親子関係が確立されることが、育児の根幹ですが、障がいのある児(疑いの児も含めて)の場合には、児の障がいや将来に対する不安を持って育児にあたることになるので、良好な親子関係の確立の支援がより一層重要になります。
保護者が、障がいの告知によって混乱し悲嘆する時期を経て、これを乗り越え、育児に積極的に対することができるように、聴覚障がいとその支援に関する正しい知識を持った者が加わって、支援やカウンセリングを行うことが必要です。支援に当たる専門家としては、言語聴覚士、聾学校教諭、聴覚障がい児通園施設の指導員、小児科医、耳鼻咽喉科医、病院の臨床心理士、保健師、医療社会福祉士など、その地域で最も適切な者が中心となって、関係者の連携を取りながら支援を行うことが望まれます。
また、児に接する時間が長い母親が育児の中心となる場合が多いのですが、母親のみに過重な負担がかからないように周囲の者の支援が必要です。良好な親子関係の確立が、児の発達に不可欠であり、また、児の発達全体の中で、言語も発達します。
(3)早期支援とコミュニケーションの方法へ