環境保全に貢献したい
動植物など主に自然をフィールドとした環境調査に携わり、管理技術者として現場の業務を統括する。人口減少や気候変動などで自然環境が変化する中、「技術者として地域の環境保全に貢献したい」と話す。
出身は神奈川県。子どもの頃から植物や自然が好きで、大学では造園学を専攻した。東京都内の企業に就職して山陰道の設計などに携わり、結婚を機に鳥取県へ。現在勤める建設コンサルタントでは、設計の仕事を経て、「鳥取県の豊かな自然に関わる仕事をしたい」と、8年前から環境調査の部署で働く。
環境調査は、大きく分けて生活環境と自然環境の2分野がある。所属するチームでは、専門的な知識や技術をもとに、オオサンショウウオをはじめとする野生生物や植物の調査のほか、鳥取県のレッドデータブックの編集など、自然環境に関わる幅広い業務を行っている。
家族の介護で仕事を離れた時期もある。復職の支えになったのは資格だ。建設部門と環境部門で技術士の国家資格を取得したことが自信や社会的信用につながり、社外での交流や研さんの機会も増えた。
女性の技術士の割合は全体の約3%。科学・技術・工学・数学分野の専門職の少なさは男女間の賃金格差の一因とされる。社会全体に根強く残る性別によるアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)も、女性のキャリア形成や公平な評価を阻む。そんな現状を打破できれば「本人だけでなく、企業や社会のメリットも大きい」と感じている。「建設コンサルタントは公益性が高く、地域に貢献できる仕事。性別に関わらずチャレンジし、活躍してもらいたい」と願う。

【写真説明】技術者として地域の自然環境を見つめる赤井さん
【令和7年10月19日(日) 日本海新聞掲載】