2022年3月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

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タイ王国及び東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

~ペットフード輸出国としてのタイ~

 鳥取県東南アジアビューローのタイ人スタッフ、グラフです。

 タイは、世界的な食品の輸出国としても知られていますが、食品だけでなく、ペットフードの輸出額も大きいことを皆さまご存知でしょうか。
 2020年のタイのペットフード輸出額は、623億バーツ(約2,292億円※)であり、世界のペットフード輸出国ランキングにおいて4位になっています。そして、この輸出額は、増加傾向にあり、2021年には世界第3位のペットフード輸出国になることが期待されています。
 また、今後もタイのペットフード産業が安定して成長すれば、将来的に世界一のペットフード輸出国になるポテンシャルも秘めています。(※1バーツ=3.68円で算定)

 このようなタイのペットフード産業市場では、現在、どのようなチャンスがあるのかご紹介していきます。


ペットフード輸出額の上位ランキング(2020年)
[出典:タイ農業省畜産開発局]



【目次】
  1. タイにおけるペットブームの背景
  2. 2020年のタイのペットフードの輸出事情

タイにおけるペットブームの背景

 タイは、世界でも有数の食品輸出大国として知られています。主な輸出食品は、輸出量で世界4位の冷凍鶏、世界5位の加工海鮮食品があり、豊富な輸出経験、原材料を所有しています。
 また、タイは、生産量世界一を誇るツナ缶をはじめとした缶詰産業も盛んで、この既存産業は、「ペットフード産業」の拡大において大きなメリットとなります。
 そして、ペットフード産業は、付加価値を高めやすい商品として魅力的な市場だと言えます。なぜならば、ペットを飼うことができる層は、ある程度高収入の層であり、「自分のペットに最も良いものを買ってあげたい」という考え方でペットフードを選ぶからです。そのため、価格よりも付加価値が購入者の満足につながりやすく、タイにおいても注目の産業となっているのです。

 また、タイでは、高齢化の進展を背景として現在、そして将来的にも単身世帯が増えるだけではなく、結婚しても子どもを欲しがらない「夫婦のみ世帯」も増える傾向にあります。そのため、子どもや友人の代わりとして、または一人暮らしの寂しさを紛らわすため、今後ペットを飼う世帯が増加するのではないかと考えられます。
 もちろん、ペットを飼う人が増えるとともに、ペットフードの需要も上がります。特に、コロナ禍の中、外で友人など他人と交流できる機会が急減している状況で、ストレスや寂しさを軽減するためにペットを飼う人が急増し、タイだけでなく世界的なトレンドとなっています。


2020年のタイのペットフードの輸出事情

 世界的なペットブームの盛り上がりは、2020年のタイのペットフードの輸出額に大きな影響を与えています。
 2020年のタイ全体の輸出額は、前年度比-6%であるにも関わらず、ペットフードに限った場合、+18%と大きく増加しています。
 引き続きコロナ禍の影響下にある2021年においても、1月から10月までの10か月間の輸出額が627億バーツ(約2,307億円※)であり、2020年通年の輸出額623億バーツ(約2,292億円※)を超えており、年々増加しています。(※1バーツ=3.68円で算定)
 2021年に輸出しているペットフードの種類は、犬・猫用のフードが全体の83%を占めています。主な輸出先は以下の表のとおりです。


2021年(1~10月)のタイのペットフード輸出先ランキング
[出典:タイ商務省]


 上記の表を見ると、タイのペットフードの輸出先は、全てタイよりも一人当たりのGDPが高い国となっています。このことから、ペットを飼うことは、比較的購買力の高い国でペットブームになっているものと考えられます。そして、それらの国においてタイ産のペットフードが受け入れられていることが分かります。
 また、2020年において輸出量の増加率が高い輸出先は、次の通りです。


2020年の輸出量の増加率が高い輸出先ランキング
[出典:タイ商務省]


 上記の表を見ると、ペットブームは、一人当たりのGDPの高い国に限ったブームではなく、ASEAN・東南アジアの各国でもペットの需要は高まっていることから、将来的にタイの重要な輸出産業になることが想定されます。特に、すでにタイの主要な輸出先となっているインドネシア(第6位)とインド(第7位)は、今後ペットフードについても主要な輸出先になっていくことが期待されます。

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