メンテナンスのため、9月28日(火)及び29日(水)午前1時以降、一時的に閲覧できない状態が発生します。詳細は、お知らせをご覧ください。

今年もトレハロース、始めました!

当センターに「文春砲」が炸裂しました!

 この度、文芸春秋から発売された『週刊文春WOMANvol.8に、国立歴史民俗博物館の企画展「性差(ジェンダー)の日本史」のプロジェクトメンバーによる座談会が掲載されています。「SNSで話題沸騰!」「図録は異例の増刷!」といった見出しからはじまり、展示会に至る研究への熱い思いや歴史、さらには若い世代も含めて大きな反響があったことなどが書かれています。

 以前ご紹介したように、この企画展には当県の出土資料が数多く展示されており、今回の座談会でも青谷横木遺跡出土の人形(ひとがた)が紹介されています。また、当県出土資料が数多く展示されるきっかけとなったエピソードも書かれています。当センターにとってはある意味、強力な「文春砲」とも言える内容です。ご興味のある方は『週刊文春WOMAN』をご覧下さい。


企画展「性差(ジェンダー)の日本史」展示資料の帰還

 国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で10月6日から12月6日まで開催されていた企画展「性差の日本史」で展示されていた当センター所蔵資料17点が無事帰還しました。また、資料と共に展示プロジェクトの代表である横山百合子先生にも、お越しいただきました。展示は、コロナ感染防止の入場制限があったにも関わらず、約2万名もの来館者があり、さらに300頁を超える図録もオンライン販売の効果もあり、第5刷まで増刷され、現在8,000部以上の売れゆきだそうです。当センター職員も当県の遺跡や出土資料について執筆しています。ご興味のある方はこちらまで(https://rekihakushop.shop-pro.jp/)。

 今回の展示は各メディアでも大きく報道され、当県の資料を全国規模で多くの方に見ていただく、よい機会となりました。そこで、この流れを受けて、来年度の7月に「古代の女性史」をテーマとした考古学フォーラムを開催する予定です。当県は古代の女性が活躍していたことを示す資料が数多く出土している全国有数の県であり、また、現代では女性の社会進出を積極的に支援している県でもあります。社会における男女の違いがどのように歴史の中で変化してきたのかを知ることは、現代に生きる私たちに大変意義のあることです。フォーラムの詳細は改めてお知らせしますので、どうぞお楽しみに。

 ちなみに展示で人気があったのは、青谷横木遺跡出土の墨で顔面が描かれている人形(ひとがた)だったそうです。ユーモラスな顔立ちで、発掘調査を行った調査員の名前にちなんで、我々仲間内では「ヨシカズ君」と呼んでいます。展示される機会が多い資料ですので、ぜひ顔と名前だけでも覚えてやってください。

横山先生と展示品

図録

人形「ヨシカズ君」


トレハロース含浸処理法研究会に参加しました

   11月21日・22日の両日に、島根県で開催されたトレハロース含浸処理法研究会に参加しました。この研究会は、自治体などの公的機関や文化財の保存に関わる研究を行っている機関で、トレハロースを使った出土木製品の保存処理に携わる人たちが集まり、保存処理の事例について報告し合い、その内容を検討することにより、技術を高め、知識を共有することを目的としています。
  1日目は保存処理技術等に関する事例発表として、処理実績豊富な他機関での状況に加え、当センターでの取り組み事例も報告しました。トレハロースによる本格的な処理を開始したばかりの当センターの取り組みは、他機関から見れば、まだ「よちよち歩き」状態。おぼつかない状況に対して厳しい指摘もありましたが、温かい助言も多くいただきました。研究会での発表内容は規則により公表することはできませんが、当センターでの処理技術を成長させるための有益な多くの情報を得ることができました。

研究会の様子

当センター事例報告の様子

 

  2日目は、ポリエチレングリコールとトレハロースによる保存処理が施された縄文時代のスギの巨木が展示されている、三瓶小豆原埋没林(さんべあずきはらまいぼつりん)公園と三瓶自然館を見学しました。特に三瓶小豆原埋没林公園では、発掘されたままの状態で展示されている巨木が、トレハロースの水溶液を噴霧する手法により、現在も保存処理が進められています。保存処理の含浸装置に入りきらないような大型の木製品を処理する方法として、当センターが所蔵する大型木製品を処理する際のヒントになりました。
(参考)さんべ縄文の森ミュージアム三瓶小豆原埋没林公園ホームページ
https://www.nature-sanbe.jp/azukihara/

 

縄文の森展示棟内の様子

三瓶小豆原埋没林公園・縄文の森展示棟内の様子

 

  当センターでは、鳥取西道路建設に伴う発掘調査で出土した数多くの木製品の処理を進めています。今回の研修成果も活かした今後の成果にご期待ください。

 
 

この木何の木?気になる木

 木製品の調査研究において、製品の形やつくり方を調べることは重要ですが、さらに何の木を用いているかを明らかにすることも大変重要なことです。

 当センターでは、鳥取大学の中原計准教授と協力して、鳥取西道路関連で出土した木製品の樹種同定を進めており、今年で2年目になります。中原先生は、特に樹皮のついた丸太杭や自然木を中心に分析されています。発掘調査において、杭や自然木は、場合によっては、数百本も出土し、厄介な存在になることもしばしばです。しかし、樹皮がついたままの丸太杭は、もとは遺跡周辺に生えていたものと考えられるので、その樹種を明らかにすることによって、当時の遺跡周辺の自然環境を復元することができるのです。 

 中原先生には、鳥取西道路関連の発掘調査を行っていた時から、樹種同定にご協力いただいており、特に縄文時代から弥生時代へと温暖化していく過程の自然環境について、鳥取県史のブックレットで発表されています(中原計2018『森と生きた人々−鳥取県の遺跡から−』鳥取県史ブックレット19 鳥取県)。昨年度から行っている樹種同定では、さらに新しい時代である古墳時代や古代、中・近世の木製品を中心に実施しています。

 写真は中原先生による樹種同定作業の様子です。木材の表面をカミソリで薄く剥ぎ、プレパラートを作製し、それを顕微鏡で観察します。木の細胞の形は、種類によって特徴があり、それらを観察して、樹種を特定していきます。細かく地道な作業ですが、縄文時代から江戸時代までの長期間にわたる当県の自然環境と木材利用の関係について明らかにできるのです。

カミソリによる採取

作成したプレパラート

顕微鏡観察


トレハロースで保存処理を行った木製品をロビーで展示中です

 現在、当センターのロビーで「木製祭祀具の世界」と題して、鳥取西道路の発掘調査で出土した、古代のまじないに使われた「形代(かたしろ)」を集めたミニ展示を行っています。当センターで保存処理を終えて、今回が初お披露目の木製品もあります。

 以前、国立歴史民俗博物館で開催中の「性差(ジェンダー)の日本史」(HPアドレス)で展示されている、人形(ひとがた)のクリーニングの様子をお伝えしましたが(リンク先 https://www.pref.tottori.lg.jp/item/1223422.htm#itemid1223422)、その時に博物館への貸出品のほかにもいくつかクリーニングを行っていました。

 これらは青谷横木遺跡から出土した馬形(うまがた)6点と人形(ひとがた)2点です。当センターでは昨年度から本格的にトレハロースの保存処理を行っており、処理を終えた木製品は、先に紹介したとおり国立歴史民俗博物館でも展示されていますが、県内での公開は今回が初めてとなります。ミニ展示では、奈良文化財研究所のプロフェッショナルの手による処理品も並べていますが、それらと比べてもそん色のない仕上がりです。

 今後も保存処理を進め、公開をしていきますのでどうぞお楽しみに。


「性差(ジェンダー)の日本史」展はじまりました。

 10月6日(火)より国立歴史民俗博物館で開催されている企画展「性差(ジェンダー)の日本史」(HPアドレス)の内覧会に招待を受け、行って来ました。「ジェンダー」とは、生物学的な性別ではなく、社会における男女の役割の違いによって生まれる性別の事を指します。この企画展において、青谷横木遺跡出土の女子群像板絵をはじめ、当センター所蔵の資料17点が展示されており、1遺跡あたりの点数としては最多の点数となっています。

 先に述べた女子群像板絵や、髪形や烏帽子(えぼし)を表現して男女を区別する人形、女性と男性の労働比率が書かれた木簡などの青谷横木遺跡出土遺物だけでなく、古代のキャリアウーマンとも言うべき、伊福吉部徳足比売臣(いおきべのとこたりひめのおみ)の蔵骨器など、鳥取に関わる展示品が盛りだくさんです。

 展示は古代から現代まで幅広い時代の資料が並べられており、図録は国立歴史民俗博物館史上最大の厚さとなる300頁を超えるボリュームです。また、報道向けの内覧会では、これまた国立歴史民俗博物館史上最多となる60名ほどの記者が集まり、関心の高さがうかがえます。

 本格的なジェンダー史の展示としては、国内初のものであり、そのような展示に、当県出土資料が高く評価され、数多く展示されているのは大変誇らしい気持ちです。展示は12月6日(日)まで。コロナ禍の中ではございますが、関東圏の皆様を中心に御覧いただけますと幸いです。

会場

展示状況

展示状況2

記者公開状況


トレハロース法保存処理・クリーニング作業を行いました。

 6月に、当センターで行っているトレハロース法による木製品の保存処理を紹介しました。

(リンク先)https://www.pref.tottori.lg.jp/item/1212563.htm#itemid1212563

 前回はトレハロースの含浸と乾燥による再結晶化作業までをお伝えしましたが、その続きとなるクリーニング作業を行いましたのでご紹介します。

 こちらはクリーニング前の木製品です。青谷横木遺跡から出土した人形で、本体は黒ずみ、表面はトレハロースの結晶に白く覆われています。

クリーニング前

 クリーニングでは、木製品の表面を覆う余分なトレハロースだけを除去しなければなりません。熱湯につければトレハロースは簡単に溶けますが、せっかく中まで浸み込んだトレハロースまで溶けだすおそれがあります。そこで活躍するのがスチームクリーナーです。

スチームクリーナーを使った作業

 スチームクリーナーの蒸気を当てると表面を覆うトレハロースが熱によって少しずつ溶けていきます。溶けたトレハロースは蒸気が冷めてできる水の中に含まれているので、木製品の中に浸み込む前にすぐにふき取ります。こうすることで余分なトレハロースを少しずつ除去していきます。

トレハロースのふき取り

 クリーニングがひととおり済んだら、扇風機で風を当てて乾かします。乾くとトレハロースが取れていないところは暗い色のままですが、取れたところは明るい色になります。このようにして、溶解、ふき取り、乾燥を繰り返します。1か所に蒸気を当て続けると、仕上がりで色むらが起きるので、少しずつ何度も作業を繰り返します。

乾燥

 こちらはクリーニングが完了した木製品です。作業前の写真と比べると、木製品本来の明るい色を取り戻しているのがわかります。この木製品は千葉県の国立歴史民俗博物館で106日から126日まで開催される「性差(ジェンダー)の日本史」で展示されます。

(博物館リンク:https://www.rekihaku.ac.jp//exhibitions/project/index.html

機会がありましたら会場に足をお運びください。

クリーニング完了


今年もトレハロース、始めました!

 当センターでは昨年度から、トレハロース法による木製品の保存処理に本格的に取り組んでいます。昨年度は323点の木製品の保存処理を行いました。

トレハロース法と昨年度の保存処理の取り組みについては、以下のフェイスブックとホームページで紹介していますのでご覧ください。

https://www.facebook.com/tottorimaibun/posts/1036204809904283?__tn__=-R

 今年度は4月3日に、青谷横木遺跡で出土した形代(かたしろ)53点の処理に着手し、その後新たに着手したものも含めると、217点の処理を行っています。

トレハロース水溶液に浸け込んでいるところです。

 4月3日に着手した53点については浸け込み期間が終了したので、水溶液の中から木製品を取り出し、現在は乾燥工程に入っています。

 扇風機で風を当てながら木製品の中の水分を蒸発させ、トレハロースの結晶化を促しています。木製品の中でトレハロースが固まり、カチコチになります。

テーブルに広げて並べます。

 また、木製品の内部でむらなく結晶化が進むように、ときどき乾燥中の木製品の表裏をひっくり返します。

せんべい屋の職人のようです。

 乾燥の進み具合を知るために、毎日、木製品の重量を計測します。初めは1日数グラムずつ減っていきますが、次第に減り方が緩やかになります。そうしたら風を止めて、自然乾燥にはいります。およそ1~2か月で乾燥が終了します。乾燥が終わると、まるでカツオ節のような見た目になり、表面には結晶化したトレハロースが白く残っています。

昨年度に処理したものです。

 このままの状態で保管できますが、展示するには表面をクリーニングする必要があります。クリーニングを行うと、明るい木の色がよみがえります。このクリーニング作業については、いずれまた別の機会にご紹介します。お楽しみに!

  

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センター紹介

県の中心部は、室町時代の後期には湖山池ほとりの天神山に守護所が移り、江戸時代の前からは久松山(麓)に城が置かれるようになり、明治時代から現在まで県庁が置かれています。県庁から4キロほど離れた国府町に奈良時代の国史跡となっている因幡国庁や因幡守護所がありました。今ではひっそりとした田園地帯ですが、因幡三山(甑山(こしきやま)、今木山(いまきやま)、面影山(おもかげやま))に囲まれ、万葉の歴史と古代の出土品にあふれた万葉の里に埋蔵文化財センターはあります。


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