N-1 美歎砂防堰堤・水源地跡

N-1 美歎砂防堰堤・水源地跡 鳥取市国府町美歎

堰堤:粗石モルタル表面石張りコンクリート造
濾過池5箇所:方形・レンガ造・貯水池
濾過調整井バルブ室5棟:方形・レンガ造・平屋建・モルタル塗り
接合井バルブ室:円筒形・レンガ造・平屋建・モルタル塗り
量水器室:方形・レンガ造・平屋建
いずれも大正11年


美歎砂防堰堤・水源地跡は、歴史的に価値が高いことから、近代水道百選に昭和60年に選定された。位置は、鳥取市国府町美歎地内に在り、山間を美歎川に沿って上流に進むとその姿が見えてくる。

水道施設の無かった江戸時代から明治時代の鳥取市は、井戸水と河水に頼る様な状態で、鳥取市民の過半数は袋川の水を飲んでいた様であるが、河水は市内を通過するので常に不衛生で、夏季になるとよく川は涸れていた様である。こうした状況の中、古くから水道施設計画の話はあったが、多額の工費を必要とする為にその実現は難しいものであったが、明治45年に、市議会で美歎を水源地にすることが議決された。

こうして大正2年11月26日に起工式が行われ、工費510,000円を費やして、旧土堰堤が完成し、竣工式は大正4年10月26日に行われた。しかし、大正7年9月に鳥取地方を未曾有の大雨が襲い、貯水池の水は刻々と増水し、堰堤を溢れ根底から決壊して、民家10戸と土蔵5棟を押し流し、死者8人を出す大災害を引き起こした。

こうしたことにより、コンクリート造の堰堤に改修することとなり、大正11年6月28日に竣工した。こうして市民の水道使用量は、竣工前の約1.5倍にもなり大幅にアップしたが、同年の夏季は使用量が非常に頻繁であった為に、水道使用量を取り締まる等して使用量を抑制していた。また、市内の小学校の水栓からヒルが出てきたりと珍事件もあった。

改修をして約50年が経過し、堰堤の老朽化と人口の増加に伴い他の水源地が建設されたことで、昭和53年4月1日に貯水を放流し全施設の休止となった。その後は、歴史的に価値もあり周辺環境の良さから、地域住民のいこいの場として再利用できるとの構想が生まれ、関係機関の度重なる協議により補強工事を行い、美歎堰堤から砂防ダムへと生まれ変わった。

構造は、堰堤が延長103m高さ27mの粗石モルタル表面石張りのコンクリート造である。濾過池は5ヶ所あり、方形で擁壁にレンガを積んでいる。また、濾過調整井バルブ室・接合井バルブ室・量水器室はレンガ造りで洋風な姿である。こうした洋風の設計になったのは、明治の中期に横浜市で国内最初の近代水道施設の建設に当たり、英国人技師を顧問として迎えたのが始まりではないかと思われる。

平成10年の補強工事以降、砂防ダムとしてよみがえった美歎ダムは、下流の住民の人々に安心を与え、改修により多少姿は変わったが、山陰最古の近代水道施設として非常に貴重である。
その歴史的価値が認められ、平成19年6月18日に国の重要文化財に指定された。また、平成23年度から鳥取市によって建造物の保存修理が進められ、平成30年には文化財施設として一般公開を開始した。

詳しくはこちらから鳥取市公式Webサイトをご覧ください。
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1538014836195/index.html

大正7年の洪水で決壊した美歎水源地等の写真

大正10年の復旧改修工事等の写真

平成17年の美歎砂防堰堤の写真

平成23年度から鳥取市によって建造物の保存修理が進められ、平成30年には文化財施設として一般公開を開始した施設の写真

  

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