柳屋の先代・田中達之助さんは地域に伝わる古い郷土玩具(柳屋さんでは古玩と呼んでいます)の復元に心血を注がれました。 現在は、達之助さんの復興した古玩や新たに創作した郷土玩具を受け継いで、二代目の田中勤二さんと宮子さんが製作をしています。 柳屋さんが製作する郷土玩具のバリエーションは実に豊富で、素材も和紙、土、木、藁、布・・・とさまざま、作り方もそれぞれ異なります。 ラインナップの半分を占める張り子はやはり人気が高く、この連載でご紹介した張り子面は13種、張り子人形は17種を作っておられます。 土製の玩具には、人形のほか、笛や土鈴といった鳴り物もあります。 |
豆天神
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堂内天神
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面かぶり
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しょろしょろ狐(土製)
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柳屋さんと言えば、鳥取に伝わる伝統行事の「流し雛」で有名ですが、これもさん俵や折敷(おしき)に載ったもの、竹に挟まれたものなど、いろいろなタイプがあります。 田舎雛、面かぶり、きびがら姉さん、堂内天神、豆天神、紙軍艦、要蔵でこなどの古玩類は、まさにアンティーク。 これだけ多くの種類の郷土玩具を絶やすことなく作り続けるのは本当に大変なことだと思います。 しかし、中には「きびがら姉さん」の玉蜀黍の皮のように、昔ながらの材料の入手が困難になり、なかなか作れなくなってしまったものもあるのだとか。 |
田舎雛
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紙軍艦
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張り子の虎(大・中・小)
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張り子の辰(大・小)
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郷土玩具は日本各地で古来から作られてきたおもちゃで、材料には地域の産物を用いたものが多く、また、祭礼や信仰と結びついたものや、地域の動物を題材にしたものが多いのが特徴です。このため、各地方ごとに個性あふれるユニークな玩具を見ることができます。 庶民の暮らしの中で生まれ、親しまれてきた郷土玩具から、私たちは心を和ませてくれる懐かしさや温もりを感じるのではないしょうか。 同時に、今のおもちゃとはまた違ったシンプルな作りや洗練されたデザインに新鮮な感動を覚えることも。 ただ、ライフスタイルの変化や後継者難により廃絶してしまった郷土玩具も数多くあります。 |
えびす大黒
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はと笛・ふくろう笛
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大切な地域文化として、次の世代にも伝えたていきたい柳屋さんの玩具。 せめて製作技法を映像資料にして保存しておこうと、張り子面の製作技法のデジタルアーカイブ化を企画し制作しました。 県立図書館のほか、県内の一部の公共図書館(※)でも見ていただくことができます。ぜひご覧ください。 (※閲覧できる図書館については、観光政策課へお問合せください。) |
製作工程の撮影風景
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