柳屋さんの製作する張り子面は実に多様。 代表的なのは、因幡地方の伝統行事「麒麟獅子舞(きりんじしまい)」をモチーフにした「きりん獅子」、「猩々(しょうじょう)」、「ぬけ」などのお面。 そして、「因幡の白兎」、「青の鼻たれ」など地域に伝わる民話や神話に根ざしたお面。 さらに、「さる」、「きつね」などの動物や「ひょっとこ」、「お多福」、「赤鬼」、「青鬼」などのオーソドックスなキャラクターを題材にしたお面もあります。 特に「天狗」、「からす天狗」面は、玩具でありながら迫力は満点です。 |
きりん獅子面と猩々面 |
ぬけ面
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きつね面 |
青の鼻たれ面
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柳屋さんのお面は、個性的なデザインと丁寧な作りにより、東京などの都市部や若者の間にもファンが多く、わざわざ県外から探しに来られる方もおられます。しかし、製作に時間がかかるため、いつも順番待ち状態。 中でも、朱一色に塗られた能面のような無表情さが少し不気味な「猩々面」は人気があります。
泣いているようにも笑っているようにも見えるこの不思議な魅力を持つ猩々面は、いったいどうやって作られるのでしょうか。 そこには先代から受け継ぎ、頑なに守ってきた技法と信念と呼ぶべきこだわりがありました。 連載の第3回以降で、いよいよ製作現場に潜入。その様子をレポートしますが、まずはこだわりを支える「匠のお仕事道具」についてご報告します。 |
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