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おこさん おこさん 起なんせ(手まり歌)大山町高田

昭和58年(1983)10月9日、大山町高田で採集

歌詞
おこさんおこさん起きなんせ 起きて髪結うてかねつけて
お寺にちょこちょこ参らんせ お寺のご門に腰かけて

しっぽりかっぼり泣かしゃんす 何が不足で泣かしゃんす

何だり不足はなけれども わたしの弟の千松が
江戸の街道に金掘りに 金を掘るやら掘らぬやら
上からからすがつつくやら 下からみみずがっつくやら
一年たっても帰りやせぬ 二年たってもまだ帰らん
三年たってもまだ帰らん それが悲しゅうて泣くわいの 泣くわいの
(歌い手:明治41年生まれ)
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解説

 歌い手は大山町(旧名和町)出身である。この「おこさん おこさん」の歌は鳥取県西部を中心に伝承されている。同町国信でも次の同類を聞いている。

おこさんおこさん起きなんせ 起きて髪結うてかねつけて
お寺にちょこちょこ参らんせ お寺のご門に腰かけて しっぽりかっぼり泣かしゃんす
何が不足で泣かしゃんす 何だり不足はないけれど

わしの弟の千松が江戸の街道に金掘りに 金を掘るやら掘らんやら 烏がつついて死んだやら
一年たっても戻りやせず 二年たっても戻りやせず
三年三月に状が来て 状の中身を開けてみりや 土が崩れた死んだげな
それが悲しゅうて泣くわいな
(歌い手:明治44年生まれ)

 隣の島根県ではこの内容がさらに発展して長編物語となっている。鳥取県の場合は千松の不幸な結末を暗示したまま、あっさり完結しているところに特色がある。島根県仁多郡奥出雲町大呂の例を紹介しておこう。

うちの後ろのチィ藪に すずめが三羽とまって  一羽のすずめが言うことにゃ ゆんべ呼んだる花嫁御 けさの座敷へすわらせて  畳三枚ござ三枚 合わせて六枚びょうぶを立てつめて 金らんどんすを縫いかけて  しっぼりかっぽり泣かしゃんす 何が不足で泣かしゃんす  何だり不足はござらぬが  わしの弟の千松が 西のコウラヘかね掘り行きて  一年待ってももどらんが 二年待ってもまだもどらん 三年ぶりのついたちに  人をごせとの状が来た 人はやらぬがわしが行く   あとの田地はどうしゃるか  あとの田地は金にして 親に三貫子に四貫  思うおばごの スヤスットントン スヤスットントン  四十四貫の銭金は 高い米買うて船に積む 安い米買うて船に積む  さあさ押せ押せ都まで さあさこげこげ都まで 都もどりにゃ何もろた  一にこうがい 二にゃ鏡 三にさらさの帯もろた くけてやっさいおばごさま  そこでおばごが申さるにゃ くきょう<きょうと思えども  帯にゃ短かしたすきにゃ長し 山田薬師の鐘のつり緒に  ちょうどよかろ ちょうどよかろ (歌い手:明治29年生まれ)

  物語を楽しみながら手まりをついていた、かつての子どもたちの姿が目に見えるようである。


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