日本における高病原性鳥インフルエンザは、大陸から飛来する渡り鳥により、国内に持ち込まれると考えられています。
国内での伝播状況を把握するため、環境省を主体に、全国的な鳥インフルエンザの監視調査が行われています。
監視調査は高病原性鳥インフルエンザの発生状況により環境省が設定する「対応レベル」に基づき行います。
現在の対応レベル
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対応レベル3 令和2年11月5日 ~
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レベルの区分
発生状況\対象地
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全国
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発生地周辺
(発生地から半径10km以内を基本)
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通常時
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対応レベル1
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指定なし
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国内単一箇所発生時
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対応レベル2
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野鳥監視重点区域に指定
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国内複数箇所発生時
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対応レベル3
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近隣国発生時等
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対応レベル2又は3
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必要に応じて適切な場所に野鳥監視重点区域を指定
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対応レベルごとの調査内容
対応レベルにより、野生鳥類の異常の監視やウイルス保有状況の調査対象の範囲が変わります。
※検査優先種は、
高病原性鳥インフルエンザウイルスに対して感受性が高い種や発見しやすさ、海外や近縁種での感染例により予防的に選定されています。
対応レベル
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鳥類生息状況等調査
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ウイルス保有状況の調査
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死亡野鳥等調査
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検査優先種1
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検査優先種2
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検査優先種3
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その他の種
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対応レベル1
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情報収集
監視
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1羽
以上
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3羽
以上
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5羽
以上
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5羽
以上
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対応レベル2
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監視強化
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1羽
以上
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2羽
以上
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5羽
以上
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5羽
以上
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対応レベル3
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監視強化
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1羽
以上
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1羽
以上
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3羽
以上
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5羽
以上
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野鳥監視重点区域
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監視強化
緊急調査
発生地対応
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1羽
以上
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1羽
以上
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3羽
以上
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3羽
以上
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検査優先種
検査優先種1(17種)
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カモ目カモ科
ヒシクイ
マガン
シジュウカラガン
コクチョウ
コブハクチョウ
コハクチョウ
オオハクチョウ
オシドリ
ヒドリガモ
キンクロハジロ
・重度の神経症状が観察
された水鳥類
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カイツブリ目カイツブリ科
カイツブリ
カンムリカイツブリ
ツル目ツル科
マナヅル
ナベヅル
チドリ目カモメ科
ユリカモメ
タカ目タカ科
オオタカ
ハヤブサ目ハヤブサ科
ハヤブサ
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主に早期発見を目的とする。
高病原性鳥インフルエンザウ
イルス(H5亜型)に感受性が
高く、死亡野鳥等調査で検出
しやすいと考えられる種。
死亡野鳥等調査で、平成22年
及び28年度の発生時を合わせ
感染確認率が5%以上であった
種。
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検査優先種2(11種)
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カモ目カモ科
マガモ
オナガガモ
トモエガモ
ホシハジロ
スズガモ
ツル目クイナ科
オオバン
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タカ目タカ科
オジロワシ
オオワシ
ノスリ
クマタカ
フクロウ目フクロウ科
フクロウ
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さらに発見の可能性を高める
ことを目的とする。
過去に日本と韓国等において
死亡野鳥で感染確認のある種
を含める。
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検査優先種3
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カモ目カモ科
カルガモ、コガモ等
(検査優先種1、2以
外全種)
カイツブリ目カイツブリ科
ハジロカイツブリ等(検
査優先種1、2以外全種)
カツオドリ目ウ科
カワウ
ペリカン目サギ科
アオサギ
ツル目ツル科
タンチョウ等(検査優先
種1、2以外全種)
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チドリ目カモメ科
ウミネコ、セグロカ
モメ等(検査優先種1,
2以外全種)
タカ目タカ科
トビ等(検査優先種1、
2以外全種)
タカ目ミサゴ科
ミサゴ
フクロウ目フクロウ科
コミミズク等(検査優先
種1,2以外全種)
ハヤブサ目ハヤブサ科
チョウゲンボウ等(検査
優先種1、2以外全種)
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感染の広がりを把握すること
を目的とする。
水辺で生息する鳥類としてカ
ワウやアオサギ、検査優先種
1あるいは2に含まれないカ
モ科、カイツブリ科、ツル科、
カモメ科の種を、また鳥類を
捕食する種として検査優先種
1あるいは2に含まれないタカ
目、フクロウ目、ハヤブサ目
を対象とした。
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その他の種
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上記以外の鳥種すべて
猛禽類以外の陸鳥類については、カラス類以外は国内では感染例が知られておらず、海外でも感染例は多くないことからその他の種とする。
野鳥監視重点区域においては、3羽以上の死亡が見られた場合の他、感染確認鳥類の近くで死亡していた等、感染が疑われる状況があった場合には1羽でも検査対象とする。
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【参考】環境省ホームページ
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/