2025年11月18日
令和7年11月10日(月)、市町村立・学校などの図書館司書を中心に組織されている鳥取県図書館協会の総勢24名の皆さまが公文書館を視察されました。
この視察は、図書館司書の役割のひとつである利用者と必要な資料・情報を繋ぐレファレンスなどの参考にするため、公文書館に保存されている歴史公文書等の情報を知り、利用者の皆さまへのより良い情報提供に活かすことを目的に開催されたものです。
公文書がどのように収集・整理・保存されているのか、資料の修復や電子化の取組み、展示などの利用の取組みなどをご覧になり、当館を後にされました。
特に、IPM(総合的有害生物管理)の取組や中性紙保存箱による歴史公文書の保管などに興味を持っておられました。

(写真1)図書館協会 齋藤会長のご挨拶

(写真2)公文書館長より公文書館業務の説明

(写真3)展示物の説明の様子

(写真4)書庫内の説明の様子
公文書館 2025/11/18
in 館見学,公文書担当
2025年11月17日
令和7年11月14日(金)、戦後80年特別企画展として「兵士と家族―戦争に翻弄された人々の記録―」(前期)が開幕しました。

(写真1)入り口付近には、館長挨拶と戦争関係地図を設置

(写真2)日章旗の寄せ書きなどを展示

(写真3)生田治亨さんに関する展示

(写真4)松井元之助さんに関する展示

(写真5)下田一清さんに関する展示

(写真7)山本晴昌さんに関する展示

(写真6)共通通路には、国策紙芝居を展示(会期中展示)
公文書館 2025/11/17
in 公文書担当,展示
2025年11月11日
令和7年10月28日(火)に、県史編さんに関する調査及び文書管理状況の調査のため、琴浦町を訪問しました。南部町に続き2回目の市町村調査です。
庁舎内の書庫だけでなく、公文書の保管場所である旧保育園などにもお伺いして多数の文書の保存状況を確認しました(担当者はこちらの保育園に通っていたのでなんだか懐かしい気分でした)。
琴浦町では、農業や畜産に関する文書が多数保存されており、農業や酪農が盛んなこの町の特色が表れていると感じました。

(写真1)琴浦町役場

(写真2)資料調査の様子
公文書館 2025/11/11
in 県史活用担当,県史編さん室,公文書担当,調査
2025年11月4日
10月18日(土)午後1時30分から4時過ぎまで、やまびこ館で、令和7年度6回目の10月例会を開催しました。
今回は、特別なゲストがお見えになりました。国際日本文化研究センター教授のタイモン・スクリーチ先生です。
翌日に県立美術館での日本画に関する講演会を控える中、参加してくださいました。
先生のお父様、マイケル・スクリーチ氏(故人)は、英連邦軍情報部員として、1947年頃鳥取市に駐留しました。先生も、幼いころから鳥取の話を聞かれていたそうで、その話を披露してくださいました。「鳥取ではお城の中に住んでいた(情報部の事務所は鳥取城二の丸跡にあったと推定:事務局注)」「たくさんいた日本人のスタッフに食料やタバコをあげていた」など、貴重なお話を聞かせていただきました。

(写真1)鳥取城跡の英連邦軍事務所の考察
スクリーチ先生は、お父様が遺した2冊のアルバムも持参されました。多くは鳥取に来る前に広島県各地で米兵に撮影してもらったものということで、残念ながら、鳥取で撮影された写真は無いようでした。それでも、マイケル氏と、同じく情報部員として鳥取に来た部下のフランク・ウィルソン氏の写真は初めて見るもので、鳥取県の現代史にとって貴重な資料です。

(写真2)お父様の話をするスクリーチ先生(右から2番目)

(写真3)スクリーチ先生によるお父様の遺品の説明

(写真4)アルバムの写真を考察する参加者
例会では、まず、前回質問があったことに関しての調査結果として、軍政部レポートに記載された連合国民財産の記述に誤りがあることや、源泉徴収制度の始まりについての説明がありました。
軍政部活動報告書の解読では、昭和24年5月分のうち、「生活援護」「児童福祉」「災害救助」などの項目を解読しました。

(写真5)前回の宿題の説明
児童福祉週間(5月5日~5月11日)に関連して紹介された新聞記事の下に、ずらりと病院の広告が並んでいるのは、眼病のトラホームなどが流行っていた当時の世相を反映して興味深いという感想が会員からありました。
日本軍が解体されまだ自衛隊が無かった時代に、自治体や集落を実働部隊として組織された災害救助対策協議会については、多くの関心を呼びました。火災に関する新聞記事の中に、3年後の1952年に発生する鳥取大火への警鐘とも捉えられる文章があって、災害についても考えさせられる例会でした。

(写真6)解読の様子
次回は、11月15日(土)午後1時30分から、やまびこ館で開催します。占領期の鳥取を学ぶ会ではどなたでも大歓迎です。ぜひご参加ください。
公文書館 2025/11/04
in 県史編さん室,講座などのイベント
2025年10月31日
令和7年11月14日(金)より、戦後80年特別企画展「兵士と家族-戦争に翻弄された人々の記録-」を開催します。この企画展を周知するため、立て看板を設置しました。12月14日(日)には、とりぎん文化会館 第1会議室で上映会・座談会を行います。是非、ご参加ください。
公文書館 2025/10/31
in 公文書担当,展示
2025年10月30日
9月20日(土)午後1時30分から4時過ぎまで、やまびこ館で、令和7年5回目の9月例会を開催しました。
まず、前回質問があったことに関しての調査結果の説明がありました。
戦時中に日本が没収した連合国財産の返還について、1948年10月時点で県内に当該財産が5件あり、その中の鳥取市東町の会衆派宣教師住宅は、軍政部の宿舎用に改修しているので引き続き使用したいという鳥取軍政部の書類が残っているとのことです。

(写真1)説明に聞き入る参加者の皆さん
軍政部活動報告書の解読では、昭和24年5月分に入り、「日本の行政」「政党活動」「衛生行政活動」「獣医学関連」などの項目を解読しました。
今回の大きな話題は戦後の税制改革とそれに伴う混乱でした。澤田調査委員からは、所得税の更正決定を不服とする納税者が米子税務署に対して民事訴訟を起こしたことについて、国の政策に影響を及ぼす可能性のある裁判が鳥取県で進行していることを鳥取軍政部が注視しているとの説明がありました。
会員からは、皆生にかつてあった県営競馬場に行った思い出や、種痘がとても痛かったこと、ネズミやハエがたくさんいた終戦直後の衛生環境やその獲り方など、さまざまな実体験が語られ、とても面白い内容でした。

(写真2)新聞記事の紹介

(写真3)当時の実体験を話し合う様子
今回は、神戸から大学院生の方の参加がありました。当時を知る会員の生々しい話には新鮮な驚きがあったようです。占領期の鳥取を学ぶ会には、どなたでも参加いただけます。当日飛込みも大歓迎ですので、興味を持たれた方はぜひお越しください。

(写真4)皆生競馬場の跡を地図で確認
公文書館 2025/10/30
in 刊行物,県史編さん室,講座などのイベント
2025年10月17日
第3回鳥取県史編さん会議を令和7年9月30日(火)に、公文書館会議室で開催しました。今回も4名の委員全員にご出席いただきました。
「鳥取県の特色がつまった読みどころのある県史を作りたい」という思いで、通史現代編の執筆項目等について白熱した議論が交わされました。どんな鳥取県史を作り上げていくのか、今後も検討が重ねられます。
次回の編さん会議は11月に開催予定です。

(写真1)会議の様子

(写真2)岸本会長

(写真3)多田副会長・佐々木委員・西村委員

(写真4)議論の様子

(写真5)活発な意見交換が行われました

(写真6)当日の配布資料
公文書館 2025/10/17
in 会議など,県史編さん室
2025年10月16日
令和7年9月24日(水)に、県史編さんに関する調査のため南部町を訪問しました。県史編さん事業がスタートして初めての市町村調査です。
この調査では、市町村合併やコロナ対応についての文書を中心にどんな文書が保管されているのかを役場庁舎の書庫に入って確認します。南部町では、旧会見町と旧西伯町が合併する際の行政文書が多数保存されていました。
来年度末までに全19市町村での調査を終えることを目標に、今後も県内市町村を訪問します。次はあなたのお住まいの市町村にお伺いするかも…⁈

(写真1)南部町役場 法勝寺庁舎

(写真2)調査の様子
公文書館 2025/10/16
in 県史編さん室,調査
2025年9月5日
令和7年8月24日(日)、占領期の鳥取を学ぶ会 活動報告会「占領期の米子」を米子市立図書館多目的研修室にて開催しました。
今回の報告会は、会を主催している本館と鳥取市歴史博物館だけでなく、米子市・一般財団法人米子市文化財団に御協力いただき、米子市美術館の展示「戦後80年未来へ伝える昭和の戦争」の最終日に合わせての開催です。
これまでは1年に2回、活動報告会を鳥取市で行ってきましたが、鳥取県西部では今回が初の活動報告会となります。残暑厳しい中、89名もの方に参加いただき、会場は満員でした。
報告会では、5名の会員が「占領期の米子」をテーマに発表を行いました。

最初に翻訳者の澤田晶子さんが「軍政部月例活動報告書(軍政レポート)の翻訳とは」と題し、報告書の紹介と、翻訳の難しさや楽しさについて報告しました。日々進化するAIでも、文脈に沿った訳語の選択や資料調査などでは人間にはまだ及ばないというお話には、少しうれしくなりました。

(写真1)「軍政部月例活動報告書(軍政レポート)の翻訳とは」澤田晶子さん
2番目は鳥取地域史研究会の西村芳将さんが「米子にやってきた占領軍」の題で、占領期の写真や新聞記事をたくさん映写しながら解説しました。昔の米子を知る方からは懐かしさで声があがり、当時を知らない方には新鮮な驚きがあったようでした。

(写真2)「米子にやってきた占領軍」西村芳将さん
3番目は神戸大学大学院教授の長志珠絵さんです。「鳥取軍政レポートの中の米子」と題して、これまで解読した資料の中で米子がどのように登場するかのお話がありました。物資輸送や工業など山陰の鉄道の要であった米子ならではの話題のほか、鳥取県では占領軍の不法行為についても報告が行われているなど興味深い指摘がありました。

(写真3)「鳥取軍政レポートの中の米子」長 志珠絵さん
4番目は日本英語教育史学会の森悟さんが「戦争の爪痕―美保基地の場合―」の題で、市内に今も残る掩体壕(飛行機を敵の空襲から守るための格納施設)や魚雷の保管施設を紹介しました。建設に主に動員された朝鮮半島出身者の戦後の厳しい暮らしについての聞き取り調査の内容が、とても印象に残りました。

(写真4)「戦争の爪痕 -美保基地の場合-」森 悟さん
最後は米子市歴史館運営委員の岩佐武彦さんが「占領期の米子と学校」について発表しました。占領期を丸々小学生として過ごされた実体験に基づき、時折ユーモアを交えてのお話には、会場からも笑いが起こってとても楽しいものでした。

(写真5)「占領期の米子と学校」岩佐武彦さん
参加者のみなさんからは、「また米子で開催してほしい」「鳥取の月例会にも参加してみたい」など好評をいただきました。御自身の占領期の体験談を報告会が始まる前にお話しいただいた方や、アンケートに記入していただいた方もおられ、占領期の鳥取を学ぶ会としてもとても有意義な活動報告会になりました。
次回の月例会は、9月20日(土)午後1時30分から鳥取市歴史博物館で開催します。会費無料、申込み不要です。どなたでも、英語が苦手な方でも大歓迎です。興味を持たれた方はぜひ一度お気軽に御参加ください。
公文書館 2025/09/05
in 県史編さん室,講座などのイベント
2025年7月25日
7月12日(土)午後1時30分から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館(やまびこ館)で、令和7年度4回目の7月例会を開催しました。
まず、前回質問があったことに関しての調査結果の説明がありました。
賠償工場(軍需工場などの設備を戦争被害国に移転して賠償とするもの)についての説明は多岐にわたりました。また、前月の解読に出てきた坑内支柱の図そのものが出てきた時には「あっ(こういうものだったのか)」と声が上がりました。
軍政部活動報告書の解読では、「学校視察」「社会教育」「徴税」「情報伝達手段」などの項目を解読し、昭和24年3月分が終わりました。
澤田調査委員からは、新制中学校の設立時に貯金運動や小学校の間借りなどさまざまな苦労があったこと、アメリカのライフ社が開発して日本全国を回ったピクチュラマという幻の巨大スライド映写機などについての説明がありました。
鳥取市歴史博物館の横山学芸員からは、「納税一路」という看板が林立する鳥取市内の当時の新聞記事に掲載される写真が示されました。当時の醇風小学校の校長先生の回顧録が回覧され、小学校長会議に出席した「進駐軍の女将校」に対して、「膝下指導」(綴り方指導などで行われてきた伝統的な個別指導形式)の重要性を強く訴えたことが書かれていました。占領期の鳥取の有様が生々しく感じられる内容でした。
来月の鳥取の占領期を学ぶ会の例会はお休みです。
かわりに、戦後80年を記念して、8月24日(日)午後2時から米子市立図書館多目的研修室で、「占領期の米子」と題する活動報告会を開催します。みなさんぜひお越しください。
公文書館 2025/07/25
in 県史編さん室,講座などのイベント