令和2年度2回開催した発掘調査委員会はいずれもWeb会議での開催となりましたが、新型コロナウィルスの感染状況を見ながら、ようやく9月から10月にかけて委員の先生方や文化庁の調査官に現地で、道路遺構について指導や評価をいただきました。
委員の先生方からは、「両遺跡の道路遺構もつくり方が共通しており、今までの調査成果も合わせると、古代山陰道とみてよい。」「養郷狐谷遺跡の道路遺構や現地形に残る切通しなどの道路痕跡は、丘陵尾根を走る古代官道の景観を良く残している。」「養郷宮ノ脇遺跡のつづら折りの道路遺構は、今後他の地域でも参考とされる重要な成果である。」などの評価をいただきました。また、追加で調査すべき箇所についてもご意見いただきました。
指導いただいた結果をもとに、現在、追加調査を行っており、11月14日(土)に開催する講演会「青谷の古代山陰道が語るもの」などでその成果についてもご報告します。
また、講演会では、発掘調査委員の一人である大阪大学大学院市大樹教授に「日本古代の交通と地方社会」と題し特別講演をお願いしております。

調査指導風景1

調査指導風景2
[令和2年11月掲載]
FMとっとりから依頼いただき、令和2年10月9日(金)午後1時15分から「FMとっとりレディオバード」に電話出演しました。番組内では、パーソナリティーの山下弥生さんとロジャーさんと「古代山陰道は幅9mもあるのですか。」「山の中を歩いて古代山陰道を見つけるなんて宝探しみたいで、ロマンがありますね。」などと楽しくおしゃべりしながら、現在行っている古代山陰道の発掘調査や10月17日(土)に開催する第2回古代山陰道現地説明会についてPRしました。
11日(日)12時30分頃から再放送されますので、お聞き逃しの方は、ぜひ、お聞きください。
第2回古代山陰道現地説明会もまだまだ受け付けておりますので、奮ってお申し込みください。
FMとっとりレディオバード82.5fm⇒http://www.radiobird.net/
[令和2年10月掲載]
令和2年9月27日(日)に古代山陰道現地説明会を開催しました。当日は心配していた天候も次第に回復し、地元の青谷町の方をはじめ89名もの方に参加いただきました。コロナウイルス感染拡大防止のため、解説時間を10回に分けて行い、国内初の発見となったつづら折りの道路遺構を少人数でじっくりご覧いただきました。
参加いただいた方からは「古代山陰道がどのように険しい山を乗り越えたかが分かった。」「つづら折りの道路を馬に乗り往来していたのを想像し、古代の人々の苦労が垣間見えた。」「さらに東側の旧気高町域や青谷西側のルートもぜひ調査してほしい。」などの感想や要望をいただきました。
今年度の発掘調査は間もなく終了しますが、今後も調査成果の取りまとめを行うなどして、遺跡の価値を引き続き皆様にお伝えしていきたいと思います。

古道に沿って残る古代道路の痕跡部分で道路側溝が見つかった様子をご覧いただきました。

現地形に残るつづら折りの古道を歩いて、気分はもう古代人?

絵巻物に描かれたつづら折りの道をパネルで紹介しながら、古代道路を想像していただきました。
当日の現地説明会資料はこちら⇒現地説明会資料