重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)

<注意事項>
 病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。

届出基準・様式(PDF)

次の届出基準に該当する場合には、直ちに最寄りの保健所に届け出てください。
印刷用 届出基準(PDF84KB)
印刷用 届出様式 (PDF84KB)
  

(1)定義

コロナウイルス科ベータコロナウイルス属のSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)コロナウイルスの感染による急性呼吸器症候群である。

(2)臨床的特徴

多くは2~7日、最大10日間の潜伏期間の後に、急激な発熱、咳、全身倦怠感、筋肉痛などのインフルエンザ様の前駆症状が現れる。2~数日間で呼吸困難、乾性咳嗽、低酸素血症などの下気道症状が現れ、胸部CT、X線写真などで肺炎像が出現する。肺炎になった者の80~90%が1週間程度で回復傾向になるが、10~20%がARDS(AcuteRespiratory Distress Syndrome)を起こし、人工呼吸器などを必要とするほど重症となる。致死率は10%前後で、高齢者及び基礎疾患のある者での致死率はより高い。

(3)届出基準

ア 患者(確定例)

医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から重症急性呼吸器症候群が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、重症急性呼吸器症候群の患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。

イ 無症状病原体保有者

医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、重症急性呼吸器症候群の無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。

ウ 疑似症患者

医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から、重症急性呼吸器症候群の疑似症患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

エ 感染症死亡者の死体

医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、重症急性呼吸器症候群が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、重症急性呼吸器症候群により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。

オ 感染症死亡疑い者の死体

医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、重症急性呼吸器症候群により死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。


検査方法

検査材料

分離・同定による病原体の検出

鼻咽頭拭い液、喀痰、尿、便

PCR法による病原体の遺伝子の検出

ELISA法又は蛍光抗体法によるIgM抗体若しくはIgG抗体の検出、又は中和試験による抗体の検出

血清

(4)疑似症患者の判断に必要な事項

ア 病原体診断又は抗体検査で陰性になった場合でも、患者と臨床的特徴が合致する場合は、SARSを否定できないため、医師の総合判断により、疑似症患者として取り扱う。

イ 臨床所見、渡航歴などにより、以下の(ア)又は(イ)に該当し、かつ(ウ)の条件を満たす場合は、疑似症患者として取り扱う。

(ア)平成14年11月1日以降に、38℃以上の急な発熱及び咳、呼吸困難などの呼吸器症状を示して受診した者のうち、次のいずれか1つ以上の条件を満たす者

(1) 発症前10日以内に、SARSが疑われる患者を看護若しくは介護していた者、同居していた者又は気道分泌物若しくは体液に直接触れた者

(2) 発症前10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)へ旅行した者

(3) 発症前10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)に居住していた者

(4) SARSコロナウイルス又はSARS患者の臨床検体を取り扱う研究を行っている研究者、あるいはSARSコロナウイルス、又は患者検体を保有する機関の研究者で、ウイルスへの曝露の可能性がある者

(5) 5日以上継続する重症の呼吸器症状及び肺炎で、治療に反応せず、他にこれら症状を説明できる診断がつかない場合

(イ)平成14年11月1日以降に死亡し、病理解剖が行われていない者のうち、次のいずれか1つ以上の条件を満たす者

(1) 発症前10日以内に、SARSが疑われる患者を看護若しくは介護していた者、同居していた者又は気道分泌物若しくは体液に直接触れた者

(2) 発症前10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)へ旅行した者

(3) 発症前10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)に居住していた者

(4) SARSコロナウイルス又はSARS患者の臨床検体を取り扱う研究を行っていた研究者、あるいはSARSコロナウイルス、又は患者検体を保有する機関の研究者で、ウイルスへの曝露の可能性があった者

(5) 5日以上継続する重症の呼吸器症状及び肺炎で、治療に反応せず、死亡までに、他にこれら症状を説明できる診断がついていなかった場合

(ウ)次のいずれかの条件を満たす者

(1) 胸部レントゲン写真で肺炎、又は急性呼吸窮迫症候群の所見を示す者

(2) 病理解剖所見が肺炎、呼吸窮迫症候群の病理所見として矛盾せず、はっきりとした原因がない者

注)他の診断によって症状の説明ができる場合は除外すること。

  

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