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2026年6月19日

軽度認知障害(MCI)早期発見のメリットと相談先

【監修】鳥取大学医学部認知症予防学講座(寄附講座)浦上克哉教授

 

軽度認知障害(MCI)を早期発見するメリット

 

MCI(エムシーアイ)は、「ご本人やご家族に認知機能低下の自覚があるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態」であり、認知症と診断される一歩手前です。

 

以前は、病院でMCIと診断しても「認知症ではありません」「年相応ですよ」「心配いりませんよ」と説明されることが少なくありませんでした。しかし、MCIの段階から使える抗アミロイドβ抗体薬(レカネマブ、ドナネマブ)が登場したことで、医療現場ではMCIの早期発見に努める機運が高まっています。

 

どういうことなのか、もう少し詳しく見ていきましょう。認知機能の変化と治療法、予防法をまとめた図を示します。

 

MCI

 

アルツハイマー型認知症はいきなり発症するわけではなく、いったんMCIという段階を経由し、それより認知機能が低下すると認知症と診断されます。認知症を発症した後も、軽度(会話や生活に支障が出始める)から、中等度(生活の多くの場面で介助が必要)、重度(常に介助が必要)という段階があります。

 

治療法としては、2023年まではMCIの段階では処方できる薬がない状態でした。認知症を発症した後に、症状の進行を抑えるコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)やNMDA受容体拮抗薬(メマンチン)が使われていました。

 

ところが、2023年にレカネマブ、2024年にドナネマブが登場し、MCIから軽度認知症の段階で使えるようになりました。そのため、医療現場では「MCIを早期に発見して治療につなげよう」という機運が高まっているのです。

 

つまり、MCIを早期発見するメリットの一つは「治療を受けられる可能性がある」ということです。

 

抗アミロイドβ抗体薬について、詳しくは下記の記事をご参照ください。

認知症の新たな薬(ドナネマブ)が登場しましたが、やっぱり認知症予防が大切です!

認知症の新しい薬を活用するためにも、認知症予防が大切です!

認知症の新薬が投与できても・できなくても、認知症予防が大切です!

 

 

 

軽度認知障害(MCI)の早期発見には、本人・家族の気づきが重要

 

MCIの治療薬が登場したことで、MCIの早期発見が重要になりましたが、実際にはそれほど簡単ではありません。

 

なぜなら、MCIは「ご本人やご家族に認知機能低下の自覚があるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態」だからです。日常生活に支障がないので、「年のせい」「わざわざ受診するほどでもない」と思いがちです。

 

日常生活に問題が出てきたタイミングで受診されると、もうMCIの段階は過ぎて、認知症レベルにまで認知機能が低下している可能性もあります。そうなる前に、もの忘れ外来などで相談していただく必要があります。

 

MCIの可能性に気づくポイントは「家族や周囲の人からもの忘れを指摘される」ということです。この時点でご本人ももの忘れを気にしていることが多いですから、ためらわずに受診してください。

 

記事『軽度認知障害(MCI)を早期発見するために!認知症との違いを知っておきましょう』では、もの忘れが年相応で問題ないのか、MCIレベルなのかをクイズ形式で記載しています。MCIに気づく目を養うために、ぜひご覧ください。

 

 

 

軽度認知障害(MCI)の相談先

 

MCIが心配になったときは、下記の医療機関に受診・相談してみてください。

 

鳥取県内の認知症の受診・相談窓口一覧に掲載されている医療機関

 

他にも、下記のような病院や診療科で対応いただける可能性があります。

 

◆いつも通っているかかりつけ医

◆お近くの精神科、心療内科、脳神経内科、脳神経外科

 

ただし、本当にMCIかどうか、抗アミロイドβ抗体薬の適応があるかどうかは、詳しい検査をしないと分かりませんので、認知症の診療を専門的に行っている医療機関の方がスムーズかもしれません。

 

もし、適切な相談先が分からなければ、お近くの地域包括支援センターにご相談ください。

 

MCIの早期発見は、治療につながる可能性だけではなく、しっかり予防に取り組むきっかけにもなります。また、MCIの段階で治療・予防すれば、正常の認知機能に戻ることもできます。メリットが大きいので、おかしいなと思ったらためらわずに受診してください。

 

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長寿社会課 2026/06/19 | コメント(0)


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