令和5年度にとっとりSDGs企業認証を取得された、日段株式会社の企画課 課長 恩田 暢彦さん、総務課 課長 西尾 孝洋さん、製造部 部長 小林 秀樹さんに、SDGsの取組状況などについてお伺いしました。(取材時点:令和7年8月26日)
とっとりSDGs企業認証を取得したきっかけは?
もともと鳥取県が行っている「とっとりSDGsパートナー」に登録していたこともあり、SDGsに対する意識が高かったことが申請のきっかけとなりました。利益を生み出していくことはもちろんですが、時代が変化していく中で、様々なリスクを成長の機会にする観点から、とっとりSDGs企業認証に掲げた取組を実施していく必要があると感じています。
日段さんのSDGsのポイントを教えてください。
当社は、サステナブルな天然素材である段ボールを取り扱っています。「リサイクル率95%以上」と言われる段ボールの製品製造・販売の事業を進めていくことで、SDGsに貢献していると考えており、事業を通した個々の取組が、SDGsの達成に寄与していると考えています。
【CFP算定による温室効果ガスの見える化】

当社のSDGs活動のポイントの一つに、製品の「CFP(カーボンフットプリント)の算定による温室効果ガスの見える化」というものがあります。当社の基幹システムに、原材料などのアイテムごとのCO2排出量が登録できるようにし、Scope3を算定される取引先からの要請に応えられるように準備を進めています。取引先から選ばれる企業になることを目指しています。
【製造工程における空調の導入】
すべての製造工程で空調の導入を行い、夏場でも社員が働きやすい環境を整備しました。これは、段ボール業界では珍しい取組みと言われています。段ボール製品の製造には熱処理が欠かせません。空調を導入する以前は、夏場の工場内がとても暑く、それが離職の一因にもつながっていました。一方、空調の稼働によって電力消費量は増加しましたが、ソーラーパネルを設置して、電力消費によるCO2の排出を抑えています。
【インク色の削減による環境負荷の軽減と生産性の向上】
段ボール業界では、段ボールの印刷に使用する色を集約するという動きがあり、これに合わせて、自社のインク色の集約を行っています。複数のインクを使うと在庫管理も大変です。また、色を変える都度、洗浄を行う必要があり、排水も増えてしまいます。インクを集約することで、環境負荷の軽減や生産性の向上を図ることにつながることから、簡素化を含め印刷を見直して頂く機会にしたいと考えています。
今後の展望や願望があれば教えてください。
段ボール製品によっては、品質にばらつきが起きやすい場合もあります。お客様のご意見を頂きながら、品質の許容度を見直して頂くことや、納品時間など柔軟に対応して頂くことは、環境にやさしく、持続可能で寛容な社会づくりにつながるのではないかと思っています。
日段株式会社(鳥取市)/ 会社概要
段ボール製品の設計・製造から、関連品を含め、梱包資材をお客様の元へお届け。創業以来60年余りにわたって培ったノウハウと確かな信頼で、お客様のお困り事に寄り添い、日々変わりゆくニーズに応え、地域に貢献。