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会見録(令和3年2月19日)


(主な報告事項)

  1  令和2年度補正予算(1月臨時会)・令和3年度当初予算主要事業等について

(その他項目)

  • ○ 令和3年度主な組織改正案について
  • ○ 新型コロナウイルス感染症への対応について

(質疑事項)


1 令和2年度補正予算(1月臨時会)・令和3年度当初予算主要事業等について

●山本教育長
 年明けから精力的に編成作業を進めて参りました、令和3年度の当初予算につきまして案がまとまり、本日執行部のほうでも記者会見をされているということでございますが、2月26日から開催される県議会でご審議いただくことになりますが、人件費なども含めた教育費予算は約640億円で、ほぼ前年並み、2億円程度増えているといった状況の中での当初予算となりました。令和2年度の1月の臨時補正予算これが約7億ありますが、これと合わせて一体として、執行していくというかたちになります。
 「コロナとたたかい、学びを守る」ということで、感染防止対策など挙げておりますし、また、コロナを乗り超えて新しい学びを開くといった柱立て、また、安全安心に学べる教育環境づくりといった大きくはこの三つの柱の中で整理をさせていただいております。Society5.0時代を担う子どもたちのためのICT利活用教育の充実であったり、あるいは本県独自の学力学習状況調査の全県的な展開、あるいは全国調査から明らかになった課題解決に向けての学力向上に向けた具体的な取組、そしてまた、国際バカロレア教育の導入へのチャレンジを初めといたします県立高校の更なる魅力化、そしてまた県外募集に向けた情報発信、県外修学旅行への支援を初めとする「ふるさとキャリア教育」の充実、更には学校における働き方改革の加速化であったり、年明けにはいよいよ工事着工を迎えます県立美術館の整備促進、そしてまた校内サポート教室などの不登校対策などに積極的に取り組むことにいたしております。
 その中で主なものということで、お手元のほうに資料をお配りしておりますが、そうしたものにつきまして主立ったものにつきまして、ポイントをご説明を申しあげたいと思います。詳細、あるいはそれぞれご関心のある事業につきまして関係課のほうにもご取材いただければありがたいかなというふうに思います。

 最初に予算につきまして、説明をさせていただきたいと思います。初めが新型コロナとたたかい学びを守るということで、1月臨時補正(1頁)は、新型コロナウィルス対策ということで、これはトイレの手洗いの蛇口を非接触型に改修をしていこうということでございます。生徒の利用の多いトイレなど、ちょっと執行の段階にもよるんですけど、180カ所程度の蛇口を非接触型にしていこうと考えているところでございます。そうしたことであったり、2頁には衛生用品の購入ということで、今年度も消毒液等々の衛生用品を購入をしたわけでございますが、来年度に向けてもこの補正予算を活用して備蓄も含めて購入をするといった予算。そしてまた、これは国の制度を利用してということになりますが、低所得者の生徒に対して、奨学金給付金を増額追加支援をしようということで、3頁目にはそうした給付金の追加支援についても挙げさせていただいているところでございます。そうしたことが、コロナと戦い学びを守るということでございますが、併せまして新型コロナを乗り超えていくということで、これは補正で4頁のほうに挙げさせていただいております。
 ご承知のとおり、小中学校につきましては、国のほうで一人1台のタブレットを整備する予算を計上して、本年度市町村のほうでいま整備をしているところでございますが、県立高校等につきまして、県のほうでそこを整備していこうということでございますが、いわゆるBYAD方式、機種を指定して、これはそれぞれのご家庭でご準備いただいて学校に持ってきていただく。そうしたことを令和4年度からの新入生から順次導入していこうという方針でおります。令和4年度というのは、来年度中学3年生が、これは一人1台のタブレットで学んでいるわけでございまして、そうした中学3年生が令和4年度に高校に入ってくることになります。そのときにはその新入生は、一人1台体制で学んでいく、そういうことを準備していこうということでございます。それに向けて早速来年度から、鳥取商業高校・倉吉東高校・米子東高校3校では先行して、そのBYAD方式で、新入生から一人1台体制でやっていこうということで、今準備を進めているところでございますが、保護者の方に準備をしていただくということになりますと、低所得家庭を含めて、なかなか買うのも難しいといったご家庭もあろうということでございますので、そうした家庭に向けて、タブレットあるいは通信用のモバイルルーターの本体を、これは県のほうで整備をして、そうしたご家庭の生徒さんには貸し出そうということで、そうした関連の予算を、これは1月補正で準備をしておりますので、県立高校のほうでいろいろBYAD方式を前倒しをして整備をしたいという学校があっても、来年途中にはそうしたご家庭、低所得者向け全世帯分を県のほうで整備をして、前倒ししても対応できるような形で進めていこうというふうに考えておるところでございます。
 来年度に向けては5頁になりますが、5頁は、小中学校のほうが中心になるわけでございます。校内ネットワークの整備あるいは一人1台タブレットについては、市町村のほうでご整備いただいておりますし、それを活用する教員の研修を県のほうも積極的に学校現場に出かけていったりして、いま進めているところでございますが、来年度は少し大手のIT企業と連携をして、先進的な取組を支援していこうと考えております。効果的な活用に向けて県内3地区の学校、これは地域ですので中学校区単位で考えていきたいなと思っております。
 そうしたことであったり、課題解決型の学習についてICTを活用するような取組について、1校、これは義務教育学校を主体として、いま公募いたしておりますが、そうしたところでの先進的な取組をIT企業と連携して支援をしていく。それを全県的に広げていくといったことを考えております。具体的にはインテルという会社、ここですね。この企業と一緒になって取り組んでいこうということでお話を進めさせていただいているところでございまして、先方のほうからも、是非鳥取県と一緒に取組を進めていきたいというようなお話もいただいているところでございます。インテルにつきましては、広島県で課題解決学習についての研修にも取り組んでおられますし、東京都でいろんなモデル事業を支援するといったようなことで、こういう教育におけるICTの利活用につきまして、実績もあるということでございます。そうしたIT企業の力をお借りしながらICT利活用教育を進めていければというふうに考えております。その成果を県民の方・保護者の方にも広く、こういうふうに学校は変わっていっているんだよということをGIGAスクールフェアという形で紹介をするといったような取組も併せて行っていきたいというふうに思っております。
 また、ICTを活用した取組については、このほかにもeラーニング教材を使って家庭学習に使っていただいたり、あるいは教室内でのドリル的な利活用を進めていったりということであったり、あるいはプログラミング教育といった新しい取組も既に今年度から始まっておりますが、そうしたことについてもしっかり支援していこう、あるいはデジタル教科書を試験的に使ってみるような取組も始まります。そうしたことについても効果的な利用などについて、県のほうでもバックアップをしていこうということでございます。
 ICTの利活用につきましては、いろいろ使う側によって困ったことがいろいろ起こってくるだろうと思います。市町村のほうでICTの支援員というものを設置をしておられますが、それに対して県のほうでは、スーパーバイザーを今年度から置いております。そうしたことで市町村のほうも県としてしっかり支えていきたいと考えているところです。
 6頁には、同じくICT活用推進事業ということですが、これは主に県立学校のほうになります。これは県立に限らずグーグル社のG Suiteということで教育の支援用のソフトがありますが、これのアカウントを全小中高を含めて県のほうで統一的に整備をするという方針で今年度から臨んでおりますが、そのグーグルのG Suiteに関しまして、これも実はグーグル社と私も先般、小出統括とお話をさせていただきましたけれども、連携をして学校現場を支援していくということも今取組を進めておるところでございまして、これもIT企業の方々の力をお借りしながら、グーグルのG Suiteをしっかり活用して、学校現場で子どもたちの学習に生かしていくようなそんな取組を進めていければというふうに考えているところでございます。
 一番下の枠のところに、「授業目的公衆送信補償金」というのがあります。あまり注目を浴びていなかったんですけども、著作権法が改正されまして、実は教育現場というのは著作権法がわりと緩められております。たとえば、ほんとだったら使うのに著作者の許諾がいるようなものについて、教室内でコビーして生徒に配るということについては、そこは無料で出来るということになっているんですけども、教室内で配るんじゃなくてオンラインの授業のときに、ネットでその資料を配信するというときには、実は著作権法上の制約がかかってくるということがこれまでありました。今年度はそれが無料でできるということで、新型コロナの臨時的な裁量としてあるんですけども、それが次年度から一括して年間、高校で言いますと一人420円を支払えば教室内で配れるのと同じような形で、オンライン授業でも使えるようになるといった制度の仕組ができましたので、それに対して必要な保証金を一括して払うということにしています。小中学校については市町村のほうで、これについては必要な市町村については措置をされるということでございます。一方、インターネットを使ったりしますので、いろんな利用上の課題など出てくるということでございますが、ここについてしっかりと情報モラルのことも含めた教育が必要であろうということでございまして、従来から行っております啓発授業なども含めて、児童生徒が自分たちでしっかり考えていく、そうしたことが必要ではないかというふうに思っておりまして、そうしたネットのルールを自分たちで考えていくようなプログラムをつくっていこうといったことを新たに考えておりますし、インターネットの啓発推進協議会などと連携をして、今年、青少年育成鳥取県民会議のほうでコンテストで啓発の標語を募集されて、「とりのからあげ」ということで、友達を傷つけることをしないとかという、それぞれの頭文字を取って、「とりのからあげ」という標語ができておりますが、これをしっかりと浸透させていくということを一緒になって取り組んでいきたいなと思っております。
 こうしたことに加えてベースとなります、教員の研修もICTの活用の推進につきまして取組を強化したいというふうに考えております。8頁になりますが、学校内に学校CIOというこれは校長さんになっていただくんですけども、校内のICT利活用教育、そしてまたルールづくりなども含めて、そこを管理する方を設置をしております。この方々に関して悉皆で研修をしていくということであったり、情報化推進リーダーを各学校に配置をして、この方々に学校内の研修を中心になって進めてもらおうということで、こうした方々の研修であったり、そのリーダーの次のリーダーを育成していくための研修であったりといったことを行いながら、校内でもOJT等を含めて、このICT利活用に向けての教育研修が進むようなことを進めるということが一つであります。
 一方、先生方に直接、県のほうでそういった研修を進めていくという意味が真ん中のところでございますが、学校を訪問して、そこの学校の全職員の方に同時にばっと研修を受けていただくようなことを今年度もやっておりますが、それを引き続き来年度も進めていくということであったり、先ほどもありましたが、G suiteというものを基本に使っていくということで、そうしたものにつきまして、それぞれのレベルに応じた研修をやっていこうということも考えているところでございます。
 そのほか、これは希望制になりますが、情報モラル教育の研修であったり、プログラミング教育の研修であったり、そうしたものも盛り込みながら、来年度しっかりと教育研修に取組んでいくこととしております。

 以上がICT利活用教育のことでございまして、次から学力向上ということで、二つの事業を挙げさせていただいております。9頁は学力向上の総合対策推進事業ということで、今年度から鳥取県独自の鳥取学力学習状況調査ということ、これは埼玉県のほうで考案されている調査に乗っからしていただく形になりますが、この学力調査、鳥取・米子で先行実施をいたしておりますが、来年度は希望する全市町村の学校で、これを使っていただこうということ、また中学校1年生まで、今年度は小4から小6までですが中学校1年生まで拡大して、実施をしていこうということを考えております。こうしたことで一人一人の学力の伸びに着目をして、一人一人に応じた指導ができる。そうしたことで学力向上の学力の全体の底上げを図っていこうという取組を引き続き行っていきたいというふうに思います。
 また10頁のほうでは、英語についてでございますが、これも本年度から既に小学校の英語の教科化というものが進められております。本年度教科として英語を学んだ小学校6年生が、来年度初めて中学校に入ってくるということになりますので、そうした者にしっかりと対応できるような教育を進めていくといったことが必要になってこようというふうに思います。また4技能といわれるReadingだとかSpeakingだとか、そうした技能を適確に図る定期テストですね。どういうテストをすれば、その技能が正確に図っていけるんだろうかということについて、島根大学と今年度から共同研究を行っておるところでございますが、そうしたことを継続しながら、成果を拡げていく取組も行っていきたいと思っていますし、引き続き中学2年生に英検のIBAを受けていただいて、これも自分の力がどの程度あるのか、民間試験で図っていくような取組も行っていきたいと考えております。

 11頁からは、県立高校の魅力化推進事業でございます。11頁は、主に定員割れをしている、中山間地の学校の魅力化を図り、これはそうした魅力を県外にも発信をし、県外から生徒を呼び込もうという事業であります。これまで倉吉農業高校にスマート農業を導入したり、あるいは日野高校にレクリエーションの指導ができる、これはeスポーツを活用して、高齢者の認知予防、認知症予防・認知機能をアップするようなことも含めた学びを取り入れたり、あるいは町のほうと連携をして公設学習塾を開いたり、そしてまた日野高校にあります寮の中で学習を進めたりといったような取組も行ってきているところでございます。
 岩美高校は新たに来年度から、福祉・フード類型という普通科ですが、そうした類型を作りながら、その中で製菓あるいは調理、そうした食物調理に係るような授業を教科として来年度から進めていこうということを考えておりますし、青谷高校におきましては、これまで日本海の海を利用したサーフィンの授業であったり、あるいは芸術のコースで鳥の劇場と連携した取組であったりということを行っておりましたが、来年度からは新たに教科として弥生文化探求というカリキュラムをつくりまして、これは青谷上寺地遺跡などを中心として学んでいくといったような新たな取組も始めたいと考えております。新たに智頭農林高校についても、来年度しっかりと魅力化を図っていきたいと考えております。ここは林業の町・智頭にありますので、そうした智頭町ともしっかりと連携をして森林林業の担い手をしっかり育てていくといったことが中心になろうかと思いますが、スマート林業であったり、あるいは里山を探求したりといったような学びをどう構築していくか、それを魅力化にどうつなげていくか、そうしたことを来年度しっかりと検討して参りたいというふうに考えております。
 また、ラジオ、SNSを活用したということで、今年FM東京と連携をしまして、SCHOOL OF LOCKという番組を1日鳥取県で借り上げて学校紹介をしたところが、すごく中学生のほうから反響があり、たとえば倉吉農業高校などは学校紹介のビデオをつくっていますが、パソコンに4千件近いアクセスがあり、それが実際本年度の県外受験に結びついたりといったような成果が上がる取組でしたので、引き続きそうしたことを含めた情報発信をしていきたいというふうに考えておりますし、一番下の枠で、受け入れの関係で寮がないところもございまして、そうした学校についてもこれまで寄宿の斡旋の制度であったり、私立学校の寮をお借りしたりと、あの手この手でやってきておりますが、新たに今度は学校の同窓会が民間のアパートを借り上げて運営していく場合に、県のほうで助成をして共同経営のような形で寮を運営していくといったようなことをこれは八頭高校で考えているところでございます。そうした新たな取組も含めて、中山間地の学校の魅力化を進めていきたいと思っております。

 12頁は、国際バカロレア教育の導入事業ということでございます。普通科も見直すということがいわれておりまして、その一つに国際的な教育を文系・理系ということで分けるのでなく、そこは融合した学びというものもあるわけでございますが、倉吉東高のほうで国際バカロレア機構によりますカリキュラムを使った学びを取り入れていこうといま考えているところでございます。本年度この機構の候補校ということで認定を受けて、いろんなアドバイスを受けながら、実際の認定に向けた準備を進めてきているところでございます。来年度カリキュラムをつくったり、あるいは必要な施設整備を行って令和4年度中にはなんとか認定を得て、令和5年度の入学生からこのバカロレアによる教育を進めていくということを考えております。この国際バカロレアにつきましては、従前よりは若干認定の基準がというか、ハードルが下がったということで、当初の頃はほとんどの授業を英語でしないといけないということだったんですが、今2教科を英語ですればいいということでございます。そうしたことで文科省のほうの日本の高校を卒業資格を得るための基準も下がってきております。そうしたことも踏まえて、倉吉東高でぜひ取組を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。ここで国際バカロレアのカリキュラムを受けて、これは試験というものがありまして、その試験を受けてその点数によって、海外の大学の入学資格が得られるといったようなところもありますし、併せて日本の高校の卒業資格も得られるという、そうした取組になります。

 そうしたことも含めて13頁では、今教育審議会の中で、高校の在り方あるいは特別支援教育の在り方を審議いただいております。高校の在り方につきましては、これまで6回、これはSociety5.0における個別最適化の学びであったり、普通科あるいは職業教育の在り方であったり、様々な視点で検討いただいておりますが、来年度以降3回程度、会を開くということを予定しておりまして、再編なども含めた学校の配置なども来年度早々に議論いただくということになろうかと思いますが、そうした議論を踏まえて、来年の9月頃に答申をいただく予定にしております。特別支援教育の在り方につきましても、今年度はあと1回予定をしておりますが、次年度4回程度、いま国の方でも施設の整備基準など議論があるところでございます。そうしたことも折り込みながら、来年の8月・9月辺りに答申をいただく。そうしたスケジュール感でご審議をいただきたいと考えているところでございます。

 ここからが、ふるさとキャリア教育の関係で、何点か挙げさせていただいていますが、ふるさとキャリア教育段々と浸透してきたかなあというふうにも思うところでございます。一番課題となっておりましたのが、小中学校では地域のことをわりと学ぶんだけど、高校でそこが地域と切れてしまうといったようなお話を市町村の首長さんからもお聞きしておりまして、そうしたことが小・中・高とつながっていくようなものとして、キャリアパスポートという一つのツールを使いながら、そこをつなげていくといったことを3地区のモデルでやっております。東部が八頭町地区と八頭高が連携をして取組んでおりますし、中部は北栄町と鳥取中央育英高校、西部が日野町と日野高校という形でやっております。今連携を進めておられる成果などを共有していくといったことであったり、今年度は残念ながら新型コロナの関係でできませんでしたが・鳥取発の魅力発見、仕事体験ツアーといったことが元年度非常に好評でありましたので、引き続き取組んでいきたいと思っております。こうしたことを通じて、ふるさとキャリア教育を進めていければと思っております。
 また、15頁ですが、今年度新型コロナの関係で、県外の修学旅行というのがなかなか実施しづらい状況の中で、それだったら近場でふるさとの魅力を知っていただこうということで、県内の修学旅行にいざなうような取組をしました。実際に実施した学校の話を聞きますと、生徒さんはほんとうは県外に行きたかったんだけれども、鳥取のいろんなところを訪ねて、魅力があるなと。鳥取砂丘の素晴らしい魅力があるといったことであったり、鳥取花回廊を初めて見ましたみたいな話もあったり、また、中学校の生徒は地元だけども、三朝の旅館には泊ったことがなかったところが、行って体験できて、すごく良かったという話もあったりもします。是非こうした取組を引き続きやっていきたいということで、県内の修学旅行等を支援する事業を行っていきたいというふうに思っております。これは小中学校においても支援するし、県立学校においても支援をするといったことで考えておるところでございます。
 16頁は、そうしたふるさとを学ぶ機会をつくっていくときに、地域のご協力を得ながらやっていく必要があるわけでございまして、そうした意味で学校運営協議会制度、これはコミュニティースクールという制度ですけども、そうしたものをしっかり学校の中でつくっていきながら、地域と協働して子どもたちを育てていく。そうした仕組づくりもいるというふうに考えておりまして、これは小中のほうでは令和5年度には、全校でコミュニティースクールを導入したいと考えておりまして、それに向けていろいろ準備をしたり、あるいは実際に学校運営協議会についての活動に係る経費について助成をしたりといったことで、取組を行っていきたいというふうに考えております。これは小中学校だけではなくて、高校・特別支援学校についても併せて、これは別の事業になりますけれども、同じように進めていきたいというふうに考えております。

 17頁からは働き方改革の加速化ということでございます。なかなか働き方改革は進んでいかないわけですけども、前年に対して10%ぐらいずつは減ってきているかなあということでございますが、引き続き外部の方々の力もいただきながら取組を進めていこうということで、教員業務のアシスタントも配置増であったり、部活動指導員の配置増であったりといったことで、取り組んでいく一方、学校の中のカイゼン運動なども引き続き進めていきたいというふうに考えております。特にICTを上手に使いながら、たとえば教材の共有をしていったり、あるいは保護者とのやり取りでICTを有効に活用することで業務の軽減を図っていく、そうした視点での取組というのも新たに進めていく必要があるのではないかなというふうに思っているところでございます。

 それから18頁は、働き方改革でいま位置付けていますけれども、様々な要素があろうかと思っています。国の中央教育審議会のほうで令和4年度に本格導入すべしということで答申が出ていますが、小学校高学年に教科担任制を導入するということでございますが、それに向けて県内でもモデル的に取組を進めていこうということで、10校程度、たとえば英語の専科の加配の定数等があります、そうしたものを活用しながら、その学校の中で教科担任制を導入していただきながら、メリット・課題などに向けての解決策の取組であったり検証していくということを行っていきたいと考えております。そこに期待される効果と書いておりますが、専科の教員が専門的に指導すれば、それなりに子どもたちの学習も進むといった視点であったり、あるいは一人の教員が何クラスか同じ授業ができるということになりますので、教員のほうの準備の負担も軽減されるといったようなメリットもあるのではないかなということでございます。また、いきなり中学から教科担任制が始まるのではなくて、小学校の間から徐々に複数の人に関わっていただきながら、学んでいくということを経験することで、いわゆる中一ギャップといったものの解消につながっていくのではないかといったようなことが言われているところでございます。

 また19頁からは、スポーツ・文化の振興ということになりますが、運動部活動につきまして、これはポイントとしては下のほうの2点なんですけども、地域運動部活動の推進事業ということで、実は国のほうが令和5年度以降に休日の部活動を段階的に地域に移行するという方針を出してきております。それに向けて県内でもモデル的な取組をやっていただこうということで、その委託経費を計上しておりますが、現在鳥取市と境港市のほうで取組んでみようということで、手が挙がっているところでございます。併せまして県立高校につきましても、今後の部活動の在り方について、地域の方々へのご協力もいただくようなことも含めて、少し幅広に検討を行っていく経費も計上をしているところでございます。
 それから20頁でございます。今年度少し騒動になりましたけれども、部活動の生徒引率に係る貸し切りバスの利用促進事業ということで、今年度は公式試合について補正予算でお願いをしました。そのときに「練習試合もあるじゃないか。そこについてはどうするんだ」ということで、整理としては、執行部のほうで貸し切りバスの事業者への補助事業が措置されておりましたので、そちらを活用しながらということで当面の対応を行ってきたところでございますが、再度整理をしなおしまして、来年度は公式大会、あるいは公式大会以外の練習試合も含めて、それぞれ要件はありますが、共に支援をしていこうということで予算を計上したところでございます。こうしたことを通じて、白バスに加担することがないように、しっかりと生徒引率の安全を確保しつつ、教員の負担であったり、あるいは保護者の負担であったり、そうしたものを軽減するようなことで県としてもしっかりと支援をしていきたいと考えております。

 それから次は美術館の整備推進事業ということでございます。既に実施設計に入っておりますが、今年中には実施設計が作れるということに予定としてはなっておりまして、来年1月早々にいよいよ工事着工ということにつなげていきたいと考えております。また、開館に向けて、それぞれ美術ラーニングセンターの機能であったり、あるいはそれに向けて気運を盛り上げたりといったような取組も引き続き行っていきたいと考えているところでございます。

 最後の柱として安心安全な教育環境づくりということでございますが、いじめ防止対策、これは引き続き取組を行っていき、早期に発見をして、重大事態にならないように、解決に向けて指導を進めていく基本方針の元に取組を行っていきたいと思っておりますし、23貢の不登校の対策につきましては、一番下の校内サポート教室というものを本年度試行的にやってみて、非常に効果があるということで現場のほうの手ごたえもありましたので、ここを少し充実していこうということを考えておるところでございます。それから三つ目の枠でございますが、本年度コロナの影響など出てきているかどうかまだ確認できていない状況なんですけども、緊急支援が求められることも増えてきておりまして、そういったことに対応するための何かあったときの臨床心理士の派遣の経費を増額するようなことも考えておるところでございます。
 24頁は、不登校の生徒の自宅学習をしっかり支えていこうということで、従前から取組んでおります「すらら」という学習ソフトを使った支援を更に充実をさせていこうというふうに考えております。ICTをこの不登校の児童生徒の学習支援にもしっかり使っていく、そうした一つの流れをこれでつくっていければというふうに考えておるところでございます。
 それから25頁は、手話の関係でございます。これもICTを使いながらということになるわけですが、新たに児童用の検定試験を鳥取県独自につくることにチャレンジをしたいと思います。来年度は手始めとして、小学校の下学年を対象とした手話検定、今大人用のものしかありませんので、子ども向けのものを団体の方々の力も借りながら作っていき、それを元に更に手話の学習というものを学校現場で広げていくことにつなげていきたいと考えております。また、手話の普及支援員さんが学校現場に出かけていって指導支援に当たっていただいていますが、遠隔授業も対応できるような、そんな形も取りたいと考えておりまして必要な経費なども計上しているところでございます。

 最後、仕事と暮らしに役立つ図書館推進事業ということでございます。4番目の枠のところにあるのが新規事業ということになりますが、いま視覚障がい者等の読書環境の整備推進に関する法律という、いわゆる読書バリアフリー法に基づく県計画を策定しております。3月の初めぐらいには策定ができるのではないかなというふうに思っておりますが、策定されればおそらく全国初の県計画ということになろうかと思いますが、そうした計画に基づいて、こうした法律に関して県民の方に啓発するようなフォーラムを行ったり、知事部局のほうではそれに向けての点訳のボランティアのスキルアップ研修などを行っていただくなど、これは知事部局とも連携をして、取組を進めていこうということを考えておるところでございます。
 そうしたことも含めて一人一人に寄り添った学びの取組を構築していきたいと考えております。

  

4 働き方改革の推進について

○記者A
働き方改革のところで、だいたい10パーセントぐらいずつ減ってきているという話がありましたが、今県内の県立学校の先生の時間外勤務がどれぐらいなのかということと、その主な要因はどんなところにあるのかということが分かれば教えていただけますか。

●山本教育長
 ちょっと細かい資料を手元に置いていないんですけども、時間外平均のデータ今ちょっと調べますけれども、たとえば、月45時間を超える方というのは、高校でいうと4.1%とかそういうところまで下がってきておりまして、おそらくこれは部活動の関係かなというふうに思っております。これも部活動指導員などを配置することで、軽減を図っておりますが、人によってはどうしても自分が関わってやっていくんだという、非常に使命感と意気込みがある先生方もおられますし、たとえば全国大会等に出るということになれば、それなりに練習も積まなければならないということもあろうかというふうに思います。そこを組織的にどう解決していくかというような辺りが、今後の課題として残っているのかなあというふうに思うところであります。

○記者A
部活動指導員もちらっと出ましたが、高校だと30人程度にとどまっていて、おそらく十分な配置ができていないと思うんですけども、その辺りは今後更に増やしていく予定があるのか。

●山本教育長
 令和4年度は更に10名程度増やして41人ということで考えていますが、これは学校等の要望等も聞きながら、取り組んできているところでございまして、そうしたことで必要な人数は措置をしているというのが県の姿勢なんですけど、更なる働き方改革の視点から見たときに、ここが十分なのかどうかの検証というのは、一方で必要なのかなというふうに思っております。

○記者A
45時間以上の先生方の数字を教えていただいたんですが、そもそもこれは先生方が家に持ち帰って仕事をしているというケースもあったりすると思うんですが、その辺り勤務状況は把握されているんでしょうか。

●山本教育長
 基本的には、家に持ち帰りという部分というのは管理できづらい部分は当然あるんですが、その残余の部分についてはいま県立学校では県職員と同じようにカードで出し入れをして、その中で学校に滞在する時間というのはきちんと管理できる。その中で、実際には休憩をしていたりする時間を除くということですので、ある意味学校にいる間はきちんと管理はできているというふうに考えております。あと、持ち帰りの時間をどう把握していくかということは課題の部分もあろうかと思いますが、そこはきっちりと先生方の意識の問題として、登録も含めてそこは正確に把握できるように登録をしてくださいということを働きかけを行っていくということではないかなというふうに思います。


3 ICT利活用教育の推進について

○記者B
 ICTの教育について昨年まで全国的にかなり低いレベルに推移していたと思うんですが、なぜ指導力が低いのかというところをどう考えるかというのが一点で、あとコロナ禍で遠隔授業というのは鳥取県内は少なかったと思うんですが、逆にGIGAが始まるに向け、実地で経験している教師の方々が鳥取県内にいらっしゃらないということで、その危機感というのはおありかということを。

●山本教育長
 最初のほうはいろいろと分析をするんですけども、他よりも指導力は低いかというと、そうでもないんだと思うんですけど、いわゆるアンケート型の調査だもんで、その辺はある意味県民性が現れている部分もひょっとしたらあるのかなあと思いながら見てますが、どういう状況の人がこのランクみたいなところを整理をしなおしまして、もう少し細やかに自分の力量を判断できるようなことを県のほうで補って、最近はアンケートに答えていただくようにしております。そうしたところ、実際にはそのレベルの部分が上がってきているというようなこともありますので、そうしたことも踏まえると、何年か前は判断を自分で過小にしておられる方も結構あったのかなあというふうに思っております。ただまあ、そういう結果があったということを我々としては逆に力を入れて研修を進めているということに使っているということでもあります。今年度オンラインの授業というのが、鳥取県は他県に比べてそういう機会が少なかったわけですけども、県のほうでは第二波、第三波が来たときに対応をできるように進めてくださいね、ということで従前から取り組んできておりますので、ある意味での危機感は学校現場は持ちながら取組を進めてきているんだと思います。ただ、このICTの利活用というのは、オンラインの授業だけではなくて、むしろ日々の対面の授業の中で、それをどう有効に活用していくかというほうが重要ではないかなというふうにも思います。いざというときにはオンライン授業もできるということになりますけれども、そういう意味で幅広く研修を進めていくことが求められるわけでございまして、本県では集めてやる研修だけではなくて、教育センターのほうが出かけていって、必要な機器も全部揃えて研修をするといった。これはなかなか他の県ではここまではできない、小さい県ならではのスモールメリットを生かした取組ではないかと思いますが、そうしたこともやりながら、研修を大急ぎで進めている、そんな状況でございます。


2 部活動の生徒引率に係る貸切バス利用促進事業について

○記者A
20頁の部活動のバスの引率利用促進事業に関して伺いたいんですけど、これ多分昨年10月の処分を受けての対応だと思うんですけど、その際に県教委として、マイカーを従前どおり使っていることを事実上黙認されていたという点もあったと思うんですが、それについて教育委員会としては、教育長として責任をどういうふうに考えているのかということと、昨年の補正で既に支援は一応始まっているわけですが、それらの事実を踏まえて、この事業がそうしたこれまでの教員側だったり保護者の負担を軽減できるのかというお考えをお聞かせください。

●山本教育長
 1点目につきましては、生徒の引率の安全を確保するといったことで、いろんな制限を加えてきておりましたが、トータルとして考えたときに、そうした制限の在り方も含めて、子どもたちの教育環境の在り方としては若干不備があったのではないかなあというふうに反省をいたしておるところでございます。そうした意味で、より安全確保に向けてこの度部活動の引率に係る貸し切りバスの利用についての支援制度を今年度から設けさせていただいておるところでございます。実際には本年度は、コロナの影響でほとんど出れてないということで、そういう意味で当初予定していた執行額まではいかないですけども、それなりに活用状況というのは出てきているというふうに認識はいたしております。そうした意味で来年度これでどういう状況になるのかといったことというのは、新型コロナの関係も含めて見えない部分がありますが、しっかりと実績を追いながら今後の必要な経費等についても、検証を加えていくということになろうかと思います。

  

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