第14回鳥取県教育審議会総会の概要

1 日時

平成26年1月10日(金)午後1時15分~3時30分

2 場所

白兎会館「飛翔」東の間

3 出席者

教育審議会委員(21名)、教育長、教育次長、次長、関係各課長他

4 概要

(1)協議事項「次期教育振興基本計画(平成26年度~平成30年度)(案)について」

○基本理念について
 ・基本理念が少し長いので、短くして県民に定着しやすいものにした方が良い。
 ・基本理念は30文字以内であれば長くはない。それよりも、実働的に動くところが、うまく動ける体制がとれることを考えるほうがよい。
→(会長まとめ)26年度から30年度に向けてはこの理念・方向性で行くことを認めていただき、後は県教委で検討していただきたい。
○発達段階から見る18の重点取組の図について
・県民の人材育成という観点と、大学、就職で県外に出た人について、何か施策を考えているか。県外の大学にでた子どもの親は県内に住んでいる。県内で施される施策が、県外に住んでいる子どもたちに良い影響を与えられるかもしれないし、保護者の相談窓口が県内にあることも意味を持つかもしれない。
 →(事務局)現案には、そうした観点での施策はない。知事部局を含めて検討する課題。
 

(2)意見交換「特別支援教育の今後のあり方について」

○地域で進めるインクルーシブ教育システムの構築について
 ・インクルーシブ教育システムを実現するためには、今後地元の学校に入学する子どもが増えていくことになるが、県としてそういう方針に舵を切っていくのか。県では多様な子どもたちに対応する対策として、この論点は対応できているのか。
 ・地域の学校において多様な教育を行うようになれば、医療的ケアや施設のバリアフリー化など土台の整備が必要となる。「安心・安全」という概念が盛り込まれるとよい。
 ・特別支援学校のセンター的機能を高めると、組織が肥大化していくので、特別支援学校の機能を持った学校を地元に分散させるという概念を持つことにより、地元の学校に入学させることができるのではないか。
・特別支援学級の教室の整備や、地元の学校の多様なニーズを満たすために、分校化を進めていく考えはないか。ニーズがどんどん増えるのであれば、少なくなっていく小学校を利用してはどうか。
・特別支援学校ではセンター的機能について、教育相談が増加するなど、学校としての役立ち感は向上しているが、各地域の小中学校での特別支援教育の推進に関われているかどうかはわからない。
・通級指導教室に来るよりは校内に、そのような機能が発揮できる場があれば、多様な学びの場となる。校内に学びの場があって、それぞれの支援が必要な子どもに対して対応できるセンター化が図られればいいと思う。
○幼稚園・保育所・小学校・中学校・高等学校におけるつながりのある特別支援教育の推進
・施設等や様々な機関との連携や支援拡充をしてほしい。発達をアセスメントできて、支援が実際にできる人を教育現場に配置してはどうか。障がいなのか発達のプロセスなのかで支援が異なるため、個別の支援計画がずれて子どもが苦しむことがある。
・小学校からの情報や関係機関の情報により、生徒にとってどのような支援がベストなのか、学校現場だけでなく医療機関の支援体制をとり検討している。
・専門性の高い人材育成が必要となるが、教員対象の研修では適当なものが見つからない場合もある。鳥大医学部の医師から研修を受けるようにしている。
○発達障がいを含めた障がいのある児童生徒等への支援の拡充
・発達障がいと診断された児童生徒が増加している要因の分析が必要。
・発達障害を含めて、障害のある生徒への支援拡充とすることについて、学校種だけでなく就学前の対応が必要。福祉関係と連携していく必要がある。
・個別支援計画については、小学校からではなく、医療の判断も含めて幼・保の段階で作成し、トータルの支援システムを構築することが、親の育ちを支援し、不安を取り除くことにつながると考える。
○特別支援学校における教育の充実
・今後通常学校に特別な配慮の必要な児童が入学してくることになると、医療的支援なども増えていく可能性があるので、教員も認識を深め、準備をしておく必要がある。
○特別支援教育の普及啓発
・地域や県民への啓発については、学校から説明するだけでなく、広くどのような仕組で社会を構築していくかということを、高い位置から説明して、県民に理解を得ながら推進していくことが必要。
・名称についてはH19の改正時に、地域に浸透しているので当分このままということで関係者は納得した経緯がある。変更するのであれば部門がいくつかある学校では、ネーミングで学校種がイメージできると良い。
・特別支援については、教育の分野だけでなく、社会全体での啓蒙をしなければならない。保護者は高校で発達障がいと診断されることに抵抗を感じていて、診察を受けない。特別支援の対象となると、マイナスイメージでとらえられるが、プラスの部分を伸ばすことによって、社会で能力を発揮できるものがある。障害のある人との共生、社会全体の活性化の観点から見る事も必要だと思う。

(3) 報告事項

○いじめ防止対策推進法を踏まえた対応について
・いじめ防止等のための基本的な方針については、検証や対応は充実しているが、防止について具体的なものがない。小学校でいじめを見た時の態度と、中学校で見た時の態度が変わってくる。普段の教育の中で「傍観者」はどのような対応をしたらいいのか取り組みを検討してほしい。

  

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