皆様、おはようございます。今、列島は大変な猛暑の中に確かにございまして、そこに持ってきて津波がカムチャツカ半島の沖合におけるマグニチュード8.8の地震でもたらされました。昨日はそういう喧騒の中にあったわけであります。いまだその津波の注意報、太平洋側では解除はされていないところでございますが、こうした自然条件に左右される、そういう私たちの暮らしを痛感する次第であります。そういう中、昨日の状況をちょっと今朝までの段階で御報告をさせていただきたいと思います。
昨日の地震に伴いまして、岩手県の久慈で130センチ、あるいはアメリカのハワイで170センチ、そうしたかなり大きな津波がありました。多くの方、200万人と言われますが、避難指示が出たと言われております。本県では境港を基盤にする漁業者が北海道の釧路沖で操業をするという状況だったんですが、その津波を避けましていかりを下ろして沖合で避難をしていました。今朝はこの状況の中で釧路港のほうにこの船団は移動しています。それで、様子を観察をした上で出漁を準備しているという形でございまして、徐々に平常ベースへと戻っていくのではないかと思います。
それで、本県での津波の観測ですけども、実は潮位計を置いたり、それからまた、私どもの河川の水位計がございまして、こういうものを使って観測を注意深くやってまいりましたが、今のところ潮位の変化は見られておりません。そういう中、今後、今回の津波の避難なども、今後、いろいろと総括をされてきたりすると思いますが、これからの災害対策に役立てていくことが多々あるのではないかと思っております。
それから、[山陰放送]日野[彰紀]さんのほうからもお話がありました。大変な高温でございます。現在のところ、熱中症の搬送患者は127件程度でございまして、昨年とほぼ同じようなペースにはなってきていますが、しかし、猛暑が非常に顕在化しています。これの理由というのは、高気圧が日本の上のほうにありまして、それが暖かい空気をどんどんとこちらキープしていくということであります。そのため、昨日は隣県の兵庫県におきまして41.2度という史上最高の気温が柏原でたたき出されました。本県もほぼ同様の状況でございまして、これからまだ暑い日、それから水の降らない日が続くかと思われます。
現在の中期的な予報ですと、これから向こう1週間程度はやはり晴天が続くのではないか、暑い日が続くのではないかとされています。その後、お湿りが期待できるかどうかということでありますが、この渇水状況はなお続くと見込まれるところであります。実は八頭町で昨日、断水が発生をしました。これは集落の水道でありまして、独自に水を供給しているものでございまして、水道、上水道だとか、簡易水道だとか、そういう水道管で運んでくるのとは若干違います。集落の中のものでございますが、ここで渇水が生じました。町のほうで給水活動をされるということになりました。県でもこうした事態はこの夏、まだまだ予想されますので、注意を市町村のほうに呼びかけているところであります。また、これが現実にちょっと調べたところでありますが、渇水対策本部を本県で持ちまして、今、農地などの状況を調査をさせていただいています。
それで、こういうように干上がってしまった水田が出ていて、中にはこういうふうに地面が割れてしまっていると、乾燥してですね。こういうような水田も現れてきております。これは鳥取市内の水田の例なんですけども、それに対しまして、今、自衛手段を各地で取られています。それは節水農業であるとか、あるいは番水と言われます順番に水を集落の中で決めて、水の取水するところを、田んぼを回していくというようなやり方、それから、これが、こちらのほうに川があるんですけども、この川からこういうふうにポンプで上げまして、それで、農業用水の水路のほうに落としていくという、こういう応急的な例ですね、こういうことも今、始まってきております。
そこで、本県として緊急的な支援対策を予備費1,000万[円]を発動することといたします。これによりまして、こういうポンプアップをして給水をする、そういう活動を助成をする、また、こういうふうに市町村が給水活動を行う、こういうものの支援などが円滑にできるように、今回の渇水状況に鑑みまして対応させていただくこととなりました。
また、終戦80年をいよいよ迎えることとなります。これに際しまして、鳥取県として平和を祈念する、お祈りする、そういう誓い合うプログラムを順次発動させていただくことにいたしました。この節目に当たりまして、次の世代、次の世代へと平和の祈りを伝承していかなければなりませんし、忘れられてしまわないように記憶を受け継いでいくということを中心に、今、考えております。
明日から記憶のパネル展をこの1階、県庁のロビーで行うことといたします。原爆被害、こういう実情を伝えるようなものでありますとか、戦災の被害、これを伝えるようなものでありますとか、本県でも、例えば境港で玉栄丸の爆発事故などもございました。そういう様々なこの本県の記憶の歴史というものをこの際、集約して展示させていただくことにいたします。
また、8月の13日には80年目ということで、平和の祈りと誓いの集いというのを鳥取市内で開催をすることにいたします。いまだ戦火が止まないウクライナの状況がありますが、そこから逃れてきておられますユリア・メドベージェワさんにお話を聞いたり、また、語り部の方、県外からお招きをしたり、ということを考えます。また、子供たちの作文の発表であるとか、本県として取りまとめた映像がございますので、そういうものを公表していくとか、平和の誓いをみんなでさせていただきたいと思っております。
また、県立図書館のほうでも資料展をこの8月13日の集いの日から9月までさせていただくことにいたしておりまして、水木[しげる]先生のラバウル戦記であるとか、学徒動員の記録であるだとか、様々な警鐘を行う、そんな場とさせていただきたいと思います。平和の祈りというものを終戦80年のこの機会に県民みんなで分かち合うことができればと考えております。
日米関税につきまして動きがありました。15%という関税率がセットされると。ただ、自動車のほうはいつ15%になるのか、まだ、これ急いでくれという交渉を今、しているところではございますが、8月1日から発動するという相互関税、これは15%ということになりそうであります。それで、こういうようなことと併せて日本側の動きをヨーロッパ、EUも継承したということでありまして、同様の枠組みによる合意がなされたということでございました。ただ、他方でインドはロシアからの武器輸入を理由に今、トランプ政権のほうで関税を高くするというような今、声明が出されている。まだまだ落ち着かない状況でありますが、8月1日をまたいで一定程度決着させようという動きになってきていると考えております。
米の輸入につきましても、その交渉の中で出てきたわけでありますが、ミニマムアクセス米(日本が最低限海外から輸入しなければならない米)の枠内で調達をするというように言われております。ただ、アメリカのほうから75%アメリカの米が増えるぞという、そういう公表があったりして、やや混乱しているのかなというふうに思います。これを機会に関係の企業さんだとか、農業関係者の状況を聞いて集めてきたところでありますが、総じて大きな影響がすぐに現れているわけではない。ただ、例えば、輸出をしている業者の中で10%、今、課税ということがありますが、その10%は割とディスカウント(値下げ)でやっているよという輸出、飲料系の企業がございました。ただ、15%になると、そのようにディスカウントで企業努力ではできないので、上げていくということを考えなければいけないだろうと、そういうようなことなど、いろいろと15%とはいえ、影響が出てくるのではないかと考えられます。
また、米の市場開放については、日米の見解が若干分かれていまして、どういうように影響するのか慎重に見極めていかなければならないと考えられます。そこで来週ですね、本県の経済・農業への影響を協議をする関税対策協議会を設置させていただきまして、議論することといたしました。それで関係者にも今、呼びかけをして御出席いただくようにしておりまして、1つには企業向けの資金繰り支援、これの充実強化を話し合うことになります。それから新しい市場開拓をしていく、そういうサプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から販売に至るまでの一連の流れ)を再構築していく。例えば、海外のアメリカでないところに駐在員を置いて、これから販路開拓を進めていこうとか、そういうものに対して具体的な支援策というものを県としても考えてもいいんではないだろうかと思います。
また、県内への投資を喚起するような設備投資の支援、また、農作物へ影響が出てくるのではないか、その支援というものを考える。おおむねこういうような方向性になるかと思いますが、その上で本県としては、9月の県議会に向けまして、こういう追加の関税対策というものを予算上も計上していくことを視野に入れて考えていきたいと思います。
そういうようなことを我々がやるのと併せまして、政府のほうにも、この通商政策の影響緩和という観点で、補正予算ですとか、予備費ですとか、やはり思い切った措置を政府も講じていただく必要があるんではないか。また、水田農業のほうに、これ米価対策も含めて混乱があるのは事実でございまして、それで、こういう新たな水田政策というものを求めていく。政府には、これに関連して要請活動を来週考えたいと思っております。
全国知事会議が先週開催されまして、[7月]24日の日に青森宣言が採択をされました。ちょうど[7月]20日の日に参議院選挙がございまして、それを受けて、我々としてやるべきことを考えようということでございました。それで、いろんなみんなで議論したんですけども、私もオフの場も、オンの場も含めて、いろいろと御意見も申し上げたんですが、我々、地方の現場から見ていますと、今の国政の混乱というのは正直、看過し難い、すとんと腹に落ちない、納得しにくい部分がございます。世界を見渡して考えていただければと思うんですが、大体、少数与党という言葉が四文字熟語で当たり前のように語られていること自体がワールドスタンダートからすると疑問もあります。
それで、誰が言い出したことかよく分からないんですが、だから少数与党でやるので、それでいいんだよっていうことなのかもしれません。それで、そこをちょっと懸念するわけですね。普通に考えると参議院選挙で自[民党]公[明党]が多数を失ってしまった。それで、それから衆議院でも総選挙で多数を失っているわけです。それで、2つの国会の院があって、両方で多数派でないのが政権を持っているわけでありますが、こういうのを与党というのかっていうことですよね。それで、実は参議院選挙の前も非常に不安定でした。それで1つ1つ予算を上げるにも、法律を出すにも、それはどっかの野党を引き込んで、それで合意を得て辛うじて可決をしていったと。それで、その努力は石破政権は非常によくあの中でされたんではないかと思います。
ただ、今度はそのとき参議院に出せば、それは通るとなっていたものが、参議院で通らなくなっているわけですよね。こういうとき、どうするかというと、日本のこれまでの憲政の歴史でもそうですし、それから世界を見渡して見ても、当然、政権の枠組みを考えるんですよね。それで、連立政権を例えば組み直すとかいうことを考えるとか、それから、あるいは場合によっては、そういう意味で民意を体現するために政界の再編すらあってもおかしくない状況なんですが、今されているのは、少数政党の中の大きめの政党の中の内部抗争だけがクローズアップされているというのは、これ国民とか、あるいは国政の大切な課題が山積している中で、今やるべきことなのかなっていうふうに思います。
それで私たちは、この7月の22~24[日]の青森での[全国知事]会議のときに、これは多分、この後、混乱するだろうと、恐らく政権の枠組みが変わるんじゃないか。それで、そういう中で、どんな政権になろうとも、例えば人口減少対策をやるべきだし、あるいはインターネットを通じてデマが流布していく、これによって大切な民主主義の土台が崩壊していく、こういうことに対する対策をきちんとやるべきではないか。また、政権がどうなろうがトランプ関税というものにどう対峙していくのか、そうした喫緊の課題がたくさんあるわけでありまして、それは各党間で、やはり議論をしてもらって、どういうふうにしてこれからの国民の負託に応えた新たな政治の枠組みを考えるかっていう議論をすべきタイミングだと思います。
それで、いまだにですね、少数与党という言葉に言わば甘やかされているのが今の国政の状況なのかなと思います。我こそはと、例えばこの自公と手を一緒に握って、例えばこういうような政策をきちんとやろうということで連立政権を組み替える、そういうようなことはあっていいんですけども、皆さん次の衆議院選挙のことを考えて今、組むと選挙に不利だというような理由で国政を混乱したり、停滞したままにするというのは、それは政党として、公党としての責任放棄と言ってもいいんではないかと思います。
また、与党側と言われる今の少数の自公のほうでもやはり改めるべきところ改めて、民意が出てきたわけですから、その民意を受け止めたそういう政策の組替えというのは当然あっていいと思うんですよね。それで、そういう真摯な議論がなされないまま、もう選挙から10日もたってきていて、あるのはこの先どうやって、誰に相談してその政治を動かしていったらいいのか、今、例えば農業問題だとか、物価問題だとか、どうやって解決していくのか道筋が見えないわけですね。
これは国民が決して参議院選挙に望んでいたことではなくて、国民は民意を示すという仕事をしっかり果たされたわけでありますから、それを受け止めて、もう与党だとか、野党でないんだと思うんです。全部ゆ党(与党と野党の間)になったんじゃないかと思うんですよね。多党乱立状態に残念ながらなってきているというふうに皆さん考えていただいて、その中で、じゃあ、どういうふうに組むかなと、それで、政権をつくるのかな、こういう議論が真摯に出されていいのではないかと思います。そうすれば我々も、例えば知事会としてこちらとこういうふうに折衝して政策に反映していこうという道筋も立ちやすいんですけども、今、一体どこに何、話に行ったらいいか分からない。それで、正直、霞ヶ関のほう行ってもみんな様子見をしているっていう状況になってきています。これは国にとって不幸なことなので早急に何らかの方向性を、やはり出すのがそれぞれの党の責任ではないかと思います。
我々は現場を預かっていまして、日々地域や住民と向き合い、解決しなきゃいけないこと、例えば今の干ばつの問題などもそうでありますが、そういうものと向き合っているわけでありまして一刻の猶予もないです。それで、例えば党内がまとまらないからとか、あるいは各党間でどういう枠組みになるか分からないからということで政策の決定ができないという状況が続くのならば、結局損するのは国民になってしまうわけでありまして、その辺が憲政の常道を歩むべき政治家の姿であり、それぞれの公党の役割ではないかと思います。
世界を見渡してと申し上げましたが、例えばドイツもそういう混乱するような選挙がありました。総選挙があって、それで、CDU、キリスト教民主同盟、それからCSUという社会同盟、これらの言わば保守系のところが200議席以上取りましたけれども、ただ、2位に入ったのはAfDと言われるドイツのための選択肢と言われるところ、ここは極右というふうに分類を世上されています。そしてSPDという社会民主党、それで、これが議席として120議席ぐらいですかね、それで、AfDが150議席ぐらいですかね、それで、結局そのCDU、キリスト教民主同盟系が社会民主党と連立を組むということでメルツ政権が発足するということになったわけです。
それで、こうやってどこの世界でも、やはりそうやって連立政権の組替えとかを選挙のたびに考えるんですよね。それで、日本はずっと一定の政党が政治を持ってきたので、ここは与党だと何かレッテルを貼って、多数与党が少数与党になったみたいにですね、何か達観して見ているようなんですけども、世界から見ると民意が表れたんだからそれを反映するための政権枠組みというものを考える、それは当然のことでありまして、そうした議論がなされてこないのが正直、我々現場を預かるものとしては不思議であります。
ぜひ、そういった意味で選挙の責任を誰が取るかとか、そういうふうな議論以上に大切なのは選挙で表れた民意に従った政治をどういうふうにこれから行っていくのか、このことを明日から臨時国会が始まりますので、そうした大きな議論もぜひ展開をしていただきたいと思います。国民のために仕事をする、そういう国会であってほしいと思います。そういうふうな願いを込めまして、こうした様々な提言活動をやってきたところで、今週も渡辺[周]衆議院議員の特別委員長をはじめ、皆さんにインターネットを通じた誹謗中傷や、あるいはデマの問題など、選挙についてお願いをしてまいりましたし、来週は人口戦略対策について要請活動、知事会としてもやっていこうと考えております。
また、本県としても国への要請活動を来週、今ちょっと日程が混乱しておりまして、まだ充分日程確定できないところはございますけれども、例えば高速道路の問題とか、物価高の問題だとか、税財源の問題など、国のほうにも訴えていきたいと思っております。
先般、仙台におきまして、[第61回]献血運動推進全国大会が開催をされました。それで、来るべき次期62回の大会につきましては鳥取県で開催をするということが決まりました。それで、鳥取県のほうから私も出てまいりまして皆様に呼びかけさせていただいたんですが、例えば白兎神社という神社がありますけれども、あれは大黒様、大国主命が因幡の白兎を治療した、日本で最初の医療に関わるそういう神社だと言われています。現にそういうのをお祭りしていまして、医療界からも信仰のあるところであります。そのような医療の起源として鳥取県ございますし、食や漫画や、あるいは温泉や、そうしたものもあります。全国の皆さんに来年夏、来ていただく呼びかけをさせていただきました。
若い方々の献血というのはこれからの課題になると思います。それで、これを1つの中心としながら、鳥取県らしさ、一人一人が大切にされる、人口が少ないからこそ大切にされる社会を目指していまして、そうしたことを全国の皆さんにアピールできたらなと思っております。例えば医工連携だとか、いろんな医療技術、これ遺伝子工学も含めまして展開をしています。そういうものを紹介したり、それから学生たちが最近は献血のサークルをつくってくださっています。そうしたものをアピールをさせていただいたり、また、手話、あるいはあいサポート運動、それからあいサポート・アートとっとり展というようなこと、こうしたことを併催しながら、皆さんに鳥取のエスプリ(精神)、その心意気を感じていただければなというふうに思っております。
それから、犯罪被害者の支援活動につきまして、本県は独自にワンストップサービス(関係機関、市町村などと連携し、必要とされる情報や支援を総合的に提供)を始めたり、取組を進めてまいりました。それで、今日から犯罪被害者サポート企業の募集を始めることといたします。それで、これは犯罪被害に遭われた方々を支援しようと、そのために被害回復のための休暇制度、これを企業さんのほうでぜひ設置をしていただけないだろうか。それで、その登録制度を始めることといたしました。こういうものを県としても促進策を打たせていただき、犯罪被害者サポートが社会全体で波及していくようにできればと思っております。
また、来週ですけども、岡山大学や三朝町と一緒になりまして、医療等についての包括連携協定を結ぶことといたしました。これは、岡山大学での教育研究活動、グローバル人材、こうしたことがございますが、これを三朝ベースで鳥取県内でも展開していただくと。それで、そのために例えば三朝のほうでグローバル人材を受け入れる。ちょっとこれ、こっち側に書いてありますね。三朝温泉旅館での外国人留学生を受け入れるとか、あるいは岡山大学の三朝温泉病院への医師派遣、こうしたことなどを現実に実行していく。そうしたことを視野に入れました包括連携協定というものを結ばせていただくことにいたします。
冒頭の話もございましたが、大変暑い夏になってまいりました。県庁のほうでもクールダウンウイークを8月8日から11日間行うことにいたし、ワークライフバランス(仕事と生活のバランスがとれた状態)や省エネに貢献していこうと考えております。それで、今年もクールシェアスポット(店舗等の一部を誰もが涼しく快適に過ごせる場所)を各地で開設いただけることになりました。道の駅ほうじょうだとか、若桜郵便局、日南町の地域振興センターなど、22施設が新規登録されることとなっております。ぜひ、こうしたものを活用していただきまして、熱中症対策を進めていただければなと思います。
また、9月まで電気の使用量を3%以上削減した場合に、これ御応募いただきますと、こうした星空米だとか、いろんなプレゼントを用意させていただくキャンペーンをすることといたしました。例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)に変えていくとか、それから、このうち「エコ診断」というのがありますが、こういうものを積極的に活用していただくだとか、そうしたことをお勧めしてまいりたいと思っております。
また、王子製紙[株式会社]、日吉津と米子市にまたがりまして設置をされている米子工場がございます。こちらのほうで、木質由来の様々な物質、これをやっていくバイオリファイナリー(バイオマス(生物資源)を原料として、バイオ燃料や化学品を製造する技術や産業)というような産業展開をモデル的に進めようとしていただいております。県もそれを応援させていただいております。紙作りだけでなくて、そういう木質由来の商品化を進めることで、例えば、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)と言われる航空機燃料であるとか、幅広い展開が可能になってきます。新たにヘミセルロース(植物細胞壁に含まれる、不溶性であり非結晶性の多糖類の総称)、溶解パルプ(木材などを原料に、化学処理によって高純度のセルロースを取り出した特殊なパルプ)というのは、これはもう既に製造ラインが米子で確立できました。そこから生まれてくるヘミセルロースから動物用の治療薬、そういうものを製造するプラント(工場設備)というのを造ることとなりました。来月、着工されまして、今年度で完成予定だということでありまして、県としても、こうした新たな未来型の産業育成に協力してまいりたいと思います。
国際航空便でありますけれども、米子-香港便については、今、運休予定ということになりました。その原因は予言ということがありまして、それ以外の要素もあったかもしれませんが、急激にお客さんが減ったということでありました。現在、香港便については、いろんなエアライン(航空会社)で価格下げ競争になっていまして、お客さんが急減したもんですから。それに伴って、県内でも、例えば8月、来月の予約率は急上昇したりしているのは事実です。ただ、収益がいいかというと、価格のほうでダンピング(市場価格よりも低い価格で販売)していますので、必ずしも収益がいいわけではないのかなと思いますし、その後の反動が心配だというのが業界では言われています。
実は、この傾向が台湾とか韓国でもやはり実はあります。そういう自然災害が起きるのではないかという風聞で影響を受けておりまして、各地でやはり台湾便も伸び悩んでしまっています。韓国便もそうでして、ちょっと7月以降、若干陰りが出ています。だから、やはり東アジア全体に影響したのかなと思われますが、ただそういう中で、他路線が低減していますけれども、台北-米子は好調だと判断されまして、6月でも70%超えています。7月はちょっとこれ切っていますけども、これが評価をされて、冬ダイヤの継続が決まりました。同じく週2便でこういう時間帯、従来の枠組みでやることになります。せっかく、これ継続が決まりましたので、継続運行に向けたキャンペーンを強化していきたいと思います。
例えば、よくSNSでも話題になりますけども、野球の応援のチアリーダーズたちですね。こうした方々を招請して、県内取材をしていただいて情報発信するとか、それから台北の国際旅行博、これ、台湾最大の旅行博であります。これに出店をすることにいたしたいと思います。また、アウトバウンド向けにも、取材の応援などをさせていただくことにしたいと思っておりまして、ぜひ、この台北便のほうは定着を図っていきたいと思います。
それから、いよいよ昨日、自転車競技のオープニングセレモニー開会式典が倉吉で実施をされましたが、中国地方全体で一緒に行っております高校総体、インターハイ、これがスタートを切ってくることとなりました。高校生の皆さんが1,100人出て、競技会場でボランティアをされます。昨日も開会式の会場でも鳥取西高校やあるいは中央育英高校の生徒さんたちが各地から来られた、そうした高校生を受入れ、おもてなしをするということをされたりしておられました。また、市町のほうでも開催地としてのおもてなし活動を実施をしまして、こうした歓迎看板などを今、掲げているところであります。
県としてもこれに向けて準備を実はやってきました。例えば八頭高校のホッケー場において、この整備をこの機会にさせていただきました。それから、倉吉の自転車競技場も傷みがあったものですから、それを補修したところであります。また、併せまして、ちょっと大会等でいろいろとかねて指摘されていたこととして、倉吉の自転車競技場で電波が入らないという、そういうことが言われていまして、今の高校生やあるいはその関係者にとりましてそういう電波の問題というのは非常に重要でありますので、関係の会社ともお願いをして、こうやって[株式会社]NTTドコモさんやKDDI[株式会社]さん、それからソフトバンク[株式会社]さん、ソフトバンクさんは既存の基地局等があったんですけども、それから、それ以外のところにつきましてはこういう電波を中継していただく車を配置するとか、大会期間中全面協力をしていただくことになりました。また、県のほうでもこのスマートリンク(正しくはスターリンク)(SpaceX社が提供する衛星インターネットサービス)、これを活用しまして、それでWi-Fi環境をこの会場で送出をすることになりました。今回、このインターハイを通じてこうした通信環境について実証的にやってみて、再来年にはワールドマスターズゲームズも同様の箇所で次々行われますので、そういうものに役立ててまいりたいと考えております。
また、併せまして、近畿の高校総合文化祭が久しぶりに鳥取大会として開催をされることになりました。これに向けましても、これは八頭高によりますパフォーマンスでありますが、こうしたことやウェルカムボード(ゲストを歓迎するメッセージや装飾が施されたボード)、決意表明など、来週、100日前イベントをやって盛り上げていこうとしています。こうやって高校生が生き生きと全国、あるいは近畿圏で交流をすると、そういう機会を応援してまいりたいと思います。
また、こうした若い方々の意見を県政や地域へ反映させていく仕掛けを具体的に展開していく夏休みかなと思っていますが、明日は高校生議会が開催をされることになります。御案内のようにこれにつきましては単なる言いっぱなし、聞きっぱなしではなくて、その後の施策にも反映をされるようになってまいりました。また、先ごろ始めました子どもミーティング、これ、この夏も開催をすることにいたしております。例えば東部ではこどもの国のテーマとか、そうしたそれぞれの地域でこの夏休みの期間中に小学校から高校生までアイデアを話し合っていただきまして、これを地域の声として県政に反映させていきたいと思っております。こういう形で正当な権限を持って子供たちが社会に参画をする、そういう体験こそが若者に選ばれる地域づくりにつながってくると考えております。
それから、大阪・関西万博でありますが、海の日の3連休を中心としました鳥取のフェスが大変好評でありました。これを一つ発射台としましてもう一回、この鳥取フェスを大阪・関西万博で開催することにしたいと思っております。今回は8月の19日、盆明けから夏の終わり25日までということになります。そこで、首都圏でも割と好評だったんですけども、こういう梨のクレーンゲーム、これを会場のほうに設置をさせていただこうと思っております。この梨をつかんでいただいて、それで当たりがさらに出ますとお米も差し上げましょうと、今、お米、大阪界隈では大変な貴重品でございますので、そういう意味で喜んでもらえるかなと思います。
それから、なつひめ、新甘泉、これらがちょうどこの時期、出始めになります。そういうものを提供したり、白バラアイス、これも先般のフェスでも大変人気でありました。こういう梨とのコラボレーションなども提供したり、前半戦でも好評だったこのお酒、鳥取のお酒というのをPRするいい機会になったと思います。また、これやってみようということであります。また、ミャクミャクとコラボしたトレカ(トレーディングカードの略で、様々な絵柄や写真が印刷されたカードのこと)、これをプレゼントしたり、各市町村でも参加していただきまして、様々なキャラクター等で盛り上げていこうと、こういうことにいたしております。
それで、当然、産業技術の展示をしたり、そうしたEXPO本来のこともやっていくことにいたしております。前半戦では、実に3万4,000人の方、1日5,000人がここ訪れました。非常にそういう意味では入り口に近いところでもあり、情報発信効果はあったんではないかと考えておりまして、後半も関係者と一緒に成功を期してまいりたいと思います。
それからジャマイカとは、かねて鳥取県は交流しているところでありまして、ジャマイカ政府の側から、そのナショナルデーへの参画、交流を打診されました。このたびは、カミナ・ジョンソン=スミス外務[・貿易]大臣がお見えになるということであります。それで、日本側からも藤井比早之外務副大臣などが参列をするということになっていますが、ジャマイカのナショナルデーであるとか、様々な行事に参加をしたり、ジャマイカのこの外務大臣など代表団を鳥取県ブースへとお導きしたり、いろいろと交流を図っていきたいと思います。それで岩美高校の吹奏楽部はジャズ系で非常にこれまでも、いい演奏を披露していただいておりますが、ジャマイカから来た青少年と一緒にコラボでコンサートをやろうと、こういうような企画もしているところであります。万博の機会に、こうした交流をさらに推進できればと思っております。
また、併せましてヨルダンとコラボレーションでできた、すなば珈琲さんによりますコーヒーがございました。それで、これをモチーフにしまして、とっとり・おかやま新橋館で、これも来週、そのPRイベントをさせていただこうと考えております。これ砂同盟のフェアを関西だけでなくて、東京でも展開していこうかなというところであります。
また、ファンの間では、もうすっかり定着し始めました、待望の名探偵コナンまつり、今年もやります。8月16日鳥取とりぎん文化会館で行いますが、過去最高の3.3倍の競争率でチケット販売がなされました。満員御礼状態となっております。それで、県外客のほうが倍以上ございまして、全国から集まる、そういうイベントになりましたが、江戸川コナン役の高山みなみさんはじめ、もうファンは垂涎の的であるような声優が一堂に会することになります。特に今回の映画がございますが、隻眼の残像、これの重要な役割を担う[大和]敢助役、それから[上原]由衣役の声優さんもお見えになることになっていますので、ぜひ、お楽しみをいただければと思います。
また、ジョブチャレということをやって、大学生、高校生にお仕事体験をしてもらおうと、こういうことは初めて行うことといたしました。これも来週、倉吉で行うことになりますが、こんな形でテレビの速報というものを構成していく、こういうメディアのお仕事みたいなことも体験の中に入れさせていただいたりしまして、そういう意味で非常に楽しめるものになっていますので、夏休みこういう高校生、大学生、ぜひ、御来場いただければと思います。
夏休み本番となってまいります。米子のがいな祭りは40周年ということになりました。また、倉吉の打吹祭り、しゃんしゃん祭り、それから星空関係でも各種のイベントを用意をさせていただいています。また、この夏ということで、限定的ではありますけども、去年、好評だった気球で空から砂丘を眺めるという、そういうツアーを関係の会社さんと一緒になりまして、今年も実施できることになりました。そのほか、妖怪の影絵とか、東中西問わずお楽しみできることになっています。ぜひ、山陰、鳥取県のほうに各地からお越しをいただければと思います。私のほうからは以上でございます。
○日本海新聞 清水 友揮 記者
日本海新聞の清水です。先ほど全国知事会議の関連で、現在の少数与党の状況についての見解を伺いました。ただ、現代、世間的な関心としましては、石破政権の存続はなるのかどうかというところもあるかと思いますが、知事の所見としまして石破政権、どのような形で存続されるというか、もしくは退陣するのがいいのかという知事の所見ございましたらお聞かせいただけますでしょうか。
●知事
政治家の特に国のリーダーの出処進退は御本人が大きな配慮、考慮でいろいろと悩んだ挙句に結論を出される、それで、さらにはお立場がお立場ですから、周囲におられる方々やあるいは今後の国政の道行を考えた上で御相談されることも多方面あると思います。ですから、石破[茂]総理のそうした御決断が我々地元としては全てではないかと思っています。石破総理の口から御自身のことについて語られるまでは、私たちは地元として応援していくのが筋道ではないかなと思っております。
ただ、先ほども申し上げましたように、何かこう、その石破さん、石破総理が退陣されることだけで何か変わるとかいうようなことでは本質はないわけですよね。それで、もっと大きな政治の枠組み、これから今、多党化傾向、多党化時代に入った、なぜかというと今までは革新系が割れていたということが続いていました。ですから、保守系のほうの党がかなりのこの議席占有率を得ることができてきたと、しかし、保守系が割れてきたわけですよね。だから、保守系も革新系も割れる中でなるべくして多党化は起きているということかもしれません。それで、この傾向が一過性のものかどうかっていうのは正直分かりませんが、ただ、出口調査の結果などを見ると、若い層が新しい政治勢力のほうに投票されていると。ですから、こういう多党化傾向というのは今後固定化されてくる可能性があったり、流動化してくる引き金になる、そういうことは予想されるわけですよね。
それで、この現実にぜひ各政党の皆さんも思いをしっかりと巡らしていただいて、石破さん1人の問題ではなくて、これから国の政治、この天下国家をどうするのかっていう本質的な議論をやっていただきたいなと思います。それで、我々メッセージの中でみんなで話し合って出したんですけども、例えば減税がどうだとか、それから給付金がどうだとか、そういうのは正直小手先の議論でしかないと、むしろこれから中長期的にこの国どうしようか、それで、どういうような形で国民の幸せやあるいは経済の発展、あるいは防衛はじめとした外交問題などに対峙していくのは、そういう大きな議論が全部吹っ飛んでしまって、何かスローガンだけの選挙になっちゃったような気がしてならないわけです。
ですから、もう一度原点に、やはり選挙終わったので立ち返っていただいて、大きな視座で国民とこの国のほうを向いていただいて、党利党略や個利個略でない、そうした動きを国民は期待していると、それで、そういう意味で本質的な議論、ここにもちょっと書いてありますが、将来に向けての長期ビジョンに基づいた真の政策論議、これ私も実はワーディング、これ、私のワーディングなんですけども、そういうことをぜひやっていただきたい、このことをみんなで衆議一決してアピールさせていただいたわけですね。ですから、そういう意味で石破総理御自身、今いろいろと悩んでおられるかと思うんですけれども、ただ、地元としては総理の口から何かおっしゃられるまでは、我々はお支えするのが筋道かなと思いますし、それで、ただ、他方で何かこの議論に矮小化しているのが残念でならないと、それで、もっと大きな議論をやっぱりやるべきだと思うんですね。
もう少しちょっと、例えばこういうことかなというふうにも想像するんですけど、例えば総理がじゃあ、今日辞めますと言ったとします。それで、そうするとこれは憲法の規定に基づいて、もう即、首班指名です。それで、そこで多数が取れる核心が果たして自民党の中でわーわーやっている人たちにあるのかどうかですよね。それで、それはないです。だって、今、少数なんです。それで、参議院でも今後ですね、仮に首班指名取ったとしても比較多数ですから、取ったとしても参議院がじゃあ、動くかといったら参議院は今のままでは動かないわけですよね。だから、衆議院・参議院通じてどういうような政治の枠組みをつくるかっていうのを真剣に議論しなきゃいけないんですが、1つの党の中のトップの問題だけを議論してもしょうがないじゃないかなと思います。
それで、それはどこの党もそうだと思います。それで、我々もその3日間みんなでいろいろ議論しましたけれども、例えば昨日まとまったのは道路財源にかつてなっていたですね、揮発油税だとか、軽油引取税、ああいう自動車関係の税金の暫定税率引き下げってことが出てきました。これどういうふうにされるのか非常に興味があります。特に軽油引取税であれば我々のとこで20億以上の年間収入があるんですね。それで、軽油引取税はほかの税目と違って地方のほうに逆張りで収入が入る数少ない税目です。それで、ここに影響することになりますと、今、財政的にはもう東京に一極集中しているわけですね、例えば利子割の半分ぐらいはみんな東京に入っているわけです。だけど、人口は2割とか1割であります。それでも、東京に半分入っちゃうと。それで、その半分入る、その利子を得るべき人たちというのは、実はこっちに住んでいるんですよね。東京でネット銀行があるからです。それで、あるいはメガバンクのほうに貯金しているからです。
それで、ただ、その富は全部こっちから行っているわけです。不労所得ですね、ほとんど。それで、こういうものを正すことをしなきゃいけないのに、なお、軽油引取税みたいな田舎のほうに入っている税金、これは田舎がただ取りしているんじゃなくて、実際そこでトラックを使ったりして軽油を入れているわけですよね、経済行為があると。それで、そこに基づいて入っている正当な収入もこれも減ってしまうということになります。もちろん物価高の問題だとかあるので、国全体で判断すべきなんでありましょうけれども、ただ、それについてやはり一定の配慮があってもいいのかなと思うし、少なくとも社会福祉だとか、あるいは学校教育だとか、そういうのに影響しないように、やはり財源措置というのはセットで議論されなければなりません。
ところが、今、先週も我々非常に危惧をしたのは、フリーライダー的に議論するんですよね。それで、これまで見てきました。少数与党になって、衆議院選挙の後、まだ参議院は多数を取っていた。そのときの議論も見てまいりましたけれども、結局税金のことの議論をする、あるいは様々なそのほかの対策の議論、例えば子育てもそうです。そういうのを議論するときに旧与党といいますか、今、全部ゆ党(与党と野党の間)だと思うんですが、自民党、公明党さんが本当に汗かいて、それで、ほかの政党さんと話し合われますよね。それで、ただ、そこのときにこれをやれということだけで、そのとき、公党のトップの方もおっしゃっていましたけれども、財源は政府が考えることだ。
それで、こういうような責任のない、そういう議論のやり取りだと、本当この国を誤ってしまったり、先ほどの暫定税率の問題もそうですけども、単なる選挙向けの特選稼ぎで要はいい話だけ自分のところに落ちればいい。それで、それに伴う痛み、あるいは地方の疲弊というものは、それは政府が始末してくださいと、私たちはやりませんというようなことがまかり通るような状況が生まれているのがすごく心配なんですね。それで、これから衆議院も参議院も多数を自民党、公明党持っているわけではありませんので、それで、やはりもっと安定的に自分たちの党の責任持つと、財源も含めて、あるいはいいことも悪いことも含めてですね、それで、そういうことで、だから、この政策は分かち合って一緒にやりましょうという、こういう公党間の合意がなされて、連立政権が、枠組みが変わるというのが本来、民主主義が予定しているものであって、それは国民の意思を政治に反映させる、世界中がやっている実務です。それで、そこがどうも欠けているんじゃないかなというのを、ちょっと諸政論ではありますけれども、心配をしているということです。石破さんにつきましては、先ほど申し上げましたとおりでありまして、私どもとしては静かに見守ってまいりたいと思っています。
○日本海新聞 清水 友揮 記者
ありがとうございます。もう1点、石破首相が進めてきました地方創生が、石破政権が退陣することによって減退するんではないかという懸念もありますけれども、県も地方創生の交付金に数多く手を挙げていらっしゃると思いますが、県の事業の進捗に何か影響など懸念されることはありますでしょうか。
●知事
当面は単年度の問題としていえば、当然そうした[地方創生]交付金などもありますけども、これについては予定どおり進めていくのであまり問題はないと思います。ただ、ここにも書かせていただいていますけども、将来に向けての長期ビジョンに基づいて、真の政策論議をやっぱりこれから国はやるべきだと。それで我々はそのアジェンダ[検討課題]をやっぱり提起をしていく。それでもちろん地方も汗かいたり財源ちゃんと出したりしていかなきゃいけませんが、人口減少問題は大きな課題だよと、その中でも申し上げました。これは地方創生と裏腹なものでございまして、私も含めた多くの知事はこれから政権がどういうふうになるかさえ分かりませんけれども、どうなってもこの問題から目を背けないでくれと。それで中心からやってもらいたいというのは、これは持続的に運動していきたいと思っております。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
山陰中央新報の岸本です。ちょっと関連なんですけども、今回の参院選で自公が大敗した理由をどのように考えられているかということと、逆に急成長した参政党の動きというのはどういうところが国民から支持を得たというふうに考えられますでしょうか。
●知事
やはりいろんな形で今回の選挙結果というのは生まれたと思っていまして、冷静にこれから分析されるべきだと思いますし、その分析を通じて本当に読み取るべき民意というのがあると思います。それで、それについて各党、立場を乗り越えてやはり答えを出していくのが民主政治の在り方ではないかと思っております。
先ほど申しましたように、今まで保守は1つの塊だったです。ですから、戦後長くそういう保守中道系で大きな軸があって、自民党中心とした政治が続いてきたと。その惰性で多分いまだに少数与党という言葉を皆さんが使っているんじゃないかと思うんですけど、私はそこちょっと疑問があるんですけどね。それでただ、そういうように、この1つ大きな塊があったものが割れ始めたと。それでそれが今回の選挙ではなかったかなと思います。それで現実にも自民党が減らしたものが、それが参政党であるとか、あるいは国民民主党であるだとか、そうした方向性で動いたのではないかと思われる分析があります。ですから、選挙制度っていうのは、要は比較多数で取っていくものですから、一人区であれ、あるいは複数区であれ、そうしたところで自民党さんの取りこぼしがあった背景にはそうしたことがあり、例えば大阪府の選挙区、これが典型的に参政党が自民党の代わりに入ったというところではないかと思います。
ですから、こういう地殻変動が保守系の中で起こっている、これは1つあるかなと思います。あと、もう一つ大切なのは恐らく世代間対立が生まれかけているっていうことかなと思います。今回は選挙結果を見ますと、いわゆる既成政党が一様に減らしてるっていうことですね。それで立憲民主党さんも確かに数の上ではきっちり確保されていますけれども、ただ、比例代表だけを見ますと国民民主党やあるいは参政党と比べて見劣りという感じがあり、党内でも問題視されているというふうに報道されています。
それで同じことは共産党とか、公明党とか、それから[日本]維新[の会]も含めて同様の傾向というのがあって、特に共産党、公明党といったところは減り幅が大きいようにも見えます。それで、その実際、出口調査を皆さんがされたようなことから見ると、若い世代とそれから年齢の上の世代、それで年齢の上の世代がこれが既成政党と言われるそちらを支えるほうに回って、新しいほうは若い世代のほうが投票行動に動いていると。ですから、こういうようなことなので、これからだんだんと時代が進行していけば、どんどんとこの政党の入れ替わりというのが起きてくる可能性がある、そういう意味で非常に読み解いていかなければならないことがいろいろとある選挙だったんではないかなというふうに思っております。
ですから、そうした意味で、どういう政治の枠組みをこれから考えるべきなのかという議論を、やはり党内抗争よりも今、真っ先にやっていただいて、いち早く国民が安心できる、そういう次の時代に期待できるような政治体制というのを国でもつくっていただきたいなと思っています。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。さらにちょっと関連なんですけども、少し前段の知事会での話もありましたけども、衆参で少数与党になったということで、今後、現状でその県政運営にどのような影響があるかというところは、今、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
●知事
だから、皆さんが心配していたのは、1つは停滞するんじゃないかということですね。それで、何も決められない政治になっていくとしたら、それは、例えば外国の緊迫した情勢がどんどんと顕在化していく、自然災害も起きてくる、また、物価や経済の問題、曲がり角に来ているようにも見える、そんな次々に解決しなきゃいけないときに、逆に政策決定が停滞をしたり、推進力が失われるっていうのは、恐らく国民、有権者が望んでこの選挙をやったわけではないだろうと。だから、そこをよく考えていただきたいというのが、皆さんが思っていたところでございます。
それで、そういう意味でその影響がそれぞれの自治体の政策展開にも影響してくるということは、想定されるようになっているのかなと思います。そんな意味で、まずは我々としてもメッセージを出して、これから混乱するかもしれないけれども、人口減少対策、物価対策、そうしたことはしっかりと考えてくれと。これを今後、我々、実はどういうふうに、運動展開するか今、中で相談しているんです。パイプのある党もあれば、パイプのない党もありますので。[日本]維新[の会]だったらズバリ、パイプがあるんですけども、そうでない党もたくさんあるので、だから、そうした意味で私どもとして知事会、どうやってこれから運動展開をしようかっていうのも最終版で宿題が残りました。だから、そういう今、政治の過渡期にあるということをもっと国全体、少なくとも国会議員は自覚していただいて新しい政治をむしろつくり出す、そういう変わり目にしていただければ本当ありがたいなと思っています。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。要望活動についてなんですけども、県が国に対する要望活動、また、今後もしていくと思いますが、この今の政体の変化によって要望先というのは変わったりするもんなんでしょうか。
●知事
これちょっとまだ様子見てみなきゃいけませんけれども、当面政府を中心に当然来週は行くということにいたしております。しかし、だから、そういう意味で多党化に即して、政府も弱体化していく可能性はあって、それで少数与党っていうことはほんとおかしいと思うんですけども、多数がやっぱり与党になるというのが実は憲政の常道、憲法学的にも、それはもうイギリスのマグナ・カルタの時代からそうでありますけれども、要は議会が国民代表として、それ多数派を形成し、そこにのっとってその政治を動かしていくって、これ、世界共通の理念なんですけども、それから外れたことを、今、日本では何かまことしやかに言われているのはちょっと疑問なんですが、ただ、もしその少数与党という言葉にこだわるんであれば、弱体化政府ができるってことですよね。それで、そうすると、その政府に要請しても意味がないみたいなことになってしまうんだったらば、やはり我々も国政に対する働きかけの仕方を考えなきゃいけなくなってくると。それで、こういうように非常に今、不透明な状況にあるんじゃないかなと、結構、地方関係者は今悩ましく思っていると思います。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。
○NHK 児玉 圭太 記者
NHKの児玉です。すみません。ちょっと話題、替わりますけれども、スライドの1枚目の渇水対策のところで教えてくだい。水田が干上がっているようなケースも出ているということですけども、これから出穂期を迎えるということもありますが、特に農作物もしくは地域別だったりで、これから懸念されていくことがあれば教えていただきたいのと、ちょっとこれは細かいんですけど、この予備費、本日発動とあるんですが、この助成に関する受付はいつぐらいを始められるイメージ感かも教えてください。
●知事
はい。多分、皆さん一番気にしておられるのは稲であります。それで、穂が出る出穂期という言葉がありまして、その出穂期に今入ってきています。それで、これから8月にかけてが、あの田植えみたいにだぼだぼにするっていう意味じゃないんですけど、こういうように干からびてしまったところにはちゃんとお湿りというか、もう1回水を入れていかなきゃいけない。それで、これを効率よく水を使ってやっていくことが必要ですし、どうしても例えば水が流れない水路ができたときにはこうやってポンプでアップして水をわざと流してあげる、こんなようなことが必要であります。
それから例えば昨日も梨農家さんだとか、ちょっとお話も聞いたんですけども、やっぱり玉太りが悪くなるということに今直面されているようです。それで、そういう意味でそうした梨畑でも一定程度灌水が必要になるとか、梨は今、もうすぐ収穫です。もう一月もしないときに市場に大幅に出回ってくる時期になるんですけども、その辺のやはり梨への影響ということもあるかと思います。それで、こんなように農作物全般についてこの夏をどう乗り切るかが重要なのでありまして、そういう意味で異例ではありますけど、今回[予備費]1,000万[円]を組ませていただきました。
それで、これの受付というか、市町村とか地域と一緒に進めていこうと想定していまして、市町村と一緒にその対策の田畑などに対する水やりということを考えていくことになります。実は、それぞれの地域でもう動き始めているわけですね、こういうふうに。これは現状です。現状でこうやってポンプ使ってやったり、始まっていまして、それで、それから番水というようなものはときには厳しい地ではこう見張りを立たせて、夜、勝手に水入れないか見るとかいうことも実はよくうわさ話で聞かれるようなこともあるんですけども、そういうように集落で協力しながらこの水の回しをしているんですよね。それで、それを市町村と一緒に応援するっていうようなことになると思いますので、現行動いているところに手当てをしていくっていうことに事実上なるんじゃないかと思っています。
○NHK 児玉 圭太 記者
ありがとうございます。
○時事通信 辻村 伎 記者
すみません。時事通信社の辻村と申します。知事会議の関連で、全国知事会の村井会長が次期会長選に出馬せずに任期満了で退任されると発表されましたが、村井会長の1期2年の働きに対する評価と、あと、先ほど質疑応答の中で知事会の働きかけも政界再編の波の中で変えていかなければならないみたいな話がありましたけれども、次期会長に望まれることありましたらよろしくお願いします。
●知事
村井[嘉浩]会長の御退任というのは突然のことでもあり驚きましたが、私も人のことを言えなくて、2年前に急にこうやって会見場で辞めると言って大騒ぎになった口であります。こういう仕事というのは出処進退、その人が決めればいいことだと思っていますので、村井会長の御判断を受け入れるのが筋道だと思います。それで、村井会長の時代には特に、やはり我々も今、控えている国民スポーツ大会、この改革には大変手腕を発揮していただけたと思います。これ長年にわたりまして我々自治体にとり、あるいはスポーツ界にとりましてタブーだったんですね。ただ、皮膚感覚的に非常に厄介な事業だというのは自治体側にありまして、これを知事会としてのプライオリティー(優先度)高いテーマとして取り上げて、それを[日本スポーツ協会]遠藤[利明]会長はじめ、世論の皆さんと喧々諤々の議論も含めて前に進めたことは力量として評価されなければならない功績だと思います。
それで、これにとどまりませんが、私自身もずっと進めてきた知事会の改革、風通しよくみんなで議論をする。単に大都市と地方が財源を巡ってしのぎを削って言い争うみたいな世間で持たれているイメージではない結果を出す、行動する国民のための知事会という、そうテーマをしっかりと2年間前に進めていただけたわけです。私、本当に感謝をいたしております。
それで、後任の知事会長としては私は長野県の阿部[守一]知事を推薦したいと思います。推薦人となることも考えたいと思います。それで、中国地方もみんなそうですけれども、今こうした焦燥感の中に実は我々ありまして、選挙後、もう衆参両院で今まで長く政権務めた自[民党]公[明党]が多数を失っている、こういう中でこれからどういうふうになっていくのか非常に不安定な時代じゃないかと予感するわけですね。ですから、これをぜひ言うべきこと、やるべきことをしっかり提起していく、そういう阿部新会長の実現を望みたいと思っています。
ただ、かなり厄介な任期なると思うんですね。ですから、それについてはやはり我々もそれぞれに例えば人脈があったり得意分野もあったりしますので47人でみんなで協力して、それで地域の住民・国民のためにこの国家的難局をしっかりと乗り切っていける、そういう新しい体制を新会長の下でつくっていければなと願っております。
○山陰放送 日野 彰紀 記者
ほかに質疑等はございますか。はい。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
山陰中央新報の岸本です。会見内容ではないんですけども、昨今、国立大の教育学部を復活させる動きがあると、山形大であったり、福島大であったり再設置を文科省が認可しているという状況でございます。それで、国立大で教育学部がないのが恐らく鳥取だけになるのではというふうにちょっと私はちょっと思ったんですけど、もし間違っていたら訂正していただきたいですが、ちょっととにかく全国的にというか、他県ではそういう動きがある中で、鳥取大はなかなか教育学部が再設置見通し立たずという状況でして、このような全国の流れとこの県内の流れについてはどのように考えていらっしゃいますか。
●知事
これは昨年来、議論させていただいて、鳥取大学のほうでも学長も原田[省]学長に交代されるなど体制が替わったりしましたが、大分前に進んでいるというふうに私は評価させていただきたいと思っています。大切なのは高校生が教員になるために鳥大に行くっていうふうに決めてもらえる体制だと思います。今はそうなってないので、かつては200人以上応募者があった鳥大からですね、そういうのが今では10人ちょっとぐらいです、年間。それで。もう激減しているわけですよね。それで、みんなだからそのほかは教員を得るために全国的に呼びかけて今教員を集めているという実情なんですけども、もともと学校の先生になる道筋というのを鳥大が担っていて、それを、今、事実上道が閉ざされてしまったかのようになっているのが問題なのであって、これを旧に復することが最大願いたいことだと思っています。
もちろん、教育学部としてきちんと復活するのが1つあるかと思うんですけども、ただ、恐らく大学側の調整が人員の採用なども含めて時間がかかり過ぎる可能性があります。ですから、早く速やかにそういう教員養成が復活するようにいろんな知恵を出してやっていくべきかなと思います。ですから、教育学部でなくてもその教育という文字が入った受皿ができること、それから我々地域のほうでも高校生の頃、場合によって中学生の頃から学校の先生になりたいっていうのを醸成していく、そのためには今、例えば鳥取西高校だとかこの辺の高校も含めて、そうした体験型の場を設定するとかいうようなことを我々地域のほうでもやっていく。
それで、また、鳥大出た学生が地元で先生になるっていうときに、その道がちゃんと確保されるようなそういう運用も教育委員会のほうでも考えるべきだろうと思います。それで、こうやってその前後のところもつなげて大学時代だけでなくて、前後もつなげて教員養成がなされることになれば、我々としては実利を得ることができるかなと思っております。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。他県での山形大や福島大の動きについては、どのように見ていらっしゃいますか。
●知事
当然評価します。それで、そういうことを私らも実は鳥大に1年間ぶっつけ続けてきたわけでして、当然ながらそういうような世の中の流れですよってことは先方には伝えています。それで、それを御理解いただいた上で、今、鳥取大学も方向転換していると思っていますので、しっかりと協議をしてまいりたいと思います。
○共同通信 白石 初音 記者
共同通信の白石と申します。少し会見内容とは異なるんですけれども、先日の参院選で烏取県は独自に2馬力宣誓書を国政で初めて導入されました。全候補者届出を出されて受理されたというふうに伺っているんですけれども、そのことに関して評価だったり、御所感いただければなと思います。
●知事
はい。この会見でも皆さんのほうからいろんな心配や懸念ということもありましたけれども、私のほうでも申し上げましたとおり、結局、選挙に立候補する人たちというのは出なきゃ意味がないわけですよね。宣誓書を出さないということになると、受理されないリスクが出るわけです。それで、やはりそれは受入れ難いリスクであるので、他地域やこれまでの選挙で2馬力選挙を標榜していた関係の方も含めて受理する際には宣誓書が出てたということですね。それで、ある意味ちょっと期待してたとおり、想定どおりになったかなと思っています。
ただ、制度上まだ運用として弱いところはあると思っています。そこで、ここにございますけれども、この間、公明かつ適正な選挙の確保に向けまして衆議院の渡辺[周]委員長だとか、それから総務省の冨樫[博之]副大臣だとか、まいりました際に烏取の実務は御説明申し上げました。それで、全ての方が出してきましたよと。それで、これを86条の4という公職選挙法条文上の必要書類と位置づけてもらえば、虚偽宣誓罪による公民権停止につながるような、そういう実行性も伴うようになりますと、ぜひやっていただきたい。このことを国に対して申し上げてまいりました。できるだけ早くこうした議論をやっていただきたいと思います。
どうも参議院の選挙が終わって、もう当分選挙ないかなという雰囲気は周って見た感じ、あったんですけども、ただ、地方選挙は次から次へとありますし、それから衆議院の解散だっていつあるか分からないわけですから、やはり政党間で、きっちり話し合っていただいて、今回も実務上問題がないという受け止めになったと思っていますので、ぜひ法定上法定書類として位置づけていただきたいと思います。
○共同通信 白石 初音 記者
ありがとうございます。
○日野 彰紀 記者
ほかに質疑はないでしょうか。ではないようですね。はい。ではどうもお世話になりました。ありがとうございました。
●知事
ありがとうございました。