梨の外観が全体的に緑黄色になり、緑色の中に黄色い模様が散在して見える(トラ熟れ)梨は糖度が高くおいしいとされています。
また、軸が細くて肩と尻の張った扁平なものにおいしい梨が多いようです。また、色つやがよくて重量感があるものを選びましょう。
おいしい梨は皮をむいた時にべとべとした感じがあり、これは熟度も進み、甘味がのった証拠です。
二十世紀梨は熟度が進むと、果色が黄緑色から黄色になります。
シャキとした食感が好きな方は黄緑色のもの、甘さ重視の方は黄色のものを選びましょう。
甘み成分のショ糖や果糖だけでなく、酸味成分のリンゴ酸やクエン酸を含みます。
また、食物繊維も多く含みます。
梨は室温で保管し、食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れて冷やすのがおいしく食べるコツです(あまり冷えすぎると、甘みが感じられなくなります)。
また、梨は昔からのどに良いと言われていることもあり、梨飴や梨シロップが家庭でも作られています。
二十世紀梨は松戸覚之助(千葉県松戸市)に発見され、「新世紀の王者になるだろう」という願いを込めて名づけられました。
その後、明治37(1904)年に北脇永治によって10本の苗木が鳥取県に導入されます。持ち帰った苗木をもとに鳥取県内の各地に広がり、全国に名をはせる二十世紀梨の産地に成長していきました。
北脇永治が鳥取へ持ち帰った苗木、つまり現在栽培されている二十世紀梨の祖先に当たる親木は、平成11(1999)年に開園した「
とっとり出合いの森」(鳥取市桂見)でいまも元気に実をつけています。
鳥取県東伯郡湯梨浜町には、北脇永治から穂木を譲り受けて接木した「百年樹」が健在です。
梨の加工品
梨酢やジュース、シャーベットから梨飴、梨ゼリーなど特産の梨を使った様々な加工品も生まれています。
○二十世紀梨等梨を使った『「食のみやこ鳥取県」特産品コンクール受賞作品』
・鹿肉のブラッサート(令和元年度)
・鳳梨(ほうり)パイナップルケーキ(平成30年度)
・大山産ハーブチキンと梨のスパイシーカレー(平成29年度)
・梨花 RINKA(平成28年度)
・鳥取二十世紀梨ゼリー(平成28年度)
・天女の梨クーヘン(平成26年度)
・贅沢二十世紀梨ジュース(平成26年度)
・梨サイダー(平成24年度)
・鳥取県産二十世紀梨チューハイ(平成23年度)
○梨の作業
黒斑病は二十世紀梨の天敵です。
二十世紀梨が鳥取県の代表的な果物として認知されるに至った背景には、黒斑病の克服に取り組んだ先人の苦労があります。
袋かけは、外観の保持のほか黒斑病の防除を目的として行われています。
一般には、摘果後の5月、残す幼果に小袋をかけ、6月には小袋の上から大袋をかけます。
できるだけ早く幼果を隔離保護する必要があります。
剪定、摘蕾、受粉、摘果、袋かけ、収穫などは、いずれも手作業で行われ、梨栽培はたいへん骨の折れる仕事です。
それだけに収穫の喜びはひとしおです。
袋の改良や袋かけを1回にするなどの省力化のための新技術が開発されているほか、黒斑病については、耐病性の強い
「ゴールド二十世紀」「おさゴールド」が開発されています。
○木の実神社
昭和16(1941)年には、当時の鳥取県農事試験場津ノ井試験地内に千葉県松戸市から譲り受けた二十世紀梨の原木を御神体に祀って木之実神社が建立されました。
昭和48(1973)年に現在のJA鳥取いなば敷地内に遷宮され、静かに梨栽培の発展を見守っています。
平成13年に開館した国内唯一の梨の専門展示施設「鳥取二十世紀梨記念館」(倉吉市)には、二十世紀梨の巨木オブジェや世界の梨の展示、昭和初期の梨農家の様子を再現した『梨と生きる「二十世紀梨」ものがたり劇場』が来場者を迎えています。
ここでは、鳥取県産まれの氷温技術で処理された梨を1年中試食することができます。
秋栄(あきばえ)
秋栄(あきばえ)
旬/8月中旬~下旬
鳥取大学で育成された「二十世紀梨」と「幸水」の交雑種。二十世紀梨のみずみずしさと食味の良さに強い甘みが加わりました。生産者も美味しい梨のひとつに認めています。
なつひめ
なつひめ
旬/8月中旬~9月上旬
鳥取の二十世紀梨が生んだ早生の青梨の新生です。「なつひめ」は、上品で爽やかな風味が魅力。甘さと酸味のバランスが心地よく、シャリシャリの食感とあいまって極上の味わいを織り成す逸品です。
新甘泉(しんかんせん)
新甘泉(しんかんせん)
旬/8月下旬~9月上旬
鳥取の二十世紀が生んだ赤梨の新生です。高糖度の「筑水」に「おさ二十世紀」をかけ合わせた新品種です。「新甘泉」はなんといっても芳醇な甘みが最大の特徴。約14 度と抜群の糖度を誇ります。また、青梨のような歯ざわりの良い食感が楽しめるのも魅力です。斬新なネーミングは一度聞いたら忘れません。
鳥取県内育成の梨新品種情報はコチラ
○鳥取いなば農業協同組合営農部直販推進課(
梨特集HP)
TEL 0857-32-1143 FAX 0857-32-1140
Eメール todokeru@jainaba.net
受付時間 8時30分~17時15分(土・日・祝祭日を除く)
○鳥取中央農業協同組合直販部直販課(
梨特集HP)
TEL 0858-28-5686(受付:平日13時~16時) FAX 0858-28-0900
土日は、電話での注文・お問い合わせは受け付けておりません。
○鳥取西部農業協同組合営農部JAグリーン推進課 (
梨特集HP)
TEL 0859-27-0313 FAX 0859-27-0340
○全国農業協同組合連合会鳥取県本部(JA全農とっとり)内外流通課(
梨特集HP)
TEL 0857-32-8336 FAX 0857-32-8346