2026年10月13日
令和8年9月29日(火)、島根大学アーカイブズ学研究会の皆さんが公文書館見学に来館されました。
当日は、公文書館の概要やアーカイブズ保存のための取組の説明をさせていただいたのち、開催中の企画展「鳥取県ができるまで ~藩から県へ、合併から再置へ~」(9月30日まで)について、展示を実際に見ながら、専門員が解説、その後、専門評価員が書庫や災害の際の備蓄品置場などを案内しました。普段なかなか見ることができない書庫内や備蓄品に学生の皆さんも興味津々といった様子でした。
最後の意見交換では、資料の防虫対策や寄贈寄託資料受入の考え方、ビデオテープ等の資料のデジタル化等の質問がありました。
今回の公文書館見学が学生の皆様にとって有意義な時間となれば幸いです。

(写真1)公文書館の概要や取組等の説明

(写真2)専門員の説明を受け、展示を見る学生の皆さん

(写真3)書庫内での様子

(写真4)災害時用備蓄品置場を見学

(写真5)意見交換の様子
公文書館 2026/10/13
in 館見学,公文書担当
2026年10月9日
9月19日(土)午後1時から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館で令和8年度6回目の9月例会を開催しました。

(写真1)9月例会の様子
今回は例会の前に、鳥取市歴史博物館の令和8年度特別展「病と死 コロナ 流行性感冒 古代 中世の病」を、参加者一同で見学しました。
この展示は、新型コロナウィルスから古代まで次代を遡りながら、病と死に関わる文書や看板、絵巻などさまざまな歴史資料をみていくもので、占領期の関係では、昭和23年の「ネズミ捕りデー」と「性病撲滅」のポスター(いずれも米国メリーランド大学プランゲ文庫所蔵)が目を惹きました。

(写真3)「ネズミ捕りデー」ポスター

(写真3)「性病撲滅」のポスター
例会では、1949年6月報告の公共福祉活動(Annex B-2)と労働監視活動(Annex C)の解読を行いました。

(写真4)解読の様子
冒頭、会員から、戦前戦後のラジオ体操についての調査報告がありました。ラジオ体操が戦前に簡易保険の普及のために始まったこと、第1や第2のほかに第3もあったこと、それも戦前と戦後で違う楽曲だったこと、GHQにより中止となったあと、第3は復活しなかったことなど、興味深い内容が報告されました。

(写真5)さまざまな調査報告があります
また、鳥取刑務所の衛生状況についての解読箇所では、刑務所の食事にハエが群がっており、県民生課の課長が「食物には常に覆いをして、厨房にハエ取り器(fly traps)を設置するよう勧告した」との記載が登場しました。これについて、昔の魚屋や八百屋には、フライキャッチャーというものが吊ってあったこと、ハエはタテ長のものにたかる習性があること、これと同じ原理で地面に置いたのがごきぶりホイホイだ、昔はハエ取りが子どもの仕事で、死なない程度にたたくのがコツだったなどとコメントがありました。
今では道ばたにガムやタバコが捨てられることもなくなり、下水道も完備されてトイレも水洗式になったせいか、家の中でハエをみる機会も少なくなりましたが、当時の社会では、赤痢などを媒介するハエを退治することは大きな課題だったことを改めて思い知らされました。
次回の10月例会10月17日(土)13時半からです。
公文書館 2026/10/09
in 県史活用担当,県史編さん室,講座などのイベント,調査
2026年10月2日
令和8年9月28日(月)、経済部会の伊藤康宏委員(島根大学)、二階堂行宣委員(法政大学)、社会部会の内田和義委員(島根大学)、経済・社会部会の中間由紀子委員(島根大学)が資料調査のため、来館されました。
二階堂委員は、28日、伊藤委員、内田委員、中間委員は、28日29日の2日間、伊藤委員は、28日~30日の3日間に渡って、調査をされました。
新鳥取県史編さん事業についての詳細は「令和7年度からの取組」をご覧ください。
公文書館 2026/10/02
in 会議など,県史編さん室,調査
2026年9月11日
8月22日(土)午後1時から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館で令和8年度5回目の8月例会を開催しました。今回は、1949年6月報告のなかの政治行政活動(Annex A)と公衆衛生活動(Annex B-1)の解読を行いました。

(写真1)解読の様子
牛乳処理場の項目では、牛乳配給用のガソリン不足に関して、「日本歯科医師会雑誌」1949年9月号に書かれている歯科診療用のガソリン配給に話が及び、歯科がなぜガソリンが必要だったのかとの疑問が提出されました。これに対して横山学芸員(鳥取市歴史博物館)から、大正時代の資料で歯科医が往診診療を行うという記事があったので、車両用の燃料かもしれないと指摘がありました。
衛生工学の項目では、食品衛生監視員(Food inspectors)が、市内の食料品店、飲食店、旅館、パン屋などの抜き打ち検査を実施したこと、訪問した場所のほとんどで網戸の設置が不十分であったことが指摘されました。翻訳者の澤田晶子さんが国会図書館デジタルコレクションで1949年の「網戸」を検索したところ、アメリカンハウス、旅館、蔵などでの設置は認められたものの、一般住宅での「網戸」設置はあまりなく、網戸付きは先進的な家であった可能性が高かったとのことです。

(写真2)鳥取市内の屠畜場の位置に関する澤田さんによる説明
また「婦人ライフ」1949年4月号に掲載された一般家庭の台所見取り図に描かれる「蠅帖(はいちょう)」「ねずみ入らず」が何物かが話題になり、調べたところ、前者は金網を張った食品保管用什器、後者は食物や食器をいれておく戸棚であることがわかりました。
今では夏の虫よけ対策として当たり前に用いられる網戸ですが、この当時は病原菌を媒介するハエからいかに食品を守るかという公衆衛生の観点からも重視されていたのですね。
次回は9月19日(土)です。
公文書館 2026/09/11
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査
2026年9月4日
令和8年8月10日(月)、県史編さんに関する調査及び公文書担当による文書管理状況調査のため、智頭町を訪問しました。三朝町、境港市に続き、今年度3回目の市町村調査です。
普段は公文書館の担当職員が調査を行いますが、今回は、県史編さん会議委員の長(おさ)先生(神戸大学大学院国際文化学科教授)も調査にご参加いただきました。
智頭町は平成12年に町誌が刊行されており、そちらで活用されていたであろう資料が書庫にたくさん保管されていました。
中でも、戦没者等遺族についての綴や終戦直前の罹災証明書の綴といった戦後の復興に関連した資料がしっかり残っており、長先生が感嘆の声を上げながら資料をご覧になることもありました。
委員の先生といっしょに調査を進めることで、書庫に眠っている数多の公文書に地域の歴史が詰まっていることをより実感できました。

資料調査の様子
公文書館 2026/09/04
in 県史編さん室,公文書担当,調査
2026年8月28日
令和8年7月30日(木)に令和8年度第1回目のデジタル郷土学習教材の開発検討会議を行いました。現在、新鳥取県史編さん事業による資料調査と研究の成果を反映した72件の教材を公文書館ホームページで公開していますが、今回の会議では、各委員から提案していただいた、来年4月に追加公開する教材の内容・構成についての意見交換を行いました。
- 【出席者】(敬称略)
- 〈委員〉
- 岡村 吉彦 県立智頭農林高等学校教頭(委員長)
- 小川 周作 鳥取市立湖東中学校教諭
- 花原 慧史 鳥取市立湖東中学校教諭
- 山嵜 雅晴 県立智頭農林高等学校教諭
- 〈オブザーバー〉
- 足立 芳郎 新日本海新聞社未来創造局長
- 本城 昌新 新日本海新聞社未来創造局デジタル戦略部長
- 高垣 知博 県教委高等学校課指導主事
- 〈事務局〉
- 西村 芳将 県立公文書館長
- 石田 敏紀 県立公文書館県史編さん室主幹(事務局)
- *欠席された委員
- 前田 孝行 (県立鳥取西高等学校教頭)
- 吉田 学 (県立青谷高等学校教諭)
今年度より、新たに山嵜雅晴委員(智頭農林高校教諭)と小川周作委員(鳥取市立湖東中学校教諭)に加わっていただくこととなりました。お二人とも鳥取県の歴史上の事件や人物を扱った授業を実践されており、その経験をもとに教材を作成していただきます。
また今回は、新日本海新聞社未来創造局デジタル戦略部長の本城昌様に「日本海新聞の教育連携事業・デジタル教材について」と題し、同社のNIE(Newspaper in Education)事業や「日本海新聞 for スタディ」など、新聞を活用したデジタル学習教材の取り組みについて紹介していただきました。お話をお聞きし、生徒の社会に対する興味関心を高め、情報収集力、思考力を育成するためにデジタル教材を活用しようとする考え方や姿勢は、デジタル郷土学習教材と共通していると思いました。今後、教材の授業での実践の仕方を考える上でたいへん参考になりました。

会議の様子
公文書館 2026/08/28
in 会議など,県史編さん室
2026年8月12日
令和8年8月1日(土)に令和8年度の第1回鳥取県史編さん会議経済部会を公文書館会議室で開催しました。
対面やリモートで9名の委員にご参加いただき、オブザーバーとして、政治部会の岸本部会長と社会部会の長(おさ)部会長にもご参加いただきました。
経済部会の委員には県外の方が多くいらっしゃいますが、「鳥取のこんな歴史が興味深い」「この出来事は鳥取ならではなので、県史で積極的に取り上げたい」といったご意見をお聞きして、担当としても新たな発見がありました。
今後は資料調査を進めていただきますが、事務局では今年度から導入した資料共有用クラウドなどを活用しながら委員の先生方の調査をサポートしていきます。

(写真1)会議の様子

(写真2)【画面上段左】 中村委員、【下段左】 中間委員、【下段右】長(おさ)県史編さん会議社会部会長

(写真3)鳥取県の歴史について、さまざまな意見が交わされました
公文書館 2026/08/12
in 会議など,県史編さん室,調査
2026年8月7日
7月18日(土)午後1時から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館で令和8年度4回目の7月例会を開催しました。
はじめに前回の宿題の解説がありました。「成人教育ハンドブック(Handbook of adult education in the United States)」については、翻訳者の澤田晶子さんが1948年出版の洋書を鳥取大学附属図書館で見つけて、借りてこられました。GHQの民間情報教育局(CIE)の蔵書印が押されたもので、現物が遺っていたことに一同とても驚きました。

(写真2)前回話題になった「成人教育ハンドブック」の原本が鳥取大学附属図書館にありました

(写真3)「総司令部民間情報教育局図書之印」の蔵書印が押されています
スライドについては、会員の方がお持ちのものをビューアーを使って回覧しました。その中の1枚に赤ちゃんの頃の会員がお母様に食事を食べさせてもらっている写真があり、80年以上前のものなのになぜかとても懐かしい気持ちになりました。

(写真4)会員が持参されたスライドビューアーで古いスライドを回覧しました
軍政部活動報告書は、「ラジオ」「新聞」などの項目に取り組み昭和24年4月分を終えました。引き続き同年6月分に入り、「日本の行政」「国家地方警察」などを解読しました。
今回話題になったのは広報についてです。戦前は「弘報」の字が当てられることが多かったそうですが、戦後は「公報」や「広報」の字が使われることもあって、その理由や違いについて話に花が咲きました。
もう一つ話題になったのは農繁期防犯月間です。農繁期で家を空ける際に空き巣やコソ泥に気を付けましょうという啓発運動の話から、「田んぼに行っている間に家に鍵をかけると近所から不審がられる」「農家では今でも裏口に鍵をかけても表口にはかけない」など、農村ならではの話で盛り上がりました。
占領期の鳥取を学ぶ会では、会員を常時募集しています。英文の解読ばかりでなく、実物に触れたり、おしゃべりをしたりと気楽な会です。興味を持たれた方はぜひ一度お越しください。
公文書館 2026/08/07
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査
2026年7月24日
令和8年度第1回新鳥取県史編さん専門部会の政治部会を令和8年7月2日(木)に、公文書館会議室で開催しました。

(写真1)会議の様子
この県史編さん事業において初めての部会です。この度は新鳥取県史の政治分野を執筆いただく5名の方々にご出席いただきました。

(写真2)岸本部会長

(写真3)塩沢委員

(写真4)瀬畑委員

(写真5)伊藤委員

(写真6)大川委員
現段階の執筆項目案を見ながら、鳥取県で起こった様々な事象をどのように県史に落とし込んでいくかを熱く議論しました。
委員の方々の意見をまとめていく中で、政治分野の色が付き始めたように感じました。近日中に他分野の部会も開催予定です。
公文書館 2026/07/24
in 会議など,県史編さん室,調査
2026年7月16日
7月16日(木)、7月2日の政治部会に続き、第1回県史編さん会議社会部会を公文書館会議室で開催しました。

(写真1)会議の様子
参加していただいた委員は9名(対面5名、リモート4名)でした。会が進行するに従い、率直なご意見や質問が次々に出され、今後新鳥取県史社会分野の構成・内容をさらに練り上げていくための貴重な問題提起を数多くいただくことができました。

(写真2)【画面上段左】 松岡委員、【上段右】 中間委員、【下段左】 岸本県史編さん会議政治部会長、【下段右】人見委員

(写真3)長(おさ)部会長

(写真4)内田委員

(写真5)加川委員

(写真6)青木委員

(写真7)樫村委員
委員の皆さまには、この部会以降いよいよ本格的な資料調査を開始して、執筆の準備を進めていただくことになります。その経過報告を持ち寄って協議する場となる第2回社会部会は、来年1月の開催を予定しています。
公文書館 2026/07/16
in 会議など,県史編さん室