現在の主な展示資料を紹介します。
常設展示では、県内の旧石器時代から古墳時代までの主な遺跡の出土品を紹介しています。
その中で一番圧巻なのが、丸木舟と竪穴住居跡です。
〇丸木舟(全長:6m28cm 最大幅:68cm 鳥取市 青谷横木(あおやよこぎ)遺跡から出土)
完全な形で出土した全長6mを超える長大な丸木舟が、現在展示中です!
縄文時代後期(約4,500年前)から晩期(約3,000年前)に堆積した地層から出土しました。杉の木を創り抜いて作られています。
3,000年以上前に作られたものがほぼ完全な形で出現するとは本当に驚きです。丸木舟は間近で見ると、季節に合わせて狩りや漁を行った、縄文人の姿を想像させてくれます。


出土した丸木舟は壊れやすい状態でしたが、保存や展示ができるように11ヶ月もかけて保存処理を行っています。
〇火災に遭った竪穴住居跡(鳥取市 下坂本清合(しもさかもとせいごう)遺跡で発見)
約1,800年前に火事で焼け落ちた状態がとてもよく保存されていて、竪穴住居の垂木(たるき)や屋根葺き材柱、内装材などが残っています。屋根や柱などが炭となったことで、保存されたと考えられます。
この展示品を実際見ていただくと、壁際の床に長さ170cm程度、幅50cm、深さ3cmの浅いくぼみがあることに気が付かれると思います。くぼみは身長160cm程度の人が横たわるとすっぽり入るような形となっており、住居内に横たわった痕跡とも考えられており、住居内の使われ方が想像できる資料でもあります。
この竪穴住居跡は、現地で特殊な薬品を使って固めたのち、はぎとったものを展示しており、当時の建物の構造等が分かる貴重な資料です。


旧石器時代から古墳時代までの主な遺跡の出土品などともあわせて、縄文時代や弥生時代人々の生活をイメージしてみてください。
[令和4年3月掲載]
展示室の大型モニターで「遺跡王国 鳥取県遺跡MAP」をご覧になることができます。
全国でも指折りの遺跡数18,000箇所超を誇る県内の遺跡から、特に重要な遺跡を厳選し簡単な解説と写真で紹介しています。時代ごとの画面上で知りたい遺跡をタッチするだけで、その遺跡の情報を知ることができるようになっています。現在主な115遺跡の情報が御覧いただけるようになっています。
今後も順次情報を追加していく予定ですので、どうぞ御期待ください。

情報の例(井手挟3号墳)
◎「遺跡MAP」の特長
1 旧石器時代から奈良・平安時代までの7時代に分けています。
2 旧市町村単位で、主な遺跡を収録しています。
3 遺跡が機能していた各時代の地形を推定復元し、その図上に遺跡をマッピングしています。