牛海綿状脳症(BSE)について
BSEとは、Bovine Spongiform Encephalopathy「Bovine=牛」「Spongiform=海綿状」「Encephalopathy=脳疾患」の略で、牛海綿状脳症といわれています。この病気は脳がスポンジ状になり、行動異常や運動失調などの神経症状をおこし、死にいたる病気です。
平成13年9月に国内で初めて牛海綿状脳症(以下「BSE」という。)の罹患牛が確認され、同年10月から全国のと畜場で処理される全ての牛についてBSEスクリーニング検査が開始されました。その後、国内でのBSE対策による発生リスクの低減に伴い、検査対象の見直しが定期的になされ、平成29年度以降は健康牛のBSE検査が廃止され、神経症状を示す等と畜検査員が疾病鑑別のため検査が必要と判断する牛をスクリーニング検査の対象としています。また、平成17年より山羊、めん羊の伝達性海綿状脳症(以下「TSE」という。)についてもTSEスクリーニング検査を実施しています。
※牛のみを対象としたものを牛海綿状脳症(BSE)といい、 めん羊及び山羊など他の動物も含めた場合は伝達性海綿状脳症(TSE)といいます。
検査の流れ
1.スクリーニング検査
スクリーニング検査は、エライザ法とよばれる方法で検査します。1回目の検査において陽性の反応が出た場合には、再検査を実施し、再検査でも陽性だった場合、スクリーニング検査陽性と判定します。
2.確認検査
スクリーニング検査陽性の場合は、検体を国に送付し、より精度の高い確認検査(ウェスタンブロット法、免疫組織化学検査、病理組織学検査)を実施します。その後、国の専門家会議においてBSEか否かの判断をします。
特定部位について
特定部位とは体内で異常プリオンタンパクが蓄積しやすい部位であり、と畜場や各食肉処理施設において適切に除去された後、廃棄物として焼却されています。
○牛の特定部位
・全月齢の扁桃及び回腸遠位部(盲腸の接続部分から2メートルまで)
・30か月齢超の頭部(舌、頬肉、皮及び扁桃を除く。)及び脊髄
○めん羊・山羊の特定部位
・全月齢の脾臓及び回腸
・12か月齢超の頭部(舌、頬肉及び皮を除く。)及び脊髄