こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。
タイでは、海外からの帰国者を除く新型コロナウイルスの新規感染者は2か月以上発生しておらず、隔離治療中の患者も100人台と安定しています。タイ政府は6月30日付けの発表で、それまで禁止していた外国人渡航者への渡航条件について発表しました。
今回は現在のタイに入国するための手続きについてお伝えします。
1.タイへの渡航条件
現在、タイに入国を許されている渡航者は以下の通りです。
- タイ国籍を有する者。
- 規制より免除された者、また首相あるいは緊急事態解決責任者の長が必要に応じて入国できる者として定め、許可し、もしくは招待した者。この場合、条件及び期限を定めることができる。
- タイ国における任務を行う外交団、領事団、国際機関、また外国の政府あるいは政府関連機関の代表、並びににタイ外務省が必要に応じて許可したその他の国際機関に属する者、またその配偶者、親あるいは子供。
- 必要な貨物を運送する者。ただし、業務完了後は直ちに出国しなければならない。
- 業務に伴って入国する出国期日が明確に定まった乗物を乗務する者及びその従事者。
- タイ国籍を有する者の配偶者、親あるいは子供でタイ国籍を有しない者。
- タイ国在留証明書あるいは在留許可を持っているタイ国籍を有しない者。
- 法律に基づいてタイ国における労働許可証あるいは労働許可を持っているタイ国籍を有しない者、また配偶者及び子供。
- タイ国籍を有しない者で、タイ政府認定の教育機関に在学している生徒あるいは学生、及びその親もしくは保護者。ただし、私立学校に関する法律に基づく非公式学校、もしくは同様な私立教育機関の学生を除く。
(1)国際課程学校(インターナショナルスクール)に関する法律に基づく教育機関の生徒、または学生、もしくは大学の国際課程に在学している学生、及びその親もしくは保護者。
(2)基礎教育委員会事務局、もしくはそれ以外の行政機関の所管の学校や教育機関の生徒、あるいは学生。ただし、これらの親もしくは保護者を含まない。
(3)国境警備警察学校や同様な任務を担う他の機関の学校の生徒。ただし、これらの親もしくは保護者を含まない。
- タイで治療を受ける必要があるタイ国籍を有しない者及びその者の同行者。ただし、新型コロナウイルス感染症治療目的ではない。空路でタイ入国する者に限り、同行者は3人以下、タイ国内で14日以上滞在し、同医療機関で隔離措置を取ること。
- 特別合意(special arrangement)によって入国するタイ国籍を有しない者。(―長期滞在 特別合意のある国からの入国対象者の人数制限を設けるタイ外務省がCOVID-19 問題解決センター(CCSA)に提案し、決定する。)
出典:在東京タイ王国大使館
このように細かく分類されており、それぞれ必要書類やタイ到着時・滞在中の措置が異なります。この中から6)~8)のタイ人を家族に持つ人、タイの在留許可保持者、タイの労働許可証保有者とその家族の入国前、入国後の手続きについてご説明します。
2.入国前の措置
- 感染リスクのある所・大衆の場を14日間以上避ける。
- タイ入国時に必要な書類 。
‐入国許可証
‐搭乗可能健康証明書
‐渡航前72 時間以内に発行されたRT-PCR 検査による新型コロナ非感染証明書
‐滞在期間中の10 万ドル以上の新型コロナウイルスを含む疾病治療費の付保、もしくはその他の保証
‐渡航者が隔離を行う施設がタイ当局指定の隔離施設(ASQ)である証明書
- 出国前に出発国の出入国審査場で検温と呼吸器症状検査を行う。
出典:在東京タイ王国大使館
入国許可証は、労働許可証・10 万ドル以上の新型コロナウイルスを含む疾病治療費の保険証書・隔離施設(ASQ)の予約確認書を準備し、タイ大使館にて申請します。隔離施設(ASQ)での滞在費用は自己負担となります。隔離施設(ASQ)に指定されているホテルのリストは、コロナ緊急対策センター(タイ保健省管轄)をご参照下さい。
3.到着時・滞在時の措置
- 入国前に出入国審査場で検温と呼吸器症状検査を行う。
- 出入国審査場にて担当職員もしくは検疫官に書類を提出する。
- 隔離期間中の症状の警戒・観察のため、タイ当局が指定した追跡システムやアプリケーションをインストールし使用する。
- 14日間以上検疫官が指定した施設(ASQ)で隔離し、指示に従う。なお、渡航者を隔離する施設はタイ当局が指定した規定・方針に沿ったもの。
- 隔離期間中にRT-PCR検査を2回行うこと。1回目は3‐5日目、2回目は11‐13日目とする。
出典:在東京タイ王国大使館
隔離施設(ASQ)滞在中は外部との接触(食糧の差し入れ、書類の受け取りなど)は一切禁止されています。また、滞在中の食事やRT-PCR検査の費用はASQのパッケージ料金に含まれています。
このように厳しい条件付きではありますが、タイ政府は外国人渡航者の受け入れを再開しました。しかし、渡航のためには隔離施設(ASQ)の費用として3万バーツ~20万バーツ(約10万円~66万円、ホテルや部屋のグレードによって異なる)の自己負担が必要な上、日本からタイへのフライト(特別便)の便数も少ないため、まだまだハードルが高いと言わざるを得ません。また日本政府の6月18日の発表では「7月29日から(タイを含む)対象国との間で入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ、双方向の往来を再開する「レジデンストラック」の受付を開始します」とされていますが、現在(8月7日)のところ在東京タイ大使館のWebサイトでは受け付けていません。タイ政府による感染防止措置も含め、これらの情報は変更されることも考えられますので、渡航を希望される方は最新情報をご確認ください。
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