5 新生児聴覚検査について

(7)検査結果と保護者への説明内容

 あらかじめ、誰が、いつ、どのように説明するかを決めておくとともに、保護者の精神的負担に十分配慮し、時間をかけてわかりやすく説明することが必要です。  

(1)「パス」した場合の対応
 主治医が保護者へ説明してください。
 この時点では聴力に異常がないとして良いのですが、生後の成長過程で発症する“おたふくかぜ”や“中耳炎”による聴覚障がい、徐々に進行する進行性の聴覚障がいについては新生児聴覚検査では発見できません。また、極めて稀ですが、検査機器の精度の限界で偽陰性(聴覚障がいがあるにも関わらず「パス」と判定してしまうケース)の可能性もあります。
 このため、聴覚検査が「パス」の場合でも、「新生児聴覚検査結果のお知らせ」(別紙3-1)や「聴覚・言語発達チェックリスト」(別紙4)などを渡し、聴覚の発達に注意が必要であることを説明するとともに、心配なことがあれば、すぐに小児科・市町村に相談するよう勧めてください。

聴覚障がいのハイリスク因子を持つ児の場合は、聴覚検査で「パス」の場合でも3歳までは定期的に検査を受けるよう勧めることが望まれます。
 

(2)「要再検」となった場合の対応

 必ず主治医が保護者へ説明してください。
 「要再検」とは、もう一度検査の必要があることを示しているもので、直ちに聴覚障がいがあることを意味するものではないことに十分注意し、「新生児聴覚検査結果のお知らせ」(別紙3-2)に基づき、説明してください。その上で、精密検査実施機関を紹介してください。
 「もう一度検査が必要である」と言われると聴覚障がいへの不安を抱く保護者もあると考えられます。そのため、説明を行う際は、場所・内容や保護者の状況に十分注意を払う必要があります。また「今後どうなるのか」という不安も生じやすいため、精密検査実施機関を紹介する際は、具体的な受診方法や受診時期を説明するなど、今後の見通しを持った説明が必要です。
 また、速やかに十分なフォローアップを行うため、市町村の保健師が訪問相談を行いますので、必要と判断した場合は、担当医は訪問相談があることを説明してください。保護者の同意が得られたら、保護者の住所地を管轄する市町村への電話連絡をしてください。

  

ハイリスク因子とは
○出生時の体重が1,500g未満
○長期人工呼吸管理(10日以上)
○PPHN(persisitent pulmonary hypertesion of newborn;新生児遷延性高血圧症)
○妊娠中の風疹、サイトメガロ、トキソプラズマの罹患
○頭頚部の奇形(耳介低位、口蓋裂など
○家族歴(血縁者に難聴がある)

(8)精密検査実施医療機関への紹介

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