2024年11月10日(日)ガイドと行くツアー「万葉の里国府編」を開催しました。
このイベントは、山陰海岸ジオパーク内にある鳥取市国府町に点在する見所をバスで巡り、山陰海岸ジオパークで活動されているガイドさんによる案内を通じて、「歴史」と「大地」の深いつながりを学ぶとともに、ガイド活動に興味をもっていただくことも目的としています。
因幡万葉歴史館駐車場に集合し、まずは大伴家持の歌碑と国庁跡を見学しました。見晴らしのよい場所にある因幡国庁跡では、ガイドさんの見どころに関する説明だけでなく、当館の安藤副館長による地形の説明を聞くことで、なぜこの場所に国庁があったのかを学びました。この辺りは扇状地(せんじょうち)で、鳥取平野にある中心市街地より標高が高かったため、当時、氾濫を繰り返していた川の洪水被害を受けにくい場所であったことが考えられるそうです。この地が重要な政治を行う場所にふさわしかったのではないかと想像し、当時の人々も見たであろう風景に思いをはせました。
【大伴家持歌碑】 【因幡国庁跡】
その後、宇倍神社では、御祭神である武内宿禰命(たけのうちのすくねのみこと)と当時の社殿の姿が紙幣の図柄になっていたという話を聞きました。他に、武内宿禰命がお隠れなった際に双履(ぞうり)を残されたことから名がついた「双履石(そうりせき)」と、宇倍神社の歴代宮司である伊福部家のお墓を見学しました。
次に、岡益方面に移動し、安徳天皇の陵墓参考地(りょうぼさんこうち)として知られる「岡益の石堂(おかますのいしんどう)」を見学しました。石堂は、いつ、誰によって建てられたか不明な点も多く「謎の石堂」とも呼ばれているそうです。その後訪問した「梶山古墳」では、変形八角型という特徴的な形の古墳に魅了されました。内部には、貴重な彩色の壁画が保存されていますが、毎年10月にしか公開されないため今回は見学できませんでした。ぜひ来年の公開日には見学したいと思います。
【宇倍神社 双履石】 【梶山古墳】
今回ガイドを務めてくださった、いなば国府ガイドクラブの林田さん、田中さんのユーモアを交えた分かりやすく熱心な解説のおかげで、あっという間に解散時間となりました。参加者の皆様からは、「長年知りたいと思っていたことを説明して頂き見学できた」「鳥取の歴史にふれたことにより、もっと知りたくなった」「実際に歩いて観て感じて、とても昔の人たちを身近に感じた」「歴史と地形地質の両面から身近な歴史の舞台を巡ることが出来た」など、多くの感想をいただき、鳥取市国府町地域における歴史と大地のつながりへの理解を深めていただきました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。