教育委員リレーコラム

 各委員から定期的に教育情勢に関する意見や思いなどをいただき、リレー形式のコラムとしてご紹介します
  

「コラム」(坂本委員)

坂本委員 鳥取県教育委員会委員 坂本トヨ子

先日、展覧会に出かけることがあり、受付で「65歳以上は入場無料です」と笑顔で言われ「ありがとうございます、年をとって良かった」と挨拶しながら、これを機に私は高齢者として気持ちの切り替えが必要なことを実感しました。

年を取る際の心構えとして新聞やテレビの情報、そして読む本も老後に関する内容が多くなり、「ピンピンコロリ」を目標に学んでいるのですが、様々な方法を試みるなか、何よりも身近で内容の濃い「手引書」が有ることに気づいたのです。

それはこれまで10年近くの間、教育基本法に基づき鳥取県の教育委員会で議論して作成されてきた「鳥取県教育振興基本計画」です。

いざ自分が高齢者の仲間入りをさせて頂き、気持ちの整理に取り掛かりますと、生涯教育の視点からも「生き方」に対する大切な内容が盛り込まれております。

 

趣旨 「本計画は、中長期的に取り組むべき本県の教育課題や目指すべき姿の共通認識とその実現に向けた取り組みの方向を示すもので、今後の鳥取県教育の基本姿勢となるものであり、本計画をもとに県民一人ひとりが自分の役割を認識し社会全体で計画を推進していくことを目指しています」。

 

「自立して生きる力」「豊かな心と健やかな体」「社会の中で支え合う力」「ふるさと鳥取県に誇りを持ち未来を創造する力」。

 

これから鳥取県に暮らして良い人生を送る為の「生き方」を高齢者全体で学ばせて頂きたいと思います。

鳥取県の人口の約3割が65歳以上とのこと、「平均寿命」は年々伸びながらも、「健康寿命」をさらに伸ばす必要に迫られており、これは私だけでなく社会的に高齢者やご家族、ご近所の方にも共通の課題です。

鳥取県教育振興基本計画は学校の教育現場では勿論ですが、生涯教育としても県民の皆さんの意識に向けて有効活用されるべきで、ホームページをご覧になられない方の為に紙媒体で広める方法も喜ばれるのではないでしょうか。

今後益々発達する、数字によるデータや人工知能には無い「感覚」というものは、持続可能な鳥取県特有の資源です。経験豊富で頼れる年長者が活き活きと暮らす生き様は、若者にもふるさとで働くモチベーションを上げるお手本となることでしょう。

5年に一度改正され、毎年アクションプランの策定で県民の意見も反映される教育振興基本計画ですが、高齢者も身近に触れることが出来る教材として有効活用されることを今後も期待しております。

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