教育企画研修課9月号

 

若手教員支援に向けた取組 ~初任者アンケートの結果より~

若手教員支援の取組のひとつとして、初任者、2年目研修対象者にアンケートを実施しています。このうち、初任者へのアンケートは、本年度2回実施しました。

  • 第1回初任者アンケート 5月18日(木)~31日(水)
  • 第2回初任者アンケート 9月13日(水)~22日(金)

本年度の初任者アンケートの結果の概要と、教育センターの取組についてお伝えします。(なお、第2回アンケートは、9月22日現在で集計したものです。)

 

「現在、仕事に関することで困っていることや悩んでいることはありますか」

【全校種】

アンケート結果グラフ

 

「特に困っていることや悩んでいることを具体的に書いてください」(一部抜粋)

○授業に関すること
  • 授業することに慣れていないため、日々悩み考えながら実践している。
  • 発問の仕方、導入の進め方、タイムマネジメント等、授業の進め方に困っている。
  • 授業の準備をどのくらいの時間をかけて、いつすればよいかわからない。
  • 教材研究が追いつかない。毎日の授業づくりのための時間がない。教材研究に時間がかかってしまう。
  • 特別支援学級で複数学年を同時に授業しており、うまく回らない。
  • 特別支援学級での授業を経験がないこともあり、どのように進めたらよいかわからない。
○学級経営、ホームルーム経営に関すること
  • 児童が落ち着かず、指示が通りにくい。
  • 学級での児童同士の喧嘩などトラブルの対応の仕方が分からない。
  • 授業、掃除の時間、給食の準備や片付けの時間などで騒がしく、落ち着いて進まない。
  • 児童同士の関係づくりをどのように行えばよいか。学級のルールをどのように定着さればよいか。
○児童生徒に関すること
  • 授業中に私語をする児童、離席をする児童、ノートを取らない児童に対しての声掛けや対応が難しい。
  • 挨拶をする、時間を守るなどの規律が定着しない。言葉遣いの悪い生徒の指導に困っている。
  • 配慮が必要な児童に対する対応と、その児童を学級の他の児童とつなげる方法がわからない。
  • 学校に来られない生徒への関わり方がわからない。
○特別な配慮を必要とする児童生徒に関すること
  • 学習で配慮が必要な児童に対して、授業中その児童に付きっきりになることが多く、他の児童や全体の指導をする時間がなくなる。
  • 教室を抜け出す児童への対応に困っている。
  • 児童がパニックを起こした時の対処法がわからない。
○職場の人間関係に関すること
  • 相談したいことがあっても話せなかったり、聞き入れてもらえなかったりする。
○部活動に関すること
  • 経験したことない部活動のため、専門的な指導ができない。
 (1)授業に関すること、(2)学級経営・ホームルーム経営に関すること、(3)児童・生徒に関すること、(4)特別な配慮を必要とする児童生徒に関することをはじめ、種類や程度はそれぞれ違いますが、初任者が、困りや悩みを抱えながら仕事をしていることがうかがえます。
 教育センターでは、アンケートの集計、分析を行い、初任者の健康状態や困りの様子を把握し、各学校や各市町村教育委員会と連携しながら、主に次のような支援につなげています。
  • 健康相談を希望する初任者やアンケートの結果から健康相談を勧めて希望した初任者に対し、教育総務課福利担当と連携して、教育相談を実施する。
  • 教育センターが行う研修の際に、困りがみられる対象者に声をかけ、状況の把握や相談の対応等、支援を行う。
  • 教育センターの研修において、初任者の困りや悩みの解決につながるよう、授業づくり、生徒指導、特別支援教育等の研修内容に反映するとともに、初任者の実態に応じて授業動画の活用など資料提示を工夫し、実践的指導力につながる研修となるよう工夫している。
  • 初任者研修における所属校訪問の際に、一人一人のアンケートの結果を踏まえて面談、助言を行う。
 アンケートでは、「困ったり悩んだりしたときに、校内に相談する相手はいますか」という質問もしています。これによると、初任者は、管理職、指導教員、学年主任等、校内の様々な立場の教職員を相談する相手として挙げており、初任者が校内の先輩教職員を大変頼りにしていることがうかがえます。安心して相談できる良好な職場環境であることが、初任者の困りや悩みを解決する上で大変重要です。
 また、小中・義務教育学校の初任者の多くが、メンターチームの教職員を相談する相手として挙げています。小中・義務教育学校では、校内研修において、初任者を含む若手教員を中心に、中堅教員等で構成したメンターチームで研修に取り組んでいます。初任者は、先輩教職員の積極的な関わりによって困りや悩みを解決しながら多くを学び、メンターチームの教職員は、初任者や同僚に関わることをとおして、自らを振り返ったり新たな学びを得たりします。このように、安心して話ができる雰囲気で主体的かつ相互に学び合うことにより、校内組織の活性化を図ることができます。
 各学校で初任者一人一人の状況に応じた支援をしていただくとともに、メンターチーム研修の活用を含め、校内でともに学び合う校内組織づくりを進めていただきたいと思います。教育センターでも、引き続き各学校や各市町村教育委員会と連携しながら、初任者の資質向上に向けた支援を進めていきます。

最後に本ページの担当課
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