家庭と仕事両立へ環境づくり注力
警備業界の課題解決と理想のワーク・ライフ・バランスをかなえるため、2023年 10月 に警備会社を設立。 20代〜 60代 のスタッフ 12人 (正社員9人)を束ねる社長として、長時間の屋外警備といった労働環境の厳しさや低賃金などの業界のイメージを変えていこうと日々、社員や家族と向き合う。
高校卒業後は鳥取市内の企業で経理事務に従事していたが、出産を機に正社員を続けることが困難となり、悩むようになった 。そ んなとき、警備会社を営んでいた祖父から起業を勧められた。「もっと若者や女性の力を生かし、高齢化が進む業界の現状を変えてほしい」という祖父の思いが心に響いた。「自分の会社なら、仕事も家庭も両立できるかも ... 」。不安はあったが、少し垣間見えた希望の光に未来を託した。
何よりも社員が遠慮なく意見や要望を言える社風の醸成を心がけている。スタッフ一人一人と定期的に面談を実施し、個々に合った働き方を支援。保育園の迎え時間に合わせたシフト調整や生理休暇制度の整備など、スタッフの4分の1を占める女性に優しい職場環境づくりにも力を注ぐ。
休日 は家族と一緒に趣味の料理や行楽を楽しむ。プライベートの充実が、仕事へのモチベーションを高めている。「皆が自分の理想に、より近い生き方ができる社会になればという思いで立ち上げたこの会社が、これまで家庭と仕事、どちらかを諦めざるを得なかった女性の夢を後押しできれば 」と 意気込む。

【写真説明】繁忙期は、社員とともに現場に出る畷さん
[令和7年8月27日(水)日本海新聞掲載]