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2019年2月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

    タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

    1. 選挙に至るまでの道のり
    2. タイの選挙制度
    3. 主要政党
    4. 選挙の行方

なお、全文版では、タイの経済統計を1ページにまとめた「ワンページタイ経済」も併せてご覧いただけます。

  

タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 日本でもニュースなどで取り上げられていると思いますが、タイでは軍事政権からの民政移管に向けた総選挙の投票が2019年3月24日に予定されています。今月はタイの選挙についてレポートします。

1.選挙に至るまでの道のり

写真:プラユット首相

昨年7月の本報告書でもお伝えしましたが、タイでは2014年に発生したクーデターにより軍部が政権を掌握し、軍事政権が続いていました。当初、クーデターを主導したプラユット陸軍司令官(後の暫定首相)は軍による統治が一時的であることを強調し、暫定政権樹立後ただちに民政移管へのロードマップを示しました。しかし、新憲法の起草や選挙制度をめぐる対立で何度も先延ばしされ、その間にプーミポン前国王が逝去されたため憲法の公布が遅れるなどしたため、選挙の実施までに実に5年もの時間を費やしました。

2.タイの選挙制度

 タイの国会は両院制で、上院に相当する元老院(定数250)と、下院に相当する人民代表院(定数500)の二つの議院によって構成されています。今回の選挙で争われるのは下院の500議席で、選挙制度は小選挙区比例代表併用制(小選挙区350議席、比例区150議席)です。しかし、日本の小選挙区比例代表併用制とは違い、投票できるのは小選挙区の候補のみで、比例区の議席は小選挙区での得票率を反映して議席が分配される方式となっています。この方式では特定の政党が単独で圧勝するのは難しいとされている上、上院の250議席は事実上現在の軍政による任命で選出されているため、他の政党が単独で自らの候補を首相にするためには、下院議席の75%を確保しなければならないので、非常に高いハードルとなっています。それに対し、プラユット現首相を首相候補に擁立する国民国家の力党(パランプラチャーラット党)は、下院で126議席以上を獲得することで首相指名に必要な過半数の376議席を獲得できるため、現政権に有利という見方が有力です。

図:選挙制度の概要(タイ)

3.主要政党

政党名 特徴 勢力
国民国家の力党(パランプラチャーラット党) 現首相であるプラユット首相を筆頭首相候補にあげ、軍政の主要4閣僚(選挙戦に集中するため、1月30日に辞任)が所属。今年2月実施の世論調査では支持率22.6%で第2位。
※プラユット首相は政党に所属せず。
軍政派
タイ貢献党(プアタイ党) 2014年にクーデターで失脚したインラック元首相(タクシン元首相の妹)が所属していた政党。2011年に行われた前回の総選挙では過半数となる265議席を獲得。今年2月実施の世論調査では支持率36.5%で第1位。 タクシン派
民主党(プラチャーティパット党) 2008年~2011年まで首相を務めたアピシット元首相が率いる、現存するタイ最古の政党。タクシン派との激しい権力闘争を繰り 返してきた。今年2月実施の世論調査では支持率15.2%で第3位。 反タクシン派
新未来党(アナーコットマイ党) 従来の対立軸である親・反タクシン派のどちらにも与せず、軍事政権を否定して議会政治を目指す新しい勢力として結党された 新党。若者からの支持を集める。今年2月実施の世論調査では支持率8.2%で第4位。 新興勢力(反軍政派)
タイ団結国家開発党(ルアムパランプラチャチャートタイ党) 2013年にタクシン派インラック首相の退陣を求め、大規模な反政府デモを主導したステープ元副首相が選挙委員長を務める政党。 反タクシン派
タイ国家維持党(タイラックサーチャート党)※解党 プーミポン前国王の長女でワチラロンコン現国王の姉ウボンラット王女を首相候補として擁立した(後に取り下げた)が、この行為が「立憲君主制への敵対行為」とみなされ、3月7日憲法裁判所により解党が命じられた。 タクシン派

4.選挙の行方

 日本でもニュースで報じられましたが、ウボンラット王女を首相候補に擁立したタイ国家維持党が解党命令を受けたため、タクシン派は大打撃を受けました。これにより益々現軍政が有利となってきましたが、事前の世論調査では支持率1位を受けたタクシン派は、特に北部では圧倒的な人気を誇っており、選挙結果が出るまで目が離せません。そして、民主国家として正当な選挙が8年ぶりに、無事に行われることを期待します。

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