試験研究成果


 農業試験場における試験研究の実績と主な研究成果を紹介します。なお、文書・写真・図表などの著作権は鳥取県または原著作者に帰属します。これらの無断転載は禁止します。営利目的外で転載・複製する場合は、必ず鳥取県農業試験場の許可を受けてください。
 
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成果情報

令和5年度成果情報カード(2024年発表)

情報名  要約
ドローンを活用した大豆ほ場の帰化アサガオ類早期発見手法  (pdf:3499KB) 大豆播種から条間の見える大豆開花期ごろまで,ドローンによる空撮画像により帰化アサガオ類の確認ができる.また、Google mapにより発見ほ場の位置座標の特定も可能である. 
育苗箱施用剤ジクロベンチアゾクス剤およびプロベナゾール16%剤のイネいもち病防除効果  (pdf:919KB) ジクロベンチアゾクス剤(新規の抵抗性誘導剤)およびプロベナゾール16%剤(既知の抵抗性誘導剤で成分量が既存剤と異なる剤)の育苗箱施用は,葉いもちに対して高い防除効果を示す. 
新規殺虫成分オキサゾスルフィルを含む育苗箱施用剤のウンカ類・イナゴ類に対する防除効果 (pdf:760KB) オキサゾスルフィルを含む育苗箱施用剤は,ウンカ類およびイナゴ類に対して実用的な防除効果を示す. 
‘星空舞’特別栽培体系に向けた発酵鶏糞と菜種油粕を用いた有機質肥料施用法  (pdf:760KB) ‘星空舞’における有機質肥料施用法として,
★基肥「発酵鶏糞」窒素3kg/10a
★穂肥「菜種油粕」窒素4kg/10a により
化成慣行栽培と同等の収量・品質の確保が可能である. 
エゴマ‘田村種(中生黒)’と‘白川種(晩生)’の品種特性と収穫適期 (pdf:1342KB)
 ‘田村種(中生黒)’と‘白川種(晩生)’は,含油量、収量性が同程度.
‘白川種(晩生)’の開花期・収穫開始時期は10日ほど遅く、刈取時期分散が可能.収穫適期は開花期を0日とすると‘田村種(中生黒)’は,開花期後26~31日の6日間,‘白川種(晩生)’は開花期後27~38日の12日間である.
汎用カメラを用いた空撮画像G/R値による‘コシヒカリ’の葉色値の推定 (pdf:2116KB) ‘コシヒカリ’において,ドローンによる空撮画像から得たG/R値から葉色(SPAD値)の推定ができ,穂肥1.施用期の葉色診断に活用できる. 
イネごま葉枯病常発地での「きぬむすめ」栽培における、鉄鋼スラグ施用効果の持続性及び鉄鋼スラグ連用中の窒素施肥削減  (pdf:339KB) 土壌中遊離酸化鉄が不足しているイネごま葉枯病常発ほ場において,鉄鋼スラグの連用(200kg/10a水準)を停止しても,2年間はごま葉枯病発病度が低いが,収量の回復傾向は判然としなくなる.
土壌中遊離酸化鉄が不足しているイネごま葉枯病常発ほ場において,鉄鋼スラグの連用中は基肥または穂肥で20~40%の窒素減肥が可能だが、基肥での実施が安定しており望ましい. 
イネごま葉枯病常発地におけるマンガン資材の施用効果 (pdf:1392KB)
イネごま葉枯病常発ほ場において,マンガン資材60kg/10aを3年間連用することで栄養状態が改善され,ごま葉枯病発病度が低下し収量の回復がみられる.施用停止後も最低2年間は効果が持続する.
また,連用停止後も最低2年間は資材の効果が持続する. 

令和4年度成果情報カード(2023年発表)

 情報名 要約

大豆奨励品種候補’はれごころ’の選定

※令和5年4月、奨励品種に決定

 ウイルス病抵抗性で、良質、難裂莢性の大豆‘はれごころ’を選定した。
二条大麦奨励品種候補‘はるさやか’の選定 (pdf:456KB)
※令和5年4月、奨励品種に決定
 オオムギ縞萎縮病抵抗性で、良質、多収な二条大麦‘はるさやか’を選定した。
 ‘星空舞’のブランド化を支える栽培指針 (pdf:550KB)(2022年版)  大豆跡、レンゲ跡、排水不良・高地力ほ場での栽培指針を拡充・追加した。
‘星空舞’における高品位・良食味となる生育指標等の設定  (pdf:654KB)  ‘星空舞’の目標値である精玄米歩合92%、精玄米収量500kg/10a、整粒率70%、食味値75を達成するための生育指標として、幼穂形成期の茎数、穂数、総籾数の範囲、葉色の上限を標高地帯別に設定した。また、水管理指標として中干し終了の目安を提示した。
 ‘星空舞’における大豆跡作栽培技術の確立 (pdf:826KB) 大豆転作跡の‘星空舞’栽培においては、生育量が大きくなりやすいため基肥は無施用とし、穂肥1.は葉色診断によって施用、食味の低下を防止するため穂肥2.は無施用とする。 
‘星空舞’における良食味米生産に向けた穂肥施肥法 (pdf:842KB)   ‘星空舞’の分施体系において収量500kg/10a以上および食味値80以上を確保するための葉色診断法に基づく穂肥施用法を明らかにした。
・穂肥1.においては施用時の葉色が35以上であれば無施用、未満であれば窒素2kg/10aを施用する。
・穂肥2.においては施用時の葉色が35以上であれば無施用、32以下で窒素2kg/10aの施用とし、32~35であれば窒素1kg/10aの施用とする。
 ‘星空舞’における生育過剰となる水田での基肥施用法 (pdf:845KB)  生育過剰により倒伏・食味値が低下しやすいほ場では基肥窒素量を0~2kg/10aとし、穂肥は葉色診断に応じた施用とする。
‘星空舞’におけるレンゲ跡水田での基肥施用法  (pdf:1473KB)  レンゲ跡ほ場における‘星空舞’栽培において、レンゲ生草量が0.5~1t/10a程度であれば、基肥は無施用で、葉色診断による穂肥施用で安定した栽培が可能となる。

令和3年度成果情報カード(2022年発表)

情報名 要約
酒造好適米新品種‘鳥系酒125号’(PDF:248KB)   ‘五百万石’と比較した‘鳥系酒125号’の特性は以下のとおりである。
1)成熟期は同程度で精玄米歩合がやや高くやや多収、玄米の心白発現率及び品質は同程度である。山間地帯では千粒重が重くなり、収量差が大きくなる。
2)玄米及び白米のタンパク質含有率はやや低い。
3)精米時の加工特性に優れる。
4)消化性は同等で吸水性、溶解性がやや優れる。
5)蒸米の酵素バランスはやや優れる。
6)新酒の官能評価はやや優れ、熟成酒の官能評価は同程度である。 
 水田転換畑に適した秋冬作型白ネギ品種の選定‘大河の轟き’‘森の奏で’(PDF:283KB) 1)以下の栽培型に適する。3月中~下旬播種、4~5月下旬定植、12~1月上旬収穫
2)夏越し後の欠株が少なく生存株率が高い。
3)肥大性に優れ、L~2L規格中心によく揃い、‘関羽一本太’と比べて上物収量が多い。
4)‘森の奏で’は夏越し直後の肥大性に優れ、雪害により葉折れしやすく降雪前の収穫に適している。‘大河の轟き’は晩秋以降の肥大性に優れ、雪害発生程度は‘関羽一本太’と同等以下であるが降雪前の収穫が望ましい。
 ‘星空舞’における高品質・良食味米生産に向けた適正栽植密度(PDF:693KB)  栽植密度を田植機の植付株数の設定で坪50~60株とすることで、生育前半の茎数及び葉色値が適正となり、精玄米歩合、整粒率及び食味値が高まる。同密度では、葉色診断に基づき穂肥1.を施用することで、整粒率及び食味値が高水準値を維持しながら、精玄米歩合及び精玄米収量が高まる。
 ‘星空舞’の分施体系栽培における適正な基肥窒素施用量(PDF:149KB)  ‘星空舞’の分施体系栽培で、幼穂形成期の茎数・葉色および収量・品質を確保するための適正な基肥窒素施用量は、3kg/10aである。
 ‘星空舞’における有効積算気温を用いた収穫適期(PDF:844KB) 1)出穂期から収穫期までの有効積算気温(日平均気温から10℃を控除した気温の積算値)が、気象経過が異なる年次間においても、青籾率や精玄米歩合、整粒率と2次曲線に当てはめられ、出穂後積算気温(以下、積算気温という。)よりも高い決定係数を示す。
2)有効積算気温は、年次による変動は小さいが、標高による変動が大きく、標高300mを区切りとした適期幅の設定が適当と考えられ、早限を精玄米歩合92%以上、晩限を整粒率80%で幅を設定すると標高300m未満では620~770℃・日、300m以上では510℃~620℃・日である。
 ‘星空舞’における標高適応性(PDF:264KB)  ‘星空舞’は、標高500m程度までの水田において、安定的な登熟が可能であると判断された。ただし、移植時期が遅くなると、冷涼年においては登熟不能となる恐れがあるため、標高400m以上の地域では5月上旬までに移植することが必要である。一方、日南町豊栄(標高655m)では、平年並の気象でも登熟しない可能性があり、作付けは避けることが望ましい。
 水稲催芽籾散播栽培においてカモの食害を回避する水管理法(PDF:1704KB)  水稲催芽籾湛水散播栽培におけるカモの食害の防止には、イネ2~3葉期頃(播種後10~14日)までの落水管理が有効である。
 水稲高密度苗移植栽培におけるフルピリミン・プロベナゾール(2%、24%)箱粒剤の側条施用の病害虫防除効果(PDF:357KB)  水稲高密度苗栽培において、フルピリミン・プロベナゾール(2%、24%)箱粒剤の移植時側条施用(1kg/10a)は、本県の主要病害虫(葉いもち、イネミズゾウムシおよびウンカ類)に対して実用的な防除効果を示す。
 乗用体系による広幅畝の白ネギ栽培における施肥技術(PDF:459KB)  白ネギを140cmの広幅畝で栽培し植付条に小型トラクターで局所施用する場合、畝幅に合わせて面積あたり施肥量を30%削減しても同等以上の生育、夏越し、収量が確保できる。
 エゴマ‘若桜在来’を中心とした収穫適期の判断指標(PDF:573KB)  ‘若桜在来’の手刈りにおける収穫適期は10%の損失を許容すると、開花期から27~30日後である。また、成熟割合では5割以上~9割未満である。‘田村黒’、‘田村白’、‘白川’においても開花期から27~30日後は共通して90%以上の収量割合を示した。
 ラッキョウ有機栽培‘レジスタファイブ’の黒マルチ被覆による増収効果(PDF:262KB)  ‘レジスタファイブ’の黒マルチ被覆区は、無被覆区と比較して収量が平均で約1.5倍多く、増収効果がある。また雑草の発生本数も、無被覆区の20%以下に抑えられる。
 有機水稲栽培イトミミズ類を利用した除草のためのイトミミズ類増殖方法(PDF:244KB)  早期湛水(春先からの長期の湛水)は、イトミミズ生息数を増加する。また、有機物の施用も有効である。現地圃場で早期湛水を複数年実施した結果、イトミミズ生息数は約1.9万頭/平方メートルに達することが確認された。
 二条大麦‘しゅんれい’における止葉と上位第2葉の葉耳間長を用いた出穂期予測技術の改良(PDF:511KB)  葉耳間長と各調査日から出穂期までに要する積算気温の関係から回帰式を作成することで、従来の予測技術と比較し、より決定係数の高い回帰式が得られる。予測時の手順も簡略化され、予測の誤差は、出穂約4週間前の時点で±3日以内である。
 ラッキョウ有機・特別栽培における夏季の定植前太陽熱処理による雑草抑制効果(PDF:160KB)  砂畑のラッキョウ有機栽培において、夏季の定植前太陽熱処理は年内の雑草発生を約75%減少し、年明け3月以降は約50%雑草発生を減少する。栽培期間における雑草総本数は約70%減少する。また、収量は同等となる。

水田転作野菜栽培のための排水対策診断フローチャート

令和2年度成果情報カード(2021年発表)

情報名 要約
イネごま葉枯病常発地における鉄資材施用効果(PDF 270KB)   イネごま葉枯病常発地において鉄資材を200kg/10a施用すると、根圏環境が改善し根の健全化が図られる。これによりイネが本病にかかりにくい体質となり、結果的に発病が少なくなる。また、イネの窒素吸収量が増加することから、増収も期待できる。これらの効果は、施用2年目以降で顕著になる。
夏まきニンジンの有機栽培における太陽熱を利用した雑草対策の実用性(PDF 215KB)   夏まきニンジンの有機栽培において太陽熱処理は、処理期間中の地温が高まり、抑草効果が得られる。また、籾殻散布、手取りで除草を行う生産者の栽培体系と比べて雑草発生本数の減少、除草に係る作業時間の短縮、ニンジンの増収が認められ、太陽熱を利用した雑草対策は実用性が高いと判断された。
らっきょう有機栽培における簡易除草具を利用した除草作業の省力化(PDF 288KB)   手押し式除草具「魔法のカルチネギ用」(以下、魔法のカルチと略す)は、慣行の簡易除草具(溝切りタイプ)と比較して、作業後の残草本数は少なくなる。それに伴い、魔法のカルチは、残草の手取り除草時間が短くなり、除草作業の省力化が図れる。除草具での作業によるラッキョウ地上部の損傷も、魔法のカルチが小さく、鱗茎肥大も優れ、収量性も高い。
ピメトロジンを含む新規育苗箱施用剤(は種時覆土前処理)のウンカ類に対する防除効果およびイネ縞葉枯病に対する発病抑制効果(PDF 618KB)   ピメトロジンを含む新規育苗箱施用剤(は種時覆土前処理)は、ウンカ類に対して実用的な防除効果を示し、ヒメトビウンカが媒介するイネ縞葉枯病に対しても実用的な発病抑制効果を示す。
水田転作野菜における「排水対策診断フローチャート」にもとづいた排水対策の効果(PDF 441KB)   「排水対策診断フローチャート」にもとづいて診断した排水対策を施したほ場で白ネギ・ブロッコリーを栽培したところ、生育の揃いがよく増収した。

令和元年度成果情報カード(2020年発表)

情報名 要約
’きぬむすめ’の催芽籾湛水散播栽培体系(PDF 1832KB)  コーティングを行わない種子を湛水状態でばら播く催芽籾湛水散播栽培体系を確立した。この体系は鉄コーティング種子の条播栽培に対して、合計労働時間は約90%、生産費は約91%に減少すると試算される。
水稲初中期害虫のフルピリミンを含む育苗箱施用剤を利用した防除(PDF 2448KB)  フルピリミンを含む箱粒剤(移植当日処理)は、鳥取県の水稲主要初中期害虫(イネミズゾウムシ、ヒメトビウンカ、セジロウンカ、フタオビコヤガ)およびイネ縞葉枯病を媒介するヒメトビウンカに対して実用上十分な防除効果を示す。
水稲有機栽培における畑転換による水田雑草抑制効果の検証(PDF 450KB)  主要な水田雑草の埋土種子量は、1年の畑転換により転換前の約40%に減少した。畑転換は水稲有機栽培の雑草対策として有効である。

平成30年度成果情報カード(2019年発表)

情報名 要約
水稲鉄コーティング湛水直播栽培における新しい病害虫防除技術(PDF696KB) 水稲鉄コーティング湛水直播栽培において、薬剤の播種時土中処理または、薬剤の種子塗沫処理は初中期病害虫(いもち病、イネミズゾウムシ)に対して実用的な防除効果を示す。
イネ縞葉枯病を媒介するヒメトビウンカの防除対策(PDF370KB)  ピラキサルトまたはピメトロジンを含む育苗箱施用剤、イソクラストを含む本田散布剤は、ヒメトビウンカに対して優れた防除効果を示す。
白ネギの土寄せ作業を省力化するローラー式培土器(PDF607KB)  これまで手作業で行ってきた白ネギの土寄せ作業(強風対策、最終土寄せ)を、管理機に装着するだけで効率化・省力化できるローラー式培土器を開発した。砂丘未熟土及び黒ぼく土で活用でき、慣行手作業の8倍の効率で作業できる。
コシヒカリの高密度苗移植栽培における適正栽植密度とその経営効果(PDF550KB)   コシヒカリの水稲高密度苗を利用する場合において、栽植密度を坪60株設定で移植することで収量が確保される。この際の育苗資材費は、慣行密度苗の疎植栽培を下回り、省力および低コスト化の効果が大きい。
定点土壌調査にみる鳥取県内水田土壌の化学性の変化と現状(PDF604KB)  鳥取県内水田の土壌化学性の現状として、可給態窒素、塩基類、遊離酸化鉄および可給態ケイ酸が不足しているほ場が多く認められる。堆肥等の有機物施用により地力を維持向上させるとともに土壌改良材を適正施用することが望ましい。
イネいもち病に対するトルプロカルブを含む育苗箱施用剤の防除効果(PDF 883KB)   イネいもち病(葉いもち)に対して、トルプロカルブを含有する育苗箱施用剤は、移植当日処理(50g/箱)により高い防除効果が認められる。
水稲中生品種における育苗箱施用剤のイネ紋枯病に対する防除効果(PDF249KB)  フラメトピル剤、ペンフルフェン剤およびチフルザミド剤の各育苗箱施用は、水稲中生品種においてもイネ紋枯病に対する高い防除効果が得られる。
トロトロ層形成速度と雑草抑制及びイトミミズ類生息数との関係(PDF369KB)  残草風乾重が50g/平方メートル以下となるトロトロ層形成速度は1.3mm/日以上である。この形成速度を出すために必要なイトミミズ類生息数は23,000頭/平方メートル以上である。

平成29年度成果情報カード(2018年発表)

情報名 要約
 水稲奨励品種候補「鳥系93号」の育成および選定(PDF318KB)
 早生~中生の中間熟期水稲新品種として、短稈で耐倒伏性に優れ、高温登熟性に優れて高品質かつ良食味な「鳥系93号」を育成し、奨励品種候補として選定した。
大豆奨励品種候補「東山228号」の選定(PDF321KB) 「東山228 号」は、成熟期が「すずこがね」より4 日程度遅い早生熟期で、最下着莢節位高が高く、機械収穫適性に優れる。収量は「すずこがね」並だが、外観品質が優れ、子実のタンパク質含有率が高く、豆腐加工適性に優れる。
 
 鳥取県内におけるメッシュ農業気象データを利用した水稲「きぬむすめ」の出穂期推定(PDF314KB)  県内で作付面積が拡大している「きぬむすめ」の出穂期推定式のパラメータを作成した。その推定式を現地ほ場で適用したところ、±1.6 日の誤差で推定可能である。
 鳥取県内におけるメッシュ農業気象データを用いた水稲「きぬむすめ」の収穫時期判定(PDF314KB)  1km メッシュ農業気象データの日平均気温積算値による「きぬむすめ」の収穫適期は990℃~1100℃であり、その農業気象データの気象予報値を用いて、出穂20 日後(収穫前3~4 週前)に収穫時期を判定できる。
 「きぬむすめ」の催芽籾湛水散播栽培における適正苗立数と芽干しおよび中干しの効果(PDF2896KB)  「きぬむすめ」の催芽籾湛水散播栽培においては目標苗立数を50~100本/平方メートル程度とし、代かき翌日以降早い時期に播種する。イネ5葉期頃からの1週間程度の芽干しと慣行より強めの中干しを実施することで、過度の倒伏を回避し安定的な収量・玄米品質を確保できる。
水稲高密度苗の形質と移植精度への影響(PDF 279KB)
 高密度苗は、慣行苗と比べて苗充実度はやや小さいものの、育苗期間が播種後2週間から4週間程度までの苗においては、移植精度に問題はみられない。
 水田営農計画に活用できる部門経営モデル(PDF1440KB)
 水田作経営における優良事例をもとに、水田作物の部門経営モデルを作成した。本モデルは線形計画法を用いた水田営農計画の作成に活用できる。
 担い手農業者の水田作経営が成り立つ条件(PDF1440KB)
※カード同上
 線形計画法を用いた経営シミュレーションに基づき、担い手農業者の水田作経営が成り立つ条件を営農類型ごとに整理した。
 水稲有機栽培の除草で失敗しないためのポイント(PDF147KB)  コナギ、ホタルイともに、葉齢が進むに従い引抜抵抗値が急激に大きくなる。このため、除草時期が遅れると残草本数が増加する。除草作業を遅れずに行うことで、残草量が減少し、雑草害による減収が軽減される。
 ラッキョウ有機栽培における秋増肥の増収効果(PDF241KB)
 ラッキョウ有機栽培において、現行の生産者施用量よりも窒素成分量で6kg/10a程度秋に増肥施用することによって、生育が旺盛になり、分球数が増加し、収量が40~60%程度増加する。
 水田における覆土による新しい除草方法(土寄せ除草)の検証(PDF182KB)
 土寄せ除草法が雑草に及ぼす影響を検討した結果、本方法を採用した除草機を使用し、2 回実施した場合、ノビエ、ホタルイ、コナギの雑草本数は、無処理に対して約7-7.5 割減少し、雑草風乾重は5-6.5 割減少する。
緑色LED灯の夜間点灯がヤガ類の発生量に及ぼす影響(PDF534KB)
 夜間、緑色LED灯を点灯することにより、ヤガ類の行動を抑制し、発生量を減少できる。
収量、品質および食味を安定させる水稲「きぬむすめ」における菜種油粕を用いた窒素施用法(PDF290KB)

 水稲「きぬむすめ」における有機質肥料の施用法として、基肥窒素6 ~8kg/10a、穂肥2kg/10a とすることで収量、品質および食味が安定する。
 ピメトロジンを含む育苗箱施用剤を利用したヒメトビウンカ(イネ縞葉枯病)の防除(PDF665KB)
 ピメトロジンを含む育苗箱施用剤はヒメトビウンカに対して優れた防除効果を示し、イネ縞葉枯病多発条件においても実用上十分な発病抑制効果を示す。
 大麦の種子消毒においてシードラック水和剤とべフラン液剤25の体系処理は可能である
※概要のみ
 黒節病を対象としたシードラック水和剤の種子消毒が、べフラン液剤25の網斑病防除効果および出芽に及ぼす影響はみられない。
 ジアミド系殺虫剤によるマメシンクイガの防除対策(PDF262KB)  マメシンクイガに対して、ジアミド系殺虫剤は実用的な防除効果を示す。本種の防除を主とする場合の散布適期は開花15~20 日後、カメムシ類と同時防除する場合では開花25~30 日後(カメムシ類1 回目防除)である。
 地大豆における剪葉摘心処理が生育および収量に及ぼす効果(PDF802KB)
 過繁茂となりやすい地大豆各品種は、播種後40~50日に剪葉摘心処理を行うことで、密播無培土栽培体系であっても、分枝節発生によって生育量と着莢数を確保し、倒伏を抑制しながら増収するとともに、品質および蛋白含有率はほぼ同等に確保できる。
 飼料用トウモロコシにおける窒素施肥量が収量に及ぼす影響(PDF383KB)
 窒素施肥量が0~24kg/10aまでの範囲において、飼料用トウモロコシの全乾物収量を100kg/10a増加させるのに必要な窒素施肥量は5kg/10aである。また、その範囲の窒素施肥量におけるトウモロコシ中の硝酸態窒素濃度は飼料として問題のない濃度であり、粗タンパク質濃度も標準値(8.0%)と同程度の濃度である。
 リン酸が過剰蓄積した水田転換畑における飼料用トウモロコシ栽培ではリン酸施肥は不要(PDF383KB)
 水田転換畑における飼料用トウモロコシ栽培では堆肥を多量に施用する場合が多く、堆肥から十分量のリン酸が供給されている可能性がある。そのような条件においてはリン酸の減肥基準を「土壌中の可給態リン酸含量が75mg/100g以上では標準施用量の20%に減肥」から「土壌中の可給態リン酸含量が75mg/100g以上では無施用」にすることが可能である。

平成28年度成果情報カード(2017年発表)

情報名 要約
長粒でモチモチとした食感を持つ香り米「プリンセスかおり」(PDF 530KB) 玄米及び炊飯米にポップコーンの様な香りがあり、早生熟期で玄米がやや長粒の低アミロース米「プリンセスかおり(鳥系香122号)」を育成した。本系統はカレールウと合わせて食べた時に、香り、食感等が優れ、カレールウとの相性が良い。
鳥取県内における「きぬむすめ」の玄米タンパク質含有率の実態(PDF 444KB) 2014年から2016年の3カ年に県内で生産された「きぬむすめ」の食味調査を行った結果、食味と関連の深い玄米タンパク質含有率は、高いものと低いもの差が大きく、年次による差も認められる。また、栽培要因である気温、標高、窒素施用量との間に関係がみられる。
「きぬむすめ」の良質米生産における中干しの効果(PDF207KB) 「きぬむすめ」は、適切な中干しを行うことで、常時湛水と比較して幼穂形成期から登熟期にかけての葉色値は低く推移し、整粒率および食味値は高くなる。
鳥取県における飼料用大豆の栽培ポイントWCS(PDF 245KB) 飼料用大豆の栽培では、イタリアンライグラスの再生草をリビングマルチとすることで雑草発生を抑えることができる。播種は不耕起で行うが、ディスクコールター方式よりも播種溝ロータリー耕方式のほうが大豆の出芽は良好かつ安定する。大豆全草乾物の粗タンパク質含量は輸入アルファルファ乾草並であり、全草乾物重は子実肥大期頃に最大となる。
小豆類における密播無培土栽培が生育および収量に及ぼす効果(PDF 354KB) 小豆類の密播無培土栽培では、標播培土栽培比較して主茎の徒長や分枝の減少が見られるものの、莢長に大きな差が見られず、着莢数が多いため収量性が高い。また、粒大や品質も維持されており、畝による凹凸がないほ場形状によって、機械収穫時の穀粒損失が少ない。
フィプロニル低感受性イネドロオイムシに対する育苗箱施用剤の防除効果(PDF 202KB) フィプロニル低感受性イネドロオイムの発生を鳥取県内で初確認した。本低感受性個体群に対して、ジアミド系殺虫剤を含む育苗箱施用剤の移植当日処理は高い防除効果を示す。
有機水稲栽培地域におけるイネミズゾウムシ耕種的防除対策の被害抑制効果の持続性 有機水稲栽培地域において、イネミズゾウムシ耕種的防除対策(成虫水田侵入終期以降の水稲移植および畦畔際への障壁設置)の広域導入により、安定した被害抑制効果が継続する。
イトミミズ類が形成する膨軟層(通称トロトロ層)による抑草効果(PDF325KB) 早期湛水管理では、イトミミズ類の生息数が増加し、イトミミズ類が形成する膨軟層により、雑草本数が減少する。
冬芝と抑草剤を用いた畦畔法面の省力管理技術(PDF213KB) 冬芝のハードフェスクは、稲刈り後の畦畔に播種後、翌年の夏までに速やかに地表を覆うため、雑草の発生量が減り夏場の草刈りがほぼ不要となる。芝の生育途中に雑草が発生した場合には、抑草剤の散布により、芝にほとんど影響を与えることなく省力的に雑草のみを減らすことができる。

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