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手仕事探査隊

第15回 匠のお仕事~因州和紙編 その三 
 配合、抄紙

 連載企画「匠のお仕事」で伝統的な技法や技術を紹介するシリーズ、「因州和紙編」も第3回。いよいよ佳境に入ってきた今回は「5.配合・抄紙」の工程です。
 作業を解説してくださるのは今回も鳥取市青谷町で修行中の中原寛治さんです。

原料の
下処理
煮 熟 精 選 叩 解 配合・抄紙 圧搾
・脱水
乾 燥 二次加工
・仕上げ

(1)配合
 
漉き舟(すきふね)に原料繊維と水を入れ、馬鍬(まぐわ)で繊維をほぐすように攪拌します。
 さらに、サナを加えて、長い棒で紙料を大きくかき混ぜ、紙料が均一になるようにします。
 サナは因州の呼び名で、一般にはネリと呼ばれ、「トロロアオイ」という植物の根から取った粘性のある透明な液体のことです。
 紙料の中の繊維を分散させ、紙を漉きやすくするために使います。また、簀の間から水が漏れ落ちるのを調整する役割もあります。
 温度や湿度などの条件により、紙料の状態を見ながら適当な量のサナを使います。
 因州では「トロロアオイ」ですが、産地によっては「ノリウツギ」などの粘液を用いるところもあります。

馬鍬で攪拌
馬鍬で攪拌


棒で攪拌
漉き舟を棒で
かき混ぜる

サナを加える
サナを加える


トロロアオイ
トロロアオイ

(2)抄紙(紙漉き)紙漉き
 水に溶かした繊維を簀桁(すげた)ですくって枷(かせ)を縦横に揺らし、一枚一枚漉いていきます。
 紙漉きをさらに細かく分けると、次の3段階の作業を行っています。
まずは「産水(うぶみず)」または「化粧水(けしょうみず)」と呼ばれる作業。浅くすくい、紙料が簀桁の全体に行き渡るようにします。紙の表の面を作る作業です。
 次に「調子漉き(ちょうしずき)」または「中漉き(なかずき)」。紙の肉厚を調整する作業です。
 最後は紙料を入れた簀桁を一気に動かして「捨て水(すてみず)」をします。この作業で紙の裏面ができます。
 どのような紙を作りたいかによって漉き方を変えます。

(3)床積み床積み
 漉き終わって、水を含んだ柔らかい紙を積み重ねていく作業を「床(とこ)に積む」といいます。
 空気を入れないように気をつけながら、漉き簀(すきす)を床(とこ)におろし、そっと簀をあげて紙を重ねる作業を繰り返します。
 紙と紙の間には薄い水膜ができています。ちょうどフランス菓子「ミルフィーユ」のパイ生地とクリームのような状態になっています。水膜があるので、積み重ねても紙同士はくっつきません。


■ なるほど情報 「紙漉きの音」

 因州和紙の紙漉きの音は、環境省選定「残したい日本の音風景百選」に選ばれていて、紙漉きのぬくもりのある音は、「磨き抜かれた技が奏でる音」と紹介されています。
 (
http://www-gis2.nies.go.jp/oto/
 
 この百選は、「全国各地で人々が地域のシンボルとして大切にし、将来に残していきたいと願っている音の聞こえる環境(音風景)」を環境庁(当時)が広く公募したのものです。
 ちなみに鳥取県からは、他に「三徳川のせせらぎとカジカガエル(三朝町)」、「水鳥公園のわたりどり(米子市)」が選ばれています。


■ 道具の紹介 「馬鍬」、「簀桁」、「弓竹」
馬鍬 「馬鍬(まぐわ)」

紙料を混ぜるための道具で、木を櫛状にしたものです。「マセ」とも呼ばれます。
簀桁 「簀桁(すげた)」

竹ひごを編んで作った漉き簀(すきす)を漉き桁(すきげた)の上に広げて固定したものです。

漉き簀 ※画仙紙用の「漉き簀」
弓竹 「弓竹(ゆみだけ)」

簀桁に紙料を入れると、かなりの重さになります。竹のしなりを利用して、漉く際の省力化を図るため、簀桁に取り付けて使います。
更新日:2008年4月8日

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