知事定例記者会見(2023年6月1日)

令和5年6月1日(木)午前10時~
 県政記者室(本庁舎3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

●知事

 

 皆様、おはようございます。いよいよ6月の県議会、新しいメンバーでの最初の議会を招集することとなりました。また、今、国のほうでは骨太の方針に向けまして大詰めの作業が始まっているところであります。私自身も昨日は政府と地方団体との協議、いわゆる国・地方協議に地方団体代表の一人としてお伺いをさせていただき、岸田総理をはじめ、閣僚の皆さんと意見交換をさせていただきました。また、今日はこの後、リモートにはなりますが、こども未来戦略会議に出席をさせていただくことになります。

 

 政府は我々若手の知事と称して20人ぐらいこのたびも岩手で集まりましたが、若手の知事のかねての主張を入れて子育て対策に大きくかじを切ってきていること、これは大いに評価できると思います。それで、あとは昨日も総理とそういう言葉のやり取りをいたしましたが、国と地方が車の両輪としてこういう子どもの未来のための戦略をつくり実行していくと、特にサービスの提供主体、そうした現場は我々地方側にあるわけでありまして、そうしたところが思い切ってこれから仕事ができる、そうした環境を政府のほうでもつくっていただきたいというふうに思うわけであります。

 

 子ども対策で今、児童手当の対象拡大が言われていますが、こうした様々な手当でも地方側の負担もあるわけでありますし、手間もあるわけでありましょうし、また、保育の充実ですとか、あるいは産後ケアでありますとか、いろいろとかゆいところに手が届く、子ども育てに対するサービス、これは地方側が実際の主体となるわけであります。そういう意味で人材のことや財源のこと、これは重要ですということを昨日も私も強調しましたし、ほかの地方団体代表も強調されておられました。

 

 政府のほうでは、地方の一般財源はきちんと確保していくというそういう表明もされまして、手応えのある昨日の国・地方協議でなかったかなというふうに思います。いろいろと今、物事は動いていくわけでありましょうが、ぜひ、英断を持ってやるべきことにしっかりと向き合う、そういう政府の対策、姿勢を求めてまいりたいと思いますし、我々地方団体側のほうでも、そうしたパートナーとしての我々の責任も果たしてまいりたいと考えております。


 そういう中、私ども鳥取県でもいろいろとこれから施策展開をしていこうと考えているわけでありますが、1つには中山間地の問題、この買物安心確保事業ということをやろうと考えておるわけです。一応、1億円の風呂敷に包んだ予算は用意をさせていただきました。それで、これについては市町村側のほうで買物確保計画、買物環境確保計画をつくっていただき、それに基づいて包括的、機動的に支援しましょうと、それで、そういうようなことを我々のほうで申し上げて、今、市町村とも調整をし、市町村も事業者だとか、現場の考えを取りまとめつつあります。今、2つの市町から案が出てきました。これ、最終案では多分なくて、今後のいろんな交渉ごとで変わってくるということを前提につくっていただいているものだと思います。そういう中で鳥取市では買物困難エリアの移動販売、移動販売を主軸においた支援を考えようということをおっしゃっています。ですから、そうした移動販売対策ということを我々も当然受け皿をつくって、買物安心確保事業としてメニュー的に応援をしてまいりたいと思います。それから、若桜町のほうでは、店舗の土地、建物の取得であるとか、それから、改修や設備更新、また、移動販売の関係、宅配関係、また、IP[告知端末]を活用しまして端末で注文できるようにしようとか、買物の機運を高めようとか、そうした様々なことを今、計画として出されておられます。

 

 それで、こういうものに対応して店舗対策、整備だとか改修だとか設備支援、こういうものも県としても応援を組んでいこうと。また、買物の環境づくり、そういうこともやって、実際に中山間地のお店が活用されるようなそういう工夫を応援していきましょうと。それで、こんなようなことで私どももちょうど折半しながら、原動力を一応ある程度考えると思いますが、考え方としては特別に市町村と相身互いでこの買物の危機を救っていこうというコンセプトで進めていこうと思います。

 

 現在その他にも既に複数の市町村でほぼ計画をつくりかけておられまして、今、それぞれのサイト[場所]ごとに話合いがなされています。ただ、正直申し上げて、いろいろ交渉ごとが絡んだり、地元の状況も区々でありまして、首長さんとお会いしても結構皆さんそれぞれ奮闘されていまして、我々は今、こうした時代の荒波の中にあるので、県としてはある意味、懐深くそうした柔軟な対応をしていくのが肝要ではないかなと考えております。


 それから、大阪万博、大阪・関西万博をいよいよこれが2025[年]と迫ってきているわけであります。それに向けて鉄道の魅力を高めてやっていこうと、これ、ローカル線対策にも当然つながってくるものだと思います。今回の予算の中で名探偵コナンのラッピング列車を、これ、智頭急行側とも相談をし、JR[西日本]とも当然調整をしながら進めさせていただきまして、名探偵のコナンの列車に1編成作ろうと、それで、これによりまして大阪・関西万博で海外のお客様も来られたときに、関西エリアを走っているコナンの列車、これで鳥取へ行ってみようと、山陰へ行ってみようということになればというふうに効果を期待したいと思いますし、もちろん今、100億円を超えるヒット映画になりましたので、国内客も当然見込めるかなというふうに思います。

 

 そういう意味でその車両について投資を考えていこうということであります。それから、スーパーはくとのことでありますが、こうやってコナンのラッピング列車をやる片方で、大阪・関西万博を考えればやはり輸送力の増強というのを我々もいろいろこれまでのいきさつはあるにせよ、柔軟に考えていってもよいのではないだろうか、JRのほうでもそういう意味で現実可能な案というものをぜひ考えていただいて、ダイヤ改正に御協力いただけないだろうか、それで、こういうのを智頭急行も交えて今、沿線でも話を始めてきているところであります。

 

 それで、兵庫、岡山両県、この間も齋藤[兵庫県]知事お見えになったり、いろいろといろんな話をいろんな機会でさせていただいているんですけれども、今、定型的なパターンになっちゃっているわけです。これ、開業以来のことです。例えば、京都からずっとこう山陰に入ってくる、そういう一本のこうスーパーはくとのパターンというものがあります。それで、そういうものがあると、その中で、例えば増便をするというのは物理的に車両が足りないということにもなるわけです。それで、片方でそういうような試算もされる向きもあって、思いきって運転期間を短縮しようという、そういうお考えも出されたこともありますが、これは、今度は智頭急行などの経営に関わることになって持続可能でもないと。

 

 そうであれば、例えば京都まで全便行く必要があるのかどうか、それで、大阪で折り返すとか、非常に現実的な従来とは違ったパターンというのも選択肢の中に入れながら考えていけば、場合によってはその増便といったような、そういう輸送力増強にもつながる可能性もあるんじゃないだろうか。それで、我々はちょっといわば自治体の立場でありますので、詳しいそうしたダイヤの編成などは我々もなかなか考えにくいところでありますが、ただ、全て今までのパターンの中で増便しようと言ってもなかなか難しいかもしれない。

 

 ただ、片方で今、大阪・関西万博が迫っていますので、大阪・関西万博に間に合うように、こういうスーパーはくとコナン号みたいな、こういう列車を走らせてみるとか、それと併せて現実にもお客様の数を増やして、そういうJR西日本の経営にも貢献をしたり、また、私どもの智頭急行、共同出資の会社にも、リターンがいくような、そういう工夫という余地は一緒に考えてみることはできないだろうか。それで、そういう思いでJRの山陰支社長のほうからも御了解をいただきまして、来週、話合い、要請をさせていただくことにいたしたいと思っております。

 

 それから、恋山形駅がピンクになりまして10年ということであります。それでこれ、ピンクに塗った途端のときは、ネット上でも賛否両論くっきり分かれまして、私どもは炎上商法なので、それはそれでいいことだと、少しあおった感じがありますが、ともかく、これも10年たちました。それで、このたび豊岡真澄さんっていうママさんてっちゃんを連れてきて、それでイベントをやったり、駅名標、このハートマークの駅名標の除幕式など、この智頭急行、この白兎沿線の私どもの盛り上げをしていきたいと考えております。


 それから予算の1つの今後の目玉として、食パラダイス鳥取県ということや、農業生産1千億[円]、これについては、JAグループとこの間、その推進の会議を立ち上げさせていただきましたが、食パラダイスにつきましては、いよいよ、これスタートさせようと。それで、こちらのほうに今、のぼりを用意させていただきましたが、こういう鳥取のおいしい食材、それで、砂丘をはじめとしたすばらしい自然環境の中に抱かれながら、こうした食材がありますよ、ぜひ食べに来てください、地元の地産地消をみんなで頑張りましょう。あるいは、その食を中心として、地域活性化を図っていきましょう。その食パラダイス鳥取県という運動を開始をさせていただきたいと思います。

 

 おいし過ぎてショックということで、食のみやこから食パラダイスへ、さらに進化させようということであります。それで、そういう意味でお店に貼ってあるような推進サポーターがありますが、新しくアンバサダー[大使]、食パラダイス鳥取県アンバサダーというものを発足をさせまして、新たなチャレンジをスタートしたいと思います。それからあと、農業生産1千億[円]につきましても、例えば、八頭のほうに果樹産地トレーニングファームをつくるとか、それから、果樹生産の新規就農者への経営支援の5年まで延長して、スムーズなスタートを農業で切れるようにするとか。

 

 それで、先般も大山乳業の小前組合長が、海外輸出のお話、ぜひやりたいとおっしゃっていました。香港への販路拡大、これを支援することを県としても計上していきたい。それから白鵬85の3に、さらに、それを凌駕するような新しい種雄牛造成、そうしたものを展開をしていくと、などなど、1億9,000万[円]の農業生産1千億円関係、それから食のみやこから食パラダイスへの進化、1億2,000万[円]というものを計上させていただいております。


 それから、子どもたちの英語の関係ですけど、先般ショッキングなデータで、中学生の英語力について山陰両県が低いという、そういうデータも出てきました。[鳥取県]教育委員会にも、いろいろお願いをしまして、組んでいただいたところでございます。本県の場合、ALTという外国人の英語教師さんが、実は生徒当たり全国でも2番目に多いところです。ですから、その素材を生かしながら展開を図れるんじゃないだろうか。それで、1つには学校で、例えば、昼休みとか、そうしたときに英語でしゃべったり、それから、例えば、外国の文化に触れるような、そういうスペースを学校の中でつくる。こういうようなことを全県に展開していけないだろうか。また、一部市町村で既に始めていますが、オンラインでネイティブスピーカー(ある言語を母語とする人)と話す英会話レッスン、これを助成していこうとかですね。それから、英語づけの日々を演出しようということで、小学生のための1DAYイングリッシュ、あるいは3日間にわたります中高生のキャンプ、こういうものも始めてはどうだろうかということであります。

 

 それで、端的に英語力という関係で英検IBAという、英検[実用英語技能検定]がやっているその試験のパターンがありますが、この英検IBAを中学3年生まで、全学年で実施しようと。それで、こういうものを1つ目安にしながら、指導の改善をしたり、また、例えば、英検に挑戦していくとかそうした子どもたちの機運を高めたり、英語力の推進を図ってまいりたいと思います。

 それからこのたびまた新しい判決が出ました。正直、下級審(かきゅうしん:司法権行使の審級関係において、下位の裁判所で行う審判)の判決が続いていて、結論はそれぞれ分かれているようにも思います。ただ、そのLGBTQ(性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の総称)につきまして同姓の結婚、婚姻というものについて制度化するのか、あるいは認めるのかというふうなことについての世論が今、起きているわけであり、国会でも今、3つの案がそれぞれ上程されてきているという状況でございます。それで、こういうような中で、本県でありますが、パートナーシップ制度というのが[東京都]渋谷区から始まって全国へ広がっていっているのは事実です。ただ、もう既に県内導入している自治体もありますが、実はパートナーシップ宣言をする人はまだ現れていないというのが実情です。

 

 じゃあ、いないのかというと皆さんもメディアでもいろいろ報道されているように、確実に一定の割合はいるはずでありまして、要は手を挙げにくいということですね。それで、そうするとそれに基づくいろんな利便性、例えば処遇の問題、要は我々行政からすればサービス提供で差別してはいけないわけでありまして、そちらとの関連では見えなくなってしまうわけですね。それで、また、窓口で対面での手続は面倒で利用しづらいとか、ただ、片方でやはり何らかこういうことは市民権を持ったもんですよということを認めてほしいという、基本的なそういう希望もある、これも非常に重要なことです。

 

 それで、この辺の調和を取るために本県では事実婚、たとえ婚姻届出してなくても実際一緒に住んでおられて、夫婦生活をしておられる異性のカップルについては法律婚の婚姻届を出した人と同様に扱うっていうのは当たり前にやっているわけですね。ですから、それはこうした同姓婚についてもそういう処遇をしましょうというふうに本県は切り替えているわけです。ですから、県営住宅の入居だとか、あるいは職員の扶養手当とか、そうした職員管理の問題だとか、いろんなところは既にそうした差別をやめているということでパートナーシップ宣言してなくても扱ってしまうという、そういう直截(ちょくさい:まわりくどくなく表現すること)なやり方をしているわけであります。

 

 それで、これについては特別なことを求められないので使いやすいというお話はいただいているところであります。ただ、こういうようなことを本県は本県なりの工夫でたどり着いたところなんですけども、もう少し広くもう一度、当事者のお考えだとか、それから有識者の御見識だとかお伺いをしながら研究してみようということを、この予算もつけて速やかにやらせていただきたいというふうに考えております。その上でまとまり次第ですね、できる制度をスタートさせていくということかなというふうに思っています。例えばパートナーシップ宣言として、誰かの面前で宣言をしてそれで、あなたはパートナーですよっていうカードを渡すみたいなのが今、典型的ですけども、そうではなくて例えば届出をしていただくことで、どっかで役所として持っておくと、それで、もし証明が必要ならそれを使ってもいいですよっていうのをつくると、それで、もちろんこういうカードが欲しいという人には差し上げればいいですけども、そういう何か宣言的なですね、いうようなものではない、もう少し地域の風土にあったような使いやすいやり方というのもあるんではないだろうか、そういうのをこういう事実婚同様のサービス提供と組み合わせていくことによって、鳥取型の誰もが多様性というものを尊重されて暮らしやすい社会、これをつくっていけないかな、そんなようなイメージを今、持っております。

 

 いずれにいたしましても、これはやっぱり当事者の方々のお考えだとか、そうしたものときちんと向き合ってつくっていく必要がありますので、研究をスタートさせていただこうと思っております。それから人権関係でも人権尊重社会推進局に改組をさせていただきまして、女性の応援とか、それからこうしたLGBTQ(性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の総称)だとか、様々な外国人など人権の問題などを所管するところを再整備させていただくことといたしました。

 それから新型コロナについてであります。昨日も加藤[勝信][厚生労働]大臣がこれまでのコロナ対策に対する知事会はじめ、地方団体の協力に感謝の言葉があり、これからの5類以降後も適切に感染状況に応じて対策を取っていくというふうなお話がありました。それで、私どもでも今、スタートをしてやってきているところでありますが、最近の状況は、[新型コロナウイルスオミクロン株派生型]XBB1.9.1ですね、がやはり多い、それから1.9の系統、こういうところが多い片方でBA.2の系統、CMの新しい系統がまた現れてきていると。これが大体1割を超えるぐらいになってきています。それで、そのようにいろいろと変遷があるんですけども、相変わらずオミクロンの中、大きなオミクロンの中で動いているという状況でありまして、今、定点観測も集計が進められていますが、現状では、先週よりは若干落ち加減、先週はこう2週連続で上がってきたところです。

 

 それで今、若干落ち加減、つまり急速な伸びということにはなっていないようでありまして、これが学校を休んでいる子供たちの数、これがリアルタイムで出てきますが、これも若干落ち着き加減になってきている。それから病院のほうの病床使用率、これも今、いっとき5月入りまして上がりましたが、その後、今、下がり傾向、落ち着き加減になってきているということであります。何が起こっているのか、よく分かりません。分かりませんが、急速に今、拡大をしている現状ではないというふうに分析されます。

 

 ただ、全国では1倍を超える形で、今進んできていまして、地域によってやっぱり上がってきている状況であり、第9波の入り口というふうに考えていいのだろうというふうに思いますし、加藤大臣も昨日そうした趣旨のことをおっしゃっておられました。それで今後、専門の先生方とも相談して、鳥取県版CDC(疾病対策センター)として今後出していく方針とさせていただきましたのが、新型コロナ警報、これを従来のものから改めまして、中等症2以上の患者さんの数を発令の目安とさせていただいて、即応病床のおおむね2割を超えるものであれば、この中等症2が増えてくれば注意報、それから4割を超える状況になれば警報ということを考えようかということです。

 

 これ、第8波の状況なんですが、この濃い色のところが第8波そのものでありまして、その上に薄い色が乗っかってるのが第8波の仮に倍になったというときの試算のデータであります。それでこういうようなことであれば、第8波並みであれば注意報が出たり、時々警報レベルになるというのが第8波から中等症2以上のデータを入れたときです。それで、これがまた仮に倍ということになれば、これ、突き抜けたとして注意報、警報というのも一定のこの日付、あのときやはり上りかけたなというようなときに相当するようなところで、この注意報、警報がセットできるんではないか。こういうふうに先生方とも相談をさせていただきました。それで当面ですね、暫定的にこういう2割、4割という水準で注意報、警報をセットさせていただき、従来とは違って中等症2以上という医療逼迫に直結するような、そうした患者さんを目安に算定してみましょうというふうに今考えたところでございます。

 

 また、これと併せまして、いろんなモニタリングのこういうデータも当然出してまいりますし、毎週感染状況というのは発表してまいりますが、数としてこれは急激に上がってきたなとか、兆候が出てくるような場合には適切な注意喚起、これも行っていくことにいたしたいと思っております。基本はこうした中等症2以上、そうした病床逼迫を起こす可能性があるところに着目した新型コロナ警報で、今後県民の皆様に御周知申し上げたい。ただ、その感染者数なども併用させていただき、感染状況のお知らせもし、注意喚起もしていこうと、こういうことで鳥取県版CDCとして動いてまいりたいと思います。

 

 なお、国のほうで昨日、日本版のCDCが法律であるとか、それから感染症危機管理統括庁の法律が成立をしました。それでこれらについては、我々としてもかねて言っていたことが盛り込まれているという点で評価させていただきたいと思いますし、都道府県の権限についても規定がございまして、前進だというふうに思います。あとはこれまでの経験からしまして、やはり地方の、それぞれの現場のデータがそのまま投影されるような感染症の流行判断であるとか政策づくり、それをぜひビルトイン(組み込んだ)した運用にしていただきたい。こうしたことは今後も政府に申し上げてまいりたいと思いますし、また、全国知事会としても、今まだこうして5類に移行して最初の初動段階でありますが、7月に私どもが全国知事会をやるときなどで、みんなで話し合う必要があるかなと思いますが、いずれ、これまでの新型コロナ対策というものを我々なりに総括をさせていただいて、これからの感染症対策で、こういうことはお互いやっていこうとか、政府のほうでも取り入れてもらう必要があるとか、そうしたことを総括をしながら、提言していく必要があるかなと考えております。


 それから、AI技術についてであります。ChatGPT(チャットジーピーティー:幅広い分野の質問に人間が自然と感じる回答を生成する人工知能)などそうしたAI技術につきましては、かねて申し上げましたが、来週の月曜日にワーキングチームを柴崎先生、また米澤先生、そうした専門のCIO(最高情報責任者)補佐官や学識経験者なども入れまして発足をさせたいと思います。それで、7月の半ばくらいまでを目途に暫定版のガイドライン、これの策定を進めていきたいと思います。問題提起をした鳥取県ということで注目をされたわけでありますが、最近のいろいろと議論では、専門家の方も含めてやはり、使い方というのはよく考えないといけないという論調も大分以前とは違って出てきているように思います。

 

 私どもも、例えば単純に大きな文章を何字以内で要約せよとか、それをさらに外部にそのデータが流出しないような形で可能であれば、そういうのは単純な作業として、今までもそうしたAIの活用やっていますので、その辺は余地があるのかもしれません。ただ、やはり最近も問題になっていますが、アメリカで、裁判でこれを活用した弁護士さんがいて、判例を引くわけでありますが、英米系の裁判実務というのは先例主義でありますので、判例の引用というのは非常に重要なんですね。ただ、この判例の引用が実は誤りであったということで、処分も検討されるということの事態になっている。ですから、本当にその事実を調べるようなそういう検索に向いているのかというと、今のこのChatGPTがそこまで能力は期待しないほうがいいのかもしれませんし、正直、もしそういう使い方をするのであれば、我々は公務行政でありますので、ひとつひとつファクトチェック(情報の正確性・妥当性を検証する行為)していかないといけないと思います。

 

 そういう意味で、かえって手間が増える、やっぱり地道に情報を集めるほうがいいんじゃないかと。ちゃんと地道とChatGPTというのを併用ということかなと思っております。ちょっとその方向性をまずは暫定的にどういうところで使う可能性があるのか、あるいは、こういうことは絶対やめた方がいいというようなことのまず素案を考えながら、それで、その後さらに、専門の先生方なども入れて問題提起をした鳥取県として幅広なこういうAI技術と民主主義や我々の行政との関係性、そういうものをまた検討する場も今後考えていきたいと思います。

 それから、子育てにつきましては、今日[61日]この後、こども未来戦略会議が開催をされます。どういう素案が示されるのか、私も非常に関心を持っているところでありますが、いずれにせよ、[岸田文雄内閣]総理[大臣]の昨日のお話なんかを聞いていても、これから年末に向けて財源の話と政策の中身とを両方を今後も議論していくということになるのだと思います。ですから、まず我々も子育て王国とっとり会議、これを動かせていただく中で、今年度、そうした国の動きも横にらみしながら、シン・子育て王国とっとり計画(仮称)というのを、子育て政策や若者の自立、それから貧困対策について、包括的なプランをつくらせていただこうというふうに考えております。

 ただ、できるところはどんどんスタートしようと思いますので、まずはこの6月の[県]議会でも子ども医療費の無償化に向けてのシステム構築の予算を入れさせていただきました。また、児童養護の関係で、県版のアドボカシー(擁護、支持)制度をいよいよ6月1日、今日からそれぞれの児童相談所に7人のアドボキットという専門家を要請しました、昨年度。それで、この専門家、意見表明支援員と書いてありますが、その方々に御理解をいただきましたので、その活動を今日から開始をさせていただこうと。全国でもまだ、あまりない取り組みだろうと思いますが、こうしたことを動かせていただこうと思います。また、今後このアドボカシー制度の適切な運用につきまして、議論を進めてまいりたいと思います。


 それから、[鳥取県]盛土[等に係る斜面の安全確保に関する]条例を我々つくらせていただきました。その後、国が追っかけて、これですね、宅地造成及び特定盛土等規制法、これを制定をして、このたび[526日]施行されたところであります。それで、私どもは現行条例でかなり網羅的に書いておりましたが、この法律で使えるものがいろいろとございますので、その枠組みを援用させていただいて、こういう盛土対策を強化しようというものであります。例えば罰則については、これ、条例の限界もありまして、罰金100万円以下、懲役2年以下という罰則でありましたが、これが法律ですとその辺のレベルが上がるわけであります。罰金1,000万円以下、懲役3年以下とこういうように強化できるわけでありまして、こちらのほうに移行させていく。ただ、国のほうの法律は盛土の面積がある程度大きくないと対象にしませんよということで、3,000平方メートルと書いてあるんですが、これ、我々の基準である2,000平方メートルに合わさせていただこうと。

 それで、こういうことは条例のほうで、この盛土規正法の運用を借用させていただくと。それで、こういう意味の条例改正をこのたび出させていただこうというふうに考えております。国の法律ではこういう斜面のところにあります風力発電だとか、太陽光発電、これの構造物などについての対策が入っていませんが、これ、条例独自のものとして引き続き適用させていただきたいと思っております。また、全国でこの新しい法律ができて、これに対応するのが大変だとかいうように全国報道でも出ていますけども、本県は既に実はこれでスタートしていました、条例で。さらに、このたび組織改正をしようと、それで、まちづくり課の中にこうした盛土規制関係、こういうものを全部一元化すると、それで、ワンストップで対策をとらせていただくように体制の強化を図らせていただこうと思っております。

 また、三井住友海上火災保険[株式会社]と災害が起きたとき、そのとき三井住友海上火災のほうで、例えば浸水がどういうふうに起きているかとか、そんなものをやはり保険会社のほうで調べるわけですね、[被災者へ]保険金払う都合で。そのデータを共有させていただくと、そういう[災害時協力]協定をこのたび結ばせていただくことで合意をいたしました。これによって住家被害認定が速やかにスピーディに行うことができるようになりますし、また、罹災証明[書]の発行迅速化にも資するのではないかと考えております。


 それから、この後、[ボクシング]木下鈴花選手に対しましてスポーツ顕彰を贈呈させていただきますが、それと併せて今日[61日]、まず1つはねんりんピックはばたけ鳥取2024、これ、いよいよ来年に迫っているわけでありますが、これの会議をやったり、それから、国スポ、全スポ、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会、それの準備委員会、これを発足をさせて、10年後ですけど、10年後に向けまして、まず第一歩を今日、しるさせていただこうと考えております。

 

 いずれもとりぎん文化会館で行わせていただきます。併せて[パリ]オリ・パラが来年に迫ってまいりました。今日はこうした国スポ・全スポ、こういうものということもありまして、[飛び込み]三上紗也可選手とか、[パラローイング]森[卓也]選手、これはパラですね、[パラ卓球]宮﨑[恵菜]選手、これもパラですが、こうした今、パリを目指している選手たちがいらっしゃいますが、この方々にも集結をしていただきますので、そういうオリ・パラに向けてアスリートたちを応援をしたり、それで、アスリートも一緒になってこういうスポーツによるまちづくり、国スポ・全スポ、あるいはねんりんピック、こういうものを応援して、みんなで盛り上げていこうと、これからそうした会合を、イベントを進めさせていただきます。

 

 また、来年に迫ったねんりんピックでおもてなしなどの体制をつくっていかなければなりません。明日[62日]、ボランティアセンターを設置をし、広報キャラバン隊を来週[67日]から結成してスタートさせていただきます。それから、アジア・ウォーキング・フェスタ[in鳥取]が今週末[62日~4日]開かれます。それで、レセプション(歓迎会)だとかフォーラム(情報交換会)を含めて県内にアジアの皆さん、ウォーカーが集うということになります。それで、こういうウォーキングの健康づくりを進めてきた鳥取県としては、今日からまたあるくと健康!うごくと元気!というアプリを使ったウォーキングキャンペーンを開始をさせていただきます。このたびは[1日当たり平均]6,000歩以上歩かれた方に[毎月抽選で]県産品が当たるというキャンペーンでありますので、ぜひ御参加いただければと思います。


 また、このたび、再来年の令和7年の日台観光サミットを鳥取県に招致することが決まりました。具体的には5月頃にさせていただこうと我々計画しております。これ主催は日本と台湾の観光関係者でありまして、そうした方々が一堂に会するときで、台湾の観光消費の増勢には、非常に大きな意味があるというふうに言われています。それで、2年に1回日本で開催をすることになります。ですから、今年の次の大会を鳥取でやるということで内諾を得させていただきました。ぜひ、インバウンド(海外からの来訪者)観光にもつなげていければと思います。

 

 また、MSCベリッシマ(国際クルーズ船)、これは日本人が乗っておられますけども、初寄港、境港にします。これが過去最大の船ということであります。また、[6月]11日にもラグジュアリー船のシーニック・エクリプスという、そうした船が寄港することになっておりまして、こうした境港、こうしたクルーズの招来も我々としても進めてまいりたいと思っております。

 

 また、ジビエにつきましては、因幡と伯耆(いずれも鳥取県の旧国名)とそれぞれ組織がありましたが、全県結束して、こういう[マーケティング]セミナーを、このたび県主催で開催をさせていただくことになりました。

 

 また、スイカの季節がやってまいりましたが、このたびは岸田総理のほうに一昨日ですね、鳥取のスイカを贈呈させていただきましたが、来週[6月5日]は大阪[府]であるとか、また、[6月8日]東京[都]での販促、初競りということが行われることになります。今年はいろいろと作柄もいいようでありまして、総理もスイカを召し上がられた後、スイカとしては甘いということをおっしゃっておられまして、笑みを浮かべておられました。ぜひ、多くの方々に召し上がっていただければと思います。


 また、今年は白うさぎ年と鳥取県キャンペーンの1つの重点を考えていこうとしております。それで、うさぎの聖地としてうさぎダンスを提案させていただこうと。それで、うさぎダンスプロジェクトをこのたび発足をさせていただき、関係の団体や市町村と一緒にうさぎダンスを世の中に出していく、そういう話し合いを始めることといたします。それで、具体的には来月[7月]になろうかと思いますが、動画でうさぎダンスのコンテストをやって、それで、ファイナリストの皆さんには鳥取にも来ていただいて、豪華な鳥取県の賞品等が当たるというようなことにいたしたいと思っております。

 

 それで、こうしたことで今、きつねダンスがプロ野球の関係ではやっていますが、きつねもかわいいんですけども、うさぎもかわいい、今年はうさぎ年ですから、きつね年はありませんので、うさぎダンスぐらいつくってもいいんじゃないだろうかと。それで、みんなで楽しんでうさぎ年を喜び合うと。それで、それを白兎神社の辺りをはじめとした聖地巡礼の一環で鳥取でも踊っていただきたいなという、そういう野望を抱いているわけであります。そんなわけで、うさぎダンスプロジェクト、これを始動させていただきたいと思っております。

 

 また、大阪におきまして、ちょうどスイカの季節、まるごととっとり夏あそび[in大阪2023]を開催をさせていただきます。[6月]24日の日に今年は、ららぽーと門真(大阪府門真市)で御協力をいただきながら、進めさせていただくことができます。ぜひ、多くの関西の皆様にお越しいただければと思います。

 

 また、経済対策の総合戦略を今、考えてるとこでありますが、特にこれからは、人口の少ない鳥取県では人材確保が問題になると思います。それで、その中には当然外国人の活用のことがあったり、あるいはリスキリング(新たな分野や職務のスキルを習得すること)のことがあったり、それから今、子育てなんかも問題、課題になってきていますけども、そういう働き方ということもあろうかと思います。それで、そうしたことなどをいろいろと分科会的なワーキング[グループ]をつくりながら、今年度、戦略をまとめていって、それで、こうした集る方々を母体にしてそうした人材育成確保のプロジェクトを前進させようという考え方であります。来週の月曜日[65日]に第1回の会合をさせていただこうと考えております。

 

 これから鳥取でも、マグロの季節がやってまいりまして、本マグロ、これが市場に出回るようになりました。境港のおいしい本マグロを召し上がっていただけますし、また、岩ガキ、夏輝をはじめとしたぷりぷりの岩ガキのシーズンにもなります。ぜひ、多くの皆様に食パラダイス鳥取感じていただきまして、また観光にも訪れていただければと思います。私からは以上です。

 

 

○朝日新聞 大久保直樹 記者

 

 知事、ありがとうございました。それでは、各社さん、御質問の際、社名とお名前のほうよろしくお願いします。


○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 

 山陰中央新報の岸本です。ちょっと会見の内容とは少し違うんですが、島根原発2号機について伺います。島根県の丸山知事が再稼動の同意を表明してから明日で丸1年となります。31日にはGX脱炭素電源法が参院本会議で可決成立しました。このような中で、鳥取県の島根原発2号機の再稼動容認の判断は従来の原発の運転期間の原則40年、最長60年を前提とした判断で運転60年越えを想定した判断ではなかったと思うんですけども、県の再稼動容認の判断への整合性にどのような影響があるかという点とコロナ禍で国に対する政策の確認や住民への説明をこの間どのように取り組んでこられたかというのを教えてください。

 

 

●知事

 

 まず、ちょっとこれまでの経緯、必ずしもずっとタッチされてなかったと思いますので、ちょっと島根県との違いをまず申し上げなければいけないと思います。島根県の場合は今、おっしゃったように、丸山[達也島根県]知事のほうで[島根原子力発電所2号機]再稼動について容認をするという締めくくりだったと思います。ただ、本県は、実はそうではなくて、再稼動云々ということの以前に、今、2号炉の適合性審査ということをやって、それで、こういうような設備を今後変えていきますよという、そういう合格の認定を取ったわけですね。それで、私どものほうでそういう説明を受けて、それで、それに対して今後の手続を進めることに容認をしたということなんです。だから、再稼動容認という言葉は、実は使っていません。

 

 今後、例えばどういうような設備をつくるかということだとか、そのたんびたんびに本県のほうにいろいろと説明をして今後協議をしていく手続が今後もあるわけですね。それで、そういうところで本当に前、丸山[島根県知事]さんがそういう判断をされたときと同じような観点で、ちゃんと専門家も交えて、これは容認できるものなのかどうかというのは慎重に見極めながら順次手続を進めていくということでありまして、それがちょっとくくられると大分違うので、そこ、丸山さんのほうの手続と鳥取県は大きく違うというふうにまず御理解をいただきたいと思います。

 

 それで、そういう実は今のプロセスになっているものですから、これからその60年というGX(グリーントランスフォーメーション)の関係で、昨日[531日]成立した法律(GX脱炭素電源法)の関係だとか、そういうことから見てどうなのかとかいうことも含めて、それは中国電力側から我々も事情を聞いていくということになると思います。それで、そうしたことの慎重な、我々周辺なので、立地ほどメリットがあるわけではありませんから、それで、やはりきちんと安全性が本当に担保できるのかどうかということを第一義として、今後も向き合っていこうというふうに考えております。

 

 それで、60年に行くかどうかというのはまず40年行った後の話ですから、今、そこの協議が来るかどうかはよく分かりません。それから国全体として今回法律は成立しましたけれども、いろんな立地周辺含めた説明責任は今後も国は負うべきだというふうに考えております。私どもとしてはそうした基本的なスタンスをしっかり守りながら、原子力発電所島根原発に対する安全性の確保、これを、担保を取ってまいりたいと考えております。


○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者

 

 ありがとうございます。関連してこの約1年間の間で原発を巡って、その知事として、またその県としてどのようなその課題認識で、どのようなその改善に向けた取組をされてきたのかというのを教えてください。

 

 

●知事

 

 これまでの間もやはり安全性確保のための地域としての取組も立ち止まるわけにはならないのだと思います。それで、そういう意味で例えば物資、避難する際のですね、支援物資のためのセンター[原子力防災支援基地]を開業させたり、さらにそれを今度は東部に開設しましたが、西部での開設に向けまして今、準備に入ったり、また、避難計画、これについても改善をさせていただく。それで、避難訓練に基づいてPLAN‐DO‐SEEといいますか、PDCAサイクルを回しながらやっていこうというようにしているところであります。そういう意味でこういうのも地域防災計画のほうにもこの間反映をさせていただいてきているというふうなところでございまして、そうした不断の努力はやはり地域としてもやっていかなければなりませんし、例えば福祉関係車両であるとか、そうした避難対策にも資するような、そういうインフラ、ソフトインフラも含めた整備というものもこれまでも適切に進化をさせてまいりました。

 

 そういう意味でこれはやはり終わりなき部分だろうというふうに思っております。それで、私どもとして周辺地域、立地とは違って財源の問題だとか、いろんな限界はありますけれども、ただ、それで安全が損なわれるということは、私はあってはならないと思いますので、できる限りの対策を今後も進めてまいりたいと思っております。


〇山陰放送 日野彰紀 記者

 

 BSSの日野です。マイナンバーカードについて伺います。昨日も鳥取市では誤登録というのがあったということが発表されました。知事もこないだ河野大臣に知事会会長として提言もされたというところであります。マイナンバーカード、今、何が問題でどのように活用されるべきとお考えでしょうか。

 

 

●知事

 

 マイナンバーカードは国の号令で急速に普及が進みました。それは逆に言うと、地方側に取りましてもこれからデジタル社会を構築していく大きな土台ができてきているのだろうと思います。それで、これを活用するかどうか、それがこれからのテーマになってくるときに、今回のいろんな不具合、そうした事例が急浮上してきたということであります。それで、[全国]知事会の中でも話をしまして、我々としてこうしたマイナンバーカードの信任性が失われてはいけないと。恐ろしいとか、不安だとかいうことが払拭されるようにそれはやはりきちんと対策を早急に取るべきだと。それで、もちろん地方側にも主な原因がある部分もありますけども、ただ、国として解決してやっぱり統一取っていただくとか、それからチェックの仕組みをつくるとか、いろいろと可能だと思います。それで、その辺はやはり我々として要請すべきだろうと。それで、緊急要請を松本[剛明総務]大臣や河野[太郎デジタル]大臣にさせていただきました。

 

 また、昨日の国・地方協議の中でも同趣旨のことを申し上げました。それで、この間、岸田[文雄内閣]総理[大臣]からも実はお話がありました、昨日ですね。それで、マイナンバーカードについてはいろいろと御迷惑をかけたことは申し訳ないという趣旨のお話があり、それについて今、各省庁のほうでそれを是正する対策を指示して取っていると。それで、地方側もこのマイナンバーカードについて、適切な運営が図られるように協力してほしいと昨日お話がありました。

 

 それで、私のほうからもこれは国・地方一緒になってそういうマイナンバーカードが適切に運用されるように我々も協力していきたいと、政府のほうでも対策を急いでもらいたいと、こういうお話をさせていただきました。それで、実はこの間、河野大臣と特に突っ込んだやり取りにもなっています。それで、河野大臣のところにはおとといお伺いをして河野大臣からまず御迷惑をかけたというお詫びがありましたが、その後今の問題事象についてお話がありました。

 

 それで、我々のほうから実は提起したのは、1つはマイナポイントの不適切な付与、あるいはまた証明書の発行が適切に行われなかった。あるいは[健康]保険証の問題、それから金融機関の口座ひもづけの問題、こういう4つ大きく今、言われてるわけですね。それで、これらについて解決策取ってもらいたいと。それで、それについてはもちろん地方側のいろんな人為的なミスということも当然あるのでそれは当然やるにしても、そういうミスが起こらない仕組みづくりというのもあるんじゃないだろうかと。それで、こういうことも含めて申し上げたわけです。

 

 それで、河野大臣、どこまで会見当時はっきりおっしゃったのか分かりませんが、河野大臣も実は会見をされてたようで、同じような趣旨をおっしゃっているんじゃないかと思うんですけども、例えばマイナポイントが誤って付与されたケースがあります。それは市役所等で、これは本県でもそういう事例が見つかったということでありますが、マイナポイントをもらおうとするときに端末をたたいて、それで御本人が入力をされるわけですね。ただ、途中で何らかの理由で席を立ってしまうと。それで、その後、それを分からずにまた入ってきた人がその続きをやると、結局そのマイナポイントの付与が適切に行われないことになってしまう、その原因になったということですね。

 

 それで、本県の、これ鳥取市さんなんで、鳥取市さんが会見されましたからはっきり申し上げる。鳥取市さんは、だからそこで一旦そのシステムを落としますよと、ログアウトをした上でやるっていうことをやりましたね。それで、ただ、その機械がありますよね。それで、機械でいちいちログアウトをするかどうかというのはやっぱり人員ミスが起こるわけですよね。それで、河野大臣がおっしゃったのはこのマイナポイントをひもづけるときにそれが終わった後でもう一度マイナカードで読み取らせると。それで、これは確実にこのものですよというようなことをやると。それで、そうするとここで完結しますんで、ログアウト云々の以前の問題として次の人がその前の人のデータに入り込むことはできなくなるわけです。

 

 だから、これシステム上、実は解決できるんですよね。それで、そうすれば全国でケアレスミスがあったとして、もうそれは防げるようになると。実はこれは金融機関の口座ひもづけも同じようなシステム、同じようなメカニズムでやっぱり間違いが起こったのではないかとおっしゃっていました。それで、これもだから同様のことで解決できるかもしれないと、こういうふうにシステム上解決するってことはあるんだと思うんですね。

 

 それから証明書の発行業務で不適切がありました。それで、あれは多くの方々からほぼ同時に申請が上がってきたときにその対応、プログラムの問題だというふうに思われます。ですから、これはそのプログラムを直せば同じようなことは起きないわけですね。それで、ベンダー[製品を販売する企業]がいろんな自治体に売っていますので、全国同時多発的に起こったように見えますけれども、実は問題はみんな一緒で、そのシステムの作り方の問題、それで、こういうのは地方団体の云々よりも、そっちの根っこのほうで変えれば変わるわけですよね。それで、こうやっていわばバグに当たるようなものを消していく、それで、そのヒューマンエラーが起こったとしても、それを乗り越えられるような仕組みを入れ込む、こういうようなことがやはりもっと工夫されていいんじゃないかと。

 

 これをぜひ政府のほうでもやっていただきたいし、河野大臣は、それは速やかにやるというふうにおっしゃっておられました。今後、我々も協力をしていきますけれども、そうした政府のほうのいろんな改善も、ぜひ早急に進めていただいて、それで、いろいろとユーザーの方、利用者の国民の方々が戸惑われたり、不安になるというようなことはあってはならないことでありますので、そうしたことがないように、徹底を図っていただきたいと思います。それでもちろん地方側もそれに協力をして、住民の方に御迷惑がかからないように我々もやっていくと。それでこうやってもう一度信頼を回復することが今、当面重要なテーマではないかと思っております。


○朝日新聞 大久保直樹 記者

 朝日新聞の大久保です。知事、先般、土地利用規制法で鳥取県内の施設が対象になりました。それで安全保障とか国防というのは国がグリップすることであるとしましても、長くこの日本の社会って私権を制限するっていうことについては極めて慎重にやってきたと思うんですね。それでその辺り、この例えば運用についても政府が恣意的に判断できる余地、こいつは怪しいよね、こいつの友達も怪しいよねっていう、その辺りがちょっとやっぱり判断が見えにくいという辺りがありまして、改めて知事として、趣旨とかをめぐる可否とか賛否はちょっと置いといて、改めて国に対して注文しておきたいこととか、何か懸念されるような点について、何か御所感があれば伺っていいでしょうか。

●知事

 この[重要]土地利用[規制法]については、これは今施行されまして、順次政府のほうで地域の今、指定をされているところであります。本県も、実は米子市、境港市、この2市について、その対象地域というのがこのたび明らかになったところであります。今、両市とも相談しているんですけども、まず、両市のほうで地域の実情に基づいて、この、我々返しをする必要がありますので、どういうように地域としての意見を出していくのか、今それぞれに取りまとめをしていただいております。それで、それに基づいて、私ども広域団体でありますので、県としてもその市町村の考え方をサポートして、今後政府に当たっていこうというふうに考えております。

 それで取り急ぎ今、両市のほうと相談をしていますのは、きちんとやはり地元に対する説明を尽くしてもらう必要があるだろうと。それでこのことは政府に申し入れをさせていただきました。それで、なおまた問題があれば、これはそうした我々地域としての役割を果たしていきたいと思っております。それでおっしゃるように権利制限という面のある、そうした法規制ということになるわけではありますが、ただ、他方で、これ憲法の仕組みがそうなっていますけども、それで私権が制限される場合、保障を求めることもできるわけでありまして、これ、それでそういう意味で、もし売りたい人に売れないのであれば国のほうでそれは買い取るというのも制度上織り込んであるわけですね。ですから、あとは届出の問題、情報提供の問題などでありまして、いわゆるその土地、例えば都市計画法に基づく私権制限等に比べると、そこは権利の制限はあまり強くはないのかもしれません。それでどちらかというと国防目的のようなところでの判断に基づく情報提供や、あるいは場合によっては制限をかかる、その場合は保障しますという仕組みなのかなと理解しております。

 ですから、1つの制度設計としてはあり得るものだと思いますが、ただおっしゃるように、運用が適切になされなければなりませんし、当事者の皆さんは疑問もあると思います。そういう意味で両市とも相談をさせていただいて、まずはやはり関係者の理解を得るような説明を尽くしていただくことが大事だろうと。それでこの辺は今、申し入れているところであります。


NHK  吉川綾乃  記者

 

 NHKの吉川です。子育ての関係で2点ほどお聞かせください。まず1点目ですね、この年度末に策定する、今回も会見でありましたシン・子育て王国とっとり計画の関係ですが、既に小児医療費無料化だったり、給食費無償化に向けた取組の方針が決まっていますが、具体的に今後どのような計画を盛り込んでいくことを検討していきたいか、何かお考えあれば教えてください。

 

 

●知事

 

 小児医療費の無償化につきましては、今我々のほうで市町村と示し合わせたところでありまして、この6月県議会に提案をすることで了解もいただいております。そのほかのことにつきましてはまだ話合いの途上であり、給食費については、実はあんまり県内で大きな声になってなくて、むしろ保育料をどうするか、こちらのほうにまだ議論がウエイトがあろうかと思っております。例えば第2子までをどうしようかとか、そういうようなことを今、今後も議論していくのかなと思っております。

 

 そうしたことをこうしたシン・子育て王国の計画の中にどういうふうに書き込んでいくのかは、国のほうのこれから示されるスキームですね、それと照らし合わせながらやはり考えていく必要があるのかなと思っています。それで、今まで実は、政府はあんまりこういう子育て少子化対策、ドラスティックに切り込んでこなかったですが、今回は、昨日突然[政府の少子化対策強化]3兆円台半ばという数字が出てきて、それでかなりの決意を込めていろいろと手を入れられるはずであります。それでそれに応じて国はじゃあこれをやる、地方側はこれをやる。それでその場合の財源はこういうところに求められる、この辺の制度スキームが多分年末までに見えてくるのだと思います。

 

 それで、それ見ながらじゃないとやっぱり市町村も議論しにくいところもありまして、そうした動きを横にらみしながらまた当事者である子育て家族のお話、あるいは有識者のお話や、あるいは関係団体のお話も入れながら、この子育て王国鳥取会議での議論をスタートしたいというところです。ですから、まだちょっとそこのところをどうするかまでは、今日段階ではまだ決まったものはございません。ただ、真摯にやはり子育て世代の皆さんが安心して子育てできるようにする、それから子供たちがのびのび成長していけるそういう鳥取県になるように最善をみんなで考えるのだと思っております。


NHK  吉川綾乃  記者

 

 もう1点、今日の、国の戦略会議に関連してお聞かせください。先ほどスキームをこれから待っていく段階だというふうにお話ありましたが、どんな議論を今回期待されたいか。また、国には財源確保に加え、人口減少、少子化が深刻化する地方に向けたどんな取組に力を入れてほしいか、何かお考えがあればお聞かせください。

 

 

●知事

 

 実は、こども未来戦略会議で私も度々申し上げていますが、大きな政策はやはり政府で一律にやってもらったほうがいいだろうと、これは地方側の委員も度々指摘しています。つまり市町村で結構差がつきますと、結局そこにいろんな負荷がかかってしまうわけですね。それで、ただそういうことはむしろ国全体でいいことならば統一して財源も含めてやったほうがいいと、それでそういうような意見は強く出ています。それでこのことはやはり配慮をしながら全体の体系を考えていただく必要があるのではないかということです。

 

 だから、市区町村でよく議論が出ますのは、それが学校給食費の問題などでありまして、ある程度財政力のあるところが学校給食費ただにしますよってやると、それでそうすると周りの市町村がなかなか住民との対話が難しくなってしまう。それで、ただ、じゃあ、財源がない場合やりようがないと。だから、こういうのはやはり本当にやる必要があるのであれば全国一律でやってもらったほうがいいんじゃないかということですね。昨日も[全国]市長会長の立谷[秀清相馬市長]さんがおっしゃっていましけれども、あそこもいろいろと鳥取県のように熱心に子育て政策をされています。そうすると、シングルマザーがどんどん引っ越してくるんだそうです。それによってやはりそれ、シングルマザーに伴う要は行政需要というのは生まれますので、それで、それはもちろんいいことなんですけども、ただ、そういうところにどんどん波及していく、言わば全体としてむらが出るということですね。

 

 だから、もしそれで、だから、立谷市長もおっしゃるわけですけども、もし全国一律にそういうことをやっていれば、そうしたことはする必要がないので人の移動までは影響がないはずだと。そうなると本来やるべき子育て政策のところをきちんとやっていればいいということにもなるので、やはり全国一律がいいんだということは言っていました。これ結構、市長会の中で強い主張であります。それで、私どもも同様の観点は都道府県間でもありますので、我々としてもそこはぜひ配慮していただきたいというふうに思います。

 

 また、よく申し上げておりましたのは、決して児童手当のようなお金が、大きなお金がかかるものだけじゃないんですよね、それで、子育て世帯は児童手当が出るから、じゃあ、お子さん増やしますか、簡単に直結するかどうか、そこはよく分からないです、因果関係は。それで、あったほうがいい、それはそうだと思います。ただ、もっと分かりやすいことですね、例えば保育のサービスだとか、産後ケアであるとか、あるいは病気になったときの対策とか、それで、そういうもう地域全体で町ぐるみでケアしていく、それで、そういうようなことのほうがやはり直接的に負担軽減になるわけです。これは社会サービスで金銭ではなくて、社会サービスでその子育てを支えていくというやり方でありまして、これは現場の地方団体が単独事業も含めてやるところなんですね。それで、こちらのほうがむしろお金がかからないわけですよ、それで、一律にかなり大きなインパクトなお金を配るよりも、ある程度のリーズナブルな、その必要な行政サービスを提供していくと。だからこれをきちんと併用したほうがいいんじゃないですかということも申し上げ、そのための財政措置だとか、それから人材確保だとか、そういうことも併せて考えてもらえばよりよいもの、パッケージを一定のその風呂敷の中でつくることはできるんじゃないかと、こういうような主張させていただきました。

 

 それで、今日、まさにどういうのが出てくるのか、私も分からないもんですから、出てきたところを見て、また申し上げたいと思うんですが、そうした基本線をぜひ地方の現場感覚を今回の未来戦略の中にも投影をしていただけるとありがたいと思っています。


○読売新聞 藤本幸大 記者

 読売新聞の藤本です。買物環境確保について伺いたいんですけれども、今回、閉店に伴う応急措置という形でされると思うんですが、人が少ない人口減少の地域で経営していくというのはなかなか採算も取れず大変だと思うんですけれども、長い目で見て、長期的な対策というのも必要かと思っています。それで、長い目で見て県や市町村としてすべきことというのはどういうところだと考えますでしょうか。

●知事

 今回のこの対策も、閉店の店舗について計画をつくるのが主でありますけども、それ以外も私としては採択をしていこうと思います。それで、こういう意味で困っている、あるいはもう困りかけている、そういうところがこういう買物の安心のための計画をつくって、例えばモビリティ(移動性)の問題だとか、あるいは移動販売だとか、あるいはみんなでやる店舗だとか、そういうものを選択していく、それで持続可能な形をつくっていくっていうのを応援したいと思います。それでいろいろと今、市町村とこういう計画づくりも含めて議論をしているわけでありますけども、やはり店舗がいいなというのはやはり強いですね。根強くある。それは大きいか小さいかということでは多分ないんだと思うんですね。ちょっとした日常の買物ぐらいは身近なところで手に取ってできないかっていうのはやはり、これはやはり生活の最低条件の1つかもしれません。

 それでそういうものをやろうと思うと、非常に商業主義的なマーケットシステムで解決できるかどうか、むしろ共助の仕組の中でやることが今後は増えてくるのではないかと思います。それでそれはもしその買物拠点がない場合は、このモビリティのことになりまして、その送迎をどうするか、交通の問題になってくるんですね。それでカバーしていくっていうのも可能なんだろうと思います。今回鳥取市さんがそうでありますが、移動販売によって、今度はそのお店が動き回るという、小さいけれどもお店が動き回ると。それでそういうような解決策も当然あるのだろうというふうに思います。これは地域の実際の例えば商業集積の状況とか、それからその店舗の使われ方とか、それでそういうものと併せてやっぱり考えていかなきゃいけないんだと思います。

 それでそういうようなことの仕組が実は全国的にもあんまり確立されたものはないんですよね。それでこういう買物環境をどうやって整えるかっていうのは多分今、始まったばかりなのかもしれません。だから、鳥取県として、手探りではありますけども、まずは地域で話し合ってもらって、計画をつくって支援するという仕組づくりからまずスタートして、それでここでいろんなノウハウが出てきたところを今度横展開をしていくということも可能ではないかというふうに思います。

 先般[525日]、近畿ブロック知事会がありまして、それでこういうお話を申し上げたら、三重県だとかいろんな県が共鳴していました。それで、三重県も実は本県と同じような問題意識があるようで、人口減少対策の組織をつくろうと。本県もつくるんですけどね。向こうも実はつくるということなんだそうです。それで、こういう買物対策を交通政策と組み合わせて考えるとかいうことを考えておられると。どこも手探りですけど、こういうことに向き合わなければならない人口減少社会の現実が、今、顕在化してきたと思っております。


〇中国新聞 小畑浩 記者

 中国新聞小畑と申します。関連でお伺いいたします。今回、計画策定済みということで鳥取市と若桜町が出てきたと。それに対して、支援を行っていくということだと思うんですが、若桜町、特に若桜町の中身を見ると、建物であったり移動販売車であったりですね、結構な額が必要な事業に見えるんですけども、この予算額1億円でこれで十分なのか、それとも今後、何かお考えがあるのか、お伺いしたいと思います。

●知事

 これは、実情に即して予算額というのは今後も積み増し得ると考えております。ただ、当然、6月段階で、今必要な額はこの1億円で満たせるのではないかというふうに踏んでいるところでありますが、もちろん、今後9月以降、補正を組んでいくこともあり得ようかと思います。私どものこのやり方は、市町村が基本的に主体としてかんでもらうようにすることで、市町村との精算で最終的には予算を消化していきますので、そういう意味では十分な受皿はつくってあるんじゃないかと、1億で取りあえずはできるんじゃないかと思っております。


〇日本海新聞 福谷二月 記者

 

 日本海新聞の福谷と申します。スーパーはくとの輸送力強化についてお話を伺いたいと思います。増便につきましては、かつて、県議会で鳥取-姫路間の往復のパターンをつくってみてはどうかみたいな、ちょっと首をかしげるような話もありましたが、県がJRさんと話を進めていく中で、県の要望としてはどういった形での増便、もしくはパターンの形成、そういったものを想定していらっしゃるんでしょうか。

 

 

●知事

 

 幾つかこの方程式、非常に難解でして、解いていくには条件付けがあるんですね。それで、1つには実は岡山[県]、兵庫[県]と共同で設立をした智頭急行[株式会社]という会社がありまして、全国では赤字でこうした第3セクターを運用するもんだとなっていますけども、幸いにして黒字での会社経営を続けてきております。それで、こういう状況は、ぜひ堅持すべきだというのが関係県の間で強くございまして、ですから、この智頭急行という会社の経営が回るようにはしなければいけないと。それで、これがちょっと条件づけとして考えないといけないところですね。仮に姫路[駅]で折り返すというようなことになった場合は、そこが非常に怪しいと見ています。ただ、じゃあ、一切その増便に向けて工夫ができないのかということを、もう一度頭をさらにして考えた場合に、今、全便京都[駅]始発になっているものを、そうしたところを若干工夫をする余地まで我々否定する必要はないのかもしれないと。

 

 ただ、余りにも短いところで設定されると利用者も不便ですし、それから経営にも影響が出得ると。それで仮に若干短縮した区間にして本数を増やしたとします。それでお客様の運べる能力が高まってこういう[2025]大阪関西万博のような契機で需要増になるときに対応していけば智頭急行のほうの経営も悪い影響、マイナスの影響というのはさほど出ないのではないかと。その辺ちょっと計算をいろいろと実際JRさんで何かもう考えられた後、我々も計算してみなきゃいけませんけども、そういう方程式の解が出る可能性はあるんではないかと思っています。そういう意味であまりにもドラスティック(思い切った)なその短縮化ということは我々としてもなかなか乗りにくいところでありますけども、ただ、そう言っていると今度はせっかく目の前に大きな需要増の機会があるのに、それを逃がしてしまうことになるもんですから、そこをある程度我々も譲歩するところを用意してもいいんではないか、この辺のコンセンサスを、今、関係県や智頭急行との間でちょっと時間をかけて形成してきているところであります。

 

 ちょっとJRさんと次は膝を交えて、そうした対策を取ってみることはできないだろうかと。オール京都[駅]始発でこだわるかどうかということも含めてテーブルの遡上には乗り得るということを我々としても申し上げながら、一定の我々も譲歩するので、その中で増便の可能性というのをぜひ考えていただけないだろうかと、こんなような交渉事かなと思っています。


○日本海新聞 松本妙子 記者

 

 日本海新聞の松本です。LGBTQのことについてお伺いしたいと思います。今、法案が提出されたり、LGBTを巡る議論がありましたけれども、知事がその議論を通してLGBTの議論の問題点とか課題をどう見ておられるかっていうことと、あと、今回の鳥取での独自の仕組づくりを検討されているということですけれども、当事者とその法律との現状との隔離というか、何かそういうことが当事者からは声が挙がっていて、それで今回のこの研究では当事者が入られるということなので、そういう点も解決していく期待があると思うんですけれども、はい、当事者を入れられての研究で期待されることをお願いします。すみません。今回これをスタートされてどれくらいをめどに何か形にされるっていう目標があればお願いします。

 

 

●知事

 

 このLGBTQにつきましては最近判決が相次いだり、それから今、国会での法案審議(LGBT理解増進法)も含めまして1つの論争点になっていると思います。もちろんG7[広島サミット]があって、その中で世界標準に合わせようという[岸田文雄]総理のもくろみもいろいろ影響したかもしれませんが、いずれにいたしましても私自身は法案が今、別れたり、議論は起こっていますが、これほど正面からLGBTQに対する理解を増進しようと。それでそれを社会に定着させようということが沸き上がってきたこと自体は、私は前進だと思います。そこはやっぱり評価できると思うんですね。それで、できれば法案もコンセンサスを経てまとめて成立をするという方向になればなおいいのかもしれませんが、ただ今、何もない状態で差別に苦しんでいる方々がいらっしゃる中で前に進めようという努力を私は多としたいと思っております。ただ、もちろんいろいろとその考え方の差などもあって、議論は残ると思うんですが、それはまた次の課題として議論を継続していく、一歩一歩進んでいくことが大切なのではないか、人権尊重というのはそういうことかなと思っております。

 

 それでそういう中で、私たちのほうでこの仕組みをさらに前進させようと。今も一定の仕組みがあって非常に地味のやっているもんですから、ちょっと分かりにくいかもれませんけれども、ただ、関係者にはメリットのある仕組をつくってきました。それでさらに一歩前進して、例えばパートナーシップ制度の導入ということも直截にあるかもしれませんが、ただ、なかなかその手を挙げないという現実もあって、それでそうであれば手を挙げなくてもいいパートナーシップ制度的なもの、そういう鳥取方式っていうこともあるんじゃないだろうかと。それで少し当事者主義に立って、できることをちょっといろいろと相談させていただてはどうだろうかという趣旨でこの研究をスタートしようというものであります。

 

 それで正直申し上げて、今、判決にあるような、例えば婚姻自体をどうするかとか、そういう法制度の問題というのを、これは国でやってもらわないと解決がつきません。それで我々のところでそこまでのことはできませんが、ただ、安心てみながお互いに尊重し合って多様性を認め合った社会をつくっていくその仕組自体は地域でもできることだと思っています。それが例えば婚姻制度とかいうこと以前の問題として、社会の在り方、あるいは行政サービスの提供の仕方としてあり得るのではないか。それで、そういう意味で法律や国の問題は国の問題として議論してもらうにしても我々でできることは速やかに実行したいと思います。

 

 そういう意味でこうした研究を始めて、ここで皆さんこれは前進だねと、ここまでやってみようかというふうに話がまとまればそれは速やかに県としては制度化をしたいというふうに思います。したがいまして、何年もかけてという必要は多分なくて、それで本県の場合既に始まっていますから、それでそれをどうさらにバージョン上げるかという議論だと思いますので、可能であれば皆さんが納得されるところで速やかに始めてみたいと思っています。


○共同通信 古結健太郎 記者

 共同通信の古結と申します。先ほどの質問に関連して、現時点ではそのパートナーシップ制度を県として導入されるお考えはないということでよろしいんでしょか。ということと、もう少し県独自の制度、お考えの制度について知事のイメージをもうちょっと具体的なパートナーシップ制度と違うところを教え得ていただけると幸いです。

●知事

 実はパートナーシップ制度自体はもともと市区町村で始まったものです。それでそれを最近茨城県とか一部の県でも採用しているところも出てきました。それで本県でも一部自治体で既に採用しています。ですから市町村で広がることは我々としてはむしろ応援をしたいと思っています。ただ、制度の使いにくさっていうのは、やはり地域性っていうのはあるんじゃないかというふうに思っている、これ長年私も悩んでいるんですけども。大都市部だと匿名性が多分あるんですね。したがいまして、そうしたパートナーシップ制度をやったところであまり人の目を気にせずに暮らしていけるということはあるのだろうと思います。

 それで我々のようなところでどうかということでありますが、本来そんな人の目を気にして暮らすこと自体がおかしいので、それを直すということが当然あってしかるべきですが、ただ、それを言ってたら人々の心が完全に塗り替わるまで何もできないことになってしまう。それで取りあえずこうやってスタートできるとこをスタートしてみた。それで結構これはこれで評判がいいし、使いやすいと。

 それでどちらかというと、こういうソフトなアプローチというのはあり得るんじゃないかなと。それでこの例えば我々はそのカップルですよということを人に言いたいときにも使えるようにこれを改善していくということはあるかもしれないですね。ですから、そういう意味でちょっとアプローチはほかの市区町村とは違うかもしれませんが、現実的に当事者の皆さんの役に立てるようなそういう仕組をやはりまずは先導的にも鳥取みたいなところでつくってもいいんじゃないだろうかと。だから、大都市部になじみやすい制度で多分始まったんだと思うんですね、パートナーシップ制度自体。ただ、結局いろんな目線の中で生きていかざるを得ないというそういうコミュニティの中にあるのもまた現実ですので、それで、そうであればそういうことを選択できるように制度自体も鳥取県型でつくるっていうことはあるんじゃないかなと、こういう発想であります。

○朝日新聞 大久保直樹 記者

 それで各社さん、よろしいでしょか。知事、どうもありがとうございました。

●知事

 どうもありがとうございました。

  

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