防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2025年10月14日)

令和7年10月14日(火)午前10時~
 県政記者室(本庁舎3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

録画配信 知事記者会見動画(約104分)とっとり動画チャンネル(YouTube)

  

○中国新聞 土井 誠一 記者

 

 定刻になりましたので、これより定例記者会見を始めたいと思います。まずは知事から発言よろしくお願いします。

 

 

●知事

 

 皆様、おはようございます。昨日、大阪・関西万博が終了しました。最後まで多くの方々が会場を訪れ、そして、打ち上がる花火、あるいは特別仕立てのミャクミャクの、あれはドローンの映像といいますか、そのパフォーマンスなど、大変ににぎわいの中に終結をしました。非常に成功裏に終わったと思いますし、150か国以上をまとめながら世界が一つになれる、そういう半年をつくったことは評価できると思います。

 

 私ども鳥取県としても想定以上に鳥取ゾーンのほうのお客様、お迎えをすることができましたし、併せて県民の日、あるいは我々の、例えば食べ物などを紹介したり、物産、工芸などを紹介するそういうパビリオンの公開ゾーンで展示でありますとか、あるいは大阪の、これは外食協会の宴というパビリオンを利用しての数回にわたります我々のプロモーション、いろんな意味でお客様に出ていただくことがかないました。

 

 実は昨日、当地出身の石破[茂内閣]総理大臣におかれては、関西パビリオンを御覧になろうかという、そういうもくろみも一時期あったようなんですが、諸般の都合でできないということになりまして、それで、私のほうも大阪に出向き、石破総理のほうに鳥取関係がにぎわったこと、その御報告を申し上げたところであります。併せて鳥園Lの、このたびの新種の梨についても御覧をいただいたところでございました。

 

 そんなわけで、万博でありますが、本県、どういうような状況だったかということであります。鳥取関係の県ゾーンだけで463,000人、それ以外のイベントも含めますと583,000人が鳥取と出会っていただきました。人口を軽く上回る、そういう規模でのそうした誘客につながるものなったかというふうに思います。

 

 そして、評判としては鳥取ゾーン、98%が満足、そして97%が鳥取に行ってみたいというアンケート結果でした。これ、毎月、実は定点観測的にやっていったものでありますが、最終集計でこのようになりました。正直申し上げまして、これほど御満足いただいたり、訪問意向が出るとは思っていませんで、やはり万博のお客様は私も接していろいろと感じましたけれども、非常にポジティブに展示物やその場のパフォーマンス、これ、楽しまれるわけですね。ですから、すんなり、ああ、じゃ、ここに行ってみようという、そういうモチベーションにつながっていくんだと思います。

 

 そういう意味で万博というのは我々にとってありがたい場でありましたし、主力が私どもの観光物産の中心であるマーケットゾーンの関西の方がリピーターが多かったですから、そういう意味で、そうした状況というのは非常に評価できるかなと思いました。

 

 昨日は万博おばあちゃんとばったり自動販売機のところで出会いまして、それで、非常に鳥取に対する思い、感謝もおっしゃっておられました。そんなような形で様々な出会いができたかなというふうに思っていますが、観光入込客でありますけど、鳥取砂丘ゾーンにつきましては、これはこちらの鳥取市の鳥取砂丘でありますが、68万人で、4月~9月で前年比8%伸びております。県全体の入込客も過去5年間で最高になりました。もはやコロナは脱却する、その起爆剤にこの万博はなった感があります。正直申し上げて、近隣県ではこの入込みに苦労しているところが多くて、他県ではむしろ減っているという傾向がありますが、本県は特異現象でして、この砂丘だとか、あるいは、例えばコナンの青山剛昌ふるさと館など、多くのところがプラスになっていまして、県全体もプラスになっております。

 

 それで、来場者の方からも、この鳥取無限砂丘でありますが、プロジェクションマッピングというものがよかったとか、砂丘に本当に子どもと一緒に行ってみたいとか、それから、まんが王国ということ、これに対して気づいたというようなお話がありました。いろんなポジティブなお話が実際には現場でも寄せられていまして、昨日、スタッフと皆さんとお別れ会といいますか、慰労会、感謝のミーティングをさせていただきましたが、関西の方が多い、そうした方々も鳥取に対する思いをスタッフの皆さんも深めていただけたということでありました。

 

 全面に砂丘を出そうと、それから、まんが王国を出そうと、これが分かりやすいし、皆さん、遊びに来るのだからキャッチー(受けそう)だろうということで勝負をかけたわけでありますが、そのフォーカス(焦点)が万博のお客様にフィットした感があったかなと思います。

 

 それで、AR(拡張現実)のフォトフレームを、これ、出口のところで差し上げていましたけれども、これも7万件使っていただいていますし、デジタルクーポンも県内に実際にやってきて、それで割引を受けた方もいらっしゃいました。それで、こういうものをどういうふうに今後に生かしていくかということだと思います。

 

 広報効果だけを取ってみますと、広告換算しますと15億円の情報発信効果が獲得できたところでありました。いろいろとサンド・アライアンスも含めまして話題づくりをいろいろと提供させていただいた結果、普段あまりアクセスができない関西メディアの方々を中心に取り上げていただけたということがございました。

 

 これに関連しまして、若手職員の皆さんにもイベントの達人としてイベントの運営だとか、それからSNSの中の人の体験をしていただきました。通常よりも大分多いビューを稼いでおりまして、中には何十万というものを体験していただいた人もいます。それで、このSNS発信など、実際やっていただいて、コツを会得していただきたいなということでやったんですが、行った職員の大体6割ぐらいは今後もこうした仕事をやってみたいというような反応が返ってきております。

 

 子どもたちも万博を体験してもらいました。桜ヶ丘中学校が、これ、鳥取市立でありますが、発表会を持ったり、それから県内企業の寄付を活用しまして、2,500人、45校にわたる万博訪問ができました。これ、桜ヶ丘中学校だとSDGs達成に向けたこうした取組というものを体験できたとか、多くの方々にそれを語りかけることができてよかったというような話がありました。また、いろんなパビリオンなどを見て、世界に対する認識というのを深めたわけであります。未来世代へとこういう連鎖がつながっていく、そういう万博になったのであれば、これもよかったのではないかなというふうに思います。

 

 また、この砂丘のこれが伸びている原因は、やっぱり砂に対する興味というの、やっぱり一般に高まったんだと思います。それで、最近の子どもはあまり砂遊びしないのかもしれません。だから、無限砂丘ゾーンに入られて、子どもさんがプロジェクションマッピングそっちのけで遊んでいるというような光景がございまして、やはり夢中になって遊べるもの、それで、この砂っていうのの認識が高まったのではないかというふうに思います。そういう意味で、砂丘(サンキュー)!砂要る(スマイル)?キャンペーン、持ち帰り企画というのをやりましたけれども、これも合計2万人の方に持って帰っていただきましたが、昨日、結構それもらって喜んだ人が多くいらっしゃいました。万博とともに、この砂の思い出を大切にしていただければなというふうに思います。

 

 また、いろいろと海外との交流、いわゆる万博外交、あるいは経済交流、これにつきましても、例えばイギリスの民工芸のオーナーに来ていただきまして、かなり大きなロット[単位]で民工芸品の購入をしていただいております。また、タイのウォンクソキット名誉会頭など、経済界の重鎮も来られまして、今も県内の例えば米子の企業とか商談が続いていますし、非常に協力的に鳥取との経済交流やりたいというお話が今現在も続いております。それで、現に食のイベントとして、和牛を扱っていただけることにもなりました。また、香港の貿易関係の総裁にもパビリオンのほうにお越しをいただいたり、それで、あちらのほうのホーム、ホームというか家庭関係の展示会だと思いますけども、香港のその4月の展示会に我々も参加させていただくことができるようになりました。また、中国におきましても、県内企業とつながった例がございます。

 それで、こういうようなことなどを前提にして、今後、レガシー(遺産)を今日以降どういうふうに引き継いで発展させていくのか、予算の中にもレガシー事業というのを入れさせていただいて、観光プロモーションなど、組ませていただき成立したところでありますが、まず、今日から、ちょうど万博が終わりましたけれども、今日の夕方から、これオープニングセレモニー、時間書いていませんが、たしか4時半かなんかだったと思います。後で訂正させていただきますが、4時ですかね、4時(正しくは午後4時15分)だったかなと思いますが、これリーベルホテル大阪、ここに書いていますね、リーベルホテル大阪という桜島の駅前です。

 

 それで、これまでは、そこから西ゲートに行くシャトルバスが出たところです。それで、ここに我々万博のPR拠点をお借りしてたんですけども、それで、万博が終わりましたけれども、今度はアンテナ情報発信基地に切り替えさせていただいて、新設をしようということであります。まんが王国とっとりええもん売ってマンガなというお店を、そちらのほうに出させていただこうと。それで、ここに鳥取の観光物産も展示させていただくことで了解をいただいております。特産品の販売ショップ、9時~6時までという時間帯で、当面、例えば、梨やら柿やら、そうした県産品、また、鳥取のほうから万博でも売ったような弁当ですね、それから漫画関連のグッズなど、こういうものを販売していこうと。それで売れ筋を見て、今まで大阪に実は明確なアンテナショップなかったんですけども、それで、この機会にアンテナショップのテストケースとして実証的に始めてみようと。それで、売れ筋商品がどういうところにあるのかとか、関西やあるいは全国に向けてどういうのが受けるか、ここはちょうどUSJの基地にもなるところでありまして、お客様もUSJ系が多い、これからはなると思います。そういう意味で漫画関連なども、まんが王国も売り込みのチャンスがあるんじゃないかなというふうに思っています。

 

 それで、ここで鳥取県としては万博を続けようということです。万博のテイストを、今、万博ロスという言葉がこれから出てくるわけでありまして、ここに行ったら、まだ万博にあったもの見れますよっていうことにしようと。それで鳥取県ゾーンのキャラクターコンテンツ、こういうものを持っていってそこで記念写真撮っていただいたり、あるいはコナンのグッズだとか、そういうのもありますけども、そういうものを当面こちらのほうに展示させていただこうと。いずれ県内のほうにきれいなそうしたコーナーつくろうとは思うんですが、当面、近くのこの桜島のほうで引き続き万博に置いていたものを見れるようにしようと。それから観光情報を出したり、サンド・アライアンス関係でも、ヨルダンと鳥取の砂、展示をさせていただいて、その2つの違いを見ていただいたり、いろんな、あと、後ほど紹介します万博のレガシー事業、県でやりますよということを今後、御紹介したりしようということです。

 

 それで万博で使った砂丘の砂が、結構、皆さん、非常に喜んでお持ち帰りいただきました。まだ熱がありますので、お買上げいただいた方には、御希望の方、先着30名に今日は鳥取県ゾーンの砂をプレゼントしようということにいたします。また、明日以降も同様に鳥取県ゾーンの砂を袋詰めしたものをお分けをさせていただいて、万博の余韻をここリーベルホテルで、鳥取の思い出とともに感じていただこうということであります。

 

 それから本日から宿泊とそれからSNSのキャンペーンを始めさせていただきたいと思います。ウェルカニキャンペーンの一環で、このアフター万博を始めていこうということです。まず、宿泊客につきましては、毎月100名様にカニが当たるというキャンペーンを2月いっぱいまで行おうというものであります。それから万博ロスも蟹取県へ来てくださいと。そういうSNSフォローなどのキャンペーンをさせていただこうと思います。それで、#鳥取と#何々界隈をつけて、鳥取のお勧めスポットの写真などを出していくというものでありまして、これちょっとまた抜けていますが、後でまた入れますけど、例えば、○○界隈として、自然界隈とか、漫画界隈とか、万博ロス界隈とか、そうした言葉と鳥取とを2つ、こうハッシュタグをつけて出してくださいと。それで、そしたら鳥取の物産や旅が当たりますよと、そういうものでございます。これを今日から始めさせていただきます。

 

 また、大阪・関西地区で鳥取の食べ物を出しているところがあります。それで、この食べ物出しているところで、合計2,000円相当、2,000円じゃないかな、食べ物食べて、撮らせていただけるところで食べていただくと、そのレシートでそれを抽選の材料にしまして、旅のチケットとか、食材とかが当たりますよと。21店舗で今日から開催をすることといたします。万博が終わった後も、関西エリアの方々に万博で楽しんだ鳥取のものを食べていただいて、それで実際に鳥取に行ってみようとか、食材を手に入れようという、そんなキャンペーンであります。

 

 また、万博ロスと言われる、そういう状況の中で、ハロウィンを境港の水木しげるロードや鳥取砂丘などで展開していきます。それで、その楽しみ大使、鳥取ハロウィン楽しみ大使に徳永[羚海]さん、永野[芹佳]さんというAKBの方々を任命することといたしました。

 

 それから万博のレガシーの活用につきまして、大きく2つほどありますが、1つはスタンプ関係です。これ結構皆さん関心を持って今回も集めていただきましたが、鳥取県は万博のスタンプ続けます。ぜひそれを鳥取でゲットしていただきたいと思います。それで、鳥取砂丘の万博の公式スタンプ、これそのまんま今後も使えるようになります。ですから、砂丘のビジターセンターで押していただけます。

 

 また、ちょっと準備期間が要りますが、11月の1日から夢みなとタワーでヨルダン館のスタンプ、これをなぜか鳥取県で押せるようになると、友情のたまものなんですけども、それから鳥取ゾーンが万博の関西パビリオンありましたが、そのゾーンのスタンプ、これもアフター万博版として倉吉・白壁土蔵群のとこの観光案内所で押せますと、それで、こういうところを今度また、練り歩くこともできるようになって、アフター万博砂ンプラリーを始めさせていただこうというものであります。それで、11月からこのヨルダン館のスタンプや関西パビリオンのスタンプ、これが押せるようになりますので、これを、スタートをさせていただくことになります。砂丘のスタンプは引き続き使いますので、ぜひまた、遊びに来ていただければと思います。

 

 それからヨルダンの砂などの万博の展示についてでありますけども、鳥取砂丘のビジターセンターでは今週末、1018日からヨルダンの砂を活用したふるさと大使ポケモンのこのサンドたちの砂絵ポストカード体験、この赤いのがヨルダンの砂でございまして、この万博終わった後も砂つながりで楽しむことができますと、これは砂丘のほうでさせていただきます。

 

 それで、それからちょっと準備期間が要りますが、11月には鳥取砂丘こどもの国のほうでヨルダンや鳥取の砂のオブジェ、あるいは砂を比べて触れるようなそういうコーナーとか、ワークショップなどを始めさせていただいたり、それから鳥取砂丘のほうの砂、本県の砂についてはいろいろとこうやってリーベルホテルのとこで配ったりしますけども、どうしても残りが出れば、その残りの分につきましてはこちらに持ち帰って砂丘こどもの国で、これ万博の砂だったもんですよというふうに表示をしながら今後も展示、それは遊びの場として活用していきたいと思います。

 

 また、夢みなとタワーについては1月頃、ちょっと年明けぐらいになるかなと思うんですが、ヨルダンの砂を持ち込みまして、それから鳥取ゾーンのプロジェクションマッピング、また、探偵遊び、これらは全部セットで夢みなとタワーでも楽しめるというふうにしようと思います。ですから、万博が終わったからといって、ただ、悲しんで、悲しみ沈むのではなくて、続きを鳥取県でしていただいたらというふうに思います。

 

 また、タイ、先ほど申し上げました交流、経済交流、今、活発化しようとしているとこですが、タイのサイアム高島屋におきまして食パラダイスフェアを来週2326[日]させていただきたいと思っております。


 いよいよ当初予算編成という季節になってまいりました。ただ、悩ましいのは今の政権の状況であります。公明党がこのたび自[由]民[主]党と公明党の連立から離脱をするというふうに公表をされました。今後どのようになるのか、今、政権の枠組みをめぐって、立[憲]民[主党]、そして国民[民主党]、また、[日本]維新[の会]で幹事長レベルの会議をするということになったりしております。

 

 また、自民党のほうでも国会議員への説明会をするというふうになっていまして、これから恐らく向こう1週間かそこらの間に政治が激変する可能性があるだろうというふうに思います。ですから、我々現場としてはよくその状況フォローしていかなきゃいけないと思いますし、私も全国知事会でも一定の役割を持っておりますけれども、[長野県知事]阿部[守一]会長などといろいろとサポートさせていただきながら、今後新しい政治の枠組み、政権の枠組みに地方としてどういうようにアプローチをしていくのか、これから非常に神経質なタイミングがやってくるだろうと思っております。

 

 それで、そういう政権の枠組みや国が今後、例えば物価対策等々ですね、いろんな対策を繰り出してくると思いますが、農業などですね。それで、これに機動的に対応するということを大きな前提として当初予算編成に臨んでいく必要があるかなと思います。そのほかの例年どおりのスケジュールでなかなかいかないかもしれません。例えば、今、高市[早苗]総裁が、もし自分が政権を取ったときには物価対策などをすぐにやるんだというふうにおっしゃっていますが、ただ、もう既に時間帯が遅れてきてますので、そうすると、この県議会との関係で国のほうが後になる可能性もあります。

 

 ですから、そうしたいろんな状況というのは今後、見ていかないとよく分からないところがありますが、ただ、我々として国の動向はどうあれ、必要なことは毅然としてやっていこうということで考えております。社会保障関係費や人件費、これが今、上がってきております。したがいまして、財源にはやはり制約があるという、そういう厳しい状況がございます。また、政治の枠組みによっては、地方財政対策がどうなるのか不透明でありまして、その辺も我々としては考慮せざるを得ないかもしれません。

 

 そういうような中で、やはり行財政改革をしっかりやって、財政誘導目標、これが新年度が最終年度になりますので、ここで実現しなければいけません。ですから、大きなハードルは、新年度予算には財政誘導目標として、議会、県民との約束としてついているわけです。これ達成しながら重要課題を解決していこうということであります。

 

 例えばぼうさいこくたい2026があります。それで、我々は中部地震から10周年の年でもあります。要は、地域防災力というのを向上させていくのが1つのテーマかなというふうに思います。また、人材の確保であるとか、万博のレガシーを生かして関係人口交流拡大する、地域活性化をする、そうしたことも大きなテーマだと思いますし、あえて多文化共生社会、外国人人材の活用などもこれから国のほうのそういう外国人材の仕組みも変わってきますので、これは喫緊の課題となってくると考えております。

 

 また、若者のUターン、定住活躍関係人口増加などをやりながら人口減少対策に踏み出していかなければなりませんし、子育てにつきましても同様かと考えております。また、中山間地をどうやって維持していくのか、また、恐らく遥かな町へという映画が封切られることになるなど、そうしたことも活用しながらのにぎわい創出、いろんなテーマが考えられようかと思いますが、まずはキックオフを1021日にさせていただき、年内は部局の中で議論して、政策的なものは議論していただき、そういう政策論議の後ですね、年が明けてから、我々知事一発査定と呼んでおりますが、私も交えて予算を一気に年明けに決めていこうと、効率的な予算編成を考えております。それで、その際、今みんなで話彩やチームが動いたり、[とっとり]若者活躍局、民間の方と一緒に進めていますが、こうしたものを活用しながら女性や若者の視点というのを入れていくのが勝負どころだと考えております。

 

 それから、県議会終わりまして、9月県議会で採択をしたいろんな補正予算がございます。こういうものを踏まえて、物価高や雇用対策の会議、これを1021日に行うことといたしたいと思います。関係団体交えながら、その補正の内容、このパッケージ、賃上げ物価高等対策パッケージもあれば、あと、関税のパッケージもあります。それで、そうした政策の早期執行を図っていく、そのことを関係団体と今後段取りよく進めていこうということだとか、それから、パートナーシップ構築宣言ということで、価格転化が円滑に行われるようにしようと。それが賃上げの前提になりますので、こういうものにつきましても協力関係をつくっていこうと、こういうことなどを話し合っていくことになろうかと思います。

 

 このたび、日本財団さんと連携をしながら、新しい聴覚障がい者向け、特に難聴者、それから中途失聴の方のためのシステムを入れることにいたします。これ、ヨメテルというシステムなんですが、これを鳥取県まるごと県のほうで無料化するという、そういう地域登録と県負担をセットにして導入しようということであります。これは利用者の方が発話は可能だけれども、聞こえにくい人がアプリをまずこれ起動するわけですね。それで電話番号を入力をして、相手方が通話に出てきます。それで、その相手方の声が自動的に文字変換されたり、これAIなども活用するということになっています。それで、スマホの画面で見えるということで読めてるというこの語源になってるわけなんですけども、こういうような方々が活用すると。例えばこれ緊急電話、消防だとかそうした緊急電話にもこれ活用できます。そういう意味でアクセス性をより高めるものになりますが、全国で初めて鳥取県で導入をすることになります。


 また、9月県議会で一番多く議論が出たのが人権の問題でございました。この人権尊重社会づくり条例を改正することについて、9月の県議会の中では、やはり命を絶つというほどの重大な結果をもたらすもの、そういうものは許容できないんではないかとか、あるいは氏名公表や罰則、そういうものも必要ではないだろうか。また、削除要請してもプロバイダーがなかなか削除されないで残っている、やはり実効性ある対策が必要ではないか。また、当事者の声をいろいろ聞いていく必要がある。このようなご意見が出ました。総じてこの改正については前向きポジティブであったと思います。

 

 先般、1010日、先週ですね、人権尊重社会づくり協議会を開催しまして、こういう検討をしたいということを申し上げて、委員の意見をいただきました。やはりインターネット投稿には一定のルール、節度というものがやっぱり必要ではないか、人を傷つけていいというわけではないと。また、一定の罰則等の実効性ある措置が必要じゃないかと、こういうようなお話がありました。また、今、ヒアリングをして、当事者団体のほうにお伺いをさせていただいていますが、これ賛成だというような流れになってきております。

 

 そういう中、10月の20日まで、来週まで、今、県民参画電子アンケートを実施しております。県民の皆さんが仮に被害を受けた場合に削除要請をする。それを支援することを県が行うことについてどうかとか、また、なかなか本人で難しいという場合に、県が削除命令をすることはいかがかと。また、その県が削除命令する場合の実効性担保措置、こうしたものにつきまして、今アンケートを取っております。こういうものをまとめながら1020日に出た後ですから、来月に入ろうかと思いますが、考え方の骨子を県としても取りまとめに入ることにいたしたいと思います。それで、幾度か、この人権尊重の社会づくり協議会という条例上の設置機関の審議を経まして、成案を得て、早ければ12月議会の提案を目指す方針とさせていただきます。

 

 それから、11月の1日、2日、緊急消防援助隊が皆集まってくる中四国の合同訓練が行われます。湖山池[青島公園]とか、あるいはリンピア[いなば]、あとは殿ダムなどいろんなところでやられまして、ぜひ、また多くの方々にも体験、御覧をいただきたいというふうに思います。

 

 また、原子力防災訓練、これ毎年こういうことをやって避難の状況をその地域防災計画の中に反映をしてPDCAサイクルを回しております。今年は11月の9日に、島根県も含めました合同の訓練を行うことといたします。今、700名ほど参加いただけるかなということでありますが、名和だとか大篠津、こうしたところで現場の訓練も予定しています。また、その他にも様々訓練項目というのを設けてやっていきますし、このたびはドローンのレスキューユニット、これも活用して情報収集をやってみたいということであります。


 また、過疎問題につきましての全国のシンポジウムが、今年は鳥取で開かれることになりました。10月の3031に開催をされます。幸いなことに、県内でも松崎地区、これは湯梨浜ですね、湯梨浜の松崎地区の三八市や、あるいは大山町のまちづくり大山、こうしたところが大臣賞を受賞するというおめでたいことも重なってまいりました。現地視察も含めて2日間にわたり、鳥取のそうした地域づくりをアピールする。また、いろんな方々、全国の方々と交流をして、そうした将来に向けての地方創生2.0等の発信力を高めていきたいと思います。

 

 併せまして、人口戦略会議というのは従来ありましたけれども、これが先般、解散されました。その後を受けて未来を選択する会議というものを発足をさせ、シンポジウムを開くことになりました。10月の27日に東京で行うことになります。私も実はこの主催者側のほうから呼ばれまして、この新しい会議のメンバーとして加わっていただきたいというふうに言われまして、お引き受けをさせていただいております。当日は、パネルディスカッションなどもございますし、若い方々からの発表などもございます。こういうようにして、これから政権移行期に入ると思うんですけども、新たな政権になったときも、この新しい、言わば民間中心ですけども、我々のような自治体なども入りました未来を選択する会議、これで様々な人口減少問題等に対峙していく、そういう運動を展開しまして、これから生まれる政権に対して、しっかりとみんなで働きかけをしていく、方向づけをしていく、そのための組織になろうかと考えております。

 

 鳥取県のドクターヘリですが、残念ながらこの週末、18日から5日間運航休止ということになりますが、重層的な支援体制、サポート体制を取って大過なく救急救命活動が行われるように全力を挙げていきたいというふうに思います。これにつきましては、今、豊岡のほうの3府県合同のヘリがございます。それで、この共同運航ヘリは、このたび10月に入りまして2回、3日ずつ運航を停止していました。その間、鳥取県東部でもやはり救急事案というのは発生しましたが、救急車で対応するなどで問題なくやり過ごすことはできた状況にございました。このたびのこの鳥取県ドクターヘリにつきましても同様に、そうした対処をしていきたいと思います。

 

 本日、関西広域連合から厚生労働省の仁木[博文]副大臣に我々としてやはり体制をやはりヒラタ学園が取るようにすべきだと、それで、そうした中で、例えば他社も含めて応援させるとか、そういうことなども国のほうでしっかり指導していただきたい、人材確保ということを図っていただきたい、この辺を関西広域連合の要請として今日、厚労省に対して行うことにもいたしております。


 また、年末にだんだんと向かっていく中で、道路網の早期整備に向けまして初めて8の字ルートの総決起大会を丸山[達也島根県]知事など島根県側と一緒に開催をすることになりました。10月の22日に東京で行います。また、併せまして順次、米子自動車道、それから山陰近畿自動車道、米子-境港間や南北道路、そうしたものも含めました事業推進につきまして、これも総決起大会を来月、行うことにいたしております。

 

 また、日本伐木チャンピオンシップ、これがこのたびは世界選手権のその予選大会を鳥取でやることになりました。初めてのことであります。それで、スロベニアの世界大会に出場する出場権を争って全国から精鋭が集まることになります。鳥取砂丘オアシス広場で1819と行うことになりました。

 

 また、今日はこの後、経済界のトップのセミナーを行います。そこに山崎史郎さん、内閣官房参与に来てもらうなどして、シンポジウムを行うことにいたします。

 

 また、ユニセフについて2項目(正しくは1項目)ございますが、ユニセフ・キャラバンが久方ぶりに鳥取のほうに来ることになりまして、岩美西小学校などを回っていただきキャンペーンをされます。それで、県のほうとの対話という、そういうユニセフの行事がございまして、メッセージ交換も行うことにいたしております。

 

 併せまして、ユネスコの山陰海岸ジオパーク、このフォーラムが開催をされます。来週21日に行うことになりますが、ジオパークの活用の仕方、ツアーも含めて関係地域集まって議論をすることになりました。

 

 また、とっとり生物多様性推進センターが5周年を迎えますので、環境大学で11月の2日の日にシンポジウムを行うことにいたしております。

 

 それから、明後日ですね、明後日、日中韓(日本・中国・韓国)3か国の地方政府交流会議を江蘇省の塩城市で行うことになりました。私は日本側の代表としてキーノートスピーチ(冒頭など、最も注目される時間帯に行われる、そのイベントのテーマや目的を強調する重要な講演)、基調講演をすることになりまして、訪中することにいたしております。中国人民対外友好協会、これが民間交流、自治体交流の要のところでありますが、これと同じように韓国や日本の組織も集まりまして例年やっているものでございます。今回は400名ほどが参加することになっております。

 

 中国に参りますが、その中国から帰る前に上海吉祥航空にプロモーション(販売促進活動)によることにいたしました。それで、先方もトップマネジメントが面談をしてくださることになりました。于成吉(ユイ チャンジ)さんが総裁でいらっしゃるんですけども、そのほかの方々も含めましてお会いいただけることになっています。実は今、単月でも4000人とか、中国が一番鳥取の訪日客、多いということになっています。みんな関[西]空[港]とかから入ってきまして、結構、コナン目当てが多いんですね。だから、大阪辺りでも何ですか、要は由良駅どうやって行くんだというような問い合わせがあるんだそうです、大変だと思いますけども、実はそういうようにやはりこういういい兆候がありますよということとか、そうしたことなどをいろいろと主張させていただいて、米子上海便の復活、これ、僅かひと月で終わってしまったんですね。ちょうどコロナが武漢から始まって、それが年明けて令和2年に就航したんですが、ひと月で終わってしまったということです。もう一度立て直ししようじゃありませんかということで呼びかけをさせていただこうと思っております。

 

 また、このたび始まりましたThe花鳥画展、この花鳥画展を週末に、日曜日の日にタイモン・スクリーチ氏、国際日本文化研究センターの先生(教授)、それから、普段、そのスクリーチ先生と親交がおありの三笠宮家の彬子女王殿下御当主がお見えになられまして、対談をされるということになりました。この機会に彬子女王殿下におかれましては、県内視察も行われることにされておられます。

 

 非常にオープニングをさせていただきましたが、伊藤若冲のものとか、また、鳥取画壇、その絵、これは沖一峨であるとか、土方稲嶺とか様々な絵師による作品なども、これ県の所蔵品としてもございます。それで同時代を生きたような、そういう方々の絵などもございます。ちょうど今、べらぼうというNHKのドラマやっていますけど、ちょうどあの時代に吉宗公から、それで松平定信にその系譜は引き継がれていくんですけども、当時、要は狩野派のこうした花鳥画というのが主流であったんですが、そこに南蘋という中国絵師が参入をしてきます。

 

 これを吉宗が重用しまして、その画風が定信も好んだということです。ちょうど今、ドラマでやっているような時代に、江戸時代のこうした花鳥画の言わば1つの大きな流れができたときでありまして、それがこの展覧会の中でもよく見ていただけるんじゃないかなというふうに思っております。

 

 また、中高生の音楽の祭典、星フェス、CATCH the STAR ミュージックフェス、今年も開催することになりました。今年は境港[市]で行います。ぜひ、子どもたちの熱演を見に来てやっていただければと思います。

 

 それから食の秋ということですが、燗椀グランプリ、燗椀フェス、これを10月25日に[ホテル]ニューオータニ[鳥取]や[鳥取駅前]風紋広場で開催することになりました。ぜひ、酒蔵のすばらしいお酒、本県は純米酒というものが主流でございまして、独特の進化を戦後遂げてきております。それを椀という、言わばおつまみ、食べ物と一緒にマリアージュ(相性の良い組み合わせ、調和)で食べていただく、こういうようなグランプリを争うものであります。今年は椿鬼奴さんなど参加していただけることになっています。

 

 また、明日から純米酒キャンペーン、これ酒造組合中心に行うことになりました。純米酒買っていただきますと抽選でいろんなものが当たりますよということであります。

 

 また、ホルスタインの共進会の北海道大会、和牛の全共に当たるものでありますが、代表種5頭が決まりまして、このたび、今、もう旅に出る頃だと思いますが、1週間近くかけて北海道までいきます。それで、これでまた鳥取の乳牛の振興が図れればというふうに考えております。

 

あと、ジビエフェス、これもニューオータニのほうで、いなばのジビエ、これを満喫していただける、そうした取組をさせていただいていまして、ここに東京とか大阪の有名店、あるいはいろいろと情報発信していただけるような関係メディアの方なども来ていただき、鳥取ジビエの振興を図ることにいたしております。

 

 湖山池の天空エリアをこのたび11月の3日にオープンをすることになりました。出合いの森の新エリアとして位置づけさせていただきまして、お互い接続できるような形にいたしております。それで、実はこれ、県立美術館問題で鳥取市といろいろと議論のあった案件を今日この形で集大成することができたということであります。実際、この天空エリアの絵柄といいますか、内容につきましても地元の松保集落の皆様などに大変お世話になりまして、その御意見を取り入れた形でつくらせていただきました。例えば、芝のすべり台、これは日本最大級であるというふうに言われているものでございまして、こういうものでダイナミックに子どもが遊ぶことができる。

 

 また、本来、ここに県立美術館建つはずだったんですね。それで、この県立美術館が建つはずだったところは景色がいいということです。当時、島根県立美術館できた頃で、あれが宍道湖を臨む絶景が人気で、それも集客に役立ったというふうに言われていますが、これが鳥取県のほうでも構想された時期がございました。それで結局、倉吉にできることになったんですけども、その議論があった、この場所も、こうやってブランコを設置をして、湖山池の絶景を眺めながら、子どもたちがそうした遊ぶことができるような、そういう場所にしようと。それで、もともと青少年施設がございまして、ここに天文台がありました。この天文台の上のほうを取り壊しまして、そういう台の部分のようになったところで、そこを展望台として、このたび開放することにいたします。

 

 それで、このような形で、いろいろとこれまで地元に御迷惑、御心配をおかけをし、市との間でもいろいろと議論があったことにつきまして、私ども誠意を持ってお話合いをさせていただき、こうした湖山池天空エリアとしてオープンをすることがかないます。それで、これに関連して、市道美術館線というものがありました。それで、この湖山池と高住の集落を結ぶ道路、これも途中で、私の就任する前の知事時代ですけども、それで、中断したもんですから、その中断した形で中途半端に道路整備をしたとこで終わっていました。それで、結局そこの再整備について県のほうで資金を出させていただき、この天空エリアの園地内の管理道路としてこの高住集落から湖山池に抜ける、そういうアクセス道路、これも使えるようになります。

 

 それで、このような形で従来の懸案も解決をしながら、むしろ未来に向けて、絶景を楽しみながら子どもたちやあるいは御家族連れ、もちろん地元の方々も含めまして散策をしていただいたり、思い出をつくっていただける場所としてオープンをさせていただこうと思っております。松保集落の皆様や鳥取市の関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。私のほうからは以上です。

 

 

○中国新聞 土井 誠一 記者

 

 はい、ありがとうございました。それでは各社から質問受け付けたいと思います。それではどうぞ。


NHK 中田 歩見 記者

 

 NHKの中田です。万博について2点質問があります。まず1点目が閉幕したということで来場者数の最終結果が出ましたが、これについての受け止めを改めて伺いたいのと、2点目がアフター万博ということで鳥取県内でも幾つも様々なことは計画されていますけれども、これによる県内への効果の期待というところを伺いたいです。お願いします。

 

 

●知事

 

 結局583,000人ということでしたが、私どもこの万博に参加しようというふうに決めさせていただいた頃30万人というベースを考えて、それでも多くの方々に訴えかけ、鳥取県の魅力をアピールをすると、国内外の方々にアピールをする、そういうことを構想していました。それから考えますと倍ほどその効果が上がることができたということです。いろいろイベントのやり方も工夫しまして、単なる展示等だけでなくて、例えばお酒も飲めますよ、ワインなんかも持ち込んだり、和牛なども料理としてお出しをするような、そういう宴という[ORA外食]パビリオンでの提供なども含めまして展開を図った結果、多くの方々と触れ合うことができました。

 

 それで、その際に大切なのは、こんなもんっていうふうに言われる心配はもちろんあったんですけども、結局98%の方が鳥取県ゾーンに対して満足したというふうに言っていただけましたし、その勢いだと思いますが、97%の方が私たち鳥取県というところに興味を持たれて行ってみたいと、子どもを連れて行きたいというふうにおっしゃっていただきました。ですから、アフター万博に向けましてはこうして新たに生まれた万博でのモチベーション、これをいかに我々が実現していくかっていうことだと思います。

 

 ですから、今後ですね、ウェルカニキャンペーンを年度後半は展開していこうと思っていますが、それを連動させながらしっかりと関西圏、あるいは全国、また、国外の方も含めてハートを捉えてお迎えをさせていただく方向につなげていきたいと思います。また、レガシーとしてアフター万博に向けましては子どもたち世代、未来の世代も体験をしていただきましたし、伝承が難しいと言われる伝統芸能の関係者、例えば淀江さんこ節は、結構子どもたちが中心になってやってきていただきました。それで、そうしたいろんな体験を通して、世界中の人に認めてもらえたっていうのは大変な自信になったと思います。そういう意味で勇気と希望を与えるものになったと思います。

 

 また、万博は多くの国々が国境を越えて1つになれる、そういうつながる場だとして設定されるものでありますが、幸いなことに、これも会期始まってからの本県の言わばチャレンジとして提起させていただいたサンド・アライアンス砂同盟、これについて賛同が8か国、地域まで集まった、そういうことで今後に向けての交流のチャンスが広がったり、さらには県内での観光展示にもつなげることもできました。それで、こういうふうにレガシーを引き継いでいければと思います。

 

 経済とか、あるいは文化などの世界との交流は万博にとどまらないと思っています。今回その基礎となるような、そういう新たなパイプが生まれたことは事実でありまして、そうしたものを生かしながら、そうした経済交流、文化交流など国境を越えたビジネスや紐帯を深めてまいりたいと思います。


○日本海新聞 清水 友輝 記者

 

 日本海新聞の清水です。同じく万博に関連した質問をさせていただきます。万博開幕前から県のほうでは部局横断的に万博でのPRを進めていこうということで取り組んでおられましたけども、その辺りの県の取組に対する評価であったり、反省というものがあれば教えていただけますでしょうか。

 

 

●知事

 

 結論から言うと、いい学習の機会になったなと思っています。それで、最初にこの万博をスタートさせるに当たりまして、各部局横断でやるようにというように方針を出して、実際に動き始めました。しかし、始まってみますと、例えば、4月に関西パビリオンの公共的ゾーンといいますか、外からでも入れるゾーン、そこについては、鳥取県の割り当て期間というのが、ちょうど海の日の辺りに設定されていたんですけど、絶好のシーズンだと思ったわけです。しかし、当初は予算査定のときに、どこかの部に割りつけていたところで止まっていたんですね。ただ、私も何度か現場のこの万博のほうに行きまして、それで、これは恐らくその無料で予約なしに入れるところだったらどんどん人が来るんじゃないかと。それで、県内の企業もここで例えば、物を売ってみたいとか、単なる展示じゃなくて、お酒なんかも出せば、それは別に禁止されていないので。それで、保健所の許可等が下りれば可能であると。

 

 そうやってどんどん実は、ある一部局のものをどんどんと膨らませていったんですね。それで、その結果どうなったかというと非常ににぎわいも出まして、最終的にはこういう58万人というところにつながっていくわけでありますが、実は、例えば日本酒も7月のときは、鳥取市内の酒屋さんが中心になって酒蔵を集めてやったんですね。それで、利き酒大会みたいな趣向でされました。それで、それを大体2,000セット売っています。ですから、かなり売れたということですね。それで、また、例えば、すいかも配ることにしたんですね。これも最初はなかったです。県民の日(71日イベント)にちょうどすいかの販売時期なもんですから、それで、すいかをやってみようと。それで、そういうものをやったり、あるいは、うちの関西パビリオンゾーンでも販売とか、そうしたことにつなげたりということをやりました。

 

 それで、こうやって部局を越えてどんどんと広がっていく体験を皆さんしていただけたと思います。その結果、手応えはあったと感じていただけたと思っております。そういう意味で、反省すべきことは確かにいろいろあるんですけども、本県は割と小さな県なので、機動性生かして、前に決めたとおりにやらないという、そういう不思議な行動をアメーバ的に起こしていくものでありまして、その部分が職員や各部局に浸透したのであれば、万博というのは経験したかいがあったかなというふうに思います。

 

 今後も大きなイベントがまだあって、これから来年の防災国体も大規模なイベントになろうと思います。それで、こうしたところに大阪・関西万博でのノウハウを生かしていきたいと思いますし、体験した人間たちがそれに当たる知識と経験を得たと思いますので、期待をしたいと思っております。


○日本海新聞 清水 友輝 記者

 

 ありがとうございます。あと、万博を契機に県内の誘客を約740万人ということで、当初目標立てていらっしゃったと思いますし、県内への入込客数を過去10年で最多にしたいということでの目標もあったと思いますが、この辺りが達成が難しいんではないかというような感触がありますけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。

 

 

●知事

 

 これについては、正直、その目標自体は、あれは出雲大社の遷都(正しくは遷宮)の時期で、あのときに併せて達成したそういう入込客というのがありました。県の西部を中心にかなり増えた時期がありました。それで、それを超えようというのが1つ目標としてあったわけでありますが、結果としてそこの700万人は届かないかもしれませんが、600万人の後半のほうに入ってくるんじゃないでしょうか。ちょっとまだ10月蓋開けてみないと分かりませんけれども。

 

 それで、そういうようなことで、その出雲大社の遷都(正しくは遷宮)の目標レベルではないかもしれませんが、今まで長くコロナ時期にあえいできた観光関係の苦境を脱する大きなチャンスはもらえたというふうに思いますので、大きな手応えは一定程度感じることができたんではないかなと思います。特に4、5、6月ぐらいの出だしのところと比べて後半の7、8、9、10[月]という、こちらのほうでは、もう加速度的にやっぱり誘客が増えていってますので、ですから、こういうようなことで万博を通じて鳥取県への関心を高めることができたのではあれば次につなげていく、言わば挑戦権をもらえたというふうに思っています。

 

 実は先ほども申しましたが、近畿地域内の各県とか、それから中国地方でも他の地域ではどちらかというと大阪・関西万博のほうにお客を取られた感じがあって、それで対前年で減らしているというところが実は軒並み目立っています。それでそういう中で、これは鳥取の奇跡と言っていいようなことかと思うんですが、うちは増やすことができたと。もちろんとっとリアル・パビリオンなどを仕掛けていったり、いろいろと事前に仕込みはしていたんですけども、万博が始まって今度は、じゃあ鳥取行ってみよう、特にスタンプ押すのは典型的ですけども、そういう新しい旅の需要っていうのを喚起した感はあるんではないかなと思っています。

 

 ですから、そういう意味では初期の成果をこの半年間の間に得ることはできたと思いますし、その意味で関係部局には私も感謝を昨日申し上げたところであります。問題はこれからなんですよね。それでアフター万博をどう取り込むかということだと思っています。そういう意味でちょっと先ほども申し上げましたが、例えば、こういう何々界隈みたいなことで少し話題を取っていこうと。それで万博ロスと言われる人たちが、なら、鳥取はまだ続いているみたいだから、ヨルダン館やあるいは鳥取のあの名探偵の遊びなんかができると。それで、こういうことをまだ皆さん覚えているので、つなげていくことをフックにしてアフター万博の集客につなげていければなというふうに考えております。

 

 今後、臨機応変にアフター万博以降の旅客動向を捉えていければと考えておりまして、今後もこの蟹取県キャンペーンを柔軟に執行していくことに、今、指示をしております。


○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

 山陰中央新報の岸本です。関連で万博についてなんですけども、今回、半年間にわたって常設展示を設けた鳥取県ですけども、イベントやその県ゾーンの運営や効果に関する課題はどのように感じられたかということと、あとは、広告効果については約15億円というのはありましたけども、県内誘客に伴うその宿泊などを含めたその経済効果については、どのように試算されているのかということをお願いします。

 

 

●知事

 

 後者については、まだ、ちょっと途中段階の時期なので宿泊の経済効果まで現在、はじいておりません。ただ、いずれ検証させていただきたいというふうに思っております。それで、万博のいろんなイベントの運営等、いろいろと反省すべきこともあろうかと思いますが、その辺、各イベントごとに今後、いろいろと総括をしていきたいと思います。それで、正直申し上げて毎日いろいろと実は話し合ってきました。例えば、鳥取県ゾーンというのがありまして、やっぱり小さなトラブルだとか、改善を要することなどが連日のように出てきたわけです。それで、実は我々、ちょっと夜遅くにいろいろとやり取りをして、それで、改善をしていこうということをいろいろといたしたところでございます。

 

 例えば、分かりやすいとこでいくと、砂ンプラリーって始めたんですね。それで、あれサンド・アライアンスをスタートさせたと同時に、砂ンプラリーという8つ地域、国を回るそういうものを始めたわけです。その配布場所を関西パビリオン鳥取県ゾーンのほうでやりますとしていました。そうしたら関西パビリオンに入れないっていって、そもそも、それで、そういう問題が提起されましてそれはもっともなんです。それで、外に実は日陰の場所をつくりまして、それで、そこで時間を決めて砂ンプラリーの配布というのを関西パビリオン内(正しくは外)で始めたりしました。それで、そこに人張り付けたりしてですね、

 

 例えばこういうような形でいろいろとトラブルやちょっと修正を要することがありましたが、そういうものを会期中、次から次へと実は改めながらやってきました。例えば機器の不具合などもやっぱり起こるわけですよね。それで、そうしたものも修正しながらやってきたというのが実は我々の裏方の事情でございます。そういうものを踏まえて総括をして今後の大規模イベントの運営に役立つように、ノウハウとして継承してまいりたいと思います。


○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

 ありがとうございます。あと、スライドの関係では当初予算について伺いたいと思います。これからキックオフ的に検討が始まるということですけども、現在、来年度当初予算の規模感の見通しですとか、知事としてこういうところにより重点的に力を入れていきたいという政策があれば教えてください。

 

 

●知事

 

 はい。1つは、重要なのは防災のことだと思いますね。石破内閣が提起をされて火がついた形になっていますが、これは避けては通れない課題だと思います。幸い今年は台風が何故か鳥取県それていってくれていますけども、やはり地球温暖化に伴いまして降れば土砂降りのような豪雨、あるいは今後、大雪、どちらかと言うと多雪傾向にあるんではないかというふうにこの冬も言っていますが、どうなるか分からないわけです。そういう災害への備えというのを防災国体、それから中部地震10周年という年に、バージョンアップをするチャンスではないかなというふうに思っています。ですから、これは1つの重点の置きどころかなというふうに考えております。また、大阪・関西万博を終えて、それのレガシーを生かしながら、新しい展開というのをやる時期に入ったかなと思っております。海外から日本を見る目も変わってきていますし、それから国内でも、改めて烏取の魅力が見直をされていると思います。ですから、これをまだ鉄が熱いうちにこれを叩いていくというか、しっかりと整形していくのが今の時期だろうというふうに思っていまして、それも重要な課題だろうと思います。

 

 あと、人口減少や地方創生、それから中山間といった、そういう私どもの構造的に抱える課題、これにも惜しまず政策を投入していきたいと思います。問題はやはり政治だと思っています。それで、今、日本は大きなブラックボックスを目の前にしていまして、それで、今後、国内の政治がどっちに向かって動き出すのか、それで、私どもは財源がどうしても十分とは言えないので、大都市とそこは違います。ですから、そうした財源の問題やあるいは国が重点を置く施策というものを活用しながら、我々地域が解決すべき課題をクリアしていくと。それで、そういう工夫が常に求められる宿命にございまして、そういう今後の国政の動向は慎重に十分フォローしていきながら、これから年明け2月の予算編成を目指していきたいと思います。


○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

 ありがとうございます。予算に関連してなんですけども、知事の公約、5期目の公約である年間3,000人の移住者、県内の移住者という目標があると思うんですけども、これについて結構ハードルも高いものだというふうに思います。それで、これについては県内へのUターンや移住に対する取組については、来年度どのように、新たにしていきたいというふうに思いますか。

 

 

●知事

 

 これもいろいろ対策を強化していかなければいけないと思います。それで、移住3,000人という目標は変えるつもりはありませんし、それに向かって、例えば移住定住の相談だとか、それから若い方々のこちらの仕事をしていただくチャンスづくりとか、そういうことをしっかりと進めていく必要があると思います。3,000人は難しいかもしれませんけども、2,000人台の後半とか、一定の水準には乗せていければ、その次の4年間につなげていくことは可能ではないかと思っております。

 

 あと、今、急速に浮上してるのは、実は関係人口のほうになってきてると思います。それで関係人口だとか、あるいは二地域居住、そうした人生の在り方の変化に応じて、鳥取県もあなたの人生の1つの断面をこちらで預けてもらえませんかと、一緒にやりませんかっていう、そういう問いかけ、そういうキャンペーンや仕組みづくり、この辺もこれからクローズアップされてくるんではないかなと思っております。実は、この分野は、石破政権の中で提唱されかけていたんですけども、これが今の政権の変更の中でどうなるのかは慎重に見ていかなければいけないと思っております。いずれにせよ、そうした次の重点の置きどころが見えてきていますので、単に移住人口だけでない、そういう目標追求というのをやってまいりたいと思います。


○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

 すみません。あと、最後に、ちょっと最近の政局についてなんですけども、公明党が連立を離脱したことによって今後どのような政権になるのかというのが、今、注目されているところではございますけども、仮にこの政権交代した場合、その県政運営の影響というのはどのように見ているのかということと、前回の民主党政権時代には、国の動向を受けて県政運営にどのような影響や課題が浮上してきたかというところを教えてください。

 

 

●知事

 

 これは全く不透明でありまして、今どういう政治の枠組みになるかというのは慎重に見守るということ以外ないと思います。どちらがいいということでもなくて、我々からすると内容勝負、中身の問題だというふうに思っております。前回の民主党政権のとき、若干我々としても難しさがあったのは、政治の中枢にどういうふうにこの、特に地方の意見を届けていくかということは当時苦労しました。それで、結局、政治がその官僚組織だとか、そういう要請活動、要望活動に代わるもののパイプを果たすんだということでありましたが、当時は私も民主党の幹事長さん、県のですね、県連の民主党の幹事長さんなどと頻繁に連絡を取り合って、そういう要請を一つ一つ実現していきましたが、なかなか先方も含め大変だったと思います。

 

 それでアウトプットとしては、財源的にはそんなに豊かではなかったですね。それで結局いろんなものをまとめて、交付金として1つにまとめていくっていうのが理論的には正しいように思えるんですけども、ただ、実態は総額が減るということになりまして、例えば農村整備、農業基盤等はかなり苦労したというのは正直なところです。それで、そうした経験を、ただ、みんなしていますので、次に新しい政権ができたときにどういうふうに政策体系をつくっていくのかというのは、当然皆さんいろんなことを学習されて経験した上での話になると思いますから、問題は中身勝負だろうというふうに思っています。

 

 やはり現場の声をできるだけ早く反映してもらうとか、そういう仕組みが大切でありますし、特に我々のような財政的な弱小団体からしますと、財源の問題というのは常に頭に置いた上で、例えば減税の話だとか、あるいは道路財源の暫定税率廃止とか、そういうような様々な御議論というのは、常に財源の問題を横に考えながら進めていただきたいというふうに思いま

す。

 

 

〇山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

ありがとうございました。


〇山陰放送 日野 彰紀 記者

 

 山陰放送の日野です。万博について伺います。1つ印象に残っているのは、例えば、その鳥取県ゾーンのスタッフのユニフォームは、その既存品をそのベースにされていたりとか、あるいは、知事自らがその広告塔になられたりと、お金の面では随分節約してやられたところもあるんじゃないかと思います。鳥取県のその身の丈に合った内容といいますか、お金をかけなくても今回はその砂や漫画というその発想が大いにその注目を集めたんだと思いますが、お金をかけなくても、その発想ややり方で勝負になるんだと、そういういい例になったんではないかと思いますけれども、その点はいかがお考えでしょうか。

 

 

●知事

 

 今、おっしゃったように、我々残念ながら財源制約が厳しい自治体でございまして、決して贅沢なこともできず、例えば、パビリオンってデザイナー頼んで、それですばらしいユニフォームを作ってということだったですけども、私どもは手作り感満載でございまして、分かりにくかったかもしれませんが、あれ、マンガとか、それから梨のイメージで緑の帽子をかぶっていたということですが、大概、既製品でございます。いつもこのカッターシャツ、あれはユニクロでございまして、正直そんなにお金はかかってない。唯一贅沢をしたのはベストぐらいですかね。ベストは県内の縫製企業がございまして、そちらのほうで、やっぱり多少あそこでちょっとアクセントをつける、形を整えるということでありますので、明らかにベストとズボンとのアンバランスがあったかもしれません。

 

 それは見りゃ分かることかなと思うんですが、でも、万博の中に入っていますと、それでも十分通用しましたし、インパクトを与えることもできたんじゃないかなというふうに思っております。それで、スタッフの皆さんも、ユニフォームはそれなりに気に入っていただいたんですが、やっぱり夏場は暑いということになって、少し帽子を薄くしたバージョンとか、実は途中でいろいろと柔軟に工夫したりしてやっていきました。本県は、どこかのパビリオンとは違って、切り刻んで返せということは言っておりませんで、それを記念にとっていただいて、鳥取のファンになっていただいたらいいんじゃないかなとスタッフの皆さんにも申し上げております。

 

 それで、今回の企画自体も、我々のその金銭的な制約の中で、コンセプトとしてのまんが王国、それから砂丘、これをアピールどころとして展開をして、あとはそこに若干味付けをしたという具合が、それなりに心に響くものになったんじゃないかなと思っています。ですから、あまり巨額のお金をかけずに、パビリオンを間借りしながら、情報発信をできたっていう意味でよかったかなというふうに思いますし、県民の日をはじめとして様々なイベントもほとんど手作りでさせていただいておりまして、もちろん、結城[豊弘]さんだとか、諏訪[道彦]さんといった、そうしたプロデューサーにもお願いを県民の日(71日イベント)なんかしましたけれども、その程度でありまして、かなりコストパフォーマンスを考えた展開になりました。

 

 これからも大きなイベントもこうやってこなしていくことはできるのかなという経験値を持ったと思いますので、職員の皆さんと総括をしながら、今後の県の様々な情報発信やイベントに生かしていきたいと思います。

〇読売新聞 久保田 万葉 記者

 

 すみません。読売新聞です。私も万博のことで関連して聞きたいんですが、先ほど知事が広告塔になっていたという話もあって、知事は何回行かれたんでしょうか、総計。それで、その中でいろいろ砂同盟に関したり、イベントがあったと思いますが、印象的だったこと、特に印象的だったことをお伺いしたいというのと、あと、先ほどサンド・アライアンスをつながる場という形で表現されていましたが、自国第一主義的な主張が広がる中で、ヨルダンだったりモザンビークだったりは来県して観光して県内の企業を回ったりという、万博外交をされていました。それについて、統括してどんな意義があったとお考えでしょうか。

 

 

●知事

 

 行った回数は、回数というか日数的には、ちょっと泊をして前後というのはありますので、大体20日ぐらいだと思いますが、ちょっとそれ、詳しいデータはまた後ほど申し上げたいと思います。実は、クラブの皆さんも含めて、会期前に行ったものもありまして、これを含めて大体20[日]ぐらいというふうに記憶いたしております。それで、今回の排外主義ということはいろいろと世上言われる中ではありますが、非常に大局的な万博というイベントが、多くの熱狂的な賛辞をいただきながら2,500万人を超える来場者を集めた、そのことにやはり日本が向かうべき方向性というものや世界の皆さんが共通に考えている、そうした国際協調主義的な考え方というものが是認されている、その表れになったのではないかなというふうに思います。

 

 大きな混乱もなく、そうした形が進みました。それで、ヨルダンやサウジアラビア、モザンビーク、アルジェリア、EUなど、そういうサンド・アライアンス、砂同盟というのはその流れの中で自然発生的にできてきたものであります。元はといえば、ちょっと鳥取県、ちょっと出足がつまづきまして、砂丘の砂を10トン持っていくというのがちょっとネガティブなSNSの反応を引き起こしたことがありまして、結構、担当者もしょげていたんですけども、これも宣伝になるからと、うちは炎上商法だから、また適当に燃やして話題をつくっていこうということをしていたときに、ヨルダンが実は人気になったんですね。それで、ヨルダンの赤い砂で寝転ぶのが楽しいみたいな、そうしたような言葉でSNSで流れ始めたので、それだったらもう砂同盟、サンド・アライアンスやって、ちょっと仲間つくってみんなでお互いのパビリオン寄ってもらいたいので、当時はまだそんな混雑していなかったですから。それで、そういうプロモーションを考えようということにしたんですね。

 

 そうしたら、やはりそのとき感じましたけども、実は向こうから来られるモザンビークにしてもヨルダンにしてもそうですし、EUも昔から知っているパケ[ジャン=エリック]という大使、東京におられる大使がそこをちょっと関与されているというのもあったと思うんですが、いろんな御縁があって、皆さんその日本とつながりたかったんです。そのために、実は向こうの国の予算使ってやっているわけですよね、だから、結果出さなければいけないと、例えば、ナショナルデーなんかもありますよね、我々、パビリオン同士ではやっていませんが、多分、ジャマイカさんなんかもそうなんですけども、ああいうナショナルデーなんかというのは国の威信をかけてやるわけですよ。それを成功させるためにやはり地元とこうやってつながっているというのはやっぱり重要なんですね。だから、そこにうまくうちがはまった感じがありました。だから、3か国のほうは日本とのつながりをどうやって深めるかということに思案していると、そこに我々サンド・アライアンスとか、陸上つながりでジャマイカだとか、あるいはイタリアも、これ、実は民芸、工芸関係でつながってイタリア館だとか、いろんなところとつながりを持って行ったんですね。そういうふうに飛び込むことができる稀有な舞台だったですね。

 

 だから、そんな意味で万博外交だとか、経済交流の活性化の場として万博は機能し得るということを正直、私も体感させていただきました。実際、タイに参りましたときに、本当に駄目もとの飛び込み営業ですけど、向こうの商工会議所の重鎮の方々に万博に行くんだったら大阪行っても温泉ないし、温泉のある鳥取寄ってから行きませんかみたいに言ったら本当に来ちゃったと、そういう乗りなんですね、どうも。万博というのはやっぱりそういう不思議な場だということだと思います。それで、実際その後、うちで言ったらトヨタだとか、そうした大大企業のトップレベルの人たちがもう鳥取のことを気に入って、じゃあ、次はどういう提携しましょうかみたいな話を言ってくるぐらいになっていると。

 

 だから、やっぱりそうした意味で万博の場を鳥取県は割と使わせていただけた、そういう自治体だったかなと思っております。大阪の吉村さんからもよくからかわれていますけども、鳥取が一番うまいことやっとるとか言ってですね、情報発信が確かに関西メディアではできているということだったと思いますし、こうした形で海外とつながるって本当の万博が目指す形になったかなというのは主催者側からも評価いただけたかなと思っています。


○朝日新聞 富田 祥広 記者

 

 朝日新聞の富田です。人権尊重の社会づくり条例に関してお尋ねいたします。具体的には規制と表現の自由のバランスなんですけれども、突っ込んだ議論があんまりなかったのかということでお聞きするんですけど、分かりやすい誹謗中傷なんかに対しての削除命令とか、罰則というところは分かるんですが、じわじわと人権を侵害するような分かりにくいというか、グレーな投稿なんかもあると思います。そういう1本1本をどう判断して、これは表現の自由の範囲内とは言えないというような判断をしていくのか、その辺りの座組みを今の段階で知事はどういうふうに考えていらっしゃるのかお聞きしたいです。

 

 

●知事

 

 実は、これベースがありまして、鳥取県人権尊重の社会づくり条例というベースがあります。それで、これは平成8年にできて、もう30年経とうかというものでありますが、実は同和問題から端を発していまして、こういう人権施策を先導した鳥取県のモデル例でございます。それで、ここには人権尊重の社会づくり協議会という関係団体や有識者が入った組織があり、それで、そこの活動の一端として、例えば、具体的な差別案件、誹謗中傷案件についての対策を考える、そういう場もございます。ですから、一般論としての人権施策を推進するのと併せて、具体的な問題にも対処するような形で30年かけて、この運用が形成されてきました。それで、これが実はベースになっているということですね。

 

 それで、そういう意味で、今、富田さんおっしゃったようなお話というのは、多分、国のイメージかなと思うんですよね、例えば、どこまでが表現の自由であって、どっからが誹謗中傷であると。それで、その誹謗中傷、要は権利侵害に当たるようなときに、たちまち出動して削除やれとか、そういうネット上、我々のこの条例議論を見ているようなイメージが多分あるんだと思うんですが、我々はベースがもともとありまして、それで、これをさらに実効性持たせるっていうところであります。つまり、まず、最初に相談があるんですよね、相談なり、あるいはネットでこんなもんが出ていて、これはちょっと問題じゃないかっていうのが関係団体などから提起されたりすると。それで、そういう具体的な案件から実は入ってくるわけです。

 

 ですから、四六時中パトロールをして、それで、こういう差別、あるいは誹謗中傷というものを見つけたら、それを正しにいくっていう警察的なやり方というのは実はしてませんで、どちらかというと相談とか福祉、そういうやり方であります。それで、私は今、座組みというお話がありましたが、我々は地域レベルでの活動でありますので、国はそうした意味で、例えば、プロバイダーをちょっと指揮していただいて、やるべきことをどんどんやってもらうというのは必要だと思っています。

 

 ただ、我々が今、実効性を担保するための、こういう行政罰や氏名公表も含めた措置を考えるのは、具体的に人権侵害されて困っている人たちがいると。それで、その具体的案件に基づいて、やる場合に発動するのが基本でありますので、ですから、表現の自由との関係で言うと、表現の自由が制限されてもやむを得ないというふうに多くの方々が見る。少なくとも、この協議会の皆さんなんかが考える、そういうものに、言わば、限定的な形で運用されることになると考えております。

 

 したがいまして、これから先はちょっと非常に難しいことになるんですね、どういうような条文の表現にするかとか、それから、今おっしゃるように、じゃあ、運用どうするのか。それで、今、想定しているのが、こういう協議会などと連携しながらですね、本当に行政命令出すんであれば、それはやはりこうした専門家などと相談した上で出すというようなことで客観性を保つというような仕組みも必要でしょうし、それで、その辺を組み合わせながら我々としては考えていきたいと思っています。そういう意味で表現の自由と、おのずから調整されるべき、そういう事象を優先して対処していくというふうに御理解いただければと思います。

 

 

○朝日新聞 富田 祥広 記者

 

 すみません。ありがとうございます。そうすると、投稿者が反論する機会などというのはその協議会のほうで受けるような形になるのかどうか。一方的に削除命令を出さる流れになるのかその辺りはいかがでしょうか。

 

 

●知事

 

 その辺は行政手続条例などもありまして、ちょっとどうなるかというのはこれからまた、実際の構想の中で整理をしていきたいと思います。ただ、最終的には、今も実はこの手の人権侵害案件が裁判にもなっているのがあって、それで、我々の関与しているところの最高裁まで争っているものがあります。だから、最終的には司法の判断に委ねられる部分が多い性質のものだと思っています。ですから、紛争になった場合には、これ恐らく決着しないですよね。それで、それはもうこちらはこちらでやはり被害者、被害を受けた方の立場に立って、それは信念を持って毅然と対処していくべきときもあるでしょう。それが、相手方との間で紛争になったとしたら、それは最終的には裁判の場で決着をせざるを得なくなるかと思っています。

 

 

○朝日新聞 富田 祥広 記者

 

 ありがとうございます。


○日本海新聞 中村 宏 記者

 

 日本海新聞の中村です。上海吉祥空港(航空)についてお尋ねします。今週トップとお会いするということですけども、先回令和2年の運行時ですとか、あと、今回休止になりました香港便などの話も踏まえまして、どのような提案を向こうのトップとされるお考えなのかお聞かせください。

 

 

●知事

 

 これについて率直に話し合うことになろうかと思います。それで、中国のエアラインとか、あちらの関係者も従来のような旅行会社中心ではない、FIT(個人旅行者)と言われる個人客を中心としてコロナ後は新しい様相の日本ブームが起きていると思っておられると思います。ただ、問題は、あちら側としては航空機に機材の数だとか、それからやっぱりそれに対する許可が下りるかどうかとか、そういう航空のシステムの問題、こういうことをクリアしていかなきゃいけないわけであります。

 

 それで、我々としてはやはり商業ベースでのチャンスは十分あるよというふうに踏んだ上で今回打診に行こうと思っております。ですから、一定程度理解は得られればというふうに期待をして参りますが、当然ながらそのためにはグランドハンドリングをどうするかとか、それから機材繰りとの関係で何か解消すべき条件があるのかとか、そうしたことも率直に話し合っていくことになろうと思います。ですから、今段階でこういうことを提示するっていうものはありません。復活をしようというその1点であります。

 

 

○日本海新聞 中村 宏 記者

 

 ありがとうございました


○読売新聞 西海 直也 記者

 

 読売新聞の西海です。よろしくお願いします。会見項目以外になるんですけども、県の西部で計画が進められている風力発電施設の建設について、地元の3町の町長が先月伯耆町長が反対の表明を記者会見でされて、それまでも江府町であるとか日野町も反対を既に表明していて、これについて地元の受け止め、地元の意向について知事としてどういうふうに受け止められているか伺いたいと思います。

 

 

●知事

 

 西海さんおっしゃったとおり、今、地元の3町、伯耆町、江府町それから日野町において、共同での記者会見がなされまして反対を表明されました。その背景にはそれぞれの町議会での議論も踏まえてということだったと伺っております。それで、私はこうした発電施設については、地元の理解は当然の前提であって特に自然の景観であるとか、あるいは災害の危険性であるとか、そうしたことと向き合わなければいけない、地元自治体の意向は尊重されなければならないと思っています。

 

 ただ、現状ですね、国のほうの電力事業の許可制度はそのようには設定されていませんで、地元の意見が合意がなければそういう許可をしないという仕組みになってないわけですね。ですから、今回声を挙げあられたことは非常に重いと思いますし、政府の関係省庁においては、ぜひ耳を傾けて許可の運用に当たっていただきたいと思っております。それで、この件については、まだ、3町から私のほうに申入れというのは、実はまだ来ておりません。恐らくその国サイドがこれ許可権者なもんですから、国サイドとお話をされるのかというふうに思っております。

 

 ただ、仮に私のほうにも同様のお話が記者会見のようにあるのであれば、我々県側では、例えば盛土条例という実は独自の条例をつくっています。これは国がその後追っかけて法律をつくったんですけど、私ども盛土条例ではその地元の言わば同意がないと盛土の危険性があるようなものは設置し得ないような仕組みを実は入れていまして、そういう条例の運用とか、それから林地開発についても比較的地元の意向にそった形での事業者側に厳しいそういう制度も設けています。それで、こういうものの運用に当たっては厳正に行わさせていただいて、地元とそれから事業者との間で、そごがないように地元の意向は尊重されるように我々としても運用をしていく、こういう方針をいずれ申し上げることになるかなと思っています。


○読売新聞 西海 直也 記者

 

 ありがとうございます。あともう1点、全くまた別件なんですけども、先週の金曜日に石破首相が戦後80年の所感を発表されで、中にはその総裁の座を退かれた段階でこのタイミングで発表するのはどうなんかという意見もいろいろ賛否あったわけですけども、知事としてどういうふうに受け止めてはるかというのをちょっと伺えたらと思います。

 

 

●知事

 

 はい。石破総理におかれてはこのたび、談話(正しくは所感)を出されることとなりました。ただ、その形式としては閣議決定を経ない石破茂、御本人の考え方として提示をされたものであります。したがいまして、例えば、我が国の外交を縛るものというレベルのものではないと理解をしておりまして、特段差し支えはないんではないかなというふうに思えるものであります。内容としては、1つ前提としてあったのは従来の政権の方針を引き継ぎますというのが明確に言われていまして、ですから変更を加えるものではない以上、それはその総理の座を退かれる人の言葉であったとしても妥当なもんではないかなというふうに考えます。それで、その中で、例えば政治家の在り方であるとか、それからちょっと口幅ったいですから、メディアの当時、戦争に対する向き合い方とか、そうしたものも取り上げながらどうやったら平和を維持できるのか、こういうお考えを率直に出されたものでありまして、私も読んでみましたけれども、違和感はないし、納得できる部分は多かったというふうに思っています。

 

 ですから、今後これをどう取り扱うかということなのかもしれませんが、こういう一定の地位のある人が考え方を整理してこういうように述べられたものというふうに捉えて、今後の外交上の指標、そして平和をしっかりと我が国の日本国憲法でもう規定されていますけど、それを実現していくのかの道しるべとしていただくのがいいんではないかと思っております。そういう意味で、新しい総裁の方針などとのバッティング等の問題は、もう理論的には生じないんではないかなと思っております。

 

 

○読売新聞 西海 直也 記者

 

 ありがとうございました。

 

 

○中国新聞 土井 誠一 記者

 

 ほか質問ございませんでしょうか。ないようですのでこれにて終了したいと思います。どうもありがとうございました。

 

 

●知事

 

 はい。どうもありがとうございました。

 

  

最後に本ページの担当課    令和の改新戦略本部 政策戦略局 広報課
    住所  〒680-8570
                 鳥取県鳥取市東町1丁目220
    電話  0857-26-70200857-26-7020
         ファクシミリ  0857-26-8122
    E-mail  kouhou@pref.tottori.lg.jp

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000