2012年7月12日
平成24年7月5日(木)、民俗部会は日野高校黒坂施設で民具調査を実施しました。
ここに収蔵されているのは、平成12(2000)年10月6日に発生した鳥取県西部地震のとき文化財救助のボランティアと被災地に皆様によって収集救助されたものが中心です。大半の資料は日野町歴史民俗資料館に移動しましたが、今回はまだ移動されていない民具について概要調査をしました。
今回の調査では、民俗部会がテーマの一つとしている倉吉で生産された千歯扱きを1点発見することが出来ました。またその千歯扱きの歯(穂)の印刻を確認したところ「安政」とあり、また台木に「倉吉」の焼印もあるため、江戸時代に製作された倉吉千刃であることが判明しました。文化財を救うために活躍していただいたボランティアと地域の人々の活動があって、今回の発見につながりました。関係者の皆様にお礼申し上げます。

(写真1)日野高校黒坂施設

(写真2)日野高校黒坂施設に所蔵される千歯扱き

(写真3)千歯扱きの歯に印刻された文字。「安政三年」と思われる
県史編さん室
公文書館 2012/07/12
in 県史編さん室,調査
2012年7月11日

(写真1)境港市史編さん室がある境港市民図書館別館

(写真2)境港市史編さん室の様子
県史編さん室
公文書館 2012/07/11
in 県史編さん室,調査
2012年7月5日
平成24年7月3日(火)、民俗部会は鳥取市用瀬郷土歴史館で民具調査を実施しました。
民俗部会がテーマの一つとしている倉吉で生産された千歯扱きの調査として、同館所蔵の千歯扱きの写真撮影、採寸、墨書の解読作業をしました。また同館は、冬季に行われる紙漉作業で凍えた手を温める野風呂など特徴的な民具資料を所蔵しており、それについては今後調査を進めていきます。

(写真1)鳥取市用瀬郷土歴史館

(写真2)鳥取市用瀬郷土歴史館に所蔵される千歯扱き
うっすらと「伯耆国倉吉町」という墨書がありました

(写真3)紙漉作業で凍えた手を温める道具である野風呂
県史編さん室
公文書館 2012/07/05
in 県史編さん室,調査
2012年7月4日
平成24年6月28日(木)、 新鳥取県史編さん専門部会(民俗)では日南町郷土資料館が所蔵する千歯扱きと、一本の丸木を刳り抜いた舟を調査しました。
日南町郷土資料館には、8点の千歯扱きが収蔵されており、その写真撮影、採寸、墨書の記録作業をしました。そのうち1点には「天保六年未閏七月吉日」の墨書がありました。倉吉博物館には嘉永7(1854)年、文久3(1863)年などの墨書がある千歯扱きがありますが、今回調査した日南町の天保6(1835)年の千歯扱きは、現在のところ鳥取県内で年代が確認できる千歯扱きでは最古のもので貴重です。
千歯扱きの採寸をする関本調査委員の様子
天保6年の墨書がある千歯扱き

薄くなっていますが「天保六年未閏七月吉日」と墨書があります。
日南町郷土資料館には、もう一つ注目する資料である刳(く)り舟があります。一本の丸木を刳り抜いてつくった刳り舟は中海でかつて使用されたソリコ舟が有名ですが、今回調査した刳り舟は形状が全く異なります。また日南町の刳り舟は全長が約374センチメートル、高さが約31センチメートル、幅が最大で33センチメートルと小振りですが、中海のソリコ舟は標準的なもので全長600センチメートル、幅が100センチメートルとかなり大きいものです。
この刳り舟は、30年以上前に日南町内の方が、どこからか譲り受けたものだそうですが、詳細については不明です。
これからも調査を進めていきますが、この刳り舟について何か思い当たることがあれば、県史編さん室まで情報をいただけるようお願いします。
日南町郷土資料館に所蔵される刳り舟

舳先からをみると舟体が細いことがわかります。
県史編さん室
公文書館 2012/07/04
in 県史編さん室,調査
2012年7月3日
平成24年6月26日(火)から28日(木)の3日間、古都金沢にて中世史料の調査を行いました。
五代藩主前田綱紀(松雲公)が収集した文書を中心に編さんした「松雲公採集遺編類纂(しょううんこうさいしゅういへんるいさん)」に鳥取県に関する文書があると聞き、金沢市立玉川図書館近世史料館にお邪魔しました。
金沢市立玉川図書館近世資料館は、とてもおしゃれです。
真剣な顔で調査をしている錦織部会長(右)と岡村室長(左)。
今回の調査で、全190冊の文書から20点の鳥取県関係文書を発見することができました。御協力くださったみなさま、ありがとうございました。
県史編さん室
公文書館 2012/07/03
in 県史編さん室,調査
2012年6月29日
平成24年6月21日(木)から22日(金)までの2日間、滋賀県長浜市にて中世史料の調査を行いました。
まずは、(財)下郷(しもごう)共済会文庫の調査です。ここでは同文庫が所蔵する膨大な中世文書のうち、戦国末期の羽柴秀吉書状と、伯耆国笏賀(くつか)庄に関する文書の調査を行いました。
翌日は、長浜市立長浜城歴史博物館の調査を行いました。ここでは、戦国末期の鳥取城攻めに関する織田信長書状について、法量寸法や写真撮影、活字原稿の校訂を行いました。今回の調査に御協力くださったみなさま、ありがとうございました。

(写真1)原文書と照合しながら、1文字ずつ活字原稿の校訂を行っています

(写真2)秀吉が構築した長浜城の跡地に建つ長浜城歴史博物館。迫力満点です
県史編さん室
公文書館 2012/06/29
in 県史編さん室,調査
2012年6月20日
新鳥取県史編さん専門部会(民俗)では、今年(平成24年)度、日野町教育委員会に協力をいただいて日野町歴史民俗資料館が所蔵する資料を調査しています。
現在は、資料館に所蔵されていた水路や道の修繕、萱葺き屋根の葺き替えなどムラの共同作業を記録した写真をデジタル画像化し、同作業にどのような用具を使用していたか容易に確認できるようにする作業を進めています。また、日野町の資料館における調査には、もう一つの課題があります。
平成12年(2000)年10月6日に発生した鳥取県西部地震のときに、家々から廃棄されかかった民具などが資料館に収蔵されていますが、このすべてが整理されているわけではないので、これを整理・調査しなければならないというものです。
この課題を含め、今月14日、日野町歴史民俗資料館において日野町教育委員会並びに日野町歴史民俗資料館の管理や資料調査をされている資料館友の会の皆様と、整理・調査の方法やスケジュールについて協議しました。

(写真1)日野町歴史民俗資料館での協議の様子

(写真2)資料館友の会が、新たに収蔵された資料を確認。
この後、資料の写真を撮影し台帳を作成します
県史編さん室
公文書館 2012/06/20
in 会議など,県史編さん室,調査
2012年6月11日
平成24年5月21日の調査に続いて、湯梨浜町長和田地区自治公民館で資料の撮影と調査を行いました(平成24年6月5日)。
長和田地区に残る大切な資料の中から、県政に関わる貴重な資料を撮影させていただきました。

(写真1)資料を撮影中の様子

(写真2)うまく写るか確認中です
県史編さん室
公文書館 2012/06/11
in 県史編さん室,調査
2012年5月28日
平成24年5月22日(火)から23日(木)までの2日間、新鳥取県史編さん専門部会(古代中世)では、東京大学史料編纂所および兵庫県立歴史博物館と合同で史料調査を実施しました。今回調査したのは、朝来(あさご)市埋蔵文化財センター「古代あさご館」と豊岡市立出土文化財管理センターに寄託されている史料です。
22日、朝来市埋蔵文化財センター「古代あさご館」では、但馬国人牧田(ひらた)氏に関する中世文書を調査しました。
翌23日、豊岡市立出土文化財管理センターでは、江戸時代に桃嶋村(現在の豊岡市城崎町桃島)の庄屋を務めた秦家の史料を調査しました。ここでは約300点の史料の中から、鳥取県に関する新しい史料の発見もありました。今回の調査に御協力いただいた皆様に御礼申し上げます。

(写真1)中世史料調査を実施した豊岡市立出土文化財管理センターの外観

(写真2)中世文書1点ごとに内容・法量を確認し記録しています

(写真3)今回の調査は東京大学史料編纂所および兵庫県立歴史博物館と合同で行いました
県史編さん室
公文書館 2012/05/28
in 県史編さん室,調査
2012年5月24日
平成24年5月21日(月)、新鳥取県史編さん専門部会(近世)を開催し、翌22日(火)に近世史料調査を実施しました。
21日に行われた専門部会は、6名の部会委員に御出席いただきました。まず昨年度事業の実施状況について報告を行い、続いて平成24年度以降の史料調査、ブックレットのテーマなどについて協議しました。
22日は、公文書館が「一時預かり」している近世から近代にかけて鉄山を経営していた近藤家(日野郡日野町根雨)の史料を調査しました。資料編に掲載する史料を選定するために一点一点確認作業をしました。

(写真1)新鳥取県史編さん専門部会(近世)での協議の様子

(写真2)調査会場の様子

(写真3)史料を一点一点確認する
県史編さん室
公文書館 2012/05/24
in 会議など,県史編さん室,調査