土地改良法第132条の規定に基づき、土地改良区等に対して業務及び会計の状況の検査を、県で行っています。
検査の目的
検査は、法令や法令に基づいてする行政庁の処分又は定款、規約、管理規程、土地改良事業計画等を土地改良区に遵守させ、土地改良区の行う事業の円滑な実施に資することを目的としています。これに加え、不正行為等の予防及び是正、組織強化及び運営改善の指導の目的も有しています。
検査の内容
検査は、組織及び運営に関する事項、事業に関する事項及び会計経理に関する事項について行い、原則として3年に1度、定期検査を行うこととしています。また、組合員から請求があったとき及び県が特に法令等の遵守を行わせる必要があると認めたときは、随時、特別検査を行うこととしています。
令和2年度検査の概要
- 令和2年度に実施した土地改良区の定期検査の状況は、以下のとおりです
(1)検査実施者及び土地改良区名
東部農林事務所
土地改良区3箇所・・・大口堰、佐治村、五本松
中部総合事務所
土地改良区9箇所・・・大原、大鴨、上北条、若土、久米、四王寺、北条砂丘、
北条水系、赤碕町
土地改良区連合1箇所・・・東伯地区
西部総合事務所
土地改良区7箇所・・・箕蚊屋、名和町、大谷溜池、淀江白浜、淀江町、
尾高井手、米川
土地改良区連合1箇所・・・大山山麓地区
(2)検査結果
10土地改良区において、組織運営等に関して下記のような改善を要する事項が
認められた。
<組織及び運営に関する事項:総指摘数に占める割合44.7%>
・組合員名簿の記載事項、生年月日の記載がなかった。
・総代選挙について「当選確定」の公告が行われていなかった。
・総代会の議事録に賛成数の記載がなかった。
・転用決済金の徴収について総代会で定めることとされているが、総代会の議決を
得ていなかった。
・総会において1名で受けられる委任状は3名までだが、4名まで受けていた。
・利水調整規程が総代会の議決を得ていなかった。
・総代会について開催告示がなされていなかった。
・「施設改修事業会計」にちて、監事が監査を行っていなかった。
・毎年1回以上組合員に財務状況を公表することとしているが、していなかった。
・監事会の議事録に必要事項(出席者、欠席者の氏名、議事の要領)の記載がなかっ
た。
・監査計画書及び監査簿の作成がなかった。
・既存の堰の管理について定款第4条に記載がなかった。
・総代会、役員会等の費用弁償が根拠なく支払われていた。
・旅費規程と異なった旅費が支払われていた。
・理事長専決規程がないのにかかわらず理事長専決で随意契約が行われていた。
・治井手費が根拠なく支払われていた。
・車借上げ料が根拠なく支払われていた。
・利水調整規程の作成がなかった。
・維持管理計画書に記載された地名が旧町のままだった。
<会計経理に関する事項 : 総指摘数に占める割合55.3%>
・賦課金未納者に対し、納期限後60日以内に督促状の送付がなされていなかった。
・滞納金整理簿で延滞金の管理がなされていなかった。
・延滞金を徴収しないことについて理事会の議決を得ていなかった。
・通帳残高と帳簿残高が違っていた。
・預金通帳等と公印が一つの場所で一人の人間が管理していた。
・契約書として不適切なものがあった。(契約日がない、理事長印がない、金額が
修正テープでなされていた。
・契約書又は請書の作成がなされていなかった。
・理事長専決の限度額を超えた契約を理事長専決で行っていた。
・変更契約について伺いがなされていなかった。
・請求書の請求金額が鉛筆でなされていた。
・支出命令の決裁が下りていないのにもかかわらず支払いがなされていた。
・「施設改修事業会計」について、収入・支出命令に関する書類がない。適切に
決裁を受けてから会計処理を行うこと。
・道水路維持費について、管理状況を明確にした書類の提出を得ていなかった。
・他目的使用料について、根拠となるものがなかった。
・役員報酬について支出伺いと明細の金額が異なっていた。
・支払手数料の支出命令に根拠となる書類の添付がなかった。
・切手受払簿の残高と比べ実際の切手の枚数が不足していた。
・預金通帳の名義が理事長となっていなかった。
2. 令和2年度に実施した土地改良区の特別検査の状況は、以下のとおりです。
(1)検査実施者及び土地改良区名
中部総合事務所
土地改良区2箇所・・・・・大栄、大倉
(2)検査結果
・領収書の金額が訂正されていた。
検査事前提出様式
・土地改良区用(様式4)
・土地改良区連合用(様式5)
・土地改良事業団体連合会用(様式6)
※この他、別ページに各種様式を掲載しています→土地改良区関係各種様式集
※ 参考:土地改良法抜粋
(報告の徴収及び検査)
第百三十二条 農林水産大臣又は都道府県知事は、土地改良区又は第九十五条第一項の規定によ土地改良事業を行う第三条に規定する資格を有する者に法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は定款、規約、管理規程、土地改良事業計画、換地計画若しくは交換分合計画を遵守させるために必要があると認めるときは、これらの者からその事業に関し報告を徴し、又はこれらの者の業務若しくは会計の状況を検査することができる。
2 農林水産大臣は、連合会に法令、法令に基いてする行政庁の処分又は定款を遵守させるために必要があると認めるときは、連合会からその事業に関し報告を徴し、又は連合会の業務若しくは会計の状況を検査することができる。