因州和紙の製造技法を写真つきでご紹介している連載の最終回、第4回目は、和紙づくりの最終段階である「7.圧搾・脱水」「8.乾燥」「9.二次加工・仕上げ」までの工程を一挙にご紹介いただきました。
原料の 下処理 |
煮 熟 |
精 選 |
叩 解 |
配合・抄紙 |
圧搾・脱水 |
乾 燥 |
二次加工 ・仕上げ |
圧搾・脱水
漉いた紙は水気を多く含んでいるので、これを圧搾・脱水する作業を行います。 床(とこ)に積まれた湿紙を少し大きめの板で挟み、重石(おもし)をして一晩かけてゆっくり、じわっと絞ります。 さらに、圧搾機にかけ、圧をかけて水分を抜きます。 |
乾燥
脱水が終わった和紙をはぎ取りますが、これを「床はぐり」と言います。「はぐる」とは「はがす」を意味する鳥取の方言です。 はがした紙を一枚ずつ刷毛を用いて熱したステンレス製の板や鉄板に貼り、乾かします。 鉄板にぴったり貼ると、紙に含まれた水分が蒸気になって飛んでいきます。 空気が入ったりしわになったりしないよう、細心の注意を払います。 基本的には、紙を干す時に、同時に検品作業を行います。
「床はぐり」の作業
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「乾燥」作業
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二次加工・仕上げ
乾いた紙を板からはがして断裁機で裁断します。 断裁機に入らないサイズの製品の場合は、紙切包丁を使って裁断します。長年、繰り返し研いで使うため、それぞれの家で使っている紙切包丁が、違う形になっていることもあるそうです。 サイズを揃えたり包装したりすることによって商品になります。
紙切包丁
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断裁機を使った断裁
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■ 道具の紹介 「刷毛」 床はぐりした紙を板に貼り付ける時、皺になったり、板と紙の間に空気が入ったりすることのないように、馬の毛でできた刷毛で表面を撫でながら貼り付けます。 刷毛専門の職人がひとつひとつ手作りしているもので、注文してもすぐには入荷しないそうです。 昔は紙干し職人が自分用の刷毛(藁ぼうき)を自分で作っていました。 |
■ 機械の紹介 「圧搾機」、「鉄板乾燥機」、「キャレンダー」、「断裁機」
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