな公民館とか、そういうところで大規模に。美術部門は、今回は日南町と石谷家でやらせていただいているということです。
 
2ページは移動博物館ということで、先ほど言いましたようにこれは小規模になりますので、かなりの回数をいろんなテーマでこのようにやっております。
 
最後に、3ページ目に出張美術教室ですが、美術部門だけはこういう名前を使って、幾つかの事業を組み合わせてやっております。(2)のところに書いてありますように、アーチストと、それから学芸員が一緒になって学校に出向いていって、アーチストの方からその制作の意図とかつくり方とかいろんなことを解説、それから学芸員がそれをサポートして説明をするみたいなことでやらせていただいております。学芸員が学校等に出かけていきまして、鳥取県の美術家について、あるいは鳥取県の美術について子供たちにわかりやすく説明するようなレクチャー講座もあります。それから、これは学芸員が出ていくわけではないのですけども、そういう学校で美術の勉強する専用のキットのようなものがありまして、それを使ってここに書いているような格好でそれぞれ美術作品に親しんでもらうようなこともやっております。以上でございます。
委員長 御質問ありますか。
委員 出張美術教室については、結構、前からしてもらってましたが年間、これぐらいの数ですか。
博物館長 年によって、これがかなり違います。
委員 希望も結構入れてもらってるんですか。
博物館長 ええ、希望が多いときはぐっと上がってます。大体、希望をお聞きして、沿えてるんじゃないかなと思っております。かなり町によって、ちょっと大小、多寡がありますけども、こんな感じです。
委員 私は絵のときもしていただいて、とても子供たちが喜びましたが、案外、学校側がそういう申し込みをしない場合もあるかなと思って。その機会、こういう本物を見て、子供たちに見せること大変大事ですので、もし学校側が余りに参加を申し出ていないという状況であれば、もっと宣伝していただいてというのもあるかなと思いました。
博物館長 校長会とか、いろいろ集まる会議にはこの巡回展というのは、アウトリーチのことを最近は特に必ず入れてPRするようにしております。これからもぜひ力を入れて、知らなかったなということがないようにしたいと思っています。
委員 今の教育の課題として、感性を養うとか、情操教育とかあるわけですが、やはりアーティストや学芸員など生ま身の人が出かけて出前の授業をする、教室を開くということは非常にインパクトがあると思うんですね。成果があることをしなければいけないと考えた場合、これの予算規模を聞いて必要ならもっと増やしたいと思います。校長先生方に宣伝することも大事ですが、魅力あるものの実績を積んでいけば、多くの生徒が感動してこうなったという口コミの話の方がはるかに広がっていくと思います。そういう意味では、博物館のものの考え方が非常に大事です。予算を今、これにどんなふうに使っておられるのか、また、今後、本当に魅力あって、小学生に対してさえこれだけのことをするのだぐらいの意気込みが聞きたいわけです。少ない予算ではあっても。
博物館長 お答えになるかわからないですけど、巡回展というのは、出かける方は、とにかくリクエストがあればそれに応じて希望に添うような形で、どんどん事業を拡大していきたいと思っております。あわせてなかなか博物館に行ったときに、美術展とかいろいろやるときに、子供、生徒さん方が来たときにわかりやすいような、館内の受け入れ、館内に来ていただくときも非常に今まで実は問題がありまして、生徒さん向きにわかりやすく展覧会の見方、絵の見方みたいなところを解説するようなワークブックというのでしょうかね、そういうシートも用意してする。外に向けてどんどん引っ張り出していくし、来ていただいたときもわかりやすく、興味を持っていただいて、また今度、アウトリーチに今度来てくださいというようにつなげていただけるような形に持っていきたいと思っています。館内と館外、それぞれやるのではなくて少しつなげて、こう繰り返して、何年か行っては来てもらったり、あるいはその間はまたこっちから出かけていったりということで、うまくその2つをつなげていって、常に美術に対する興味とか感動を与え続けることができたらいいなというふうに思っています。
委員 実行してください。家庭にも大画面のテレビが入っている時代です。それよりも絵を、とにかく生のものにふれて、目が開かれたっていうかね、本当に魅力ある物をぶつけてください。
委員 それと施設のことですけど、駐車場についての解決策というのはないですか。
博物館長 抜本的な方法がないと思います。例えば博物館の周りに土地があって、そこを駐車場にしたらいいのじゃないか、それの交渉をどんどん頑張ってしていくというような道があればいいんですけど、近辺にはそのような土地は今現在ございません。可能なのは、土日が空いているようなスペースをとにかく利用して臨時駐車場にしていくということなので、先日も日本海新聞にもちょっと大きく取り上げられたんですけど、一番近いのは法務局があいてますので。それから県庁、今確保していますけども、県庁はちょっと遠いので、億劫だと言われる方があるので、ちょっとどうかなと。もうちょっと近くにやりたいなということで、一番近いのが今現在、法務局です。それから北中のグラウンドをお借りすることもございます。今そういうことでやっていくしかないのかなと思っております。
とにかく国の史跡地でありますので、周りに例えば10台、20台つくろうかといってもちょっと無理であります。久松公園の中も無理でありますので、お堀の外に確保しないといけないということがあるときに、ちょっと現実問題、今はちょっとそういうところがない状態ですね。
委員長 その歩く過程を楽しく、何か仕掛けられませんか。
博物館長 そうですね、楽しくお堀端を歩いてくださいって言うんですけどね。
委員長 ただ、あそこの、例えば県庁からあそこまで歩くのも一つの何かがあるという形で、そういう仕掛けもちょっと考えないと難しいかな。
委員 地下に駐車場を大規模につくるとかどうですか。
博物館長 国の史跡地を掘るなんてことは不可能だと思いますね。
委員 できませんか、例えば、お堀の側の道路などに。
委員長 土日、一生懸命整理して、丁寧に教えてもらっていましたよ、法務局はこっちで、どうぞとやっておられたんです。
では報告事項サ、お願いします。
報告事項サ 平成18年度「郷土作家展」について
博物館長 報告事項のサですが、今年度の郷土作家展の概要が決まりましたので御報告いたします。
 
めくっていただきました次のページに概要を書いております。鳥取県の出身またはゆかりの作家で、非常に全国的にも活躍されているのに、県内の方々には余り知られていない作家の方がたくさんいらっしゃいまして、そういった方に特にスポットライトといいますか、かなり提唱するような展覧会をやって広く知っていただきたいということであります。
 
今回は、境港市在住の洋画家の角護さんと、それから鳥取市在住の彫刻家、石谷孝二さんのお二人の2人展というような形でやりたいというふうに考えています。この展覧会につきましては、県立博物館以外にも米子市美術館と倉吉の博物館で巡回展を行って、最後に県立博物館ということにしたいと思っています。
 
テーマは、お二人の作品をもとに決めました。海と空という共通のキーワードでくくれるんじゃないかということがありまして、これで「海と空と 角護・石谷孝二」という名前の展覧会にしたいと思っております。アーチストトークなんかも表のように計画しております。
 
それから、参考にはお二人のプロフィールを簡単に御紹介しております。以上です。
委員長 何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。
じゃあ報告事項シ、お願いします。
報告事項シ 平成18年度体育指導委員功労者表彰について
体育保健課長 報告事項シ、平成18年度体育指導委員功労者表彰でございますけども、裏面をごらんください。
 
この表彰は、体育指導委員として地域スポーツに貢献された方に贈られる賞でございまして、今年度は北栄町の長見毅さんが受賞されました。この方は、35年間ずっと指導委員として活躍されてこられております。現在、ちなみに61歳かと思います。以上でございます。
委員長 よろしいですか。
じゃあ報告事項のス、お願いします。
報告事項ス 平成18年度学校給食文部科学大臣表彰について
体育保健課長 続きまして、平成18年度学校給食文部科学大臣表彰でございますけども、裏面をごらんください。
 
この表彰は、給食の関係で学校ですが共同調理場、それから個人、団体に贈られる賞でございまして、今年度は、学校で鳥取市立の勝部小学校、それから(2)の個人で学校栄養職員の鈴木貞子さん、それから団体としまして財団法人の鳥取県学校給食会、この3つの個人、団体が受賞されています。
 
ちなみに学校の方は、さまざまな食育というのが評価されていますし、それから個人の鈴木さんは、学校での食育とか、あるいは学校外での食育が評価されています。それから学校給食会の方は地産地消の取り組みですとか、安心、安全な食材の提供という、そういったことが評価されての受賞でございます。以上でございます。
委員長 何か御質問がありますでしょうか。いいですか。
じゃあ報告事項のセ、お願いします。
報告事項セ 平成18年度学校保健及び学校安全文部科学大臣表彰について
体育保健課長 平成18年度学校保健及び学校安全文部科学大臣表彰について御報告します。
 
この表彰は、学校保健とか学校安全の関係で主体となった個人に贈られるものでございまして、今年度は琴浦町の学校薬剤師さんの平福孝さんが受賞されました。
 
ちなみに今回、学校安全に関しては該当はございませんでした。以上でございます。
委員長 よろしいでしょうか。
じゃあ以上で報告事項は終わります。
協議事項の1で、教育基本法ということに行きたいと思います。
協議事項1 教育基本法について
教育企画室長 お手元の資料の協議事項1、教育基本法という資料でございます。
 
資料の方につきましては、教育基本法、これは政府が提出した改正案の概要でございます。大きな今回の改正の中身といたしましては、この1の(1)、②にございますけれども、教育の目標を規定したと。その中にいわゆる愛国心関係の表現が入ってきたというような話ですとか、次の生涯学習の理念というものが新しく定められた、あるいはその次の大きな2でございますけれども、家庭教育、幼児教育、学校、家庭、地域住民の相互の連携協力などの新しい今日的課題というものが入ってきております。
 
それで、その次のページから課題策、具体的な法案でございまして、左から現行法、それから政府提出の改正案、それから民主党の改正案というのが現在載ってまして、動きといたしましては、皆さん御存じのとおり16日に衆議院を通過して、19日から参議院の方に送られているという状況でございます。
 
従前は、先ほどの愛国心の文言ですとか、教育行政の教育は不当な支配に服することなくなどの話でございましたけれども、最近ではいじめ問題、あるいは履修漏れ問題、そういうことを全国的に広がったということで、議論がどっちかというと教育委員会や学校、文科省の対応の論点が起こってきて、教育に対しての見直しですとか、国が最終的に責任を持つべきだなどというような議論も出てきているようでございます。簡単ではございますけど、以上でございます。
委員長 それできょうの趣旨は、ここに協議事項1として上げてある趣旨は何でしょうか。各委員のいろんな意見をお聞きすることですか。
教育長 そうですね。
教育企画室長 ディスカッションをしていただきたいということです。
教育長 フリーにお話しいただいたらと思っております。
参考までに、私がこの間、取材を受けましたのを、あくまでの参考ですけど。これは議会でも教育基本法については9月議会で質問がありまして、私も基本的にはここに述べておるようなことを答えているんですけど、教育委員の皆さん方と直接こういう話を深くしたことが十分ないかなと思いまして、自由に御意見等を交換できたらなあと思っています。自由に、もうフリーに感じたことをおっしゃって、基本的な考え方そのものはどうかなとか。
委員長 いかがでしょうか。
委員 教育長のコメントの中にもあるのですが、政治のレベルでは、ものすごい時間かけて十分議論したと。それは実際そうだろうと思うんですけど、国民のレベルでは教育っていうのは今や国民みんなが考えないといけない状況にきています。世の中の仕組みそのものが、学校教育が成り立つのが難しくなったような仕組みになってきているのです。一番感じるのは、とにかく今の学校教育システム、条件、そういうものと世の中の暮らし全体、その価値観、大人の行動様式、産業のあり方、いろんなことを含めてものすごいギャップがあると思います。そのギャップをそのままにしていろんな改革をしても、結局は不発に終わってしまう。そうするとやっぱりこのような状況では、日本人みんながこの問題について議論をするということが教育改革なんですね。国レベルでの成果につながるということを考えると、やはり教育長が指摘しているように、国民の代表である国会議員が法律をつくる過程として十分議論してその責任を十分果たしているといえることになります。そうであっても、この法律の性格からいったら、もっと身近な人が多様に時間かけて熱くなったりしてやっていくという、それをマスコミもいろんな角度から報道していくというような過程が欲しいですね。それがないから、この法律ができたときに、何か冷たい感じが国民にしてるんじゃないかな。それで我々教育をよくしようと思って携わっている者は、それは不利だなと、残念だなというのが一番大きな感想ですね。
教育長 ちょっとそこの記事のところ間違いがありまして、理念が教員問題となってるんですけど、これ教育問題なんですよね。何か変な間違いしてるんですよね。中の文章を読んでいかれればわかると思うんです。私はそのつもりで言ったつもりなんですけど。勝手に記者がこう書いちゃったんですよ。これは明らかに間違いと思っています。大事なところを間違えてくれるから困るなと思ったんですよ。
委員長 この大きな見出しですか。
教育長 はい、見出しです。採決に不満あって、その新聞記事の理念は、教員問題改善に影響ってありますけど、教育問題改善に影響のつもりで言ったつもりだし、中身読むとまさにそうなんですけど、多分ミスプリだと思うんですよ、言葉だけでは。
委員 そうだな、どうもこれぱっと見て、あれ教育長、変なことを言ってるなと思って、正直言ってそんな問題ではないですから。
委員長 何かこの中身に入る前に、僕、前から感じてるのは、例えば教育基本法を作ったというのは、基本とか理念の法律ですよね。だから、これが具体化するときにどうなるかっていうのが、例えばどういう中身にしたって、それが現場におりてきたときには、どういうふうになっていくのかというのがよう見えてこないんですよね。そこら辺の議論はされてない、むしろ走りながら考えるのかなという形で、そこがちょっとむしろ知りたいわけですけどね。そうなると、例えば国を愛するとなったとしたら、じゃあどういうふうにするんですかという話のことかなと思ったりして、理念法というのはそういう性格を持っているんで、なかなか難しいなと思って。多分、現場におろしたときに、かなりまた議論になるだろうなという感じがしてるんですよね。
教育長 そうですね。一応、理念法としての理念を。
委員長 理念があれば、当然それは具体化は、もうそうするならそっちの方でやりやすくなるのはわかるんですけどね。そのやり方がどうするんだろうなという、そういう感じがあります。
教育長 私のずっと話している、ちょっと取っかかりですけれども参考にして。私が幾つか言ってることの一つは、最近の何ていいますか、子供たちの状況を中心に見ていると、大人もちょっとそういう傾向なんですけど、どんどんあんまり社会とかかわらないといいますか、個人的な世界の中に比較的安住してしまうというか、こもってしまうような方向にどんどんどんどん社会全体が動いているというふうに思っているんです。少し地域の人とか近所の人とか家族とか、いろんな自分の属してる社会とか、つながっていかなきゃいけないんだけど、非常に個の世界にどんどん入り込んで、子供たちももうそれがものすごい勢いで進んでいるような気がしてならんので、そういう意味でもっと個じゃなくて社会の構成員としてといいますか、社会の一員として自信を持って自分の生き方を大事にしながらきちんとやっていくという意味で、個を大事にしながら社会とのかかわりをきちっとするというこの理念は、私は戦後の間もなくにはなかった、ものすごい大きな状況だと思って、それは理念として私、大事だとは思ってますし、あわせてもう少し具体的に家庭教育って叫ばれながらも、家庭教育が非常に難しくなっている。それから幼児教育がまた非常に難しい問題を今抱えている。それから生涯学習という概念が以前なかったですよね。それから教員の資質というのもやっぱり大事ですよということを今言っておかないと、さっきのような課題がたくさんあるので、そういうふうなものを理念として少し具体性を持たせていかないと、ぼんやり抽象論だけ全体だけ言っとっても、私は理念が空回りしてしまってどこも取りつくところがなくなってしまうんじゃないかなって、そういう意味から、私は基本的には内容は今日的なものがあるので必要ではないかなって言ってるんです。ちょっと私の考え方です、参考までに。
委員長 それから、戦後の考え方で、他とのかかわりを言うときも、横とのかかわりっていうのを割合言ってるんですよ。個があって何々があって社会があってということで。ただ縦系列、時間系列の言い方っていうのはあんまりないんです。それは我々の存在として時間系列とか縦系列を入れてって、自分を見詰めるっていうのは非常に重要なことだと思うので、それは大切なことだというふうに思って、理念のありようとしてね。
問題は、例えば、これはほかの人がちゃんと述べておられる、国家というときの国家の概念は何ですかってね、いろんな話がありますよね。そういう問題とか、こういう理念法を具体化すると、いっぱいいろんな問題が出てくるんだろうなあという、そこら辺のことはあると思いますね。
教育長 国家なんかも今のね。
委員長 統治機構だなんだと話すと、上部と人という話となってくるんですね。
教育長 ですよね。うまく統治をする。だから上から上位、形的にぱちっとくるっていう、そういう意味での国家の愛し方というのはおかしいというのは私は言えると思うんですけどね。
委員長 それはどっかで否定はしてるんですけどね。
教育長 でも出てくるかもしれないという危険を我々も考えながらやらなきゃいけないですよね。
委員長 そうなんですよね。
教育長 正義と責任とか、公共の精神とか、この辺のことなんかも、もう使い方ですからね、これもね。危なくなるから、だからじゃあ要らないのかということでもないかもしれないし、安易にそれを認めるということは、でもそっちの方向も危ない、具体的に使われたときに危ないものの方向に向かっていくかもしれないということも、また同時に考えるというふうにですね。
委員 何か法律が変わるということは非常に一般的に不安な面があると思うわけです。今の教育基本法の本当にどこが悪いのか、子供たちの現状がそこからきているのか。今、先ほども出ていましたけど、ここを変えたらば今の世の中が変わるのかなということがあります。
それと、まず愛国心ということについては、ずっと前からみんなが、国を大切にすることは本当に大事なことだと思うんだけども、またそれが勝手な解釈で政治によって解釈がなされていくことに対する不安、私は戦中なのでほとんどの方がそのような時期にはいない人ばっかりなんですが、過去の歴史の中から考えていったときに、どうなるかなっていう不安というものも持っております。
基本的生活習慣は大事なんだけれども法律で出していくことでしょうか。とにかく強硬に決めていくという、その姿勢はいけないと思います。だから、やっぱり時間はかけて、具体的にじゃあこんなふうにしてみよう、もうちょっと考えようやみたいなことを提案していけるような働きかけの工夫というのもあればいいなと思ったりしています。
委員 なかなか非常に難しいですね。正直言って、現行法の問題点が何かということが正直によくわかってないんで、どれが問題で作らなければいけないのかって、その動機の出発点というのがちょっと私はよく理解してないんで、大変申しわけないんですが、あんまり議論ができないというのが正直なところです。
委員長 多分、現行法でもちゃんと書いてあるんですけども、でも、先ほど教育長がおっしゃったように個というものを前面に出し過ぎて、他とのかかわりというのが非常に薄くなっているというのが、この法律の基本のところの欠点じゃないかという、それが一番にあるんじゃないかなと思うんですけどね。だから、もうちょっとそういう公共とか人と人とのかかわりとか、そういうものをもうちょっと協調しないといけないよという、それがある面では、その固まりが一つが国だろうと、そこに来てるんだと思いますね。
教育長 だから、個人も大事、個人ももちろん基本的には大事だと。だけど個人だけではないよと、個と社会とのこの辺のバランス的なものもあわせ考えなきゃいけませんよということだと思うんですけどね。
委員長 そうですね。逆に言えば、個というのは何で成り立つんだという話だと思うんですよね。人とのかかわり、家とのかかわり、社会とのかかわりっていうことで。
ただ、くどいですけど、例えばこれが改正になって、今度は学校教育法をどうするんだとか、現場はどうなってくるんだとか、そっちの方が僕は興味があるんですけどね、具体的に。
教育長 具体化されたときの。
委員 理念法ではなかなか見えないところが、結局、基本の法律が変わることによって、それに伴う学校教育法、社会教育法っていうものに、それまたそこに雑則とかいろいろついた上にまた附則とかついたりして、そんなことで縛りがかかってくる。それが今の段階では見えないわけです。例えば飛び級させたいっていうような考え方ですよね。前はそれは基本法の中ではなくっても、学校教育法の中できっちり18歳にならないと大学に入れないとか、小学校は何歳から何歳までとか決まっていたという、そういうようなものはこの基本法では一切見えてないから、その先にあることが何かということがつかめないというのは、実際にはその先にどういう法律をつくろうとしているかというところが問題なんだと思うんです。
委員 わからないけど、何かそういう何らかの意図はあるんですもんね。
委員 何ていうか、もう予算つくような、次の何とかいうのが出てくるが、この法律ができたら。
教育長 振興法の話ですか。
委員 はい、振興法。
教育長 この中に載せてあるやつですか。一番最後にある。振興基本計画、基本計画です。
委員 それの中身はわからんですか、資料的なものはないんですか。そうするとまずそれですね。さらに、おっしゃるように、いっぱいここにも文科省ができるよね、省令とか、いっぱい。それも当然変わってきます。今まで何十年ってこれを変えた力が今、日本の国のリーダーですからね。変わってくると思いますよ。
委員 その理念をどうにでも解釈できるしって思っていると大間違いで、実際にはほとんど変わらないと思える理念が、全く違う法律を生み出すというようなことがあるんで、それもわからないというところがちょっと難しい。こういうところで論議しても、中に何が入ってるかわからない。箱の外だけ撫でている感じです。
委員長 それと、先ほど委員が言われたし、教育長もおっしゃっているんですけども、確かに採決はみんな不満なんですけども、もっと時間かけてみんなの中いう話なんですが、これ自体はもう随分以前からもう嫌というほど言われているんですよね、実際。それを我々時点では全然議論してないという、我々という意味はそういう議会を離れたとこでという意味です。
今後こうしても、また議論になるのかいなと、逆に言えばこういう話っていうのは。そういう話も一方であるなと思うんですよね。
教育長 でも、さっきの話で、この理念法を我々が割といいなと、例えば考えたときに、おっしゃるようにこれを具体化したそれぞれの法律が、学校教育法、じゃあどうなるかというときにどうするかというと、これはそれは国が勝手に決めるもんだというふうにやっちゃったら、すべてをもう放棄したようなもんですよね。我々でしっかり議論して、だから我々はこういうおそれもあるから、その法律が出てきたときにがんがん意見を言ったり、ある程度しながら、国会議員もちゃんと考えてもらったりなんかしながら、それを変なふうにならないような、理念が本当に生かされるような、危険なものにならないような、そういうことを考えていくためにも、県民みんなが相当議論しなければいけないし、学校現場も議論してほしいし、議会ももっと議論するなりしてもらってもいいし、しなければいけないと私は思うんですけどね。こっちの姿勢だと思うんですけどね。もうだめだと思って任せるといったら、何でもなっちゃいますからね。発信もしなければいけないしと思うんですよね。
委員 5県協議会のときに、私、教育基本法を話題にしたらどうですかということを出していたんですけれども、やはり本当はあの段階ででも、採決される前に、どこかの5県の中ででも何らかのコメントが一つできたらよかったのにと思うんです。
委員 当然、もうこの法律が通ったら、どんどん変わっていくし、変えるためにこの基本法から変えようとしたわけです。今まで国のリーダーたちは、じゃあ教育はだめだと、それでいろんな努力をしてきたけども結局変えられなかったと、そこでもう憲法、あるいは基本法から変えて、大がかりに網にかけて、小さいトラックじゃいけんと、でかいダンプを備えつけて引っ張っていこうというのがこれですからね。当然、変わりますよね。
じゃあ教育基本法を変えない方がいいかといったら、私達も変えない形での努力はもう限界に来てくたびれるだけだったんですね。ますますずるずるずるずる泥の中に進むだけだと思いますので変えた方がいい。この根本的に変えるということのなかで一番大きな点は、公と私のアンバランスを正すことです。余りにもアメリカ流のものが表面的にでて個人中心が行き過ぎています。個性重視は今や人間のエゴと結託して、日本の社会がたまたま産業が成功して裕福になったが、本当に醜い人間性になって、もう言ってることは美しいけど、暮らし自身が浅ましいっていう、そういう姿になっています。言われていますように、日本人は昔と比べて本当に誇りとか品性をなくしたと言えます。それで変えるのはやっぱりこういう大仕掛けのところから行くしかないと思いますね。人間が経済的な動物だっていうのが、物すごく私たちがものを考える視点になっていると思うんですけどね。そこで、公を重視して、暮らし全体、日本のあり方、日本の社会制度そのものをみんなで考えていこうという、そういう点が強く出たということです。私は学校が次代を担う人間づくりの場だと考えたら、これしかないと思います。
ただ、それ心配もあるんです。今、政治といい、いろんな利害に関係する経済団体、それから政治思想的な団体、そうしたいろんなものが絡まってきますからね。それを国民全体としての教育として変わっていくかどうかをやっぱりチェックしていくことが大切で、主権は国民にあるわけです。基本法を改正する政治的リーダーを我々選んだわけです。次に出てくる法律や規則についても、我々はチェックする権利と責任があるわけです。そのことの方を実は自覚していくことが大切で、変えると先がどうなるかわからないから何か怖いからといっていたらもう進まないです。仮に変なものが出てきたら、ここも大事だが、ここはちょっと待てとか、そういうことがちゃんと言う国民、それが鳥取県教育委員会の自立した人間づくりですからね。この実践を通しての他県とは一味違う鳥取県の小学校の先生の声や高校の先生の声、教育委員会の声が出るぐらいに勉強していったら、私はいいと思います。
委員長 一般論で言われているものがありますよね。国を愛するということを、愛するようにせいやというふうにするのか、自然にそういう心をはぐくむようにするという、そこら辺のことで、郷土とかいろんなことを学んで、そして自分のところを愛するように持ってこようという、そこら辺、ちょっと語尾の遊びみたいになるかもわからないけれども、やっぱりチェックの一つだと言われていますね。だから、そこはやっぱりちょっと慎重に書いてもらった方が、実際におろしていくときには楽なんだろうなという気はしてますね。教育長も同じようなことを述べられたんですけどね、僕も1年ほど前にコメントをと言われたときに同じようなことを言った覚えがあるんですけどね。
委員 国を愛するということが物すごく大きな論点になってると思うんですね。だけど日本人で国を愛していない人はいないと思うんです。日本の国を愛していない人はいないと思います。だけど国を愛するということに非常に何かこだわりがあるという、そういうねじれ現象みたいなものがあるために、私はこの前、ちょっと友達に話を聞いたんですけれども、エジプトに旅行して、それ20名の団体だったらしいんですけれども、そのときにたまたまドイツのオペラが来ていて、一番いい席をとったらしいんですね。そしたらたまたま日本人のそういうツアー客が一番いい席をとってくれたということが、ドイツ人のオペラの方たちに知れて、突然、最初に君が代を演奏してくれたんだそうです。そうしたらだれも日本人で立つ人がいなかったし、旅行会社の添乗員も後ろからでもせめて皆さん立ってくださいとでも言えばよかったのに、それさえなかったと。それで、その人はすごく恥ずかしかったけど、恥ずかしいことに自分も立たなかったと言ったんですね。もしこれがアメリカだったら国家が演奏されたら、胸に手を当てたりする作法がありますね。国旗を見ても立って。本当はそういう気持ちは日本人の心の中にあると思うんです、君が代を演奏してくれた、うれしいな、旅行に来てこんなに尊重してくれたんだ。ところがそれができない何かがあるのか、そういう教育を受けてしまったのかよくわからないんですけれど、その辺が国を愛するということが問題だっていうときの問題だと思うんです。変な言い方ですけど、わかっていただけるかどうかわかりませんけど。国を愛していない人はいないけれども、そういう表面的な行動、おかしな行動をしてしまっている、国際人として失格だと思います。
委員 いや、立派な発想です。国旗・国歌の問題についてはいろいろと聞きまして参考にしたいと思うんですけども、その前提となる国を愛するということについて本当に日本人が国を愛する心を持っているか、私は大いに疑問だと思います。私が今、校長になっても、生徒に接して本当に情けないと感じるのではないかと思います。やっぱりそんなものは育っていないのではないか、育てられなかったのではないかと思います。
委員 そうでしょうか。
委員 ないんですよ。なぜなくなったかはいろいろ原因はあると思いますが、困った人間だけが、自分のお父さん、お母さんが大事だというのはね、自分が食わせてもらってるから、お父さん倒れたらいけんよ、お母さん頑張ってねと、お父さん、お母さん、仲よくしてねって家族はするでしょ。日本みたいに、生まれたときから、もう何でもあって、何不自由ない生活、何になりたいって問うても特にないと平気で答える生徒たち。人間はそんなに高級にデザインされてないんです。進化の過程で、国を愛さなければ自分もうまく生きていけないという体験から公の尊重は生まれるのです。公と私はコインの裏表なんです。表だけ成り立っているという意味では、この2,30年ずっと錯覚が通ってきたのです。今の若いお母さんの中には学校に文句言って、自分は正しいと思って自分の子どもを社会の中において見ることがないのです。本当に物の豊かさというのはマイナスに作用して人間をゆがめる面があり、日本だけがそういう国になっていると私は思います。
委員 そうですかね。
教育長 私も、ちょっと感じとして、学校の子供たちを見ていると、公とか、あるいは社会とかっていう概念は非常に弱くなったと思いますよ。もう自分たちというか、自分の仲のいい何人かというところで生き方みたいなものだとか、社会のあり方を考えているんじゃないかなって、非常に心配なんですよ。
委員 この教育基本法もそういう精神でいい具合に今後いろんな法律ができて活用すればいいと思うし、文言自体は非常に整合性があっていいなと思うんだけど、何となくこの採択の仕方とか見たらうさん臭いというか、憲法議論とかほかのことがいろいろあるのに、これだけ急いで何でこんな格好になるのかというと、何となくちょっと嫌な感じがしますね。
教育長 何かちょうど政治の何か取引みたいな感じの中にほうり込まれちゃった、ちょうどまずいことに。
委員 でもうさん臭いというのはどうでしょうか。だって、自分たちが選んだ制度がちゃんと時間をかけて、いろんな所でやらせもあったかも知らんけど、国会で多数決によって採決したんですからね。だから、国民自身の政治責任についての考え方が私は甘いと思うわけです。
委員 そりゃそうですよね。もう確かに代表が選んだんですからね。
教育長 欠席もしないでね、やっぱり何ぼ何でも反対のちゃんと意見を言うとかね、徹底的にやらないといけないと思う。
委員 よく憲法9条改正に先んじて、まずこれをというふうに言われておりますよね。だから、そういう意味であるんだとしたら、何かそれだってどういう改正かがわからないから、本当にはっきり。要らない心配かもわからないけれど怖いことになるかもわからないし、そのあたりがね。
委員長 大きな特徴は、従来の基本法に比べてかなり書き込んだということですね。
教育長 そうですね、具体的にね。
委員 文章としてはわかりやすいんですよね。
委員長 いや、もうそれは理念を具体化すればわかりやすくなる。
教育長 いや、それくらい具体的なものを持ち込まないと、とてもじゃないけども全然、社会がもう直らんというふうな危機感があるといえばあるというふうに思ってます。
委員長 私立学校や教員の項や家庭教育がいっぱい入れてあって。
教育長 そうですね、私立学校なんか宗教教育とかね。
委員長 そういう部分は幾つかあってもいいかなと思いますけどね。事務局の皆さん、どういう感じで思っておられるんですかね、皆さん。特に意見が言いたい、聞きたいですね。
委員 具体的なことはわからないですから、そのあたりで。
委員長 いろんな意見があっていいと思うんですけどね。
教育総務課長 ちょっといいでしょうか。先ほどから理念法とか具体法の姿がまだ見えないとか、それは確かに実はそうなんで、学習指導要領とか教職員免許法とか、いろんな法律の改正がこれから必要になるんですけども、理念法というのは、一見役に立たないようで、実はつくる際とか、それから既にある条文で改正しなくても、今後例えば何か運用を解釈するときの、どっちかなというときの判断の依りどころにする、裁判所が判決下すときも、やっぱり基本法の精神をかんがみるとこれはこうですという具合になるんで、順番としては、やっぱりこの基本法をまずほかは置いといて議論しないといけないと思うんです。本当は僕は、先般のタウンミーティングのやらせ質問ですかね、あれがあったんで多分スピードダウンするだろうと思ってたら、何か一挙に衆議院可決まで行ってしまったんで、そこら辺、何というか、やってしまえば何とかなるみたいな感じがするのが嫌だなとか、これは教育委員会の方の話ですけども。内容はやっぱり議論されてそれになったんだったら、我々は従っていいように持っていくというのが姿勢だと思います。
次長 僕は思うんですが、さっきも言われたとおり、本来総意の大まとめのとこなんですけど、何か十分なやっぱり議論が足りてないというような、なぜこういう条文を今つくらなきゃいけないのかとか、なぜなんだというのがみんなに浸透してないので、何か一部国会のあたりで動いているかなというような形になってしまっている。 でもこの条文を見てみると、これまでなかったことが規定されているのは、23年だったですかね、教育基本法ができた当時は、言わずもがなのこと、国民総意で、法律であえて規定しなくてもよかったようなものを規定しなきゃいけなくなってる、こういう時代背景があるので、あえてもう条文化しないとみんなの総意はこうだよって、法案で確認しなきゃいけなくなってるということだろうかなというふうに思うんですね。家庭教育なんかまさにそうなんですけど、そのあたりがある。ただ、もう一方で国の政策的に使われはしないかということが頭に常にあると思うんですね。これは十分チェックをしていかなきゃいけない。
最後は、やっぱり国会議員さんというか、政党支持みたいな話になって、選挙でまた問うような話に流されていくかな。それから、一部出てきているのが、教育振興基本計画は、一部は内容がたしか出てきてると思うんですけども、これまで文部科学省がずっと個別に言っていたりしてたことを集大成をするような格好で、なおかつ国会に出しなさいということになってくる。行政に任せとけんという姿勢かなと思っています。
教育長 学校の先生とかも、ちょっとある先生と話したんだけど、あんまり読んでおられないですね。きちっと読んでおられないですね。いや、何か日本が軍国化をまたしていく一つの材料に使われるからだめだという論ばっかりで物を言われて。
委員長 そういうイメージがあるんですね。
教育長 うん、そういうイメージが先行してしまうんですよね。
委員 それも怠慢ですからな。その発想ばっかりで物を言ったらね。今までそれでずっと来て、確かに言っていい時期もあったし、戦前の教育の誤りを踏まえてのチェック機能は十分果たしてきています。じゃあ途中までよかったのだからこれで最後までいっていいかといったら、周りが変わったらそういう面も絶対的な意味をなさないようになったと言えると思います。余りにも日本人っていうとしがみついてると思うんですね。軍国復帰が心配だとか、国家がまた教育を統制してくるんじゃないかとか、戦前の日本人が受けてきた教育や社会環境、文化レベルと、60年経てきた今とでは国民の成長、あり方も変わってきているわけです。だから何かいつもは熱物に懲りてという感じがします。私はそれ以上に、世界はもうどんどん変わっているんですからね、日本もちゃんと遅れないように変えていって、日本の力が出るようにしていくべきです。もちろん当然、誤りもあるでしょうから、そりゃもう腹を据えてチェックしていくぞという国民の眼が必要です。国民成長のためには、憲法も改正なり、教育基本法も改正なりをしなければいけないと思います。
教育長 私、さっき言ったのは、自分でしっかり読んで、自分の頭で自分なりに考えてもらって意見として出されるならいいけれども、何か一部のマスコミとか、あるいは一部の発信される方の映像をほとんどうのみにして、国を愛する心って、そこだけもって、態度というやつもって、そこだけで反対していらっしゃる方も結構多いと思うんですよね。多分、県民の皆さん、失礼だけれども、かなりそういう方が多いと思うんで、そういう意味で短い文章ですからね、これ条文ですからね、案ですが、すぐ読めますしね、考えられますがね。読んでほしいというのが私の論なんですけどね。
委員長 これぐらいにしておきましょうか。
教育長 はい、ちょっとこの辺ぐらいで。とりあえず。
委員長 じゃあ2つ目に行きましょう。いじめ問題への取り組みについて。
協議事項2 いじめ問題への取り組みについて
教育総務課長 それでは、協議事項の2のいじめ問題の取り組みについて、それからちょっと資料をお付けしておりますので、若干最初に説明します。
 
御承知のとおり、最近、文部科学大臣あてのいじめを訴える手紙とか、子供たちからのいろんな声が報道されるようになってきていますけども、やはり今の特徴というようなもの、いじめを苦にして自殺にまで至るということが相次いでいるということで、これは悠長な教育論議をしていることではなくて、当面すぐに取り組むべき、例えば相談体制をもう少し子供の声をキャッチするものを設けるとかといったことが必要じゃないか、という問題意識で取り組んでることについて議論を、ということで上げさせていただきました。
 
それで、1ページの真ん中に取り組みの状況ということで3点ほど上げておりますが、これは県、市町村通じて、まずどういったような取り組みをしているかということの現状であります。
 
1番は、市町村教育委員会への周知ということで、先月24日に教育長通知でいじめ問題への取り組みの徹底について、これは既に委員さん方に事前に資料で送っているものの中に入っていると思いますので、それで別紙資料ということでさせていただいています。
 
その次の(2)が、11月の1、2、9日、3日間使いまして、県内3地区の教育長さん方と緊急の意見交換会を行いました。主なテーマというのはそこに書いてあるとおりで、めくっていただいて資料1、このペーパーを話の材料にしまして、各市町村でどういったような体制をとっておられるか、あるいは何か考えがあるかというようなことをお聞きしながら話し合いました。
 
それで資料2の方に、この意見交換会で出た主な意見というのをまとめさせていただいています。この3ページの上から2つ目のところに、市町村教委での主な取り組み・意見ということで、様々なことを書いております。上から2段目に教委と学校との連携ということで、例えば真ん中に、東部で、月に1回、教委と学校とで情報交換をする機会を設けておられる。これは東部と書いておりますが、幾つかの市町村でやっておられるようです。ほかにも学校と地域の連携、あるいはいじめの把握ということでアンケート調査をやったとかといったようなことが話し合いで出ておりました。
 
そのほか一番最後に、今回の意見交換の一番大きな話ですが、相談員を置くとかホットラインを設置するといったようなことについては、既に相談員を配置して相談に応じているといったようなところは幾つか市町村にありましたし、ホットラインはあった方がいいという意見もありましたし、逆になかなかそういったようなところに言いにくい、設置して効果はどうかというような声も複数ありました。例えば夜間とか休日とか、そういったようなことも工夫してはどうかというような意見が出ておりました。
 
もう一回、ちょっと1ページに戻っていただきまして、その後、今度24日に今週の金曜日ですが、市町村教育行政連絡協議会というのがありますので、ここでは一堂に県内の市町村全部が会しますので、そこで改めてこのいじめ問題について意見交換というか、協議をしたいと考えております。
 
4ページをちょっとごらんいただきたいと思いますが、各市町村教育委員会には会議の開催の案内の中で、議題の内容の中にいじめ問題への取り組みというのを上げておきつつ、次の5ページの下の方に黒丸でつけておりますが、いじめ問題への取り組みの議題に関連して御質問しますということで、2点ほど事前にお聞きしまして、この24日の協議の際の参考にしたいと思っております。
 
(1)の方は、この意見交換会なりを踏まえて、あるいはこれがあることを見越して、先立って、何か小・中学校との連携などの取り組みをされていますかという質問をしました。
 
それから、次の6ページの方で問の2番ですが、以前から、あるいは今回の意見交換会などの結果を受けて、具体的な対策として何か講じられたものがあれば御記入くださいということでお聞きしました。先週金曜日を締め切りとしておりましたので、まだ完全に全部出そろっておりませんが、現在10市町村ほどから回答が来ておりまして、新たに教委にホットラインを設置したいというようなことを考えておられる市もあるようですし、さまざまな校長会であるとか、それぞれの会議で、この問題を取り上げて話し合いをしておられる。これはほとんどの市町村がやっておられるようでした。そういったようなことを考えております。
 
それから、また1ページに戻っていただきまして、今ホットラインの設置とかという話をしましたが、実はもう既にホットラインのようなものはいろいろとチャンネルがありまして、ただそれが本当に知られているのかということもあります。ですので、既存の相談窓口、こんなのがあるんだよということを子供たちや保護者に直接PRをする必要があるんじゃないかということで、改めて、我々も全部把握してなかったというのが実態ですので、7ページ、資料4の方に一覧として掲げさせていただいて、これは各市町村にも情報提供しましたし、これから県の教育委員会のホームページに載せるとか、色々なところで紹介していきたいと思っております。
 
この7ページの資料の一番下に、民間団体関係というのが4つほど載っておりますが、今回の取り組みの一つのポイントとしては、こういう民間NPO等とも連携しないと、今までは得てして行政機関の中で、例えば福祉分野ではこんなのがあるとか、警察では少年サポートセンターがあるとか、そういったようなのは承知しているんですが、民間の取り組みのことを我々も余りよく知らなかったということがありましたので、こういったような民間の相談体制もあわせて、我々の方からも情報提供をさせていただいたり連携していけたらなということを考えております。
 
代表的なのとしては、NPO法人子どもの虐待防止ネットワーク鳥取CAPTAというの、それが次の8ページに上げております。19日までですね、電話相談窓口を開設して集中して取り組んでおられましたし、9ページには鳥取いのちの電話というのを上げております。ここも年中無休で夜まで受け付けをされているということです。
 
それから、10ページにはチャイルドラインということで、これは「うさぎのみみ」 という愛称で呼ばれておりますが、いじめに限らず、さまざまな子供が直接悩みを打ち明けることのできる電話ということで設けられていて、これも今まさに秋のキャンペーンというのをやってるところだということですので、こういったようなことも知った上でいろんな取り組みを考えなきゃいけないということでございます。
 
それから、また1ページに戻っていただきまして、今のは県や市町村、それから民間NPOそれぞれを通じた取り組みですけども、県教委の当面の、近い将来で何か取り組めることはということで上げたのが、この4点ほどでして、そこに上げてあるとおりですが、予算措置とか組織、定数の措置だというようなものがありますので、できる限りこういったようなことを積極的に進めていきたいなということで上げさせてもらいました。
 
それと一番最後に、参考資料で資料8ということで11ページから3ページにわたって資料をつけさせてもらっていますが、これはつい先日、知事部局の企画部協働推進課が青少年育成意識調査の17年度分の結果をまとめた報告書を出されまして、これがちょうどこの資料をまとめているときに来たものですから、その中で特にいじめのことが取り上げられてた部分を抜粋して、参考に上げさせてもらいました。
 
この中では、いじめられた経験、いじめた経験のデータ、それからいじめられたときに例えばだれに相談するかとか、どういう対処をするかといったようなことがデータで上げられておりますので、参考の資料としてつけさせてもらったものです。資料の説明は以上です。
委員長 趣旨は、特に緊急云々の話をちょっと知っておくことと、何かほかにあればということですね。
教育総務課長 それと、今お手元に鳥取県教育委員会メッセージというのが配ってあると思いますが、20日現在の。
次長 これはいろんなとこがメッセージを出したりしてるんですけども、きょう教育委員会がありますので、教育委員の皆様で御検討いただいた中で、鳥取県の教育委員会として県内向けにメッセージを発していただいたらどうかなということでつくったものでございます。子供たちと直接携わる学校、先生方、教育委員会も含めて、保護者とに分けてということで、このように。考え方はもうそこに書いてあるとおりで、いじめは子供たちには絶対しちゃいけないことだよということをまず第一に言うということと、それからいじめられている子供があれば、ちゃんと守るからねということを言うと。 それから、先生方には、いじめはないんだということを言うと、いじめがあったら大変だと言うとどうしても自分で背負って隠してしまうというか、背負ってしまうと。いじめはやっぱりどこにでも起こるということを前提にして、ちゃんと学校で取り組めるような体制にするというので。
それから、保護者の方にも、子供にきっちりいじめはいけないということと、それからいじめを受けているようなことがあれば、ちゃんとサポートし相談してやってください。この3つ、そんな格好のものですけど。
委員長 この保護者の方への中に、どちらかというといじめられている側の保護者というメッセージが多いと思うんですけど、自分の子供がひょっとしたらいじめをしてるんじゃないかということも見逃さないでほしいという、何か文言があってもいいような気がするんですけどね。何か保護者が一番わからない、わかっていない。やっぱり保護者がどっちの側でもあり得るので、そのことを見逃さないでほしいというようなことも、何かちょっと入れてほしいような気がするんですがね。
委員 それ一番に入れていただきたいですね。一番にね。体験上、いじめというのは悪いんだ、それはその子なりの理由はあるんだけど、それをつくったのは家庭、親というのが大きいのだということです。ケース・バイ・ケースはあるにしても。一番に入れるべきで、今、委員長さんが言われたことは本当にそこが根本だと思いますね。
教育長 その2つ目の丸のところに、子供たちの様子の変化を見逃さないでくださいって言っているんですよね。これいじめられた側のとこだけを言っているように書いてあるんですね。
委員長 どうしてもそうなっちゃうんでね。
教育長 なるんですよね。いじめた方のも少しは入ってはいるつもりではあるのはあるのだけども、はっきり書かないとわからないですかね。だからいじめる側に立ってもいじめられる側に立っても。
委員長 子供はいじめられる側もあるけれども、いじめる側もありますということをぽんと言っておいて、子供としっかり向き合い、何々何々という、こういうようにした方がいいような気がしますね。
教育長 2つ目のところに、少し今のような言葉を入れて、頭に入れてですね。
委員長 ちょっといじめ問題で、学校ばっかりがクローズアップされていますけども、家庭をもっと表に出さないといかんと思いますね。
教育長 保護者ですよね、まずね。
委員 いじめは許さないということですけれども、これとあわせて命の大切さということを伝えていかないといけない、特に。
福岡県で3年ぐらい前に女の子が女の子を教室で殺すという事件があったときに、あそこで調査された中に、人は生き返るというのがありましたよね。結構、数がいたんです。それで、えっ、人が生き返るって6年生で思っているのって思ったことがあって、近々の学校で聞いてみたら、やっぱりそういうのはあったんですが、そのときにはこうこうこういう理由で、ほかのことがあったので、ああそうだわな、そんなことはないわなと思っていましたら、このごろのいじめ問題で出てきた全国の情報の中で、子供たちが結構それを言ってるんですよ。死んでも生き返る、何の形でもあれ、虫でもあれ、魚でもあれ、何でもあれ、また違った形で生き返られるとか、3カ月たったらまた人間に生き返られるとか、それを普通に言っているんですよ。そこにおられた人がコメントを出しておられたのは、小学校6年生あるいは中学校1年生あたりでも生き返るという認識を持っている子供が40%ぐらいもいるということです。本当に命は1回きりということが、子供たちの心に入らないような今の情報の時代、ゲームをしても生き返る、それからいっぱいたくさん人が死んでいく情報を見ている子供たちには、命はかけがえがないとか1つしかないっていうことが心の中にしみて入ってないというふうに思います。
青少年問題にもかかわっている中で、本当に命のことを伝えていっていないから、中絶においての数が多いとかっていうのもありますから。何らかの場所でもっと命のことについて話してください、伝えてください、教育をしてくださいということが大切であると思っています。
それから、いじめられた子がとにかく1人になるんですよね。そのときに1人にならないような、そういう日常生活の中で、あの人がいじめられていて、せめて3人は仲間がいる、5人もいればたくさんのいじめている子と闘えるんですが、そういう何か生き方というものもどこかの場で伝えていけば、1人で悩むこともないような気がします。
いじめというのは1人ぼっちにさせておいてというのがありますけど、そういう事態にまでならないような工夫というのが必要かと思います。
委員長 このメッセージをどんなふうにどう発信するんですかね。作ったとしたら。
次長 これはきょう、大体今ので教育長がこういう話をして、こういうということでマスコミに向けて、一番はもうマスコミを通してということです。あとは次は24日の教育長会議がありますので、そこと、それから折を見ての校長会。そういうところで流していきたいという。
委員長 ということは、子供たちや保護者、学校というのはかなり間接的にしか伝わりませんね。
次長 そうですね。そこにこういうふうに伝えてくださいという。なかなかよそでやっておられるようにテレビとか、そういうところで教育長がしゃべられても、子供たちには結局、中身が伝わりませんので、間接的に伝わるということを頭に置いた上で書いた方がいいかなと。
委員長 という意味であれば、少々かたい文章でもいいわけですね。ここに書いてあるような内容がわかれば。
委員 結局、いじめる子供をなくすためには、やはり教育基本法の一番、あれにも理念の最初のとこに書いてる、個人の尊厳という、そういうあたりの、とにかくだれも自分がされて嫌なこと、悲しいことは人にしちゃいけないんだっていうことがわかるような、そういう童話とか絵本とか、そういうものをよりすぐって、少しでもそういうものを推奨本にして、子供たちに読み聞かせて、あんなことをしたら相手はこんなに悲しいんだっていうことがわかるように、そういう悲しいことはしちゃいけないんだっていうことが子供にわかるように、小さいときからやはり読書活動の中に何かそういう理念を身に付けさせる目的を持って実践してほしいと思うんです。
委員長 恐らく抜本的な話をし出すといっぱいあると思うんですよね。とりあえず今ここでという発信の議論をちょっとしようという話が第一段階で、その抜本的なことはまたいろんな角度でちょっと話しをしなくてはいけないなと思いますけども。
委員 相談窓口とかホットラインということで、これはどっちかというと問題の抽出というか、ホットラインでインプットの方だと思うんですよね。それから先、やっぱりいろいろ相談をきちんとしてもらえるようになるように、またホットラインでいろんな大変だということがあればすぐ連絡してもらう、相談があるっていうふうにするには、やっぱり一つ一つの事例でアウトプットの方でそれをどう解決していくかというので、みんながその後、相談すれば信頼度が高まるかっていうことがあると思うんですけど、その辺の体制はどうなるのかな。例えば県の方にいろんな相談が来たと。今4つか5つ窓口があったら、それをどんなふうに市町村から学校という形で解決して指導していくのかなっていう、ちょっとお考えがあればなと思うんですけど。
小中学校課長 まず、学校のいじめの実態の把握というところが初めになると思うんですが、そこについては現在は月例報告ということで、不登校とかその他のことも含めて、毎月報告が上がってくるようになっています。県の小・中学校課でいきますと、最後は数字だけ、件数だけになるんですけども、教育局の方ではかなり具体的な実態も把握している。市町村の方から要請があれば、指導主事等と一緒になって連携して、そのあたりを支援をしていきますし、教育センターにはあと教育相談課はいうのもございます。そういうところでの相談といってもできると思います。
委員長 これ具体的に何件か寄せられているんですかね。
教育センター所長 はい、センターのいじめ110番というのがございますので、昨年度が62件でございます。今年度は10月までで39件でございます。10月に入りましてから急に増えまして、これ11件、39件の11件ということでございます。この場合にほとんどが匿名の電話でございますし、本人ではなくてお母さんからが割と結構多いんです。お父さんからはほとんどゼロでございまして、お母さんがほとんどですね。うちの子がこんなとかで、やっぱりその子供が困って電話してというのはなかなか少ないです。本人がというのがですね。中には先生の問題も結構その中でされる場合もございますし、子供の言うことを聞かない先生がおって、子供がいじめられているとかいうような把握のお母さんもありますし。そういう場合にすべて、まず相談者がわかれば、それを学校等に市教委等を通じて連絡しておりますけど、皆さんほとんどが匿名なもんでして、いわゆる県民の声みたいな格好で、来られる場合がございますので、大事な点がわからない面もございます。以上です。
委員長 匿名だと、じゃあそれがその後どう効果があったかなかったかわからないですね。
教育センター所長 再度電話されます。ですから先ほど言いました39件で回数でございますので、件数としてはもう少し少ないと思います。同じ方がかけているので。
委員長 延べ数ですね。
その中に加害者側の電話というのはほとんどないですか。
教育センター所長 ございません。やっぱり被害者とかの被害、自分がやられてるとか、こういう目に遭ってるという理由が多うございます。
委員長 虐待なんてあるんですかね。要は自分の子供を虐待するつもりはないけどしちゃうんだという、そういう相談はあるんですか。
教育センター所長 それはないですね。
委員長 これはいじめの場合はない。
教育センター所長 はい。お母さんが自分自身も地域から、周りからいじめられてるとかいう相談もございます。
委員長 前もちょっと申し上げたんですけど、メールを設定できませんかね。
教育センター所長 メールもございます。その中、2件ほどメールで来ているものもございます。電話がほとんど多いですね。
委員 でもホットラインをつくっても、結局、その中で本当にいじめられてる子が、そのうち何%の人が電話をかけるかというと、やっぱりいじめられてる子もプライドがあって、とても自分がいじめられてるってことを知らない人にでも相談はできないというのが子供の気持ちだと思うんです。だから、そういう手の届かないところにいるお子さんに、どういうふうに声をかけてあげるかというのは、本当に難しい。
委員 やっぱりそこですね。本当に。それとね、ホットラインとか相談なんて、今までもずっとこのいじめの問題はね、新潟県から始まってからもう10年ぐらいなるんですけど、やってきているんですけどね。全盛期に昔、配ったことがあるんですよね。相談電話番号を書いたやつを渡したりしたこともあるんですよね。やっぱり今大変な事件が起こったケースを見ると、何か窓口とかホットラインじゃ、そういう子たちは救えない、ある意味では足らないなと思いますね。
やっぱり無記名アンケートをいかにタイミングよく、かつ真剣なものとして、校長が活用するかです。いじめの気配があったときには校長がダイレクトに全生徒に向かって話をしてその上でアンケートを書かせることです。1回目のアンケートを検討して、さらに2回目に実施も必要です。本当に1回目には出てこなかったことが出てきて、救えたケースもあるんですよね。ですから、子供は知ってますよ、あれがいじめられてるということはね。先生には子供のことがわからんだろうというふうに思ってます。
それともう一つ、ちょっと鳥取県教育委員会はしっかりしているのであれですけど、新聞、テレビ等で、何かそれでも教育委員会かいなとか、それでも校長さんかいなとか言われて、本当に感度の悪い取り組みをして、マスコミや社会全般から袋だたきになってますけどね。念には念を入れ、鳥取県でもやっぱり学校から地教委に、地教委から県教委に、いじめだと確認できてから報告するんじゃなしに、やはりこれちょっと危ないなと思ったら、とりあえず取り違いがあるかもしらんけど、教育長のところまで来るような、そういうスピード対応を促していく必要があるということです。
どうしても、いじめの状況の中には、ふざけあいとかゲーム感覚とかが現象的に出るのはわかります。いやあ、これいじめられているといっているけど、あいつの方がいじめてるんだから、心配せんでもいいというように生徒が言ってね、先生がそう見てしまってとんでもない事件になったことがあったもんですからね。ですから、本当はその辺をいかに鋭く見させていくのかがカギです。敏感な学校なり先生をつくっていくことが大切だと思います。
委員 これ最終的に解決してもらうのは学校の現場ということですよね。ですから、その辺をどういうふうに指導していただけるかということになるかなと思うんですけども。いろいろ情報が来ても、やっぱり県でも市町村教育委員会でも対応できなくて、そこからいろいろ話を聞きながら、やっぱり学校の現場でやってもらうんでしょうね。
委員長 僕は保護者を巻き込みたいんですけどね。保護者をぜひ。先ほど申し上げたように、いじめている側の保護者がそれに敏感になったら随分変わってくると思うんですけどね。だから、保護者が自分の子供にまなざしを持って、被害者であれ加害者であれ、そこと学校との連携ということしかないんじゃないかと思っているんですけどね。学校は一生懸命やられると思うんですけども、でもやっぱり限界がある。保護者の方がせいぜい3人ぐらいの子供の目配りですから、随分違うと思うんですね。
加害者の保護者というのは気づいてないと思うんです。それ気づいてもらうように、PTAでも何でも総力を挙げてやったらいいと思うんですけどね。時々ああいう事件があって、むち打つつもりはないけれど、でも保護者は気づいてなかったのかなと思うんですけどね。
委員 高等学校課長さん、どうですか。根本はこうです。とにかく、いじめは、いじめる子、これをなくするということです。そういう子を見逃している保護者、監督者、ここがポイントですからね。いじめられているときに逃げ場がどうだこうだっていうのは、火のもとを消さずに、やけどせんように逃げろちゅうこと言っているようなものです。火を消しゃいいわけですよね。だから、この「いじめは許さない」という題大変気に入っているんです。そこで、いじめは許さんって、いじめるやつはもう許さんぞって、そういう親も許さんと。私は委員長とは違って、糾弾する必要があると思います。親をね。今さっきの教育基本法も結局、そこの根本の公、お互いが助け合って社会になっているんだから、自分達はもう生活疲れている、子のことは知らんわいといって、親がやっぱりそれはいけんと。わが子をわが子として見ねばいけないと思う世の中でないとダメです。その上でわが子の指導で途方にくれているのなら、じゃあそれは困っているだろうから周りの人々が力を出しあって助けてやろうという、こんな社会が続くようにいかないといけないと思うんです。今、高等学校課長さんに聞いたのは、恐らく一体親の責任はどうなのかと思う先生が今は多いと思うからです。委員長さんはいじめる子を見逃している親、気がついてない親というのがポイントだと言われた、私も賛成です。いじめがなくならない状況というのをやっぱり我々は深く学習して、そこからいろいろ知恵を出していかなければいけないと思うのです。どうですか。
高等学校課長 最近の報道を見ていまして、全く親のことが語られないということがどうなのかなというのを、だんだん思ってきてるところなんですけど。実際、そういうことが学校の中で起きたとして、保護者が二通りあると思います。非常に自分の子供がそういうことをしたと、いじめをしたとか、こういう行為をしたということについて嘆き悲しむと、こういう育て方をしたはずではなかったって。それからもう一方は、それがそんなことぐらいで何で、例えば親が学校に来て話を聞かなければいけんとか、そういう認識の方もいらっしゃるということで、なかなか現場では難しい部分があると思います。 やっぱりさっき委員長さんがおっしゃった保護者の方にというのは、教員対保護者という、その関係ではなくて、保護者同士でそういう自分たちの子供を一緒に育てましょうとかというような、そういう輪が広がってくればまた違うと思うんですけど。多分小学校では、そういうことがまあまあできていると思うんですけど、年齢が大きくなるに従って、そういう観点がだんだん少なくなってきているというように思っております。直接、学校はいろんな生徒対応もあり、保護者との対応もあり、その保護者の方もさまざまな考え方があって、なかなかマニュアルをつくってそのとおりにというわけにはいかない。
委員長 もちろんそのとおりですよね。ただ、先ほどおっしゃったように、何かこの問題を全部学校に背負わせているっていうところにも、非常に大きな問題があるなと思って。だから学校は当然いっぱい発信もするしやらざるを得ないだろうけども、抜けてるところにやっぱり手を打たないといけないのではないかって思うんですね。おっしゃっているように、幾らやったって手ごたえがない話はたくさんあるとは思いますけども、でも打っていかないといけないという感じがしますけどね。
委員 本当にいじめ問題を解決しようと思ったら、今、山口さんが言われた後者の方の親っていうのが今ふえてることへの対応ですよね。こんなことぐらいで校長、よう呼び出したな、わしが社長に首切られたら、おまえの退職金をもらうぞというようなのもありますよ。けんか腰で、学年主任がもう一生懸命で校長に会わせまいとしているケースが本当にあるんですよ。火元を消そうと思ったら、すんなりいかないでそういうことになることも多いですよ。それと、保護者を巻き込んでの対応が学校の力だけじゃできないという問題を取り上げることです。やっぱり世の中全体で考えていって、じゃあその人たちを本当に親としても落ちつかせるようにしたいんだけどね、じゃあせめて近所の人とか、あるいは学年レベルでの保護者会とか、あるいはさらに町長さんとか、いろんなことで、自分たちも学校を助けていかないけんという広い取り組みが生まれることが大切なんです。そこをずっとせずにおれば、校長はいっつも済みません、済みませんと謝っている姿しかテレビには映らない。私は、そのためには、学校はとても苦しんでるっていうことを発信しなければいけない。恥じゃないんです、これは。教育に反映してるんだから、日本の全体がね。それを発信していかないといけないと私は強く思うんです。
委員長 それを推し進めていくと、先ほど委員がおっしゃったような話に返ってくるんだと思うんですけどね。でも、まず入り口のとこからやっていかないけないのかなと思いますね。
委員 本当に地域共同体の力をどういうふうに強くしていくか。そのためにはみんなで本当に優しい社会をつくっていくにはどうすればいいかっていうことを考える、何かそういう時間がそれぞれに欲しいというか、なかなかPTAなんかでも、そういうことを議題にして話し、コミュニティーを立て直すというところまでいかないと、本当にこのまま日本の社会が崩れていってしまうと思います。
委員長 ある意味で、いじめをしている加害者も被害者でしょ。だから、その被害者をどうするかっていったら、やっぱり学校だけじゃないと思いますけどね。
委員 こういうことも含めて、本当に何か特別支援教育が始まろうとしているノーマライゼーションというんですか、そういういろんなハンディキャップを持ってる方たちも普通の学校に入って一緒に教育をしていくっていうことが、果たしてこういうような今のこんな事件が起きてる中で、本当に可能なんだろうかという、そういう気持ちもします。やはり保護者全体が、本当にもっと優しい気持ちになれるような、何か、ことを考える。学校教育だけじゃなくて、学校教育を考えるならそこまで考えないとできないんじゃないかなっていうふうに思いました。
委員 何ていうか、保護者のこともひっくるめて、学校現場を助けてあげることができたらいいんですけどね。
委員長 鳥取県で、この前40件でしたかね、統計上、何かいじめがあるというのは。だけど実際どうなんでしょうね。そういうもっと深刻な状況っていうのは把握できてないんですかね、現場で。それはどうなんでしょうかね。
高等学校課長 多分その数字の中の高校の分というのは、いじめといってもかなり厳しいレベル、そういうものについては、途中経過ということがあるんですけども、指導主事とやりとりをしてという。いろんなことを経て、結果的に解決したという、そういうものだと思いますから。その報告があったのよりも厳しいものというのはないというぐあいに思ってます。
委員長 問題は、でも中学校段階でしょう。多分かなり厳しいというのは。
小中学校課長 今、学校の報告を上げるか上げないかの線引き、根拠になるものが、文科省が示しています、いじめの定義でして、これが①自分より弱いものに対して一方的に、②身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているものというふうにしてありまして、一方的かどうかとか、継続的というのはどれぐらいが継続的なのかとか、深刻な苦痛というのはどの程度が深刻なのか、このような判断というのは、やはり中学校の校長先生が最後に数字を上げるときに迷われるとこだと思います。
国の方は、この判断を表面的、形式的に行わないで、いじめられた児童生徒の立場に立って行ってくださいとは書いてあるんですけども、ここは難しいということを聞いてます。
委員 もっと人数としてはいるはずですよね。
委員 とにかくその数字にあらわれた10倍はいると。
委員 何か今の判断指針というのは、何か黒だって決めるラインを決めてるみたいな感じですよね。ですから、学校でも起こり得るということが前提なら、もっとグレーゾーンで危なそうなのも出てきてもいいと思うんですよね。でも出てきたらやっぱり学校としてはよくないから、黒は認定しないから出さないというふうになるんで、何とかグレーのうちに、グレーが集められるようにもう少し何か壁を開くことができないかなと思いますけどね。
委員 でもね、いじめられてる子をあぶり出すというのは、そういうことをする、善意でする人たちもいじめと受け取られる。いじめられてる子が自分がいじめられてると認定されることは、すごくプライドを傷つけられることですよ。だから、そういう作業はすごく難しいと思う。
委員 何か逆にね。いじめられてるねって言うのもね。
委員 そうですね。死んで初めてあの子はやっぱりいじめられてたんだっていう。だけどそのふちを歩いている子が今たくさんいるわけだけど、その子、危ないからこの人危ないよって言われるのは、もうその子のプライドを物すごく傷つけることだし、その辺は本当に扱いが難しいんじゃないんですか。
委員 そうですね。先生に言っても何にもならんということを何遍も経験して、高等学校に行っているような子、私も何人か体験ありますけどね。おっしゃるように、そりゃいじめられてるということ言うこと自体が大ジャンプで、言っても、ますます自分に返ってくるという経験も既にしているんですね、何遍もね。ですから、いじめられてる人間を救うっていたら、難しい現実の問題だと思いますね。
委員長 一方で、ちょっと次の段階の話で、やっぱり強い子たちをつくらないけんですね。忍耐力があるとか、強いとか、反発心がある子というのは、一方で本当はやっていかないけん。それから、そういうことを先ほど委員がおっしゃった命の問題等、教育委員会もやっぱりしっかりやらないけんと思っているんですけど。
今、とりあえず緊急の問題としてというところに置いてあるから、そこで思ったんですけどね。
委員 その緊急というところに、もう死をつなげておかないといけないと思っているんです。鳥取県は今はないけど、明日あるかもしれないというぐらいの気持ちを持って、その実情はどうかがわからないんであれですけど、ほかの県なんかも見てると、似たようなことありそうだなっていうのがありますので、緊急ということはもうそこを予想した問題としてとらえていないといけないというふうに考えます。
委員 グレーゾーンというのをどう受けとめるかです。グレーっていうのが瞬間に真っ黒になるわけですからね。グレーというのは本当に緊急なんですよね。本当にデリケートな重要な問題ですから。
委員 それでその死というのはさっきも言ったように、子供の考える死と大人の考える死はどうもギャップがあるようで。今本当にかわいそうな子供たち、死んでしまった子供たちに対して、名前を上げて、あんたのいじめがあって私は死にますといって死んでいったんですけど、その名前を上げられた子、あるいは上げられなくてもいじめをしてきた子供が、死んでしまった友達に対して本当に申しわけない、えらいことしたなと思っているかというところまで、今思います。人間が本当に、私たちが一般で思っていることとはもう違ってしまっているんじゃないか。
委員長 でもいずれにしても、今の思っていることを誰かに言ってくれなければ、どうしようもないですね。それが保護者であれ、先生であれ、こういうところであれ何であれ、まず伝えてほしいということで、自分で抱え込んでいると怖いですよね。
委員 子供たちが学級の担任の先生を信頼してないっていうときに生まれてきますね、こういう問題が。相談ができないとかっていうの。だから、学校ではそれぞれの学級がもう一回仕切り直しをして子供たちが本当のことを話せるような関係を立て直す、なかなか難しいかもしれないけど。それをしないと子供は口をほぐしていかない。それで、それは保護者もそうだと思うんです。自分勝手な人が確かにいるので、保護者同士で話し合いなんて成り立たないんじゃないかと思うんですよ。
常日ごろから、やっぱりその保護者に対しても信頼関係が持てるような手だてを打たないといけないというのはあると思います。もう家庭にもしっかりしてもらいたいという気持ちが強いけど、仲介をとる、仲介っていうか、やっぱり一番早く動かせるのは学校。しかし、学校だけに持ってきてもらっても困ると思うんです。
委員 今おっしゃったのは、保護者同士が本当は話ができないという現実ですね。これも本当、事実だと思うんです。非常にデリケートな問題なのです。今はこれが世の中の常識だというものが、社会全体の基準がない時代です。これがいわゆる公の問題につながるのです。結局ね。先生から見れば、やはりおたくに反省してもらわないけんし、ここは一歩も二歩も下がって、この問題を謙虚に受けてもらわないといけんと言っても、そういう人に限って、私をおとしめるようなことの話題をあんた出すのかと言われるわけです。そういうことで、幾らみんなの問題で、やっぱり1人では解決できないし、話し合っていきましょうという提案をされても、今の保護者会は生産的な話し合いはなかなか成り立たないのです。それから、教員が力があるとは生徒は思ってないんです。担任の先生ほど無力なものはないと。これはいわゆる頭のいい子もそうでない子も、運動できる子もできん子も、みんなそう思っているのですよ。親もそれで悩むんですよね。昔は小学校の先生からして、先生が力を持っていたから相談はできたわけですよ、先生に言いなさいっていって。今は、先生に言ったって、先生を困らせるぐらいだと。まだ私の方が強いからと、それ言ったら先生が困るから言わんと、その程度の、先生と生徒の関係ですよ。そりゃ中にはおられるけどね、しっかりした人もね。でも、今は、本当に正義を学校で貫くということがなされた我々の子供時代とは全然違う雰囲気になっていると思います。
委員 話がずっとやっぱりここまで来ると、大変だけど学校とか先生に、保護者を巻き込むことにしたって、学校と学校の先生に頑張ってもらわないといけないということになりますよね。
委員 それは私も今言いましたけど、それをずっと通していくとなかなか変わらないので、家庭でお願いしますっていうことを強調していかないと、なかなか変わってこないと思います。
教育長 どんどん学校が抱え込んできますよ、ばあって膨らんできますよ。
委員長 草の根から義務教育を考える懇話会で、一生懸命仕分けしたでしょ。だから当然、限界がある、ようわかっているんですけども、でも家庭にうるさいほど発信していかなければいけないと思いますよ、こういうテーマについて。
ややもするといじめられる側の家庭への発信が多いんだけど、いじめる側への発信もぜひしないといけないということですね。いや、多分いじめたりいじめられたりしてますからね、子供たちは。両方の経験持ってますからね。よくありますよ、作文書いてたら、前はこうだったけどこうなったというような話。
 
11月の定例教育委員会はこれで終わります。
  

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