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2026年5月8日

軽度認知障害(MCI)を早期発見するために!認知症との違いを知っておきましょう New!

【監修】鳥取大学医学部認知症予防学講座(寄附講座)浦上克哉教授

 

近頃は、テレビCMなどで「MCI(エムシーアイ)」という言葉が聞かれるようになりました。MCIとは、Mild(軽度) Cognitive(認知) Impairment(障害)の略で、認知症と完全に診断される一歩手前の状態です。

 

認知症の一歩手前、と言われてもピンと来ませんね。もう少し詳しくご説明すると、MCIとは「ご本人やご家族に認知機能低下の自覚があるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態のこと」です。日常生活に支障が出始めると、認知症に進行してしまったと判断されます。

 

MCIを具体的にイメージするために、ここでクイズを出題します。これから登場する3人と家族の言葉から、MCIである可能性があるのは誰か、当ててみてください。

 

(1) Aさん70歳男性の場合

 事例1

 

(2) Bさん75歳男性の場合

 事例2

 

(3) Cさん80歳女性の場合

 事例3

 

いかがでしょうか? MCIの可能性が高い人は誰か、分かりましたか?

 

答えは「(2) Bさん75歳男性」です。Bさんは日常生活に問題を感じていないのですが、家族からはもの忘れが増えたことを指摘されていますし、ご本人もそのことを自覚しています。「ご本人やご家族に認知機能低下の自覚があるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態」なので、MCIの可能性があると判断できます。

 

なお、「(1) Aさん70歳男性」は、以前登った山の名前を忘れてしまいましたが、家族からヒントをもらってすぐに思い出すことができました。これは年相応のもの忘れであり、認知機能は正常であると判断できます。

 

一方、「(3) Cさん80歳女性」は、集会の日時がよく分かっておらず、何度も繰り返して確認しています。これは、日時について正しく認識する機能(見当識)が障害されており、家族がその都度「集会は明日10時から」と答えたことも記憶していません。これはMCIレベルではなく、認知症レベルまで認知機能が落ちていると判断できます。

 

 

軽度認知障害(MCI)かもしれないと思ったら

 

それでは、MCIかもしれないと思ったとき、どうすればいいのでしょうか。

 

MCIの状態を放っておくと、やがて認知症へと進行してしまいますが、MCIの状態で適切な予防対策をすることで、認知機能が改善し、通常の状態に戻すことができます。MCIから認知症へ移行させないためには、MCIに気づき、適切な対応(認知症予防)をすることが大切です。

 

MCIになったときに認知症予防をすれば、年あたり16~41%の割合で正常な認知機能へ回復すると言われています。逆に、認知症予防をせずに放置していた場合は、年あたり5~15%の割合で認知症を発症してしまうと考えられています。

 

軽度認知障害

 

先ほどのクイズに登場したBさんも、認知症予防をすれば翌年には16~41%の確率で正常な認知機能に戻れますが、何もしなければ数年以内に認知症になってしまうかもしれません。ですから「年のせいだから仕方ない」と放置せず、医療機関に相談して適切な対策を教えてもらうことが望まれます。

 

ところで、MCIの診断は認知症の診断よりも難しいことが多いです。認知症よりもMCIの方が認知機能の低下度が少なく、判別しにくいからです。MCIかなと思ったら、もの忘れ外来など、認知機能を専門的にチェックできる医療機関に相談してください。

 

 

「とっとり方式認知症予防プログラム」でMCI対策を

 

MCIの方におすすめの認知症対策として、日本財団との共同プロジェクトとして、鳥取大学・伯耆町・鳥取県が連携して開発した「とっとり方式認知症予防プログラム」があります。

 

 

とっとり方式認知症予防プログラム

 

 

運動(有酸素運動、筋トレ)を50分行い、20分の休憩中に他の人とのコミュニケーションもしくは認知症の解説動画の視聴を行い、知的活動(クロスワードパズルなど)を50分行うのが1セットです。これを週に1回行います。

 

これにより、実際に認知機能を改善したという研究結果(エビデンス)もあります。認知機能だけでなく、身体機能(上肢筋力、下肢筋力、柔軟性)の向上も期待できます。

 

TDAS

 

「とっとり方式認知症予防プログラム」は、ご近所の方などと一緒に行うとより効果が見込めますが、自宅で1人でもできます。運動や認知症の解説動画、知的活動の解説書が公開されていますので、ぜひご活用ください。

 

「とっとり方式認知症予防プログラム」について詳しく確認する

 

 

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長寿社会課 2026/05/08 | コメント(0)


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