山城の調査範囲で新たな工夫をしました。
今年の調査から断面図を描くようにしたことは、前回鳥取城西坂の例でご紹介しましたが、それでも分かりにくいという指摘があり、見せ所について縮尺を大きくしたものを加えることにしました。
鳥取市鹿野町にある狗尸那城は、周囲に見事な横堀をめぐらせ、城を守る工夫に富んだ山城です。先日14日に現地案内をさせていただきました。その資料に横堀を拡大した断面図(寸法入り)や写真を入れてみましたが、現場の迫力は伝わったでしょうか?

今年度に入ってから中世城館の現地踏査を11城、併せて文献調査を行ってきました。引き続き調査は継続していきますが、これまでに行った調査成果について10月からの現地ウォークや12月のまいぶん講座、2月の成果報告会に向けて整理をしていきながら、途中経過についてもレポートしていきたいと思います。
中世城館の現地踏査では簡易測量としてGPS(グローバル・ポジショニング・システム、全地球測位システム)端末を使って、土塁や堀切の位置や高さを記録しています。
写真は現地の計測データを平面図に記載して鳥取城西坂の断面図を作っている様子です。断面図があると、平面図だけではわかりづらい斜面の様子がイメージしやすくなります。急な斜面は人工的に削り込んだ「切岸(きりぎし)」と呼ばれる防御施設で、城を守るための工夫が見られます。緩やかな斜面は自然のままで、大きな加工が加えられていないことが分かります。簡単な断面図ですが、当時の人々がどのように城を守ろうとしたのかが伝わってきます。
11月9日(土)はこの「西坂」を中心とした鳥取城関連ウォークを開催します。鳥取城「西坂」周辺は戦国時代の姿を残す場所と言われます。ぜひ訪れてみませんか。
→「鳥取城関連ウォーク」チラシはこちら.pdf(2167KB)
