2026年8月7日
7月18日(土)午後1時から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館で令和8年度4回目の7月例会を開催しました。
はじめに前回の宿題の解説がありました。「成人教育ハンドブック(Handbook of adult education in the United States)」については、講師の澤田さんが1948年出版の洋書を鳥取大学附属図書館で見つけて、借りてこられました。GHQの民間情報教育局(CIE)の蔵書印が押されたもので、現物が遺っていたことに一同とても驚きました。

(写真2)前回話題になった「成人教育ハンドブック」の原本が鳥取大学附属図書館にありました

(写真3)「総司令部民間情報教育局図書之印」の蔵書印が押されています
スライドについては、会員の方がお持ちのものをビューアーを使って回覧しました。その中の1枚に赤ちゃんの頃の会員がお母様に食事を食べさせてもらっている写真があり、80年以上前のものなのになぜかとても懐かしい気持ちになりました。

(写真4)会員が持参されたスライドビューアーで古いスライドを回覧しました
軍政部活動報告書は、「ラジオ」「新聞」などの項目に取り組み昭和24年4月分を終えました。引き続き同年6月分に入り、「日本の行政」「国家地方警察」などを解読しました。
今回話題になったのは広報についてです。戦前は「弘報」の字が当てられることが多かったそうですが、戦後は「公報」や「広報」の字が使われることもあって、その理由や違いについて話に花が咲きました。
もう一つ話題になったのは農繁期防犯月間です。農繁期で家を空ける際に空き巣やコソ泥に気を付けましょうという啓発運動の話から、「田んぼに行っている間に家に鍵をかけると近所から不審がられる」「農家では今でも裏口に鍵をかけても表口にはかけない」など、農村ならではの話で盛り上がりました。
占領期の鳥取を学ぶ会では、会員を常時募集しています。英文の解読ばかりでなく、実物に触れたり、おしゃべりをしたりと気楽な会です。興味を持たれた方はぜひ一度お越しください。
公文書館 2026/08/07
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査
2026年7月24日
令和8年度第1回新鳥取県史編さん専門部会の政治部会を令和8年7月2日(木)に、公文書館会議室で開催しました。

(写真1)会議の様子
この県史編さん事業において初めての部会です。この度は新鳥取県史の政治分野を執筆いただく5名の方々にご出席いただきました。

(写真2)岸本部会長

(写真3)塩沢委員

(写真4)瀬畑委員

(写真5)伊藤委員

(写真6)大川委員
現段階の執筆項目案を見ながら、鳥取県で起こった様々な事象をどのように県史に落とし込んでいくかを熱く議論しました。
委員の方々の意見をまとめていく中で、政治分野の色が付き始めたように感じました。近日中に他分野の部会も開催予定です。
公文書館 2026/07/24
in 会議など,県史編さん室,調査
2026年7月16日
7月16日(木)、7月2日の政治部会に続き、第1回県史編さん会議社会部会を公文書館会議室で開催しました。

(写真1)会議の様子
参加していただいた委員は9名(対面5名、リモート4名)でした。会が進行するに従い、率直なご意見や質問が次々に出され、今後新鳥取県史社会分野の構成・内容をさらに練り上げていくための貴重な問題提起を数多くいただくことができました。

(写真2)【画面上段左】 松岡委員、【上段右】 中間委員、【下段左】 岸本県史編さん会議政治部会長、【下段右】人見委員

(写真3)長(おさ)部会長

(写真4)内田委員

(写真5)加川委員

(写真6)青木委員

(写真7)樫村委員
委員の皆さまには、この部会以降いよいよ本格的な資料調査を開始して、執筆の準備を進めていただくことになります。その経過報告を持ち寄って協議する場となる第2回社会部会は、来年1月の開催を予定しています。
公文書館 2026/07/16
in 会議など,県史編さん室
2026年7月10日
6月20日(土)午後1時から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館で令和8年度の6月例会を開催しました。

(写真1)会場はいつものやまびこ館です
今回は例会の前に特別なことがありました。
今年3月の活動報告会で上映した漫画映画「森の泣き蟲坊や」について、新聞で情報をお持ちの方に呼びかけを行ったところ、ありがたいことに製作者(故人)と考えられる方の娘さん夫妻から連絡がありました。娘さんが2歳ぐらいの時に作られた作品のためご覧になった記憶がないということで、ぜひ見ていただきたいと思っていましたが、この度フィルムを所蔵する神戸映画資料館の安井館長のご厚意で、小さな上映会を開催することができました。
お孫さんやひ孫さん含め総勢9名が来場され、にぎやかな上映会でした。製作者も、もしこの光景を見たらきっと喜ばれたでしょう。映画に登場するお姫様の顔が娘さんに似ているようにも感じ、成長した我が子を想像しながら作ったのではと想像がふくらみました。ただ、娘さんのお話では作画も声もお父様のものとは違うということなので、軍政部活動報告書で監督として名が出てくるUeda(植田?)という人物に関係があるのかもしれません。この方について何か御存知の方がいらっしゃったら、ぜひお知らせください。

(写真2)「森の泣き蟲坊や」を製作者のご子孫に見ていただきました
軍政部活動報告書は、引き続き昭和24年4月分を解読しました。「輸送」「電力」「政治教育」などの項目に取り組みました。
今回の解読範囲で話題になったのは、ピクチュラマ(天然色立体幻燈)です。
アメリカ文化の繁栄と雄大な景色を紹介するために戦後GHQが主導して全国を巡回した巨大なパノラマ式のスライド映写装置のことで、山陰地方では唯一、米子の就将小学校の講堂で上映されました。ある会員の方が当時この小学校の4年生だったので「見ているはずなのだが記憶がないなあ」という話をされると、「全然覚えていないということは5年生以上が見たのでは」「小学校が会場なだけで大人向けだったのでは」などいろいろな意見が出ました。最後は「あなたほどの記憶力の方が覚えていないのなら見ていないのだろう」という声に「そうかもしれない」と納得をされるという、少し微笑ましい着地となりました。
このピクチュラマについても、もし見た記憶や話に聞いたことがある方がいらっしゃったら、ぜひお知らせください。

(写真3)当時の新聞から関連記事を探して検討します

(写真4)ピクチュラマの解説
占領期の鳥取を学ぶ会ではどなたでも大歓迎です。お気軽にご参加ください。
公文書館 2026/07/10
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査
2026年7月2日
令和8年6月29日(月)、県史編さんに関する調査及び公文書担当による文書管理状況調査のため、境港市を訪問しました。三朝町に続き、今年度2回目の市町村調査です。

(写真1)境港市庁舎
庁舎内や車庫棟の書庫を拝見し、多数の文書を確認しました。

(写真2)調査の様子
その中には、境港市制の施行に関連する文書や、中海干拓事業における埋め立てに関わる文書など、貴重な原資料もありました。
また、市史編さん室も訪問し、『境港市史』(昭和61年刊行)の編さん時から収集されている資料の書庫も確認しました。
今後も関係機関と連携しながら資料調査を進めていきます。
公文書館 2026/07/02
in 県史編さん室,公文書担当,調査
2026年6月1日
令和8年度第1回鳥取県史編さん会議を令和8年5月17日(日)に、公文書館会議室で開催しました。今回は4名の委員の方々にご出席いただきました。
前回会議から期間が空いたこともあり、予定時間をオーバーするほどの非常に活発な議論が繰り広げられました。
本格的な執筆開始に向けて、執筆者や執筆項目、執筆要領などが着々と固まっていきます。
また、会議終了後には、「古い書類はありませんか」事業でお借りしている資料を見ていただきました。
今後は分野ごとの「部会」に分かれて会議が行われます。最初の部会は夏頃に開催予定です。

(写真1)会議の様子

(写真2)長委員、新館長による挨拶

(写真3)岸本会長と多田副会長
公文書館 2026/06/01
in 会議など,県史編さん室
2026年5月29日
5月16日(土)午後1時30分から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館で令和8年度2回目の5月例会を開催しました。


(写真1)当日は、やまびこ館で土器パズルを組み立てるイベントが行われていました
今回は新たに2名の方が参加されました。まず、前回質問があったことの調査結果の説明がありました。

(写真2)前回の宿題の解説
日本への引揚げが昭和24年になっても行われていたことの説明として、公文書館の石田主幹から「シベリヤ曠野(こうや)に咲く花」の紹介がありました。
舞鶴に着いたシベリヤ抑留者の帰国直後の手記をまとめて関係各所に配布したガリ版刷りの冊子です。植物学者の清末忠人先生が昭和30年頃古紙回収に出されているのを植物学の文献と思って手に取ったことがきっかけで保存されることになったというエピソードがあるそうです。鳥取県立博物館の平成14年の紀要に全文が載せられているので、興味のある方はご覧ください。
軍政部活動報告書は、引き続き昭和24年4月分を解読しました。「造林」「漁業」「食糧配給」「価格統制及び闇市」などの項目に取り組みました。

(写真3)当時の資料の映写
解読の中で「物価監視委員会」が出てきた時に、何に基づくものかが話題になり、公文書館の西村館長が、とっとりデジタルコレクションから該当する県公報をその場で探し出して映写する一幕がありました。とっとりデジタルコレクション、便利ですのでみなさんもぜひ使ってみてください。

(写真4)とっとりデジタルコレクションの資料を見る様子
今回の解読範囲で話題になったのは、学校林です。
今回初めて参加された学校の教員の方のお話では、学校林とは演習林ではなく、かつて木造校舎の時代に火事で焼けた場合に備えて各学校が所有管理していたものということでした。初めて聞く話に、まだまだ知らないことや聞いてみないとわからないことがあると驚かされた次第です。
占領期の鳥取を学ぶ会ではみなさまの参加をお待ちしています。みなさまとの何気ない会話の中に重要な情報が含まれていることもあります。興味を持たれた方はぜひお越しください。
公文書館 2026/05/29
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査
2026年5月22日
令和8年5月14日(木)、本格的な梅雨シーズンを前に、鳥取県立図書館と合同で、止水板の取付訓練を実施しました。
毎年実施している訓練ですが、1年ぶりとあって、実際に止水板を取り出す過程から皆で確認しました。特に自動ドア前の止水板は、3名以上での対応が必要となり、いざという時には、誰もが迅速な対応を取れるように、一人ひとりが実際に取付を体験し、手順を確認しました。

(写真1)止水板を取り出します

(写真2)図書館・公文書館の職員が多数参加しました

(写真3)自動ドア前の止水板の取り付け作業の様子

(写真4)一人ひとり実際に取り付けを体験しました
公文書館 2026/05/22
in 県史編さん室,公文書担当
2026年5月8日
4月18日(土)午後1時30分から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館で、令和8年度1回目の4月例会を開催しました。

(写真1)新緑が美しい季節になりました

(写真2)会場は引き続き、鳥取市歴史博物館(やまびこ館)です
まず、前回質問があったことや訳語に関しての調査結果の説明がありました。
日南町多里のクロム鉱山としては若松鉱山や広瀬鉱山が有名ですが、軍政部活動報告書に出てくる稲積鉱山についてはあまり知られていません。戦後買収されて日野上鉱山の一部になったことが記載された資料があることが紹介されました。会員からは、米子市本通りに現在もクロム鉱山の事務所(現在は廃業)の看板がかかっている建物があるという話がありました。

(写真3)前回の宿題 稲積鉱山(日南町多里)
軍政部活動報告書は、引き続き昭和24年4月分を解読しました。「児童福祉」「社会保険」「引揚」「農地改革」などの項目に取り組みました。
今回の解読範囲で話題になったのは、農業改良普及員です。
年配の方の中には、戦後、生産力の向上を目的に緑の自転車に乗って活動した農業改良普及員の姿を記憶されている方もいらっしゃるかもしれません。鳥取県は農業の広報にいち早く取り組んだ県との記事も残っていて、オリジナルで腕章を作ったことが今回解読した報告書の中に出てきました。
ところが、この腕章については、県立公文書館の資料の中からは見つけることができておらず、どんなデザインだったのかわかっていません。もし、実物や写真をお持ちの方がおられたら、ぜひお知らせください。

(写真4)新聞記事の解説
占領期の鳥取を学ぶ会では今年度もみなさまの参加をお待ちしています。初めての方でも、英語があまり得意でない方でも、発表を聞くだけの参加でも大歓迎です。興味を持たれた方はぜひお越しください。
公文書館 2026/05/08
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査
2026年3月27日
3月22日(日)午後2時から鳥取市歴史博物館地下1階まなびのひろばで、「占領期の鳥取を学ぶ会活動報告会」を開催しました。昨年8月の米子市立図書館での報告会に続き、今年度2回目の報告会となります。県内外から49名もの方に参加いただきました。

(写真1)今回の会場は鳥取市歴史博物館(やまびこ館)でした

(写真2)樗谿公園の梅も見頃です

(写真3)報告会の様子
最初の発表は、澤田晶子さんの「軍政部活動報告書の翻訳史: 全国各地の取り組みから 「占領期の鳥取を学ぶ会」まで」です。解読の重要性や難しさとともに、全国各地の報告書の解読状況や先行研究が紹介されました。
当時鳥取市で生産されていた木造組立住宅が福井地震(1948年)の復興に利用された可能性があることを例に、各地の報告書を読み比べることで点的に理解していたものが立体的な広がりを期待できる、とのお話は新鮮でした。

(写真4)澤田晶子さんの報告
2番目は藤山夏波さんが「鳥取軍政部活動報告書をきっかけに、当時の人々の生活にふれる」の題で発表しました。鳥取市の聖神社神幸祭(ひじりさん)の移り変わりを軍政部活動報告書からだけでなくその後の新聞記事も使って調べ、戦後の民主化の中で、神社が置かれていた経済的な苦境や祭礼への寄付に対する態度の変化などを考察したものです。なじみの深いお祭りも、占領期には様々な視点で捉えられていたことに気付かされました。

(写真5)藤山夏波さんによる発表
3番目の田中健一さんの「鳥取に炭鉱があった⁇占領期の鳥取の鉱山の動向」は、現在の日南町にあったクロム鉱山や鳥取市の酸性白土など、軍政部活動報告書に登場する鉱山に関するものでした。
中でも、戦後のエネルギー需要の高まりの中、占領期に大いに期待されながら資金難などの理由で数年間の稼働で閉山された浦富(岩美町)の炭鉱についての詳しい説明が興味深く、まだまだ埋もれた事実がたくさんあることを感じました。

(写真6)田中健一さんによる発表
発表の最後は、西村芳将さんによる「英領インド・パンジャブ部隊の活動」です。鳥取県の占領軍の主力であった彼らが1947年に、イギリスからの分離独立により、出身地に帰国したことが語られました。
発表の中で紹介された、岩倉(鳥取市)の兵営での、近所の子どもたちと笑顔で写る写真や、エネルギッシュなイスラム舞踊の動画は、その後の死者100万人以上ともいわれる分離独立時の悲劇的な混乱のことを考えると、鳥取での束の間の安らぎを切り取ったようで、切ない思いがしました。

(写真7)西村芳将さんによる発表
活動報告会の後半には特別企画として、『森の泣蟲坊や(もりのなきむしぼうや)』という漫画映画の上映を行いました。フィルムを所蔵する神戸映画資料館の安井喜雄館長と鳥取の映画文化を研究されている鳥取大学地域学部の佐々木友輔准教授にも御登壇いただきました。
この映画を上映することになったのは、鳥取市内にあった漫画製作所で作られた『モリノナキムシコゾウ』という漫画映画の記事が鳥取軍政部活動報告書の中にあり、澤田さんの熱心な調査と安井館長の御協力によって、神戸映画資料館によく似たタイトル(監督も同じ人の可能性がある)の映画が保管されていることが判明したからです。鳥取県内では初上映となります。
映画自体はどこか稚拙な印象をうける約6分の短い作品です。少年がタヌキたちによって化かされてお城で夢のような時間を過ごすという内容なのですが、現代のアニメとは表現が異なるところもあり、初めて見る人が内容を理解するのは少し難しいと思われます。ということで、まず予備知識なく見ていただいた後で、御登壇のみなさんの解説とともに、繰り返し、時にはコマ送りして鑑賞していただきました。見れば見るほど新たな発見があり、とても楽しい上映会でした。この映画について何かご存じの方は、是非情報をお寄せください。
令和8年度の開催概要は「占領期の鳥取を学ぶ会」ページにてご確認ください。

(写真8)神戸映画資料館所蔵『森の泣蟲坊や』の上映
公文書館 2026/03/27
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査