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2019年9月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

    タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

    1. ASEAN各国における水環境
    2. 2020年に東南アジアで開催される環境ビジネス関連の展示会
    3. 2020年2月~4月に行われる主な展示会・見本市

なお、全文版では、2020年2月~4月に行われる主な展示会・見本市の詳細やタイの経済統計を1ページにまとめた「ワンページタイ経済」も併せてご覧いただけます。

  

タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 近年、中国からの影響により日本でもPM2.5による大気汚染が度々問題となっていると思いますが、タイでも数年前から社会問題となっており、特に今年は高い数値を記録して学校が休校になるなど、問題が深刻化しています。また、バンコク市内を流れるチャオプラヤー河の水質汚濁も深刻であり、流域の工場からの不適切な排水や下水道の整備の遅れなどが原因であると考えられています。

 今月はASEAN各国における水質問題の課題についてお伝えいたします。

1.ASEAN各国における水環境

 以下の表はアジア水環境パートナーシップ(WEPA)が2018年にまとめたレポートを参考にまとめたものです。タイ近隣国の中でも都市化・工業化が進みつつあるベトナムでは、水質汚染の問題は顕在化しています。一方、ミャンマー・ラオス・カンボジアなどは一部地域を除いて水質はまだ良好な状態を保っていますが、インフラや水質保全のための法整備が追いついていないため、近い将来の悪化が懸念される状況です。実際に各国の水質状況はどうなっているのでしょうか。

国名 河川・湖沼及び貯水池など 地下水 排水処理状況
タイ 2016年に行われた水質モニタリングでは良好34%、普通46%、悪化20%で前年から比べると改善傾向にある。しかし、都市部・産業地域・農業(特に畜産の盛んな地域)を通過する河川流域では水質が悪化。 国内には27箇所の地下水涵養地がある。いくつかの地域では基準値を超える物質も検出されている。 産業排水と農業廃水が主な排水源だが、これらの総排出量に対して国内の排水処理能力は全体の28%に過ぎない。地方自治体の稼動費用や維持費用不足が原因。
ベトナム 都市の中心部、工業地帯、産業地域や工芸村を流れる河川の水質は、未処理の排水が流れているため、概ね非常に悪い。 地域によるが地下水の水質は概ね良好といわれている。しかし特定の地域(北部デルタ域)では、総溶解性物質、アンモニア、重金属などによる汚染も見られる。 生活排水については2015年に52の下水排水事業が実施された。このうち都市部においては高度な集合排水処理施設37基が建設されたが、排水収集のネットワークが統合されておらず、施設は完成できないでいる。産業排水も工業地域の75%は集合排水処理施設を有しているが、コンビナートは5%、工芸村(産業廃棄物の解体行う)ではごくわずかしか施設を持たない。
カンボジア カンボジア環境白書2017によれば、公共用水域水質は全体として良好であり、水質汚濁は大きな問題とは考えられていない。 乾季は重要な飲料水源・水供給源だが浅井戸の場合は大腸菌に汚染されているケースも多い。今後、産業廃棄物の過剰投棄や地下水の過剰揚水により水質を悪化させる懸念がある。 現在の水関係のインフラは植民地時代に作られたもの。国内の下水道及び衛生処理は未発展。国内の限られた排水処理能力を考えると、水の再利用、養分回収、排水からのエネルギー生産の優先度は不十分。
ミャンマー 豊富な水資源に恵まれている。2016年に実施されたモニタリング調査によると主な河川は灌漑用水に適しているが、濁度が高く、雨季の溶存酸素量(DO)が低いため水生生物の生息には適さない。 人口増加と経済活動による水需要の増加が地下水のくみ上げに拍車をかけている。ヤンゴンなど都市部及び工業団地が急拡大しており、地域の水需要が増大する一方、工業排水、都市排水、農業廃水による水質汚濁が進んでいる。 ミャンマーには水質汚濁を管理する法律がない。首都ネピドーの新興開発地域で、家庭排水が下水処理場に接続しているのは20%のみ。残りは腐敗槽または掘り込み式トイレ。産業排水も2016年に実施されたインタビュー調査では200箇所の工場のうち70を超える工場が国家環境質ガイドラインを認識していなかった。
ラオス 良好と考えられているが、都市部を流れる河川や支流では悪化が見られる。未処理または処理が不十分な排水や廃棄物の増加が原因。首都ビエンチャンを含むいずれの都市にも、総合的な下水道システムあるいは排水の収集・処理・処分システムはない。 地下水資源の資源潜在性、用途、水質といったデータが非常に乏しい。しかし、ラオス社会指標調査2012によると、ラオスの家庭の32%は地下水や湧水を飲料目的に使用している。 総合的な下水道システムあるいは排水の収集・処理・処分システムはない。そのため未処理排水の流入量が増加すれば、近い将来都市部の河川の水質はさらに悪化する可能性がある。
日本 人の健康に関する環境基準はほとんどの場所で達成されており、2016年度の達成率は99.2%。 2016年度に調査を実施した3,278本の井戸のうち、200本の井戸に環境基準超過が見られた。原因は過剰施肥、不適切な家畜排泄物処理、生活排水からの窒素負荷など。 人の健康保護に関する28項目に対し、全国一律の排水基準が定められ、工場及び事業所に適用されている。

出典:アジア水環境パートナーシップWEPA アジア水環境管理アウトルック2018

 水質汚濁の問題だけでなく、洪水対策・飲料水の確保など、アセアンには多くの水環境に関わる問題が山積しています。この領域では日本の水質管理・改善、あるいは治水などの技術が活かせるビジネスチャンスがまだまだ多く残されていると感じます。また、水に限らず、環境保護につながる技術も経験も豊富です。

 環境ビジネスに関する展覧会はタイのみならず、東南アジア各国で開催されており、今後もまだまだありますので、関心のある方はぜひ足をお運びいただければと思います。

2.2020年に東南アジアで開催される環境ビジネス関連の展示会

展示会名 期間 開催地
出展対象品目
ASIAWATER 2020 2020年3月31日~4月2日 クアラルンプール/マレーシア
廃棄物収集設備・技術、政府/産業団体、環境コンサルタント、環境管理システム、廃棄物管理、エネルギー・資源循環、工場・機械及び設備、車両及び輸送など
INDO WATER 2020 Expo & Forum 2020年6月9日~11日 スラバヤ/インドネシア
水処理、廃水処理、下水道、クーリングタワー、パイプ、ドリル、チューブ、バルブ、フィルター、ばっ気装置、ヘドロ処理装置など
Entech Pollutec Asia 2020 2020年6月11日~13日 バンコク/タイ
大気汚染制御&防止、空気清浄、分析&テスト機器、化学処理、制御機器&システム、環境コンサルティング、ろ過装置、危険物廃棄&排水処理機器など
Clean Water Vietnam 2020 2020年6月17日~19日 ホーチミン/ベトナム
産業廃水処理、水のリサイクル、浄化、再利用のための技術、灌漑技術、漏れ検出と水分損失、限外ろ過技術、水計測技術、地表貯水池、研究開発水技術、水資源管理、自治体の水管理、廃水処理および管理、超純水、ミネラルウォーター生産、下水道、雨水貯留技術および管理、粒子分離、浮遊装置技術、消毒および生物汚染技術、栄養素の除去と回収、水の再利用、パーティクル除去技術、残留処理とスラッジ濃縮、リソースの回復、自然処理システム、持続可能な水に関する技術
SIWW 2020 (Singapore International Water Week) 2020年7月5日~9日 シンガポール
クリーン輸送、気候変動/洪水コントロール、コンサルティング、エンジニアリングサービス、ダム&水力発電、海水淡水化、廃棄・リサイクル、エコプロダクツ、環境管理/保護、機器/制御/システム/計測機器、インフラ、工場開発&メンテナンス、衛生、廃棄物制御&管理、水配布、その他
MyanmarWater 2020 2020年10月21日~23日 ヤンゴン/ミャンマー
ボトル水製造、消毒および生物汚染技術、ろ過、浮上設備技術、グリーンテクノロジーおよび持続可能な水技術、工業用水および廃水処理、灌漑、膜、地方自治体の水管理、自然処理システム、無収水(NRW)、栄養除去と回復、粒子除去技術、ポンプとバルブ、雨水貯留技術と管理、原水水質監視システム、下水処理システム、スマートメーター、雨水、超純水、水資源、管理水再利用排水処理と管理

2020年2月~4月に行われる主な展示会・見本市

タイ

インドネシア

ベトナム

報告書バックナンバー

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