知事定例記者会見(2019年8月28日)

令和元年8月28日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約70分) ※MPEG4形式

  

1 2020年度国予算概算要求 

●知事


 皆様、おはようございます。このたび、国の概算要求、来年度[令和2年度]に向けましてまとまってきて報道も始まったところであります。報道されている状況からしますと、[一般会計要求]105兆円という総額になると、これもかつてない規模に膨らんできているところでございまして、重点化枠、これも設けられるということになり、各省庁で要求が出て、取りまとめられつつあると、こういうこととなってまいりました。本県としては、大変気になるのは[地方]交付税等の一般財源でございますが、交付税につきましては昨年(2019年度当初予算)の16兆円よりも4%引き上げるということでの今の要求状況になっています。一般財源総額も2%、昨年(2019年度)よりも上がるということになっているところでありまして、こういう方向で、私どもかねて一般財源の確保、個別団体も含めて要請をしておりますけども、一つのいい方向は出つつあるのかなというふうに受け止めました。


 ただ、残念ながらその内容については不明なところもまだ多いわけでございます。例えば、今、この10%に消費税[率が]引き上げられるのと合わせて、税源偏在の是正措置、これが行われてくることになりますが、その内容がどういうふうになってくるのか、これにともなって地方交付税のほうにどういうように需要を積み上げていくのかなどは今回の状況ではよく分かりません。社会保障の要求額が膨れ上がっていると、これが交付税上も内訳で現れているんですが、税源偏在の是正のところの対策が今の段階ではよく見えないということであります。


 さらに、幼児教育、これの無償化もこのたび図られることになるわけでありますが、こういう幼児教育の無償化等の重要事項について、まだ、額であるとか、その詳細が今段階ではよくわからない、事項だけのものになっております。ですから、これから私どもとしても地方団体を挙げてさまざまな要求活動などをしていかなければならないところでございますし、そうした意味で体制もつくっていかなければならないと考えております。





2 関西広域連合委員会、中四国サミット等への出席 

●知事


 明日[8月29日]は[第108回]関西広域連合[委員会]が[関西広域連合]議会と併せて開催をされることになります。ここでも少し広域的な課題の議論が議会も含めてあるのかなと思いますし、[第29回]中四国サミットがまた明後日[8月30日]、高知[市内]で開かれることになります。こうしたところでも、防災対策、それから観光等々、喫緊の課題を話し合うことになろうかなと思います。また、私自身も地方分権の会議(地方分権改革有識者会議・提案募集検討専門部会合同会議)、来週9月2日に出席をさせていただきまして、政府の分権改革会議[第38回地方分権改革有識者会議]のほうでも発言をさせていただきますが、こういう税財政の問題など、こうしたことも含めて大きな視点でやはり地方団体側としては政府の議論を望んでいるというようなことも申し上げていかなければならないだろうと思います。





3 全国知事会長選挙 

●知事


 そういう中、全国知事会のほうでは、新しく飯泉[嘉門]徳島県知事が会長に就任することとなりました。無投票当選の形になりまして、来月[9月]に入ってから正式に決まるという運びとなる見込みでございます。徳島の飯泉知事とはかねてからの盟友関係でございまして、この税財源の問題、あるいは分権の課題、あるいは合区のこと、非常に問題意識を共通して持ってもらっているものでございます。ぜひ手腕を発揮して全国知事会から国に対して地方の実情を訴え、そして国を変えていく、そういう力を発揮していただくように望みたいと思いますし、私も飯泉新会長の、次期会長の盟友としてこれまでも、ともに行動してまいりましたので、私もしっかり彼を支えながら役割を果たしてまいりたいと考えております。





4 9月補正予算の編成 

●知事


 そういう中、私ども、9月の[定例]県議会に向けて補正予算の編成作業中でございます。まだ全容が固まりきっているわけではございませんが、先週[8月21日]も申しましたが20億[円]台の半ば、半ばから後半にかけてというくらいかなと、今、見込んでおりますが、まだ精査が続いているところでございます。そういう中で、幾つか私どもの方でも事業展開をしなければならないこともあります。例えば、ワーケーション(仕事(work)と休暇(vacation)を組み合わせた造語で、休暇中に旅先などで仕事をする新しい働き方)という新しい関係人口づくりが話題になってまいりました。鳥取県も全国のワーケーションにかかわっていこうとそういう運動の一員に入らせていただくことになりました。これにつきましても130万円くらいモニターツアーであるとか、また関係者への周知・PR等々そうしたことも含めて事業化を考えていこうというふうにとっているところでございます。


 また400万円ほどかけましてがん対策をこの9月補正[予算]でも強化してはどうだろうかと考えております。国立のがん研究センターとタイアップをしまして、QIと言われる標準的治療法に基づく分析(国立がん研究センターが実施した現時点で知見上有効とされている診断法や治療が、どれだけ行われているかという「標準治療実施率」を基に診断の質を評価する研究)がございます。その標準的治療が県内の病院でしっかり行われているかどうか、そういうことを改めてチェックをしながらですね、県内のがん治療の向上に結びつけていこう、そういうことをやっていきたいと思います。また、放射線治療[専門]医師、これも県内で非常に数が限られているわけですね。それで、県立中央病院と鳥取大学[医学部附属病院]とを結びまして、それで遠隔診療的なやり方で、遠隔での画像診断といいますか、そういう診断を協調してやるそういう支援システム(遠隔放射線治療計画作成支援システム)をつくっていこうと、こういうようなことなどを含めて400万円ほど用意をしようかと、こういうふうに考えているところでございます。


 また、中山間地をはじめとした交通は大きな課題になるところであります。これにつきましても900万[円]、800万[円]といった、そうしたレベルで今精査中でございますけども、そういう経費を計上しながら初めて貨客混載型の実証[運行]実験事業を始めようじゃないかということになりました。これまでも他の地域でその可能性を探っていたんですが、今回、大山町を舞台にしましてバスに荷物を載せる、それでそれを公民館のようなところに降ろすわけであります。そしてそこからは共助運搬のやり方で住民の皆様の協力を得て最終目的地各戸のほうに運んでいくと、こんなようなことをやり、バス事業あるいはもちろんそうした宅配事業みたいなもの、そうしたもの結びつけて持続可能な中山間地の効率的な交通体系の実証をしてみようと、こういうことを今考えているところであります。こうしたことなどを今、予算計上に向けて議論の精査を進めているところであります。





5 県・市町村行政懇談会 

●知事


 こういう中山間地の交通システム等も含めて本日[8月28日]午後[1時から]市町村との行政懇談会を実施をすることになりました。市町村長、19市町村から御出席をいただきまして、これから[令和2年度]予算編成作業は国で行われるような状況もあり、また新しく子どもたちの事業もスタートします。それから交通体系を見据えたこと、こんなような議論を今日[8月28日]展開していくことを考えています。今の中山間地の交通体系、どういうほうに展開していくべきか、最終的には県としてもバスの補助金制度を改めていき、共助交通だとかそうしたことも取り込み、タクシー輸送なども結びつけながら、総合的な交通支援をやっていく、こういうふうに移行していきたいと思っておりますが、現場の市町村長との意見をすり合わせをはじめる場になろうかと思います。


 また、交通では[山陰]新幹線鉄道、これの基本計画路線からの格上げに向けて、地域として議論を始める必要もありますし、また、もちろん高速道路等の整備といったようなこと、そうした交通体系のことなどもテーマにあげさせていただいております。また、合わせて県のほうの予算にも今9月[補正予算]で計上しようとしていますが、子どもたちの安全対策でありますとか、さらには10月からいよいよ幼児教育の無償化が始まるわけでありますが、こうした国のほうの追加措置が入ってくることを念頭に置いて、他地域よりももう1歩進んだ子育て支援のあり方、こうしたことを今日、皆さんのアイデアをいろいろとお聞きをさせていただき、討議を進めていこうと、こんなようなことを考えております。こうした形でこれから国のほうの予算編成作業も本格化してくるわけでありますが、私たち県内でもしっかりと地方創生子育て支援、さらには県のインフラストラクチャー(公共施設)など基盤整備、こうしたことを展開していける体制づくりに進んでまいりたいと考えております。





6 九州北部大雨と今後の大雨への備え、梅雨前線豪雨等による激甚災害指定 

●知事


 今日も九州北部で大変な大雨でございまして、被災地の状況などを私どもも今、情報収集を進めているところでございます。これは秋雨前線が刺激をされまして、南方から高気圧に回り込んで入ってくる風と、それから前線に沿って入ってくる風とが合流をした所に雨雲が極端に発生をして、夕べから今朝方にかけまして大変な雨が降っております。昼ごろには九州のほうも一つ落ち着くかというふうにも言われておりますが、実は雨雲は流れてきていまして、一部今後も、これから数日間にわたってこういうふうな形で山陰に入ってくる、そういう可能性も予測をされています。今、[鳥取地方]気象台のほうにも問い合わせていますが、今のところ[1]時間[あたりの降]雨量20ミリ程度ぐらいまでではないかなと。警報にはいかないのではないかなというお話もいただいてはいますけども、何せ変わりやすいのが秋の天気でございます。ぜひ住民の皆様には情報に御注意をいただきたいというふうに思います。


 実は本県でも豪雨災害が今年もございました。7月9日と18日に一定程度の雨が降りまして、それで、県内各地で農業被害を中心として被害が生じているところでございます。実はこの被害が全国を通じますと大きな額になるということで、このたび国のほうで激甚災害の指定がなされ、この7月の梅雨の豪雨が本県でも災害対策として適用されることになりました。これによりまして[7月]18日、9日それぞれですね、例えば倉吉市の森であるとか、また、日南町や岩美町、こうした所でも農地の法面崩壊といったような被害が見られました。このほかの市町村でもございました。それで、特に被害額の大きな、こうした所は激甚災害の対象地域として指定される見込みと、今、算定されてきたところでございます。こうしたところで大体200万[円]ぐらい市町村負担が軽減されるような効果のある支援が受けられるようになるところであります。そんなように今、災害復旧ですね、昨年度のものも今年度のものも進めつつあるところでありますが、安全安心の体制づくりをしっかりと進めてまいりたいと思います。





7 Net119の運用開始 

●知事


 聴覚障がいの方々から切望されていました「Net119[緊急通報システム]」という通報システム、スマホから119番通報ができて瞬時にその場所もわかると、こういう優れたシステムでございます。東部、中部、西部それぞれの広域[行政管理組合]消防[局]の御理解と御協力もいただきまして、9月1日から東部、中部の広域消防で導入をされることにいよいよなりました。また、9月19日から21日まで聴覚障がい者の全国体育大会(第53回全国ろうあ者体育大会in鳥取・島根)が開催をされますが、それに間に合うように9月19日に西部でもその「Net119」の運用が始まる運びとなりました。関係者にも感謝申し上げたいと思いますし、ぜひ障がいのある人もない人も安心して暮らせるまちにつなげていければと考えております。





8 液体ミルクの備蓄 

●知事


 また、一部で報道もございましたが、災害時の備蓄、本県では市町村、県も加わりまして連携備蓄というやり方をしております。8月2日に「防災対策研究会」、県市町村で設置している研究会が持たれまして、ここで市町村と県とで合意に至りました。それにより、[現在乳幼児の非常食として市町村が備蓄している]粉ミルクの2割相当、これを液体ミルクで備蓄するようにしていこうと。これについては既に米子市が購入をされましたが、その液体ミルクと合わせてその使い捨てできるような哺乳瓶、こうしたものも合わせて備蓄をしていくということも申し合わせをしたところでございます。これ大体合わせて40万[円]ぐらいの規模でございまして、来年[2020年]の出水時期、6月頃までには全市町村で対応可能になるように、本県としても液体ミルクの備蓄に進んでいこうと、こういうようにさせていただいたところであります。





9 京都アニメーション放火事件被害者氏名の公表 

●知事


 昨日[8月27日]、京都アニメーションの火災で亡くなられた方の氏名の公表がございました。改めて御冥福をお祈りを申し上げたいと思います。中には石田敦志さんという、私ども[鳥取県の岩美町を舞台にしているアニメ]の「Free!」の動画を担当されておられた方とか、また、そのほかにも作画監督の方とか、「Free!」の関係者も少なからず含まれていることに改めて心痛む思いでありますし、御冥福をお祈り申し上げるところでございます。京都アニメーションのほうでも献花台の設置を閉じられるという運びになりまして、私どもも同じような聖地巡礼の対象になっている地域とも御相談をしながらでございますが、8月31日で私どもの募金箱、それから献花台やメッセージボードについては閉じさせていただくことにいたしたいと考えておりますが、これからも京都アニメーションの復興の支援、それからこうした教訓を防災対策に生かしていくことにつきまして、県としても相応の役割を果たしてまいりたいと考えております。





10 斑点カメムシ対策、梨の販売促進 

●知事


 農業につきまして、今カメムシの大発生が課題になっています。これは斑点米(はんてんまい)、斑点がつくお米ができてしまう、そういう[被害を及ぼす]タイプのカメムシでございまして、防除の呼びかけを今、しているところであります。ぜひ、農業者の皆様にもせっかく「星空舞(ほしぞらまい、鳥取県産の米)」などもできてきますので、対策をしっかりとっていただければと思います。


 また、昨日[8月27日]は大阪[市]で梨の初売りがございました。それで、今週の後半、[週]末から例えば横浜[市の高島屋や東京都中央区銀座]の三越でのイベントをやるとか、また、私も行きますけども、[東京都]新宿[区]の高野というフルーツパーラー、高級店におきまして「二十世紀梨」、「新甘泉(しんかんせん)」[鳥取県で開発された梨の品種]のキャンペーンを来週行うことになります。このようなことで、全国各地でこうした展開を図ってまいりたいと考えております。





11 ベニズワイガニ漁の解禁、ウェルカニキャンペーン 

●知事


 また、水産のほうでも、いよいよ9月1日からベニズワイガニや底引き漁の解禁ということになります。こういうようなシーズン、ぜひ今年も豊漁をぜひお祈りを申し上げたいと思いますし、カニのシーズンが始まりますので、本県としても蟹取県のキャンペーンを再開をいたしたいと考えております。9月1日から、「蟹取県ウェルカニキャンペーン」を行うことにいたしまして、毎月100名の宿泊客の皆様にカニが当たるという大変お得なキャンペーンで、大分定着をして、年々参加者も増えてきています。今年はフォトラリー、インスタ[グラムに投稿するために写真]を撮っていただく、そんなようなスポットをめぐり歩いていただきまして、それの中でもまた商品が得られると、こんなようなことを始めることといたします。それで、今年の特徴ですけども、[職員が持ったパネルを見ながら]ここにちょっといますけども、キャラクターですね、設定をしまして。「ウェルカニ」というカニ[のキャラクター]を今回、つくらせていただきました。これは左手をこう上げまして[幸運を]招くわけでありまして、「伝説の招きガニ」でございます。それで、この招きガニ、「ウェルカニ」がこのキャンペーンに参加をしてくださることとなりました。


 また、今回のキャンペーンで、この「ウェルカニ」と一緒に蟹取体操というのを、ひょっこりはんという、最近話題のコメディアンの方が参加されまして、このカニを食べるに当たっての体操をつくらせていただき、クイズなども交えまして、この蟹取県キャンペーン中、展開をしていきたいと思います。ひょっこりはんなので、このキャンペーン期間中、ひょっこり鳥取県[内]にも出てくるということになります。





12 東方経済フォーラムへの参加 

●知事


 また、海外との関係でございますけれども、来週の9月4日、5日でございますが、ロシアの沿海地方の[オレグ・ニコラエヴィチ・]コジェミャコ知事とか、それからこの間もこちらに来られました露日ビジネスカウンシルのレピク[・アレクセイ]会長とか、それからロシア政府の皆さんや日本の政府の方々からも実はお声掛けをいただきまして、[第5回]東方経済フォーラム、安倍[晋三内閣]総理[大臣]も出席するというように報道されていますが、東方経済フォーラムとその関連行事、経済界の方もいっぱいいらっしゃいますので、その関連行事も含めて参加をさせていただくことといたしたところでございます。9月4日、5日ですね、あちら[ロシア・ウラジオストク]で開かれます経済界、両国を交えたラウンドテーブル[円卓会議]に出席をさせていただいたり、また、向こうの要人の方々とお会いをしたり、さらには私どもDBSクルーズフェリー[環日本海定期貨客船]がつながっていますので、そうした観点でメディア等の働きかけ等々を向こう[ロシア]で展開をさせていただこうと考えております。





13 江原道との交流、日韓関係と今後の対応 

●知事


 そのロシア[・ウラジオストクで開催される東方経済フォーラム]に出席をするということで、その道筋で韓国の江原道に立ち寄らせていただき、9月3日に、25周年の節目で崔文洵(チェ・ムンスン)[江原道]知事との協議など記念行事に参加をさせていただこうかなというふうに思います。記念行事と言っても、今こういう情勢の中でどういうふうに私たち[鳥取県と江原道]の友好交流を進めていくのか、そうしたことについて率直な意見交換を図りながら、これからの発展の方向性を確認をいたしたいと考えております。実はここに至るまでいろんな関係者の方々ともその持ち方を御相談したんですが、ロシアに行く途中なので、あまり時間が取れるわけではなくて、そういうことで本当に短時間での滞在ということになろうかと思いますけれども。


 昨日[8月27日]は観光あるいは旅館組合等々[鳥取県の観光関連団体から]要請がございまして、やはり本県の場合、そうした経済的に影響が出てきていて、日韓交流が本県のエアソウル[の米子-ソウル]便などの基になったものでございますので、そうしたものをぜひ力強く継続してくれというお話がきたところであります。また、一昨日[8月26日]ですかね、商工会議所の会頭たちとお会いをさせていただきましたが、やはり経済的な影響もいろいろとあるということであります。私どもリサーチをしてみますと、やはりお得意先にどういうふうに売り込んだらいいのかわからないようになったとか、食品関係などでやはり売り上げが落ちたとか、観光の宿泊客減ももちろんでありますけども、そんなような状況もあり、やはり経済界のほうからも交流継続をという非常に強いお気持ちもいただいたところでございます。


 日本の外務省サイドからも、私ども[鳥取県と江原道]でこういう交流をしているということということをお知りになられまして、ぜひ交流してほしいと、こういう観点でのお話もいただきました。そういうわけで、崔文洵(チェ・ムンスン)[江原道]知事と[9月]3日お会いした後ですね、在位ソウルの長嶺[安政駐大韓民国特命全権]大使ともお会いをさせていただき、日韓交流のあり方についていろいろと協議・御相談もさせていただこうかなというふうに考えているところでございます。





14 台湾チャーター便、香港航空副総裁との面談、香港での和牛フェア 

●知事


 また、台湾とのチャーターフライトの準備を進めていますが、9月4日に初便がやって来ることになりました。この中華航空(チャイナエアライン)の幹部も来県をされるということでありまして、私も面談の機会を取ろうと考えておりますが、既に90%を超える初便の搭乗率ということになってまいりました。ただ、その後の今回、今シーズン[9月~11月で]38便、3社(マンダリン航空、中華航空、台北エバー航空)で合わせて飛ぶわけでありますが、その全体の搭乗率をやっぱり上げていかなきゃいけませんので、しっかりとこれからもキャンペーンを張っていかなければならないところであります。


 また、香港航空とは昨日協議をさせていただき、戦学偉(ジャンシュエウェイ)副総裁とお話をさせていただきましたが、心配していた経営の問題ということはあまりなくて、むしろ後背地の深センも含めた交流パイプを強くしていこうということでありました。私どもも、昨日お話を踏まえて深セン側との接触のあり方なども早急に御相談もさせていただきたいと思いますが、中国港の本土と言えばやはり上海などもありますのでそうした所も含めたウィング[羽根]を広げていく努力を続けてまいりたいと考えております。香港では9月の1日から焼肉を、高級焼肉店であります「純」というお店で鳥取県の和牛フェアを開始をすることにいたしました。その後、岡山[県]、徳島県と一緒にイオングループのお店(イオン香港)での物産展、観光キャンペーンも展開をするということにさせていただいております。





15 台湾における鳥取県職員を騙った詐欺事件 

●知事


 このように海外でいろいろと事業展開をしていくわけでございますけれども、台湾で、鳥取県の観光交流局交流推進課長の名前を語った詐欺事件が発生をしております。昨日、台湾で報道があったということでありますが、実は私ども3月に現地台湾のほうからの御相談がございました。手口としては、こちら鳥取県で台湾旅行のキャンペーンをしていますと。それで、「お金を払い込んでもらえればその補助金がもらえますよ」というような、そういうタイプの手口ではないかとは思われます。詳細はよくわかりません、私どもがやっているわけではないのでよくわからないんですが、どうもそういうお話じゃないかなと推察がされます。それで、そういう働きかけを受けた人から問い合わせがありまして、いや、うちはそんなキャンペーンはやっていませんよということで、大阪にございます台北駐大阪経済文化弁事処、これ台湾のいわば外務省みたいなものだとお考えいただければと思うんですが、そちらのほうに相談をさせていただき、その御本人サイドのほうへの連絡等とも含めてそういう事実はやっていないので注意してくださいというような注意喚起をさせていただきました。


 また8月に入りまして、また同じような手口が見られたようでございまして、これは日本側の日台の交流協会のほうから御相談があるということでの我々へのお問い合わせがありました。それで、これもやはり我々としては対応できるものではない、やってないキャンペーンでありますから、それで台湾にいる私どもの駐在職員、委託でやっている駐在職員でありますけども、そちらを通じて台湾警察のほうに届けをしたり、また、私どものフェイスブックでの注意喚起を始めました。こういうようなことで、どうも台湾の外交部のほうがこの事象を公表されたんではないかなと思われますが、今回、台湾側で報道があったそうであります。


 私どもとしては改めて関連の警察御当局との連携を密にして、そして私どものホームページ等も含めた注意喚起を一層強化をしてまいりたいと思います。かなり手の込んだ手口でありまして、私どもの公印の印影を使われたり、実在の人物や組織に非常に近い形での語りがございまして、巧妙に利用されているというようなことがあります。今後もこうしたことが、我々としてもできるかぎり防止できるように、対策を深めてまいりたいと考えております。





16 日米貿易交渉 

●知事


 日米貿易協議がこれから本格化して、9,000をめぐる品目についての関税の話し合いをなされるということでありますが、ウシとか、ブタについて関税の大幅な引き上げ、ウシだと9%とか、そうしたことが今後、中長期的には見込まれるようになります。また、他方で和牛の輸出について3,000トンという無関税枠というのが設定をされるという報道もございます。こうしたこともあって、プラスとマイナスと両方あると思うんですが、私どもとしても、これまでも海外交渉人材の育成とか、それから企業の業態転換の支援だとか、また、県内農家の基盤整備のための[畜産]クラスター事業[地域ぐるみで高収益型の畜産を実現するための事業]であるとか、そうしたことを展開してまいりました。まだ情報は十分ないんですけれども、これから国連会議に向けて、その合意に向けて議論進めていくということでありますので、情報収集しながら県としての体制も強めてまいりたいと思います。





17 ジャパンディスプレイ、大山ハムの状況 

●知事


 県内企業の関係ではJDI[株式会社ジャパンディスプレイ]について、またこれも、今日[8月28日]の報道でちょっと役員人事が先送りになったという報道が出ておりますけども、これについては、会社側は支障なく進んでいるというように言っています。ただ、1,200名の早期退職募集ということが今日[8月28日]まで行われていまして、今日[8月28日]、締めきりだそうであります。その状況を見てということになりますが、県内でもそのように早期退職を希望される社員の方がいらっしゃるというふうにも聞こえてきましたので、近々、そういう再就職の支援のための会議を関係機関と一緒に設置をしたいと思います。


 あわせてJDI側には雇用の確保、要は鳥取の拠点を維持してほしいという要望をするわけでありますが、それとあわせて、それに必要な雇用は当然あるわけでありまして、鳥取県内でのやっぱり雇用人数というのもしっかり確保してもらいたいと、JDIがほかから回してくるという可能性は十分ありますので、そうしたことも含めて我々としては、これも緊急に要請をさせていただきたいと考えております。


 大山ハム[株式会社]につきましては、一昨日[8月26日]行ってまいりまして、村上[隆]社長初め幹部の方と面談をさせていただきました。報道はありましたけれども、春雪さぶーる[株式会社]という会社のもとで大山ハムと大山ハムファクトリー[株式会社]という2つの子会社を設けるわけでありますが、生産拡大については、これは揺るがないというお話、それで雇用についても引き継がれるというお話をいただきました。新しい伯耆町の工場でも例えばローストビーフであるとか、生ソーセージといった新しい挑戦であるとか、そうしたことを展開していくということのお話がございました。本県としてはそういう拡張マターについて県の支援制度もありますが、県内企業を対象としたというように制度は組み変わっていますから、それについては十分考慮をして県内企業の拠点ということを確保していただきたいと、こういう主旨を申し上げたところでございます。こんなような形でいろいろと、県内の産業振興いろいろと各方面進めてまいりたいと考えております。





18 会計年度任用職員制度の創設 

●知事

 

 9月県議会に向けまして会計年度任用職員という制度を創設するに向けた条例を、提出をしたいと考えております。本県は他の都道府県の中では特殊なほうになりますが、仲間の県もありますけども、期末手当を出すとき、本県の教員の実態などもございますので、時間数、勤務時間数での制限要件っていうのはかけない方向で制度設計をしようと、それでまた、本給について現給を認めながら、そのまま認めながら期末手当、2カ月分というものを措置していこうと、要は処遇改善ということに最終的にはなります。こうした方向性の中で条例案を最終取りまとめして、9月県議会に提出をしたいと思います。これは県の予算影響額としては5億5,000万[円]ぐらいになります。そうしたものもこれから節減をしたりというのも当然ありますし、さらには他方で国のほうでも交付税の中でこういうものも措置してもらうということも要望してまいりたいと考えております。





19 鳥取県ファンの集いin関西、鳥取西道路利用SAN9キャンペーン 

●知事


 これから夏休みも終わるわけでございますけども、今週末には大阪でファンの集い[鳥取県ファンの集いin関西]があり、観光や物産について、鳥取県ゆかりの方々にも動いていただき、PR活動を強めていければと考えております。また、9月に入りますと、このSAN9キャンペーン[SAN・INのSANと9月の9をあわせた造語]という山陰の9月というキャンペーンを行おうと。県内の宿泊施設に泊まった方に[最大]2,000円分差し上げるということでございまして、これは県内の施設入場料とそれに加えて1,000円分のガソリン代のクーポン、こういうものを出すというSAN9というサンキューキャンペーン、これを始めることにいたしております。ぜひ多くの皆様にも、夏は終わりますが、秋の山陰、鳥取県訪れていただくよう、お願いを申し上げたいと思います。私のほうからは以上です。





20 淀江産業廃棄物処分場計画 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 各社質問をお願いします。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 淀江町に建設予定の産業廃棄物管理型最終処分場の件なんですけど、米子市が条件つきで市有地の利用を認められたということで、その条件の中でセンターと県が住民の理解をさらに深めるように努力するというのが設けられていたんですけど、その点について受け止めをちょっと聞かせていただけたらと思います。


●知事


 はい。このことについては、今、私ども伺っておるところでは、今、米子市のほうで、その[公益財団法人鳥取県環境管理事業]センターへの回答文書の作成中であると伺っています。昨日、[米子市議会]全員協議会が開催をされたわけでありますが、米子市におかれては、議会交えて真摯に御検討されたことに感謝を申し上げたいと思います。この米子市の全協の内容のことも含めて、今、回答文書をつくられているんだと思うんですね。今の条件という形がどういう形で最後にセンターのほうに返ってくるのか、我々としても今、注視をしているところでございます。


 ただ、いずれにいたしましても、そういう米子市の強い考え方が出ましたことを我々としても真摯に受け止めなければいけないと考えております。今の理解を深めていくというような条件がつくのではないかと、こういうことでございますけども、これはこれから[廃棄物の清掃及び処理に関する法律の]法定手続きに入っていったり、また、法定手続きの前でも、さまざまな地元協議が行われることになります。地元の協議の中には、これは実は県のほうで産[業]廃[棄物処分場]関連で産[業]廃[棄物]処分[場]税を取っているものですから、それを生かして地域振興に充てる、そういう事業がございます。それで、その地域振興計画をつくるときには、地元での集落との環境の安全協定を結ぶと。それで、そういう協定を結ぶことが振興事業とセットになっているもんですから、恐らくこれからその協定案づくり、それにあわせた振興計画づくりでセンターが地元のほうにも入られることになるだろうと思います。


 まずはそういう動きがこれから出てくると思われますが、それについては、地元のお考えに応じて、私ども県の職員も同席をさせていただきながら、地元との話し合いに参画もしていくということも検討し得るんではないかと思っています。ちょっと詳細がわからないので、その詳細も見て考えてまいりたいと思いますが、これからセンターのほうで時間をかけてプランを練った上で、県のほうに法定手続きの申請がきますので、まだこれからしばらく時間があるのかなと思いますが、私どもも市の考え方をきちんとお伺いもさせていただき、それで、それのお考えに沿った形で理解を得る努力を進めさせていただきたいと思います。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 昨日の全協では、米子市議の意見の中には、知事に直接説明を求めるような意見もあったと思うんですけど、知事が直接出向いて、何か御説明されるというような御意思とかっていうのはないんでしょうか。


●知事


 私自身は2つの立場があって、今後、法定手続きに入った場合、そこでの最終的に安全の担保ということを図っていかなければなりません。そういう厳正な審査をする立場が1つあります。あともう1つ、廃[棄物の清]掃[及び処理に関する]法[律]の中で、この産業廃棄物については県のほうでやはり総括的にそのバックアップというか、コーディネートを図っていく、そういう立場もあるわけでありまして、ですから誤解がないように、私も行動しなければならないなという制約があります。ただ、今後の地元の状況などもよくお伺いをして、私としては真摯にそうした御意見にも時期によっては対応していく必要もあるのかなと思いますが、今すぐこう出かけていくと、かえって誤解を招くのではないかなというふうに私として思っておりまして、しっかりとまずは米子市の昨日の議論踏まえてどういう御意見を出されてくるのか、それをお伺いをさせていただきたいと思います。


 米子市の報道を見ていると、米子市の昨日の条件づけの中のもう1つは、安全の審査を[鳥取県で]徹底してやってもらいたいということがあるわけでありまして、今まで役所がやってきたような審査内容では不十分だということだと思いますので、それは私もある意味責任を持って、従来のことよりも、もうワンランク上に上げた、そうした明確な調査っていうものもやっぱりやっていかなきゃいけないんだろうなと。ただ、これ法定手続きが始まった後になるのかなとも思いますが、そうしたことも含めて米子市のまずは考え方をお伺いをして、今後の対応というのを謙虚に考えてまいりたいと思っています。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 関連して、まだまだ賛否が交錯していると思うんですけれども、住民の理解を得るためにはどのようなことが必要だと思われますでしょうか。


●知事


 これはまた今のと同じような話になりますけども、米子市がちょっと報道で出ているところで、多分これから取りまとめされて、どういう御意見が出てくるのかちょっとわかんないんですけども、報道に出てくるところでは、まずは県のほうでしっかりと安全の審査をしてもらいたいということであります。この安全の審査自体がやはりこれを厳正にやることが、そういう理解、住民理解ということにも、最終的には繋がっていくのかなと思いながら、ちょっとお話をフォローさせていただいているところであります。また、あわせて今もちょっとお話申し上げましたが、今後どういう手続きが出てくるかっていうと多分当面はセンターが自分の中で検討する作業っていうのに時間かかるんだと思うんですね。ただ、その過程で先ほど申しましたが、地元の地域振興とセットで環境対策の協定を結ぶということが地元との協議で入ってくるわけでございまして、そうした場でそうした御要請とか必要があれば県の職員も同席をさせる、そういう形で参画にあずかるということもあるのかなと思いながら、今ちょっと新聞記事など読ませていただいているところであります。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 知事、今の審査の内容でワンランク上に上げた内容っておっしゃったんですけど、例えばどういうところをワンランク上げてっていうのをお考えだったんでしょうか。


●知事


 従来の分析方法にさらに加えてセカンドオピニオン、サードオピニオンみたいな[第2、第3の分析方法を伺ってみる]ことかと思いますけども、あるいはそうしたことをやっていくとか、その中でまた追加の調査があるのであれば、今まで役所的には少し躊躇した調査もあるかもしれません。ちょっとまだその辺精査した上で、今後またランクを上げた調査のあり方っていうのを考えなきゃいけないのかなと思います。





21 台湾における鳥取県職員を騙った詐欺事件 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 すいません。話変わって恐縮です。台湾で起きた旅行詐欺について、ちょっと3点ほど確認したいんですけども、これは9月からの連続チャーター便を標的にしたものなのか、それと、あと被害は実際に発生しているのか、それとさっき対策を考えたいとおっしゃいましたけれども、具体的に今後どういうふうに対応していかれるのか、この3点お願いいたします。


●知事


 我々も我々のやっている事件ではないので、正直よくわからないわけでありますが、ちょっと私どものほうで入手したものなどを見ますと、[令和元年]9月以降のチャーター便とは関係がないと思われます。ですから、名前を騙られたっていうことに尽きるのかもしれません。そういう中で、これから改めて我々としても注意喚起を、こちら[鳥取県]のホームページ等にアクセスされてくる、そういう台湾の方もいらっしゃると思いますので、そういう方向けのPRということも強化をさせていただくとか、また、あちらの外務省に当たる駐大阪の[台北駐大阪]経済文化弁事処っていうところを通じて、向こうの外務サイド、あるいは警察サイドのほうからも注意喚起をしっかりとやっていただく、こういうことなどをさらに強めていかなければいけないかなというふうに思います。恐らくそういう観点で、あちらの外交省のほうがリリースされたんじゃないかなというふうに推察しているんですけども、ちょっと詳細は正直まだ昨日の今日でよくわからないところであります。これについてあれでしたら、また後ほど、担当部局のほうから経過や状況について御報告をさせていただきたいと思います。






22 江原道との交流 

○朝日新聞 鈴木峻 記者


 すいません。日韓関係のことで江原道との25周年記念事業は当初は3日ごろというふうに話しておられましたけれども、これはもう3日に決定をして、内容としてはチェ・ムンスン知事と協議というものに決まったということでしょうか。


●知事


 そういう方向で今、最終調整しているんですが、完全に確定したということではなくて、私自身ロシアに行く途中にこう回り込めるということが見えてきたんですが、ちょっとそこしか日取りが取れないという形ですね。今、計画をしているのは、実はこういう状況もあって、[矢部康樹]若桜町長とか、それから[寺谷誠一郎]智頭町長も行って一緒に話をしたいと、こういう方々もいらっしゃいますし、[鳥取県]日韓親善協会[連合会]とか、[鳥取県]文化団体[連合会]とか、そういう関係団体の民間の方も同席したいと、こういうお話もございます。今のところ、ちょっともう少しちゃんとお話しなきゃいけないこともあるのかなと思うんですけども、実は水面下でこういう交流継続に向けてやっていきましょうと、それで、崔文洵(チェ・ムンスン)知事とは恐らく意識の共有は図れていると私は思っています。


 最近も鳥取県の大学生があちらに行かれて訪問事業をやったわけでありますけども、その状況としては非常に温かく迎えてもらって、行く前は子どもたち、学生も心配したところもあったようなんですけども、行ってみるとやはりその日韓交流の大切さがよくわかったと、非常に積極的に受け入れてもらっていると、温かくですね。やはり友好交流がありますので、そういうことをベースにして江原道側も交流事業を続けていこうと、従来どおりやっていこうという形があるのかなと思います。確かに議会の交流とか、[日韓]水産セミナーとか、中止されたもの、中止というか、先送りになったものもございますけども、片方で、例えば[令和元年]10月に江原道やあるいは中国の吉林省と私ども鳥取県とで産業振興のフォーラム[産業技術フォーラム]を予定しているんですね、これ鳥取県でやるんですけども、持ち回りでやっています。


 一時期、これに江原道側から今回は欠席したいという趣旨のお話が来たわけでありますが、最近になってやはり江原道側でもよく中で相談をした上で出席をすると、こういうふうに変わってきたものもあります。ですから、江原道のほうもいろいろと考慮を深めながら、この交流事業の取り扱いについて前向きにやっていこうと努力をされているんだなというのは伝わってきているところでございまして、私どももそうした江原道のお気持ちにはやっぱり応えていく必要があるのかなと。他方で日本政府のほうも交流事業はぜひやってもらいたいと、こういうお話も来ていますし、観光関係、経済関係等々からもそうした声も聞こえてきておりまして、大掛かりなことではありませんけども、あちらに行って知事協議ということをして、交流の節目とさせていただいてはと考えております。


○朝日新聞 鈴木峻 記者


 11月にこちらで予定されていたもう1つのセレモニー、これについては何か話は出ているんでしょうか。


●知事


 それについては、まだ聞こえてきてないですね。ちょっとまずは来週どうするかっていうのを固めた上で、来週行ったらその話も当然しなきゃいけないかなと思います。


○NHK 石塚和明 記者


 関連して、先月末の時点では向こうでセレモニーという形で、この25周年の記念行事っていうのを調整されていたと思うんですけど、結果としては、ちょっと規模としては縮小という形になったという見方もあると思うんですが、その点どういうふうに受け止めていらっしゃいますか。


●知事


 これは私も当初から申し上げていたんですけども、崔文洵(チェ・ムンスン)[江原道]知事ともそうしたことで相談してもらいたいというふうに申し上げていたんですが、大切なのは交流を継続するということ、また、いずれはこれを発展させていくということでありまして、何かこう大がかりな、そういう行事を大々的にやるということではなくて、それが目的じゃないんですね。割りとお互い役所ですから、どうしてもそういう形にこだわるところがあんですけども、私は実質でやればいいじゃないかと。そういうふうに申し上げておりまして、そういう方向、こちらの意見も踏まえてあちらと今調整が進みつつあるのかなと思っています。ですから、規模のことはこうでなきゃいけないというのも当初からあったわけではございません[の]で、交流の節目をしっかりとお互いに確認をしていくということが最大の眼目だと思っています。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 知事、その関連してなんですけど、昨日も観光連盟の小谷副会長が言っとられたんですけど、やっぱり日韓交流の最先端の県として、平井知事のこう発信力を持って今の状況をちょっと変えるような、そういう動きをしてほしいっていうような意見もあったと思うんですけど、そういったことについてはいかがですか。


●知事


 いろいろと、正直悩ましいこともいろいろあるんですけども、ただ、報道機関同士の交流もこれまでもあったり、文化団体同士の交流もあったり、先般も文化団体同士の交流が最終的に予定どおり行われたということもありですね、江原道も私たちと同じように国と国が緊張関係にあるときに、地域と地域、人と人とで理解の架け橋を持っておく、それがむしろ私たちの務めなんじゃないかと、こうした思いは共有できているんじゃないかなというふうに思います。ですから、そうした意味で、いろんな時期的なことはあるかもしれませんけども、やはり私ども鳥取県なりの役割は県民の御期待ということもありますので、それに応えて進めていく必要があるのかなと思っております。そういう意味で長嶺[安政駐大韓民国特命全権]大使もお会いしようというお話になったんではないかなと推察をいたしております。


○日本海新聞 濱田匡史 記者


 すいません。地域と地域が理解の懸け橋になればすごいいい話だなと思っていますし、実際その江原道と鳥取県というのは今まで長年かけて培ってきた歴史っていうのも、そこに尽きると思うんですけど、例えば国と国とが緊張関係にある中で、地方の行政府同士が知事と崔文洵(チェ・ムンスン)[江原道]知事が共同声明のようなものを3日の協議のときに、これからも両地域の関係性の維持と発展の強化、交流の強化というのを掲げるみたいな、共同声明みたいなことっていうのは考えておられない。


●知事


 ちょっとその言葉の問題、ちょっとまだやってないんですが、ただ、お会いして協議をしましょうというところまで、今、たどり着きました。だから、そこで何らかの結論は出せると思いますし、私はこの交流の継続について[友好提携協定締結]25周年、確認をし、やはり我々[鳥取県と江原道]の歩んできた意義というのを共有できるのではないかなというふうに思っていますので、ポジティブ[積極的]に考えていきたいと思いますが、何か形にこだわって、何かコミュニケ[声明]を出すとか、そういうようなことを目指しているわけではありません。過去の我々も苦い経験もあるので、交流を閉ざすことは避けなきゃいけないと。それが結局、過去も観光だとか、経済だとかいろんなところに波及をしていきました。そういうことにならずに、地域間のはしごをしっかりとつくっていくと、そのことが私たちの務めだと思っていまして、はい。まずは崔文洵(チェ・ムンスン)[江原道]知事と意思の疎通を図ることを重視したいと思っています。


○日本海新聞 濱田匡史 記者


 何らかの形でお二人の意思の、疎通した意思というのを発表される。


●知事


 どういう形になるか、ちょっとそこはわかりません。向こうの仕切りなんで、江原道側の仕切りで、そこは江原道側なので、されると思うんですが、ただ私ども先ほど申し上げたような心配している、そういう町長たちとか、それから交流関係者だとかも一緒に行きたいというお話でございますので、そういうメンバーで行けば、それ相当の話ということになるだろうと思います。だから、目指すべきは25周年の節目というものを大切にして将来に向けて発展させていこうと、こういう確認が取れれば、今のこの環境の中ではそれだけでも意義があるのではないかと思っています。


○日本海新聞 濱田匡史 記者


 両地域の絆を再確認する場所というか機会。


●知事


 機会としたいと思うんですね、我々の思いとしては。


○読売新聞 田村勇雄 記者


 すいません。9月3日その江原道での記念行事なんですが、まだするかどうかは予断を許さない状況なのか、今、何か連絡待ちのような状況なんでしょうか、向こうからの。


●知事


 今、最終的にそういう方向で調整していると、これが正直なところでございます。それで、私自身もロシア行きの日程がだんだん見えてきて、行く途中で仁川[国際空港]からこう行って帰って来るということも可能かなというとこまできましたので、[9月]3日の午前中にあちら[江原道]の[崔文洵(チェ・ムンスン)]知事にお会いする機会が持てるんじゃないかなと思っています。ただ、まだ、まだちょっと確定とまでとは言えないかもしれないですけどね。はい。


○読売新聞 田村勇雄 記者


 言えない。何か特に向こうから中止とか延期とか申し入れがなければそのままこの9月3日でその予定どおりということでしょうか。


●知事


 これはお互いの話し合いなので、この時期についてどうかということがあればまた日延べもあるかもしれないですけど、今の段階ではそういう方向で、今、調整をしています。はい。


○時事通信社 今泉悠 記者


 すいません。関連してなんですけれども、若桜町とか智頭町とか関係団体の方々も行かれるということなんですが、その団体ってどういう団体なのかということと、あと、町長であれば町長レベルとか、その団体であれば同じような団体の間でも話し合いが持たれるのか、あるいはもう完全に知事の会談に同席されるのかどちらですか。


●知事


 会談に同席する[の]が正確かなと思います。はい。それで、江原道庁のほうで、またそこでのいろんな御意見はまた取りまとめて関係先と調整されるのかなと思います。今、参加予定になってきているところは日韓親善協会とか、それから文化団体連合会とか、あと、在日の民団の方とかそうしたごくごく限られたメンバーになると思います。大デリゲーション(大規模な派遣団)ではなくて、少人数での訪問になると思います。





23 東方経済フォーラムへの参加 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 ほか、ございますか。


○読売新聞 田村勇雄 記者


 あと、先ほど、何か9月4日、5日に東方経済フォーラム、ロシアのですね、ラウンドテーブルの席につくということで、そこで知事のほうから何か議題として何か投げかける件とかもし。すいません。先ほどDBSクルーズがありましたけども、そこで利用の促進とか。


●知事


 ラウンドテーブル自体は、ある意味大きな会議になっちゃうので、そこで発言する、しないはあんまり重要じゃないかもしれないですけども、多分、バイ[両国間]での話し合い、例えば[露日ビジネスカウンシルのアレクセイ・]レピク会長という、こないだ本県にも来られたんですが、露日ビジネスカウンシルの会長、経団連の会長みたいな人です。具体的な鳥取県を交えた交流について興味を持たれたところでありますし、そうした方々とお会いをしたり、また、あちらの担当大臣の方[オレシュキン経済発展大臣]も場合によっては面談の調整ができるかもしれません。そういうロシア政府の方々とか、あと、コジェミャコ[ロシア]沿海州知事、これは我々の姉妹提携先でありまして、このDBSクルーズフェリーにも関心を持ってもらっています。そうした要の方々やあちらに集まるビジネス関係者の方々、そうしたところに広く呼びかけをする機会というふうに考えております。


 それで、実は日本側もそれなりのメンバーが行くので、例えばトヨタ自動車とか、大手が勢揃いして行きますから、我々鳥取県としてはなかなか出会えない人たちが集まるので、日本側の関係者の方々にもこういう鳥取県のやっていることについて理解をしていただく機会になればと思っています。





24 全国知事会長選挙 

○時事通信社 今泉悠 記者


 すいません。全国知事会についてなんですけれども、冒頭でお話ありましたが、徳島県の飯泉嘉門知事が知事会長になったということで知事も推薦者に名を連ねていらっしゃるということなんですが、どういったところをこう評価して推薦したのかということと、あと、改めてどういうふうな今後の活動に期待されるかっていうのを教えてください。


●知事


 飯泉嘉門[徳島県]知事は私とは、かつての自治省という職場時代からずっと同僚でございまして、知事に当選した平成19年から、また知事としての付き合いもさせていただいているんですが、例えば若手の知事を中心に日本を変える運動をしようと、これも当選早々に私も平成19年飯泉知事と2人で呼びかけをして、それでこういう会[5県知事会(鳥取、徳島、宮城、山形、佐賀の各県若手知事で構成された会)]を発足をさせていきました。こんなことが今の新しい知事会の流れをつくりつつあって、いよいよ私の盟友である飯泉知事ということになれば、会長としても相応しいだろというふうに私としては評価をいたしたところでございます。むしろ飯泉知事の擁立に私自身も積極的にかかわらせていただきました。


○時事通信社 今泉悠 記者


 今後、期待するところを改めて。


●知事


 先ほどもちょっと申し上げましたが、例えば税財政の問題、一般財源が、今、大都市のほうに集中をしているわけでありますけれども、我々地方部では徳島[県]もそうですし、うちもそうですが、消費税が引き上がっても一般財源はむしろ減っているという矛盾が生まれてきているわけです。これはぜひとも解消しなければいけないと。こういうようなことなど地方税財政基盤の確立等に汗をかいていただけるんではないかと期待をいたしております。また、合区問題、これは[全国]知事会の中でも飯泉知事が中心になってやってくださいまして、こないだ7月22日は彼にも相談をして4人でアピール行動をさせていただきましたけれども、この合区問題もぜひとも次の参議院選挙までに、結果も出していければと思うわけであります。これまで交渉ごとにも当たっていただいた飯泉次期会長に期待をいたしたいと思います。





25 貨客混載事業の実証実験 

○中国新聞 小畑浩 記者


 すいません。貨客混載のバスの実証実験を大山町でされるという件なんですけれども、例えば、何か宣伝になるようなものとかを参考にしてこういう実証実験に出されるということなのかという確認とですね、あと、時期とか規模感などを教えていただければと思うんですけれども。


●知事


 これも、じゃ、詳細また担当部局から御紹介申し上げたいと思いますが、貨客混載事業[貨物と旅客の輸送・運行を一緒に行う形態]というのは最近注目されてきた手法でして、やっぱり中山間地にバス[を]走らせても、今もう6割が赤字[事業]ということになってきたんですね、地方のバス路線。そういうものをこのまま放っておくとどんどんと廃止になってしまうと。そこに宅配便のほうでもドライバー不足がございまして、そういう運送業者側の事情もあると、だからこれを組み合わせてしまえば、採算性もよくなるし、人手不足の解消にもつながるんじゃないかと、こういうことで全国的にもそういう例が生まれ始めています。


 本県でもこれまでも八頭郡のほうとかやろうとして運送会社とかいろいろ調整しようとしたことがあったんですけども、結局うまくいかなかったですね。折り合いがつかなかった。今回初めて大山町でそれができる見通しになりましたので、ぜひ県も応援してやっていこうとこういうことになったところであります。詳細のことにつきましては、また後ほど、じゃ、御紹介します。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 ほかございますか。はい、ありがとうございました。


●知事


 どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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