令和5年11月30日(木)までの会期で、企画展示「こうしてわかった!!古代山陰道」を開催しています。
鳥取県埋蔵文化財センターは、平成30年度から鳥取県東部を対象として、古代山陰道のルートや構造を解明することを目的に古代山陰道の調査研究事業に着手しました。この展示では、青谷地域で調査を始めた理由、発掘調査に着手する前の作業、調査によって明らかになったこと、残る課題等について、出土品や写真資料で紹介しています。
また会場では、調査担当者が青谷東丘陵の養郷宮之脇(ようごうみやのわき)遺跡を踏査する様子の動画も御視聴いただけます。
皆様の御来場をお持ちしております。

【終了しました】
令和5年8月18日(金)にイオン鳥取北店の1階エスカレータ近くに、第2回因伯山城写真コンクール入賞作品11作品の内、最優秀賞・優秀賞・審査員特別賞の6作品を展示しました。
山城の魅力や迫力が表現されている作品ですので、是非一度ご覧になってください。
展示は、令和5年8月20日(日)までです。


【終了しました】
鳥取市鹿野往来交流館童里夢(鳥取市鹿野町鹿野1353)で「因伯山城写真コンクール巡回展」(同館との共催)が始まりました。この巡回展は年3回の開催を予定しており、第1回は西部の米子市山陰歴史館で開催し、第2回の今回は東部での開催となります。開催期間は令和5年8月8日(火)から8月20日(日)までです。
この巡回展は、県内に残る中世城館(山城など)の魅力を広く知っていただくため当センターが令和4年度に行った「因伯山城写真コンクール」の入賞作品11点を展示しています。
入賞作品には町内にある市史跡鹿野城跡、狗尸那城跡ほか、国史跡米子城跡、国史跡若桜鬼ヶ城跡など、全国的にもよく知られた城があります。どの作品からも身近にある山城の新たな魅力が伝わることでしょう。この機会にぜひご覧ください。
第3回の巡回展は令和5年12月27日(水)から令和6年1月21日(日)まで倉吉博物館で開催します。
〇鳥取市鹿野往来交流館童里夢ホームページについては、こちらをクリックしてください。

展示見学の様子
【終了しました】
第3回鳥取まいぶん講座「奈良時代の娯楽と遊戯」に関連した企画展を開いています。会期は令和5年9月29日(金)までです。
この展示では、主に奈良時代から平安時代に人々の間で遊ばれた囲碁・双六(すごろく)・樗蒲(かりうち)などのボードゲームや独楽(こま)・木とんぼなどの遊戯具(ゆうぎぐ)について、出土品や写真資料で紹介しています。
また、独楽・木とんぼの遊び方について、動画で紹介しています。⇒動画リンク
皆様の御来場をお持ちしております。

展示室入口

展示の様子

独楽と木とんぼの遊び方動画
【終了しました】
令和5年6月2日(金)から7月28日(金)まで、当センターの展示室で企画展「大桷遺跡の木製祭祀具」を開催しています。鳥取西道路建設に伴う発掘調査により大桷遺跡では、質・量ともに非常に充実した古代の木製祭祀具が出土しました。
この企画展では、その中でも特に人形(ひとがた)という、薄い木の板を人の形に象(かたど)って作られた、水辺の祭祀に用いられた祭祀具を展示しています。様々な表情の人形を多数展示していますので、ぜひ古代人の芸術センスを感じてください。皆様のご来場をお待ちしています。
また、ロビーでも大桷遺跡から出土した墨書土器(ぼくしょどき)や古銭(こせん)などの逸品を展示していますので、併せてご観覧ください。

展示室入口

人形(ひとがた)の展示

ロビー展示の様子
令和5年4月10日(月)から、当センターの展示室で「企画展・曲物の世界」を開催しています(5月26日(金)まで)。曲物とはその名の通り、薄い木の板を曲げて筒状にし、合わせ目をサクラの皮製のひもでとじて作られる容器です。その歴史は古く、弥生時代までさかのぼります。
曲物が遺跡から良好な状態で出土することはまれですが、近年行われた鳥取西道路建設に伴う発掘調査では、青谷横木(あおやよこぎ)遺跡をはじめとする多くの遺跡から、たくさんの曲物が出土しました。
この企画展ではその中でも特にすぐれたものを集め、曲物の歴史や作り方、使い方などについてご紹介します。たくさんの皆様のご来場をお待ちしています。

展示室入口

水桶
令和5年3月25日(土)に古代のボードゲーム「かりうち」の体験会を開催しました。
3グループの方に体験していただき、古代のボードゲームを体験し、楽しんでいただきました。
参加された方は、大人が3名で小学生が4名でした。
ルールが簡単なことから、すぐにゲームの方法を覚えていただき、試合開始となりました。対戦するうちに戦略の奥深さに気づいていただき、2階の会場から離れた玄関ホールまでゲームに興じる声が聞こえるほどの大盛り上がりとなりました。
実力は小学生の方が大人より少し上だったみたいです。

再度、体験会を開き、皆様にシンプルで奥深いこのボードゲームの魅力を伝えたいと思います。

ルール説明の様子(ルールは簡単です。)

大人と小学生の対戦(小学生が勝ったみたい。)

小学生と小学生の対戦(ゲーム展開がとても早かったです。)
令和5年3月21日(火・祝)に、「里仁(さとに)古墳群ウオーク」を開催しました!
今回は、ヤマタスポーツパーク(鳥取市布勢・里仁)周辺にある「里仁古墳群」を対象に、鳥取平野で第3位の規模の前方後円墳里仁29号墳をはじめ、里仁23号墳、里仁32~35号墳(消滅)などの古墳に加え、弥生時代後期の里仁1号墓(消滅)や古墳時代終末期の里仁第3横穴群等などについて、当センター職員が説明しながら園内の遊歩道を歩きました。
あいにく小雨がパラつく天候だったこともあり、予定より少し早くウオークを終了しました。それでも、参加された方々からは、「運動公園は利用しているが古墳については知らなかったので興味深かった」「古墳からの眺めがよかった」「距離がちょうどよかった」などの感想をいただきました。整備された遊歩道を歩くコースだったので、比較的歩きやすいウオークだったと思います。
来年度もこうした古墳ウオークを開催する予定ですので、どうぞお楽しみに。
ウォークの様子
所長おすすめのお宝第三弾、またまた、あまり注目されていない資料について紹介します。
写真1は、笠見第3遺跡(かさみだいさんいせき:琴浦町)D区の竪穴建物等(SI10・11・14など)で出土した赤色顔料素材です。
笠見第3遺跡は、国道9号(東伯中山道路)改築工事に伴い2002・2003・2006年に約30,000平方メートルが調査された、縄文時代から中世にかけての大規模な複合遺跡です。特に弥生時代中期後葉から古墳時代後期中葉にかけては、総数200棟以上の竪穴建物跡が見つかり、県内では妻木晩田遺跡(むきばんだいせき:米子市・大山町)、長瀬高浜遺跡(ながせたかはまいせき:湯梨浜町)、青木遺跡(あおきいせき:米子市)に次ぐ規模の大集落遺跡であることが分かりました。
原始古代に使われた赤色顔料には、主に(1)水銀朱(すいぎんしゅ、硫化水銀:HgS)、(2)ベンガラ(酸化第二鉄:Fe₂O₃)、(3)鉛丹(えんたん、酸化鉛:Pb₃O₄)があります。2002・
2003年の調査で、赤色顔料が付着した安山岩円礫が数多く出土しており(
写真2)、遺跡内でベンガラと思われる赤色顔料の生産が行われた可能性が指摘されていました。
2006年の調査で、弥生時代中期後葉から古墳時代中期後葉にかけての竪穴建物跡などで、赤色顔料が付着した石杵(いしぎね)や台石などと共に、研磨痕や割った痕のある赤色顔料素材と考えられる褐鉄鉱(かってっこう)の一種が出土し、遺跡内出土の赤色顔料付着遺物と赤色顔料素材の蛍光X線(けいこうえっくすせん)分析による成分分析を行いました。その結果、付着した赤色顔料も素材もベンガラ特有の成分構成である可能性が指摘され、この遺跡で赤色顔料が生産されていた可能性がますます高まりました。今後は、X線回折(えっくすせんかいせつ)分析によって顔料の結晶構造の解析を行い、より確実性を高める必要があるでしょう。
これら赤色顔料素材が、どこで産出したものかは現段階では明らかとなっていませんが、遺跡の近隣で産出する鉱物を磨り潰したりして、集落内で赤色顔料(ベンガラか)を精製し、土器などに塗彩していた可能性が考えられます。
また、この遺跡内では、弥生時代後期に花仙山(かせんざん:松江市)産の碧玉(へきぎょく)を用いて管玉生産が行われていたことや、古墳時代前期から中期に鉄器の生産が行われていた可能性があることがわかっています。加えて、弥生時代中期から古墳時代中期にかけて、赤色顔料の生産も行われていたとなると、当時の集落内での物資生産の様相、集落の性格を考えるうえでも重要な出土品として注目されます。

写真1 赤色顔料素材(矢印は研磨の痕)

写真2 赤色顔料が付着した礫
[令和5年3月21日掲載]
●聞きどころ1
<須恵器の形態と製作技法から生産、流通、消費について考える!>
須恵器の形態や製作技法は、たとえば坏・皿といった同じ種類の器であっても、つくられる地域や時代によって違いがあります。この違いを子細に検討することで、いつ、どこの地域で作られ、消費されたか推定することができます。八峠興氏には、この視点からご講演いただきます。
●聞きどころ2
<須恵器の材料(粘土)から生産、流通、消費について考える!>
土器を形づくる粘土や含まれる鉱物は、つくられる地域によって異なるため、その種類や元素の違いを分析(胎土分析といいます)することによって土器の産地を推定することができます。蛍光X線分析法による胎土分析の視点から、白石純氏にはご講演いただきます。
須恵器の形態や製作技法と、胎土分析の結果とを合わせて検討することで、どこで作られ、どこから、どうやって運ばれたのか、生産地や流通についてより明らかにすることができます。詳しくは講演を楽しみにしていてください。
講師の白石氏による胎土分析の試料採取の様子
●見どころ!
会場では、八頭町内の窯跡から出土した須恵器を展示します。合わせて、今回のテーマとなる研究成果の報告書も販売しますので、ぜひご覧ください!

会場で展示する須恵器(一部)

報告書
[令和5年3月17日掲載]