2021年7月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

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タイ王国及び東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

~東南アジアにおけるコロナワクチンの接種状況~

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 新型コロナウイルスの感染が世界中に広がってから1年以上が経つ中、東南アジア各国では収束の兆しがまだ見えない状況ですが、一方で各国でワクチン接種が始まったと報じられるようになりました。しかし、国によって接種の状況や事情が異なるようです。

 今回は東南アジアの主要3カ国(タイ、シンガポール、インドネシア)と、新興国の代表格であるベトナムの新型コロナウイルス感染症向けワクチンの接種状況についてお伝えします。


【目次】
  1. 東南アジア各国のワクチン接種状況
  2. タイ在住日本人のワクチン接種について

1 東南アジア各国のワクチン接種状況

【東南アジア各国におけるワクチン接種状況(2021年8月17日時点)】
東南アジア各国におけるワクチン接種状況

タイの状況

 当ビューローの拠点があるタイでは、ワクチンの大規模接種が今年6月7日から全国で開始されました。

 政府は当初、6月中に1,000万回の接種を目指すとして、初日の7日には40万回以上の接種が行われましたが、政府主導によるワクチンの調達・供給が計画より大幅に遅れており、バンコクでは15日に都内25会場での接種を一時中止することとなってしまいました。その後も20万~30万回/日で推移していて、当初目標の1,000万回に達したのは7月中旬のことでした。タイ政府の調達計画によると、現在調達済みのシノバック、アストラゼネカ、シノファームの3社に加え、ジョンソン・エンド・ジョンソン、モデルナ、ファイザーからの調達も開始し、年内に1億回分のワクチン確保を目指しています。

 タイ国内の感染者数は増加傾向が続いており、一日当たりの新規感染者が1万人に迫った7月12日から感染者数が特に多い10都県(後に29都県に拡大)でロックダウン(都市封鎖)が実施されています。主には、飲食店の店内飲酒の禁止と営業時間短縮(午後8時まで)、大型商業施設(ドラッグストアや食料品売り場などを除く)の営業停止、夜間(午後9時から午前4時まで)の外出禁止、不要不急な越境移動などが制限されています。全国各地で病床も逼迫しており、1日も早いワクチン接種の迅速化が求められています。


シンガポールの状況

 一方、「アジアの優等生」といわれるシンガポールは、他の東南アジア諸国に先駆けて、昨年12月30日に医療従事者へのワクチン接種を開始しました。

 その後も高齢者や感染リスクが高い業種から接種を始め、徐々に年齢条件を下げて現在では外国人を含む12歳以上の居住者は誰でもワクチンが接種できる体制が整っています。今年8月17日の時点で在住者の79%が1回以上の接種を終えており、リー首相は8月中に希望者全員への1回目のワクチン接種を終わらせたいとしています。


インドネシアの状況

 今年7月15日に一日当たりの新規感染者が5万人を超え、感染拡大が深刻化しているインドネシアですが、タイと同様にワクチンの摂取が進んでいません。

 首都のジャカルタ州では7月中に人口の約7割の住民が1回目のワクチン接種を終えていますが、地方ではワクチンの供給不足だけではなく、ワクチンに対する不信感や宗教的な理由で接種に抵抗感を持っている人が多いことも接種が進まない理由のようです。


ベトナムの状況

 今年5月までは目立った集団感染がなかったベトナムですが、徐々に感染者が増え続けて7月上旬には一日当たりの新規感染者が1,000人を突破、その後も感染拡大が止まらずに1日あたりの新規感染者が1万人に迫っている状況です。

 5月以降に急速に感染が拡大したこともあってか、ワクチンの接種率はASENA10カ国の中で最低水準となっています。ベトナム政府は、来年初頭までに1億5,000万回分の接種を完了させる方針で、WHOが主導するCOVAXや日本からの供与の他、英国、中国、米国、ロシアからのワクチン確保を急いで進めています。

 また、ベトナム複合企業最大手のビングループがワクチン製造に参入することを表明し、2022年初頭からのワクチン製造を目指すなど国内でのワクチン製造も進められています。


2 タイ在住日本人のワクチン接種について

 当ビューローの拠点があるタイでは、多くの日系企業が進出しており、たくさんの日本人が暮らしていますが、今年5月に感染が急速に拡大してからもワクチン接種の目処がなかなか立たず、不安視する声も上がっていました。

 そのような中、8月1日から海外に住む日本人向けに日本に一時帰国してワクチン接種を希望する人を対象としたワクチン接種事業が始まりました。また、タイにおいても在タイ日本大使館が現地病院と提携してワクチン接種を開始することが発表され、徐々にではありますが、在タイ日本人にもワクチン接種を受けられる環境が広がりつつあります。

 ワクチン接種では初動が遅れてしまったタイですが、このまま順調にワクチン接種が進み、新規感染や重症化する人の数が一日も減ることを期待したいと思います。


【東南アジア各国の新型コロナウイルス感染状況】

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