第5回国史跡青谷上寺地遺跡土曜講座を1月16日(土)に開催しました。
演題は「青谷上寺地遺跡の石器」、講師は鳥取県教育文化財団文化財主事の河合章行さんが担当しました。
青谷上寺地遺跡からは、土器、木器、石器、骨角器、金属器など様々な遺物が出土していますが、今回はとことん石器にこだわって、石器とは何か、石器から何がわかるのか、じっくりと学びました。壇上には青谷上寺地遺跡から出土した石器が並べられ、講師がそれらを手に取りながら、使用方法や注目すべきポイントなど、視覚的にもわかりやすく具体的に説明していただきました。
青谷上寺地遺跡からは3000点以上もの石器が出土していますが、これら豊富な資料を詳細に分析することで、用途だけでなく、石材の産地や製作地が推定できることなどが紹介されました。また、青谷上寺地遺跡では石包丁の出土がたいへん多いことから「青谷ブランド」として交易されていた可能性が示され、木製品や玉作りと共に石器からも、青谷上寺地遺跡の”もの作り集団”という集落像が浮かび上がってきました。講座の後半では、青谷上寺地遺跡調査担当の君嶋係長とのトークプレイスもあり、木製品や鉄器と石器の関係についての議論が交わされ、大いに盛り上がりました。

講演の様子
トークプレイスの様子
今年度最終回となる第6回の講座は、「乙亥正屋敷廻遺跡の集落の様相」と題して、平成28年3月12日(土)に開催します。
弥生時代から古墳時代の大量の土器や国内10例目となる八禽鏡(はっきんきょう)、山陰地方2例目の巴形銅器が出土した乙亥正屋敷廻(おつがせやしきまわり)遺跡。出土した遺物は、乙亥正屋敷廻遺跡が当時の中心的な集落の一つであったことを物語っています。そこにある豊富な水資源を活かすため、限られた土地を有効利用した先人の英知には、青谷上寺地遺跡と共通した様子も窺えます。次回の土曜講座では、乙亥正屋敷廻遺跡を通じて当時の集落の在り方について触れていきます。どうぞ、ご期待ください。
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土曜講座のお知らせ