準決勝 第1回戦

題:先鋒「青」 中堅「歩」 大将「声」

 対戦結果:2対1で「花月マーチ」の勝利


花月マーチ

(神奈川県立光陵高等学校)

判定

つまようじ

(岡山県立岡山朝日高等学校)

先鋒

青春が燃え尽きるのを知っていて焦りたくなる走りたくなる

髙橋 愛花

0-3 群青の絵の具溶かしたテレピンは涙のかわりに少しこぼれる
辻 颯太郎
中堅 ことことと音を重ねてパイ生地の焼ける速度で君と歩いた
小野 愛加
2-1 忘れられ消えゆくものの声の色歩道橋から見てた夕焼け
西浦 主真
大将 喧噪の中で聞こえた呼び声が風切る燕のようであったと
山田 千鶴
2-1 プワゾンの香りにはずむ君の声ぼくの鼓膜が忘れずにいる
楊 博文

  

講評:穂村弘審査員

 どちらもとてもよかったので迷いましたが、やっぱり、チームカラーみたいなものがあるかなと思いました。

 「つまようじ」は感覚が素晴らしかったですね。先鋒の歌の、涙という透明なイメージのものに群青という色を与えた鮮やかさにも感銘を受けましたし、中堅の歌の、夕焼けに対する声の色という表現、声は耳で聞くもので色は目で見るものだから、これは聴覚と視覚が混ざった表現ですね。五感の2つを混ぜるって、難しいんだけど、大将の歌の「プアゾンの香りに弾む君の声」は、五感のうち嗅覚と聴覚という2つを連動させています。この3人は五感の使い方において、鮮やかに言語化することができる、そんな魅力を感じました。

 「花月マーチ」は、短歌って定型で型を持っているから、それを最大に活かすことが重要なんだけど、先鋒の歌の「焦りたくなる走りたくなる」っていうリフレインが、本当に焦って走りたいっていう気持ちを伝えてくるところや、中堅の歌の「ことこと」、「音」のように、同じ母音を3つ重ねて、それが「重ねて」という表現にも繋がっていくような使い方がうまかったですね。大将の喧噪の歌も、か行の響きが鋭く、内容とぴったり合っていましたし、「燕のようであったと」という言いさし的な表現が、直接体験ではなくて伝説のように感じられてくるような魅力がありました。

 感覚対スタイルというチームカラーで、とても見どころのある戦いだったと思います。

  

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