当サイトではIE10未満のブラウザがご利用いただけません。Browsers with IE10 less can not be used on this site.

鳥取県東南アジアビューロー発 現地レポート

鳥取県がタイ・バンコクに設置している東南アジア地域拠点「鳥取県東南アジアビューロー」から毎月お届けするホットな現地情報です。現地拠点ならではの生きた情報を、東南アジア地域への事業展開にお役立てください。

  

最新レポート 2019年5月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

全文タウンロード用ファイル

なお、全文版では、タイの経済統計を1ページにまとめた「ワンページタイ経済」も併せてご覧いただけます。

タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 先日、マーケティングからイベント企画・運営、様々なセミナーの開催などを手がける(株)メディエーター(MEDIATOR CO., LTD)が主催する「mirai Japan-Thailand Investment Forum 2019」に参加してきました。今回はその中で開かれた、タイの次世代を担う若手経営者によるパネルディスカッションの様子を中心にお届けします。

<タイのデジタル産業の今とこれから>
~mirai Japan-Thailand Investment Forum 2019~

 タイのデジタル産業は、同じアジア域内の日本や中国と比べると、まだ遅れていると言わざるを得ませんが、ここ数年急速に成長している分野であり、またタイ政府が推し進める長期経済開発計画「Thailand4.0」の中で、重点産業とされる10の産業(S-CURVE TARGETINDUSTRYS)の中でもすべての事業の発展をつなぐ重要な産業として位置づけられています。(下図赤枠参照)

図:重点産業とされる10の産業

 今回はタイにおけるデジタル産業のキーマンである4名(1 LINE Thailand(インスタントメッセンジャー、ソーシャルネットワーキングアプリ)Director 、2 Ookbee Co.,LTD.(電子書籍サイト)CEO、3 Wongnai Media Co.,Ltd.(グルメ情報投稿サイト)CFO、4 Hubba Co., Ltd.(コワーキングスペース運営)CEO)が登壇し、『次世代産業で勝ち抜き、インフラ化を狙うタイ企業』についてディスカッションが行われました。主なテーマとしては下記の3つです。

  1. タイのデジタル産業の現在
  2. デジタル時代の創造的破壊
  3. 日本企業への期待と課題
写真:パネルディスカッションの様子

 各テーマごとにそれぞれの経験、立場を踏まえた率直な意見交換が多く交わされましたが、今後のヒントになりそうなポイントをまとめました。

1.タイのデジタル産業の現在

<タイのマーケットについて>

 タイの市場は決して小さくなく、Eコマース市場は前年比18%成長している。タイは都市部と地方農村部との格差が激しく、所得格差も大きい。しかし、生活インフラは整っており、取り扱う商品や価格によっては農村部にも利用客は存在する。ス マートフォンやSNSへの依存度も高く、さらに買い物好きという国民性は今後の成長が期待できる市場であると考える。

<サービス提供のあり方>

 綿密な価格戦略と、利用者の決済方法や支払いの担保が重要になってくる。価格面で言えば、電子書籍はまだ贅沢品と捉えられている。例えば300バーツの紙書籍が、Amazonの電子書籍キンドルでは200バーツで、この価格差ではまだ割安感は尐ない。そのためOokbeeでは最初の数ページを無料で閲覧可能にし、続きを1ページごとの課金制にした。1ページ3バーツの課金にしても、コンビニで10バーツ前後を購入する中高生が多く、これが全体では1,000万バーツの売り上げになった。決済方法はまだ遅れていて、ATMで現金を下ろし、コンビニで支払うという習慣が根強い。LINEスタンプは日本と同様にタイでも人気があり、1つのスタンプを20バーツで購入することができるが、電子書籍と同じく現金を街中の専用機で支払って購入する人がまだ多い。このような小額でのキャッシュレス決済の普及には、まだ時間が掛かると思われる。

<互いのサービスを補完しあうパートナーシップ>

 有名な人気飲食店の9割はバンコクにあるが、誰もが行けるわけではない。飲食店口コミサイトのWongnaiには、最初は高級レストランに行った事を自慢する投稿が多かったが、今では屋台の情報も増え、全国20万店以上の飲食店情報が投稿されている。2017年にはLINE が提供しているデリバリーサービス「LINE MAN」と提携してフードデリバリーにも参入した。インターネット環境を持たない屋台などでは、お店に対してはWongnaiが情報を提供して対応可能としているところもある。出店店舗の中には、LINE MAN用に駐車場を設置することにより、売り上げが前年比600%になった成功例もある。

2.デジタル時代の創造的破壊

 ここ数年、タイの経済成長率は3%前後で推移しているが、デジタル産業は2桁成長が当たり前になっている。技術で対応できる消費の問題をみつけ、解決し、その効果を多くの人にもたらす。創造的破壊は決してネガティブなものではなく、ポジティブなものである。

<多くの機会が転がっている>

 タイはモバイルファーストの社会。多くの人はパソコンを手にする前に、スマートフォンを初めてのインターネット端末として手にした。2000年頃におきた「.comバブル(ITバブル)」から20年経つが、この間に日米で起きたことがこの5~6年にタイで起きている。デジタル産業のヒントは他国に転がっている。例えば電子書籍では、利用者が書籍の購入だけではなく、自分のコンテンツを発信できる仕組み(有料・無料)がある。一般著者でも著名な人なら1件につき3万人が見る。1ビュー3バーツとすると、1作品で9万バーツ(約31万円)の収入となり、無名の新人でも小遣い程度の収入になる。資金ゼロで始められるチャンスである。

<意思決定方法の転換>

 グローバルブランドランキングを見ても、2000年台初頭に多くランキングした100年企業は尐なくなり、デジタル産業が台頭して来ている。求められているのは改善ではなく、前例のない破壊的創造。

 タイの大手銀行ではIT 部門をスピンオフさせ、別会社の設立(もしくは外注)をするなど対策を始めている。その根底にある問題意識は「旧世代的価値観による意思決定の遅さ、伝わらなさ」である。大手企業であるほど組織が肥大化して、変化への対応が遅くなっている。トップが意思決定をしても現場にうまく伝わらない、方針が理解できないなど意思疎通に問題が生じ、現場の対応が後手後手になっている。だからこそアクセラレータープログラム(大手企業が新興企業であるベンチャーやスタートアップに対して協業・出資を目的とした募集)やインキュベーションプログラム(若い段階にあるスタートアップ企業や起業まもない会社を対象に、資金の援助のみならず、作業スペースの提供や事務・経理といった経営指導など多岐に渡ってサポートする取り組み)が必要になってくる。

3.日本企業への期待と課題

<日本への期待>

 一般的な日本人が考えているよりもタイ人にはスキルがある。世界的企業であるGoogle、Facebook、LINEでも多くのタイ人が雇用されている。これまで日本からタイへの投資は製造業が多かったが、日本にはデジタル産業においても、技術、ワークシステム、資金があるので、タイのデジタル産業にもぜひ目を向けてほしい。

<日本のマインドセットを変えるポイント >

 タイ人のやり方が全て正しいというわけではなく、タイ・日本・グローバルのやり方の良い所を集めるのが一番だ。だが、今日は多くの日本人の方に聞いていただいているので、タイ人が思うところを率直に言いたい。

  • 書類の簡素化
  • 書類が複雑、煩雑で無駄に時間をとられているように思える。ケースによっては、書類を作ることが目的と思えることもある

  • 中長期計画偏重主義の見直し
  • よく「3年後、5年後に向けて計画を」と言われるが、3年後、5年後に世界がどのように変わっているかなんてわからない。計画が大事というのもわかるが、世の中がどんどん変化する中で、大切なのは今ではないか。

  • もっともっとスピード感を
  • 日本企業は意思決定に時間が掛かりすぎる。アジア最大の時価総額を誇る中国のアリババ集団(ネット通販)やテンセント(SNS、インスタントメッセンジャー、Webホスティングサービスなど)は、非常にアグレッシブでスピード感を重視している。この1年でも多くのことが変わった。韓国のカルチャーや技術も急ピッチでタイに入ってきている。日本企業がこのスピード感に付いていけずに、タイにおける存在感がどんどん薄くなってしまうことを心配している。

 タイで働く日本人として非常に耳が痛い話が多かったですが、それでもみなさん日本に対する期待や親しみを持って話をしてくださいました。セミナーのコメント中にもありますが、これまで工業化を進めてきたタイには、日本から多くの製造業の会社が進出をし、たくさんの技術を伝えて国の発展に寄与してきました。「東南アジアの優等生」として成長を続けてきたタイですが、今後も持続的な付加価値を創造できる経済社会を目指して、10の重点産業(1.次世代自動車、2.スマート・エレクトロニクス、3.富裕・医療・健康ツーリズム、4.農業・バイオテクノロジー、5.未来食品、6.ロボット産業、7.航空・ロジスティック、 8.バイオ燃料とバイオ化学、9.デジタル産業、10.医療ハブ)について、広く投資を呼び込むために投資恩典の拡充やインフラの整備を進めています。その各分野においても、日本からの投資が期待されています。このフォーラムの冒頭、タイ工業省のパヌワット審議官が「次の100年、日タイでつくる未来の産業とは」をタイトルに基調講演をされましたが、その最後に「日本人同士だけで話すのではなく、もっとタイ工業省を、タイ企業の経営者を頼ってほしい。」と述べられました。当ビューローでもタイ進出をお手伝いをさせていただきますので、どんなことでもお気軽にご相談ください。

7月~9月に行われる主な展示会・見本市

タイ

  • GFT 2019
  • TILOG-LOGISTIX 2019
  • Fi (Food ingredients) Asia 2019
  • T-PLAS 2019
  • PACK PRINT INTERNATIONAL 7th International Packaging and Printing Exhibition for Asia

インドネシア

  • EXPO CLEAN 2019 EXPO CLEAN Indonesia International Modern Cleaning Exhibition
  • Manufacturing Surabaya 2019 15th International Manufacturing Machinery, Equipment, Materials and Services Exhibition
  • FOOD & HOTEL Indonesia 2019
  • INAMARINE 2019 The 9th Indonesia International Shipbuilding, Offshore, Marine Equipment, Machinery and Sevice Exhibition
  • Electric, Power & Renewable Energy Indonesia 2019
  • CBI 2019-CAFÉ & BRASSERIE EXPO INDONESIA
  • 17th edition of Franchise & License Expo Indonesia
  • OIL & GAS INDONESIA 2019
  • Mining Indonesia 2019

ベトナム

  • MTA Vietnam2019
  • IFLE VIETNAM 2019 International Footwear & Leather Products Exhibition Vietnam
  • Vietnam ETE 2019 12th International Exhibition On Electrical Technology & Equipment
  • VIETNAM MEDI-PHARM EXPO 2019 IN HO CHI MINH CITY
  • Vietnam Manufacturing Expo 2019
  • vietbeauty 2019
  • NEPCON Vietnam 2019
  • VietnamWood 13th International Woodworking Industry Fair

⇒報告書バックナンバー一覧


バックナンバー タイ王国及び東南アジア諸国の動向報告書

2019年 タイ王国及び東南アジア諸国の動向報告書

2019年1月 2019年2月 2019年3月
2019年4月 2019年5月

2018年 タイ王国及び東南アジア諸国の動向報告書

2018年4月 2018年5月 2018年6月
2018年7月 2018年8月 2018年9月
2018年10月 2018年11月 2018年12月

2017年 タイ王国及び東南アジア諸国の動向報告書

2016年 タイ王国及び東南アジア諸国の動向報告書

  

最後に本ページの担当課    鳥取県商工労働部通商物流課
    住所  〒680-8570
             鳥取県鳥取市東町1丁目220
    電話  0857-26-76600857-26-7660    
    ファクシミリ  0857-26-8117
    E-mail  tsushou-butsuryu@pref.tottori.lg.jp