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2018年4月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 4月24日、日本貿易振興機構(ジェトロ)主催のセミナー「アジアで進化する生産ネットワークと新たな潮流」が開催されました。2018年1-3月のASEAN各国とインドでの企業へのヒアリング調査をベースに、各国の生産現場の課題と対策について発表されていました。

<調査のもともとの問題意識>

  • 日本企業の進出と共にアジアに生産ネットワークが発展しているものの、このネットワー クは恒久的なものではなく様々な要因で変化していく。
  • 生産ネットワークに影響を及ぼす要因
    1. 上昇する賃金
    2. 進む地域統合(インフラなどのハード面や関税の撤廃などのソフト面)
    3. 変化する受け入れ国の政策
  • これらに進出している日系企業は何を考え、どのように対策しようとしているのか

 セミナーではインドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、インドの6カ国について講演がありましたが、その中からタイ・インドネシア・ベトナムについてご報告します。

1.タイ

 しばらくの間停滞気味と報じられてきたタイの経済ですが、昨年から回復の兆しが見え、2018年度は3.6~4.6%の経済成長が見込まれています。輸出と観光業が国内経済を牽引するのと共に公共投資の拡大(例:「東部経済回廊関連(EEC)インフラ開発」と民間投資の増加がそれを後押ししています。※EECについては当報告書の2017年7月号をご参照ください。

表:タイに進出している日系企業数(業種別)

 タイにおける主要産業は自動車などの輸送機械の生産ですが、タイ国内だけで完結するのではなく、部品の生産/相互供給はASEAN 域内で活発になっています。ASEAN 全体での取引量は2000年~2016年の間で13倍にも増えています。タイ→マレーシアではハンドルやステアリング部品が主な輸出品目ですがその量は14倍に、またタイ同様自動車の一大生産拠点として発展したインドネシアとの間ではギアボックスを輸入し、その他の部品をタイから輸出していますが、およそ20倍の取引量になっています。

 自動車部品に限らず、最近タイ国内の日系中小企業の方からよく「ベトナムから引き合いがあった」「タイからマレーシアに輸出している」「HPを見てインドから問い合わせがあった」などASEANのほかの国との取引が活発になっている声を聞きます。タイ国内だけでは小さなマーケットと感じるかもしれませんが、インフラの整備、関税の撤廃、更にはTTPが進んでいけば、ASEAN諸国どこに行くにも飛行機で1~3時間、十分な市場を得る可能性があります。

 また、タイ政府はThailand4.0という政策の中で10の重点産業(次世代自動車、スマートエレクトロニクス、メディカル&ウェルネスツーリズム、農業・バイオテクノロジー、食品関連、メディカルハブ、航空、バイオ燃料、バイオ科学、デジタル、ロボット)への投資拡大を図り、産業を高度化するという方針を打ち出しています。実際私がタイの工業省や大学を訪問してもタイ側からは「EVと航空」について何か一緒にできないか?という声を多く聞きました。

 ジェトロは最後にタイにおける今後の潮流としてさらに2つのことを指摘しています。

  1. 日系企業は高付加価値品の生産、地域統括機能の強化、自動化・省人化(ロボットの導入)を通じた、生産・サービスの高度化を視野に入れる
  2. 労働集約的な生産プロセスは、ミャンマー、ラオス、カンボジアなど周辺国へ。ただし、この場合物流や人材確保などの課題から生産コストが割高になる可能性がある。

 こちらではマーケティング&セールス担当の須藤シニアマネージャーにアマタシティー・ビエンホア工業団の概要やベトナムの製造業界の市況、政府の施策についてお話を伺いました。特に「新興国においては『一人当たりのGDPが3,000ドルを超えると、耐久消費財の市場が急速に拡大する』と言われている。現在2,500ドル台のベトナムは2020年には3,000ドルを突破する見込みなので、今までの圧倒的なバイク社会から車社会に転換することが期待されている』という話は非常に興味深いものでした。その他にもASEANの他の新興国(カンボジア・ラオス・ミャンマー)の投資環境の比較やベトナムが持つポテンシャル、ベトナムに投資する際の注意点(法令やネガティブリストなど)を細かくご説明いただき、工業団地内もご案内いただきました。

2.インドネシア

 毎年5~6%の経済成長が続くインドネシアは、人口、国土、名目GDPでASEAN10カ国の内約4割を占めています。日本企業の進出は「自動車産業」を中心に、近年は内需を狙った「一般消費財」「食品・飲料」「サービス産業」の他「電力」「鉄鋼」「不動産」が目立ちます。

表:インドネシアに進出している日系企業数(業種別)

 生産ネットワークはタイと同様ASEAN 域内の生産ネットワークが進んでいます。もともと一国・一市場・一工場で各国で分断された生産体制が、2003年からの域内関税0~5%への削減、2010年からの一部域内関税撤廃、そして2018年には域内関税全て撤廃を受けて、効率的な生産・調達体制の再構築が進んでいます。

 しかし、大手自動車メーカーが進出し生産台数もタイに次ぐ2位となり、ASEAN域内での国内販売台数もTopとなったものの、裾野産業の育成ができておらず、タイに比較するとサプライチェーンが脆弱です3次・4次請け企業はタイの半分にも満たない企業数です。ヒアリングした企業からは現地部品調達率の向上が課題だという声があったそうです。またそのためにも地場企業や地元産業人材に対する着実な技術移転も必要なものの、インドネシアの場合は設定されている外資最低資本金が高く(1億円)タイのように日系の中小企業が進出する上でのハードルになっています。

 加えてインフラ整備も大きな課題です。政府はインフラ整備に2015~2019年の5年間で約51兆円が必要と試算しています。うち4割を国家予算、6割を民間企業から調達予定です。高速道路、空港、港湾などの開発発展が産業高度化への鍵を握ります。

3.ベトナム

表:ベトナムに進出している日系企業数(業種別)

 ベトナムの人口は2017年に9,368万人でしたが、5年後2022年に1億人を突破する見込みです。日本と同じ高齢化問題を抱えるタイは6,676万人、一方ベトナムは30.4歳(2015年)と労働力としても成長する購買力という観点でも魅力的です。

 ベトナムで生産されている主な品目は携帯電話と部品、印刷機械と部品があります。携帯電話に関して言えば、ベトナム・中国・韓国・インドネシアの間で部品の輸出入が行われ、最終製品は中東やアメリカに輸出されます。印刷機械は日本・中国などから輸入し、最終製品はオランダ、中国アメリカなどに輸出されます。

 タイ・インドネシアに比べると自動車産業は小さいものの自動車部品の輸出は増加傾向です。しかし、かつては一部部材を日本から調達していた部品メーカーもインドネシア・タイからの調達に切り替えるなどが進んでいます。

◇◆ちょこっとニュース◆◇

表彰式を終えた木下選手、伊田会長、入江選手

 先日4月19日~28日にバンコクでボクシングのアジアユース選手権大会が介されました、今年の2月にタイで合宿を行った米子南高校の木下鈴花選手と米子西高校の入江選手が日本代表としてこの大会に出場し、木下選手が女子フライ級、入江選手が女子フェザー級で見事銅メダルを獲得しました!東京オリンピックの候補としても注目の両選手を、今後とも応援していきましょう!

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