知事定例記者会見(2019年7月3日)

令和元年7月3日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

録画配信 知事記者会見動画(約90分) ※MPEG4形式

  

1 セーリング レーザー級世界選手権大会  

●知事


 このたび私ども鳥取県を舞台にしまして、世界中の選手が集結をし、本日[から]、レーザー級のセーリングの世界選手権大会[「2019レーザー級スタンダード世界選手権大会」]が開催されることとなりました。本日、開会式が始まりまして、今月[7月]下旬に至るまで競技が続くことになります。65カ国の選手が集まり、昨日[7月2日]はヨットの点検が行われました。今日[7月3日]の開会式、そのレセプション、選手の皆様とお会いをすることになりますが、地元を挙げてこうした世界中のセーラーたちをお迎えしたいと思います。これは私どもの夢でもございました。JOC[公益財団法人日本オリンピック委員会]の強化施設の認定を受ける、あるいはさまざまな合宿、これはクロアチアの[セーリング国際チーム]「JKモルナルインターナショナルチーム」の受け入れ等々がございました。その末に今回美保湾を舞台にして、セーリングの聖地として名乗りを上げる機会を得ることになりました。ぜひとも成功をさせて来年[2020年]の[東京]オリンピック前のキャンプ等ももちろんでありますが、世界中のセーラーたちに、ここにいい風が吹いて、いい海があり、よい景色やおいしい食べ物、人々がいる、空港からも近い適地であるということをご理解いただけるように地元としても頑張りたいと思います。地元の皆様のご協力もいただきまして、さまざまなおもてなしも始まることになります。ぜひ多くの皆様にもご観覧いただきまして、セーリングの醍醐味というものを味わっていただければというふうに思います。




2 スポーツクライミング フランス代表チームの事前キャンプ地の決定  

●知事


 また、先週フランスから連絡が入りました。[スポーツクライミング・フランス代表]シルヴァン・シャペルヘッドコーチ、この方は以前も知事公邸のほうにお見えになるなど、鳥取県に来県をされまして、倉吉[市]でスポーツクライミング、その体験をされているところでございます。そのときも若干選手もお見えになっておられたわけでございますけれども、今回、8月の5日から12日まで「クライミング世界選手権2019八王子大会」が東京[都]八王子[市]で開催されることを睨んで、事前キャンプを鳥取県で行うことになりました。倉吉に私ども[鳥取県]中部地震の復興のシンボルとして、スピード、ボルダリング、[リード、]そうした壁を作りました。この3つの壁がそろった所というのは全国にもそんなにあるわけではございません。この復興のシンボルが1つの魅力になりまして、こうしたフランスから[事前キャンプに]来られるということになりました。実はフランスは世界、特に欧州の中でもリーダーでございまして、オリンピックを目指している選手の粒ぞろいでございます。この世界選手権、[東京都]八王子[市]で開かれるもの(クライミング世界選手権2019八王子大会)、8月11日から21日まで開かれますが、ここで初めて[2020年]東京オリンピックの出場権の機会が得られます。



 すなわち、本気になって世界中の選手が向かってくる中で、トップチームが倉吉[市]でキャンプを張ることになりました。[倉吉スポーツクライミングセンターが]評価されたというふうに考えておりますし、前回(2018年12月)来られたときも、当方のほうでいろいろと受け入れをさせていただいたりしたことが功を奏したのではないかなと思います。連絡が入ったばかりでございますので、近々、倉吉市さんと一緒にその受け入れの実行委員会組織を作らせていただきまして、世界選手権の事前キャンプに協力をしてまいりたいと思います。もちろん日本選手の練習にいい、重要な会場にもなっているところでございますし、また、来年[2020年]の[東京]オリンピック、これを目指してフランスがまた来るかもしれません。そういうようなことを睨みながら、当方としてもいい受入態勢が組めるように準備をしてまいりたいと思います。




3 令和元年6月定例県議会後の政策展開、令和新時代創造本部等の始動  

●知事


 [令和元年]6月の[定例]県議会が終了しました。ここで312億7,900万円の予算を可決していただきました。これによりまして、チャレンジ55と私のほうで申し上げておりましたが、令和新時代を創造する各種の事業が本格的にスタートできることとなりました。また、庁内にも令和新時代創造本部、交流人口拡大本部、また、子育て・人財局、中山間の新しい部局(地域づくり推進部)、こうしたものも作り、7月5日に新体制を発足させることとなります。ぜひ、県庁も気風を一新しまして、新しい令和時代、これを鳥取[県]から切り開いていく、それを合い言葉にして、政策の立案、そして実現に邁進をしてまいりたいと思います。




4 豪雨・水害への備え 

●知事


 ちょうど先ほど[九州南部を中心に降り続く大雨で]鹿児島市でも59万人の避難指示が出ました。全市域での避難ということでありまして、こういう状況をお見舞いを申し上げたいと思います。きのう、宮崎[県]の[河野俊嗣]知事と電話で話をしていましたが、何かあればすぐに我々も応援を出すというようなことも言っていたところでございますし、関西広域連合も九州[地方知事会]と[災害時の相互応援に関する]協定を結んでいますので、今後必要に応じた機動的な措置ということになろうかと思います。ただ、こういう水害に備えていくことが大事でございまして、今回[令和元年6月補正予算]、大体440カ所(集中的に対策を実施する要緊急対策箇所)ある中の54%ぐらい着工できる予算が組まれました。これは河道の掘削、それから[河川内の]樹木の伐採、こうした基礎的な今まで手がつけられてなかった事柄についてであります。これなどは安全安心の新時代を開いていく上で重要な課題であります。このほかにもため池とか、ダムの[放流による]死者ゼロだとか、具体的な目標も立てながら進んでいくことになろうかと思います。



5 子育て支援政策の展開 

●知事


 こういうような中で1つポイントになってくるかなというふうに考えられますのは子育て関係でございます。子育てについては、このたび[参議院議員の]選挙戦が行われることになり、その中でも争点になるところでありますが、消費税をどうするかということにかかわる部分でもございますが、もし予定どおりということになれば[2019年]10月から3歳児から5歳児までの[幼児教育・保育の]無償化が実現をすることになります。ようやく国が鳥取県のそうした無償化政策に一部追いついてきているということでございますが、これをまた私どもの1つの契機として、次の子育ての施策を市町村や関係者と一緒にともに考えていきたいというふうに思います。今、鳥取大学の塩野谷[斉]先生とか、いろいろと各方面もお願いをしているところでございますが、早々にその新しい令和新時代の子育て支援、その検討委員会を発足をさせまして、本格的にそうした構想づくりに進んでいきたいというふうに思います。




6 子どもの通学時等の交通安全確保対策 

●知事


 喫緊の課題につきましては子どもの安全対策があろうかと思います。[滋賀県]大津[市]の交通事故がございました。また、川崎市[多摩区登戸(のぼりと)]におきます殺傷事件ということがありました。通学[路]の安全、それから園児たちの道路上でのお散歩等の園外活動、こうしたものの安全等も考えなければいけません。実は今、アンケート調査を保育関係者に行いまして、その集計の最終盤に差しかかっているところでありますが、ザッと見ていろんなものが入っていまして、緊急性のあるものから、こうだったらいいなという希望的なものまで含めまして全部で1,000[件]を超える要望が出てきているところでございます。それを、今パトロールを関係部局と一緒になりまして、教育当局とかあるいは保育関係とか、また、市町村や県、警察など入りまして点検を進めているところでございますが、そういう中で緊急性のあるものはやっていかなきゃいけないということになろうかと思います。ザっと見て、今まで粗々でちょっと審査、点検進めているところでは、県管理の道路部分でその歩道の安全が確保しにくいというような、そういう問題箇所としては40カ所ぐらいは緊急箇所があるかなというふうに思っているところでございます。今、その最終的な精査を、何とかこの夏の間にさせていただいて、9月の補正予算でそうした緊急性の高い箇所、県管理箇所につきましては早急に予算を計上し、できるものから取りかかって、年度内には仕上げていきたいというふうに思います。


 例えばどういう所かといいますと、ここからほど近い所で樗谷(おうちだに)公園(鳥取市)の入り口の交差点があります。ちょっと思い浮かべていただければと思うんですが、交差点結構歩道も広うございまして、ただ、その広い歩道の所ですけども、ガードレールがないんですね。それで、もちろん横断歩道等がございますので、歩行者のこと考えますとガードレールがあると邪魔でありますけども、ただ、今回の[滋賀県]大津[市]の事故、あれはその歩道の所、広い歩道があるんですが、そこに車が弾かれて突っ込んできたということになりました。それで、仮にそこにもう少しこう車を止めるようなものがあれば、事故が防げたかもしれないと、こういうようにも言われるところでございます。それで、その樗谷[公園の]入口の交差点の所ではガードパイプをつけて、それで、車が飛び込まないようにする、そういう緊急工事をしてはどうだろうかということでございます。


 ほかにも[県]西[部]のほうでいえば、[山陰]労災病院(米子市)の入り口の交差点、[国道]431[号]の所でございますけども、そうした所など40数カ所ぐらい、やはり早急に手立てをしたほうがいいんじゃないかと、近くに保育園等があるとか、実際に園外活動で使っていて、車が進入する余地が非常に大きいとか、そういう所をあぶり出して緊急に対応しようということを考えております。また、今回、登戸の事件なども考えれば、今、学校ボランティアで通学の見守りをしたり、また、地域のほうでも子どもたちの見守り活動をやっておられるボランティア活動の方々がいらっしゃいます。それで、今週末ぐらい、あるいは来週に入るかもしれませんが、アンケート調査をして、今までヒヤリハットというような、そういう問題点と感じるようなこと、それから何か子どもたちの安全という意味ではどういう要望があるのか等も聞くような、そういうアンケート調査を早急にさせていただこうと考えております。それに基づいて、やはり[令和元年]9月の補正予算の中で必要な対策というものも入れていくのかなというふうに思います。


 例えばピーッという防災、防犯の笛を持っておいて、こういう刃物で[襲われるような]尋常でない状況にあるときに、それで周りに知らせる、そういうようなことだとか、割と工夫してできることっていうのはあるんじゃないかなというふうに考えております。それで現場のそうした見守り活動の方々の御意見もこの週末ぐらいから取らせていただきたいと思います。また、「いかのおすし」という、子どもたちに「行かない」とか、車に「乗らない」とか、それから「大きな声を出す」とか、「すぐに逃げる」とか、「知らせる」とか、それの頭文字で「いかのおすし」っていう、そういう安全教育があるんですが、その動画を作成をして、ちょっと子どもたちにも関心を持ってもらえるような、手づくりですけど、そういうのを夏休みの間に[ウェブに]アップさせていただいたり、そうしたさまざまな子どもたちの安全に対してのアプローチを緊急に強めさせていただきたいと思います。




7 G20、北朝鮮拉致被害者救済要望ほか  

●知事


 このたびG20[大阪サミット首脳会議の開催]がございました。それで貿易のこと[に関する会議]であるとか、その後、北朝鮮に[ドナルド・]トランプ[アメリカ合衆国]大統領が急きょ行かれるというようなことがございました。それで、私のほうでは、昨日[7月2日]、拉致[問題]対策本部のほうに参りまして緊急要望をさせていただき、ぜひ拉致被害者の救出、これをこうしたトランプ大統領が訪朝したということがあり、今、局面が変わり得るのではないか、政府としても前進させてもらいたいと、こういうことを松本孟さん(拉致被害者・松本京子さんの兄)のメッセージも持参して要望させていただいたところでございます。




8 外国人観光客宿泊者数の増加 

●知事

 また、いろいろとこれからそういった経済対策とかの強化をしていかなければならないかもしれないわけでありまして、いろいろと緊張感の高まることに今後なっていくのかなと。そういう中、さまざまな経済の実行ある対策や海外との交易等、そうしたことも考えていかなければなりません。観光ということで言いますと、昨年[2018年]の最終的な[外国人観光客宿泊者数]確定数字がこのたび出まして、194,730人外国人の宿泊客がございました。これは5万人以上、対前年[比]で増えておりまして、39%の増、これは全国的にも極めて高い伸びということになりました。主要因は香港のお客さんが増えたとか、そうしたところにあるというふうに分析をされるわけでございますが、結構まんべんなく各方面からのお客様が増えていまして、台湾とか中国とか、そうしたことが出てきました。ぜひ25万人の宿泊客を目指して、さらに上に伸ばしていこうということであります。




9 鳥取空港への低層風情報提供システムの導入ほか 

●知事


 先般[6月28日]は台湾の鳳凰(ほうおう)旅行社、英語名でフェニックス旅行社でございますが、[会長と本部長が]来られまして、中華航空のチャーター便を11月から12月にかけて6回飛ばすという御提案がございました。我々[鳥取県]としてもこうしたチャーター便、さらにはそのほかのチャーター便計画などをぜひとも働きかけ実現させていき、そうした外国人客の確保を図っていきたいと思います。この鳳凰旅行社の乗り入れるのは鳥取砂丘コナン空港でございますが、この鳥取砂丘コナン空港については、このたびSOLWIN(ソルウィン)というJAXA[国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構]が民間との共同で開発をしました低層の風計測システム、これを本格導入することとなり、8月1日から本格運用させていただくこととなりました。


 実はこれは実験として我々が受け入れたもので、それの引き渡しを昨日[7月2日]受けたところでございまして、6月補正予算に関係予算を計上し、年間300万円ぐらい、そのメンテナンスといいますか、維持運営費用というものを計上し、これでやっていこうということであります。実は鳥取砂丘コナン空港、欠航は結構風の影響があるんですね。つい最近も、御記憶[にある]と思いますが、結構丸1日ぐらいですね、止まってしまったということがございました。風の影響、特に低層のほうに入りますと、その影響によって着陸をできないっていうふうに判断するとゴーアラウンド(着陸を断念し、再上昇してから着陸をやりなおすこと。)、またもう一回飛び上がってしまうんですね。それで、もし風の状態がリアルタイムでパイロットのほうに伝われば、今チャンスだということで降りれるようになるわけです。それで、そういう意味で欠航率の改善に寄与するんではないかと期待をいたしておりますし、また、安全上も確保されると、この向上もあるというふうに考えられます。


 実はパイロットにアンケートをとったところ、9割以上のパイロットが、これは有効であるというふうに回答を寄せていただいておりまして、そういう意味で我々としても導入に踏み切りました。全国というか、世界でも初めて本格導入ということになります。今、国内では大分[空港]で試験導入をして、その後止めていたり、今度[山形県の]庄内空港が試験導入するというのがございますが、本県[の鳥取砂丘コナン空港]が試験導入を経て本格運用に入る最初の空港ということとなりました。





10 健康増進法改正に伴う対応  

●知事


 7月1日に健康増進法が[一部]改正をされまして、我々としてもがん対策の条例(鳥取県がん対策推進条例)をやっているところでございます。その条例でも、実は禁煙指導を進めてきたところでございますけれども、今回第一種の施設、この鳥取県庁等の行政機関、病院や子どもたちの施設、さらには飛行機等々が第一種ということになります。これが7月1日から全面禁煙ないし特定屋外喫煙施設、喫煙所としてそういうのを設けてそこで喫煙をするということは認める、こういう制度に移行することになりました。さらに年度明けて来年度、令和2年度からは小さな食堂等の例外は一部あるものの、そうした飲食施設等々も含めて幅広く禁煙が導入され、東京オリンピック、パラリンピックに向かっていくと、こういうスケジュールになっているところでございます。本県[の県施設]でも22[施設]の所で敷地内全面禁煙とさせていただき、県庁[舎]等19の施設で特定屋外喫煙所を設けるという措置といたしました。県庁[舎]につきましては3カ所あったものを1カ所に集約をし、その施設も排煙等で受動喫煙を生じないように措置をした上で、それで7月1日からということにさせていただいております。


 ただ、これは、実はゴールではないわけでございまして、さらなる措置をこれからやっていかなければなりません。本来であれば誰もが[たばこを]吸わないですむというのが理想なんでありましょうが、ちょっと県庁等の場合どうしても外来の方々もいらっしゃることもございますし、職員の中にも喫煙がなかなかやめられないという者もおります。そんなようなことでこうした特定屋外喫煙所を設けていますが、これはいずれそう遠からぬときに、これも廃止できる、そういう状況が生まれればというふうに念願をしているところでございまして、来庁者等へのアンケートを今後やったり、それから職員向けには卒煙プログラムをこれから組んでいこうというふうに計画をいたしております。


 具体的には来週卒煙支援窓口を県庁のほうにも設けさせていただき、職員が卒煙に向けてこういうようなやり方があるという指導を受けられるようにする。それで、そうしたいろんな医療情報、今は医療的措置でやはり回復して卒煙していくというパターンでございまして、そういうものを、情報を提供するということを考えております。また、あわせて[地方職員]共済組合と、今、協議中でありますが、最大で自己負担がないようなところも視野に入れながら卒煙医療を受けられる、そういうのを臨時的にもやって、県庁内で今15%ぐらいは喫煙者がいると分析をしておりますが、そうした職員の卒煙指導もして、そういう全面禁煙、敷地内禁煙等も視野に入れていければと思います。


 また、いろいろと医療関係者、専門家の方々などの御意見も聞きながら、民間でもこれから4月に向けて準備を進めていかなければなりません。当然保健所等でさまざまなプログラムで啓発活動や支援を行っていくことにいたしておりますけれども、それとあわせて実際に卒煙していく、そういう人を増やしていくという観点で、卒煙支援の事業というのも9月補正に向けてさまざま関係方面の御意見も聞いて検討してまいりたいと考えております。





11 旧優生保護法への対応  

●知事


 また、[旧]優生保護法の関係では、今、県のほうから[一時金請求書を国へ]進達をしてその支給金を得られるように、今、申請を出しているのが6名と増えました。それで今、順次接触している方も増やしてきておりまして、現在14名まで増えてきております。これも鳥取県独自にそうしたアプローチをしていこうと、いろいろとその後増えてきて今40名ぐらいですね。40名がこういう被害者ではないかというようなことを把握するにいたりました。ただ、3名ほどは対象外かなというふうに判断できる方もいらっしゃったりしまして、いろいろと、今、一つ一つ丁寧に私どもも寄り添いながら対策をしているところでございます。





12 読書バリアフリー法成立ほか  

●知事


 また、読書のバリアフリーの法律(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)がこのたび(6月21日)成立をしました。視覚障がい者に向けてはロービジョン対策など、本県でもこの6月[議会で]600万円ほどの[補正]予算を成立をさせました。こういうものなども入れまして、ぜひそうした推進を図っていければというふうに考えております。また、医療関係で全国自治体病院開設者協議会という組織がございます。それで、これから消費税引き上げに向けまして、消費税引き上げたときのその税の適用の仕方などの技術的な課題、あるいは医師の確保、こういうことなどを喫緊の自治体病院の抱えている課題がございます。それで、来週の月曜日[7月8日]、東京[都]で大会(全国自治体病院開設者協議会総会)を開いて関係政府機関に要請活動をしようということになりました。鳥取県もこのたび、それのリーダー役の理事(会長)ということになりまして、これからそうした全国的な活動に参画を強めてまいりたいと思います。





13 和牛遺伝子資源の保護 

●知事


 和牛の遺伝資源でございます。これにつきましては中国への流出につきまして、先月[6月25日]、裁判所の判決が出まして有罪[判決]が下されたところであり、対策が急がれます。それで、国のほうも、[和牛遺伝資源の流通に関する検討会の]中間取りまとめをされまして、例えばトレーサビリティー(流通履歴)といいますか、精液や受精卵、それの後追いができるような管理システムをつくろうとか、それから罰則の強化や取り締まり、抜き打ち検査等々やっていこうとか、そうした当面の方策について打ち出されたところであります。私どもも先月[6月]末、有識者、弁護士も新たに入りまして、研究会を進めてきたところでありますが、議会での議論も経て、いよいよ本格的な検討にこれから入ろうというふうに考えております。


 それで、7月5日から県民参画[電子]アンケートをやろうと、これ実は定点観測のような形でモニターの県民の方に御意見を随時、大きな課題があるときは聞くものでありまして、我々の[鳥取]県民[参画]基本条例で定められた手続きであります。4年に1回の選挙だけでは民意の反映が難しいというふうに考えまして、鳥取県独自でそういうことをしているわけでありますが、それにかけさせていただき、条例化の必要性とか、あるいは罰則の可否だとか、そうしたところもアンケートで県民の御意見、このモニターをさせていただきたいと考えております。


 それで、そうした調査結果やあるいは関係者のいろんな御意見、こういうものを総合しながら、条例の是非やその考え方の整理を早急に進めさせていただき、例えば11月[定例]県議会とかへの提案を目指すようなスケジュールを念頭に進めてまいりたいと思います。先月[6月]末の研究会で出てきた御意見などを総合しますと、精液だけの取り締まりということでは不十分だろうと、それで、受精卵も対象にすべきではないか。さらに雄牛そのものを、こうしたところも遺伝資源として、やはり条例の対象にすべきではないだろうか。このようなことで、従来、我々は精液についての契約による拡散防止策を図っているわけでございますが、ただ契約ですので、以前よりは減りましたけど、やはり違反される方が最近も出ているという状況でございまして、やはり、何らかの公的な法的サンクション(制裁)を視野にすべきではないだろうか、関係者の意見の非常に強いところでございます。こうしたことから、そうした対策をぜひ進めてまいりたいと思います。





14 中山間地等における公共交通政策  

●知事


 また、中山間地を中心として、交通対策の強化を図る必要がありますが、[県内]東中西[部]それぞれに地域交通網の形成計画を策定し、それを実行に移す段階に入っています。東部のほうでは、このたび鳥取藩の乗り放題手形という、ちょっと漫画チックでありますが、そういうバスの共通パスを作ってきたんですけども、このたび若桜鉄道とか、それから八頭町や若桜町の町営バス、これも加わることになりましてバスだけではなくなって鉄道も入るというふうな形の共通パス化を図ろうと。それで1,800円の値段は変えずにやっていこうということで、これが実現することになりました。また、中部のほうでも、これも10月の実施を視野に、今最終的な行政機関との調整等に入ったところでございますけれども、[名探偵]コナン[に縁がある所]の青山剛昌ふるさと館、あるいは由良駅に通うお客様が増えてきているわけであります。それで、こうしたところにバスが北条線とか、それから赤碕線、こういうものが寄るように路線を一部組み替えていくということや、あるいは高校生の通学の利便を図るために、西倉吉のほうの[倉吉西高校や]倉吉農業高校とか、そうした所に行きやすくする。そういうように赤碕線を組み替えていくとか、それから社線等を西倉吉の工業団地のほうの通勤客も使えるようにするとか、あるいは倉吉の総合産業高校等も、これも新しくバスの通学がで今日にするとか、こんなことを要はパッケージで、またこのたび実施をしていこうと、このようにしてバス路線の再編、これもようやく実現に向けて動きだす運びとなりました。





15 「鳥取和牛大山不二家心斎橋本店」のオープニングレセプション  

●知事


 いよいよ、大阪[市]の心斎橋に[株式会社]不二家との提携によりまして「鳥取和牛 大山」というアンテナショップ的なレストランが開業することになりました。不二家の山田[憲典]会長に感謝するものでございますが、7月6日にそのお披露目のレセプションが開催されることになりました。そのようにして、その後、賑わいができてくればなと思いますし、いよいよ、夏休みが近くなってきましたが、7月7日日曜日は七夕でございます。





16 わらべ館生誕祭 七夕☆出張プラネタリウム 

●知事


 この日はわらべ館(鳥取市)におきまして移動プラネタリウムのイベントを行うということになりました。ただ、まだ雨の状況は今週、九州等中心に降り続くというふうに見込まれていますが、[梅雨]前線の動きによっては本県等山陰に影響しないとも限りません。県民の皆様にはいろいろと情報には注意をしながらお過ごしをいただければというふうに考えております。私のほうからは以上でございます。





17 スポーツクライミング フランス代表チームの事前キャンプ地の決定 

○朝日新聞 鈴木峻 記者

 質問のある方はよろしくお願いします。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者

 すいません。クライミングの事前合宿なんですけど、フランスチームの。これ何人ぐらいの方が来られるんでしょうか。


●知事

 選手自体は14名くらい、[東京都]八王子[市で開催される]世界選手権に参加すると伺っているんですが、今入っている連絡の状況では、本県で事前合宿練習をするのは10名は超えるぐらいかなと。ちょっと今、そこはまだ、来月[8月]のことでもありますし、ちょっと不確定ですが、ただ、かなりのデリゲーション(代表派遣)という形で有力選手が集まるということになろうかと思います。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者

 やっぱり倉吉に決められたその決め手というのは、どういうとこが一番大きかったんでしょうか。


●知事

 やはり「リード」、それから「ボルダリング」、「スピード」と、そういう3つの[種目を行う]壁[施設]がそろっている所は日本国内で、そうありません。[平成28年10月鳥取県]中部地震で実は倉吉[市]の[県立倉吉体育文化会館の]体育館は被災をしまして使えなくなりましたけれども、直すのであれば、そういうクライミングの聖地として復興しようと、その願いが多くの方々の共感を呼んで、その壁を活用しようというふうになってきているのかなというふうに思います。また、フランスの場合、選手はすごく優秀で、ヨーロッパの選手権なんかでも制するような選手がいっぱい来るんですけども、ただ、どうしても時差がございますし、日本の気候への慣れとかいうこともありますので、であれば事前キャンプが有効であろうかというふうにヘッドコーチも考えられたんじゃないかなというふうに思います。そんなようなことで、今回、わがほう、倉吉のほう。前、割とジュニア[選手]のほうが中心だったと思いますけど、去年[2018年]、[ヘッドコーチが]来られていまして、私も会っていますが、そのときの練習環境が非常によかったという御評価をいただけたんじゃないかと思います。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者

 日頃の誘致の活動の成果が実って、こういう結果になったと思うんですけど、一言ちょっと感想を聞かせていただけたらと。


●知事

 はい。中部地震の復興でつくったその壁、それでこれからの復興のシンボルとして聖地に生まれ変わることができました。ぜひ、これからも世界中の選手が目指してくるようなスポーツクライミングの聖地になるきっかけになればと願っております。フランスチームが世界選手権でいい成績を出せば、また、オリンピック[の際]も、じゃあ、[事前合宿は倉吉へ]行こうというように、ちょうどジャマイカが私どもの所へ通ってくるようになるかもしれません。そのためにも今回、ぜひ、受け入れを成功させていきたいと思いますので、石田[耕太郎倉吉]市長など地元と協力をしてまいりたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者

 関連してですけども、最終的な目標はオリンピックの事前キャンプの誘致ということになるんでしょうか。


●知事

 それはちょっと当然視野に入れてこれまでも、去年[2018年]も来たとき、[2020年東京]オリンピックのときどうですかっていう話もしております。非常にもう少し率直な方々で、割といい所ですねみたいな気軽いお返事が来ていたんですが、今回こんなにスムーズに決まるとはちょっと思っていなかったところもございますが、もちろんオリンピックを視野に、フランスチームは倉吉[市]に目線を送ってくれていると思っています。


○山陰中央新報 原田准吏 記者

 例えばほかの国なんかも含めてオリンピックの事前合宿誘致を図るのか、それともフランスに絞って今後やっていかれるのかどうでしょうか。


●知事

 ちょっとその辺は地元の倉吉市やそれからスポーツクライミングの協会[鳥取県山岳・スポーツクライミング協会]のほう等の考え方があろうかと思いますので、よく相談をしていくところかなと思います。ただ、例えば日本チームもね、あそこ[倉吉スポーツクライミングセンター]を使ってもらっていますので、日本チームの場合、時差だ云々ということはありませんから、本当の直前じゃなくても合宿してもらえばいいということかもしれませんが、いろんな形で活用できると思っていますので、我々もオリンピック後も含めてPRをしていきたいと思います。




18 健康増進法改正に伴う対応 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 すいません。県庁内の特定屋外喫煙所のことでお伺いしたいんですが、先ほど「いずれ遠からぬときに廃止できる状況が生まれれば」というふうにおっしゃったんですが、例えば来年の令和2年からの民間飲食施設の導入とかにあわせて、そういうようなお考えで、時期的なことをお伺いしたいんですが。


●知事

 ええ、それ[特定屋外喫煙所の廃止]も視野に入れています、はい。今ごらんいただければおわかりいただけるようにプレハブの建物でございまして、撤去しようと思ったらすぐにでも撤去できるものでございます。民間での浸透ぐあいとか、そういうことも見なければいけないのかもしれませんし、県庁の場合、来庁されるのは結構講堂で研修を受けられたりして、1日そこに滞在されるっていう方もいらっしゃるんですね、庁外の方で。そういう方々などの御意見もちょっと聞かなきゃいけないとは思うんですが、いずれにいたしましても、本来健康増進法が目指しているのは、がん対策なども含めて禁煙が広がっていくということでございますので、そういう意味では公的機関としての役割は深く自覚した上で遠からぬ時期に撤去も視野に入れていこうと思います。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 その間のあいだですけど、今、3カ所を1カ所に集約したことで、ここ数日、というか2日ほどですか、見ていますと大変込み合っているようで、いろいろ対策は施しているんですがどうしても出入りがあって、これは個人の実感ですけど、煙がどうしても周辺に多少漏れているときもあるように感じるんですけど、近くには保育所もありますし、あの場所が果たして特定施設としていいのかどうかということもあると思うんですが、そのあたりのことと、それから、一方で将来的になくすとなると、吸う人の権利みたいなものをどう守るかみたいなことも出てくると思うんですが、そのあたりはどうお考えでしょうか。


●知事

 保育所の関係では、実は久松保育園と話し合って少しその施設の改善をしたり、それから、また、あの横に自転車置き場があるんですけども、そっちのほうに風が流れる可能性ということも考えて遮蔽をしたり、少しこの7月を睨んで施設としてはちょっとレベルを上げております。ただ、今、まだ7月1日始まったばかりで、第2庁舎と車庫の所の間にあったもの[喫煙所]は撤去した[ので]、そういうところ[の利用者]はこっち[1箇所になった特定屋外喫煙所]に流れ込んできているということは想定されますし、現在のちょっと使用状況もきちんと調査もさせていただきたいと思います。いずれは撤去すべきものだというふうに我々は考えているんですけども、ただ、経過的に今、あそこに存置される間、できるだけ健康増進に適うような、そういう施設のあり方にしなければいけませんので、よく管理に注意をさせていただきたいと思います。使用状況は調査をさせていただきたいと思います。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 担当部局は休み時間以外は利用しないようにと職員さんには呼びかけているようですけども、なかなかこれも見ていますと習慣ということもあって、そうもなってない方もおられるとは思いますが、知事としてはこの件に関しては、例えば職員さんにはどういった対応を求めていきたいと思われますでしょうか。


●知事

 そういう意味で先ほども卒煙プログラム、これを推進していこうと、そのサポートデスクを県庁のほうでも福利厚生の観点で設置をさせていただいて、吸っている職員のほうでも意識改革をしたり、医療的ケアが有効であること、これに向かっていただくということが本来だろうと思うんです。私も実はアメリカで職場にいたときもあるんですけども、あっちは割と早くから敷地内禁煙みたいなことをやっていたんですけど、そうすると出口の所に人が溜まっているんですよね、それでみんなスパスパ煙草を吸っていると。それが果たしていいのかということもありますので、一概に敷地内禁煙してそれでいいかというと、問題の本質的な解決にはなかなか至らないんじゃないかなと思います。

 そういう意味では、卒煙者を増やしていく、この機会に。世の中も変わりますし、いずれは撤去をするようなプレハブのものでございまして、時限的なものでもありますし、何より御本人の健康の問題、それから経費も当然喫煙の費用かかりますので、そういう意味で、ある意味関係者ウィンウィン(双方にとって好都合)になれるような、そういうソリューション(解決策)はあるというふうに思います。そちらに誘導をするのが本来のあり方かなというふうに思っていまして、単に禁止命令を出したらそれで終わりということで解決できない問題もあります。どうしてもニコチンのいわば依存症という一種の体質といいますか、そうした治療を要する課題もありますので、その辺にもやはりある程度配慮をしながら、誘導施策をしていくのが今の段階かなというふうに考えております。



19 合区による参議院議員選挙 

○山陰放送 日野彰紀 記者

 あす、参議院選挙が公示になります。鳥取、島根の合区の選挙も2回目ということになります。地方の声が届きにくくなるという指摘もありますが、合区についてのお考えを改めてお聞かせ願えればと思います。


●知事

 これについては、やはり選挙の関心が薄れてしまう、そういう重大な事柄だろうというふうに思います。もともと我が国に衆議院議員の選挙が導入されたとあわせて府県制という鳥取県などのこういう都道府県組織ができあがっており、それは、実はこの都道府県というユニット、単位を通じて民主的な[政治]参加の道筋をつくろうと、山縣有朋らの考え方があったわけです。それで、この本質は戦後も一貫しておって参議院議員の選挙について法制化がなされたときも地方代表として都道府県単位で選出をするというふうになっていました。これが今回こういう合区という形になってしまったというのは、そういう参加のチャネルが事実上断たれてしまう、そういう深刻な問題だろうと思います。

 現に前回も投票率の低下が著しかったわけでございまして、私どもやあるいは高知[県]とか不名誉な状況になりましたけど、これは有権者が政治参加をしなくなるという民主主義の危機でもあろうかと思います。ですから、早急にこの合区という状態は解消されなければならないと考えております。これについてはまた今月[7月]、全国知事会[議]が開催をされますけども、それに向けた委員会審議も始まっておりまして、この合区の解消については私も発言をしてまいりたいと考えております。



20 子どもの通学時等の交通安全確保対策 

○NHK 石塚和明 記者

 すいません。子どもの安全対策について、3点ほどお伺いしたいんですけども、先ほど、1,000を超える声があったということで、その中で緊急なハードの整備を要する県管理のものとしては40以上ということだったんですけども、そのほかには具体的にどのような声が寄せられているのかという点と、また、市町村管理の道路というものに関しては今後どのように県として働きかけていくのかというところをちょっとうかがいたい。


●知事

 実は、今、まだちょっと集計中でして、その集計途中の状況はまた、じゃあ、後ほど今のある程度わかっている範囲のことは[担当課から県政記者]クラブのほうに御説明をさせるようにいたします。それで、実は市町村管理の所と国管理の所とあと私どもの県の管理の所があります。それで、市町村管理の所、それから国管理の所につきまして、これはそれぞれの道路管理者等のほうに、今回こういう要望箇所がありますよということをお知らせをして、働きかけをしていこうというふうにしております。また、具体的にそういう危険箇所というふうに指摘された所は警察やあるいは道路管理者や、また教育、保育関係者なども一緒になりまして合同で点検をして、それで本当に対策が急がれる所を炙り出して優先的にやっていくということをしようとしておりまして、今、そのプロセスの最中であります。その中でも市町村とか、国とかの管理者、道路の管理者も参加してもらうことになりますので、そういうところで共同でこの子どもの安全ということに対処していきたいと考えております。


○NHK 山根力 記者

 すいません。1個だけ聞き忘れたんですけど、政府は先月[6月]18日に緊急対策で子どもの安全確保で9月末までに道路の安全点検をやって、それから必要なハード整備はすると、県は9月の補正予算で早ければやるということですけども、予算の出所含めて国の動きとの連動っていうのはどういうふうに。


●知事

 実は私ども先に点検に走っていまして、アンケート調査をもう先月[6月]には早めに始めていたと思います。ですから、うちはその作業に入っていますから、早くて、この夏の間には、今月[7月]中ぐらいにはある程度終わるんじゃないでしょうかね。それで、点検を終えて、それで、緊急[整備を要する]箇所を予算計上していくということであります。国よりもちょっと一歩二歩先に、先回りしながら対策を進めているというふうに御理解いただけたらと思います。



21 国の幼児教育・保育無償化に伴う対応 

○中国新聞 小畑浩 記者

 すいません。幼児教育無償化の話がありましたけれども、この10月に向けた中で今回の補正予算の中にも盛り込まれていますけれども、森のようちえんをはじめとした認可外の、専業主婦だったりという線引きで対象から外れるという問題が出ています。それで、鳥取県としても補正予算である程度の手当はするというふうになったわけですけども、やはり足りない部分、もしくは市町村の協力が得られるか、得られないかわからない部分があると思うんですけども、森のようちえんなどのそういった対策というか、今後どのようにしていくかって、もしお考えがあればお願いします。


●知事

 この森のようちえんにつきましては、長野県や広島県と一緒になりまして、全国的な自治体組織もつくり、今回の[幼児教育・]保育料無償化が不完全であると、こうした森のようちえんに対するニーズも現にあって、そこで子どもを育てている御家庭もあるわけでありまして、保育園とか幼稚園の定義から外れるというだけで対象としないのはいかがなものかと。特に、要は保育に欠ける[保育の必要な]子であれば準じた措置をするけれどもっていうことでありますと、幼稚園的に通わせている人たちがみんな[対象から]外れてしまうということになります。これは国の制度欠陥と思っていまして、一義的にはその国のほうに要請活動をやっていくということで関係者と申し合わせております。ただ、そうとばかりも言っていられないわけでありまして、[保育]現場ではこれで森のようちえんの経営が成り立たなくなるんではないかと、結局森のようちえんに通わせるお子さん、通ってくるお子さんがいなくなってしまうことになりゃあせんかと、そういうような危機的な声も私のほうにも寄せられたわけでございまして、そういう意味で本県独自の施策として、県の単独事業を設定をさせていただきました。これはちょっとまだやってみなきゃわからないところでありますが、[令和元年]6月[鳥取県定例議会]で予算は成立しましたので今後関係者にもよく周知をし、それを市町村とも協力をしながら執行してまいりたいと思います。ただ、今、御指摘のようにいろいろと不具合があるかもしれない、あるいは国のほうの細かい制度設計がありますのでね、それで、ちょっと齟齬が生じないように、それはまだ10月の施行まで日がありますので、その辺はよく調整をしてまいりたいと思います。


○中国新聞 小畑浩 記者

 すいません。その関係で市町村でも県がその幼稚園相当の2万5,700円の半額ということでその残りの半額を町としてみましょうという所もあれば、そういう計画のない所もあって、要するに子どもを通わせている保護者の居住地によって差がつくという状況も生まれるんじゃないかと思うんですけども、そのあたり、その働きかけという面ではどのようにされていくのか。


●知事

 私どもとしては市町村のほうに、こういう全県的な施策がありますので、ぜひこれを活用していただきたいというふうに改めて呼びかけをさせていただきたいと思います。ただ、児童福祉の事業というのはこれ最終的には市町村責任の事業でございまして、県で強制するわけにもいかない、そういう意味合いがございます。ですから、保育園がいろいろと市町村によって異なっていたりするのと同じように、森のようちえんについても色合いが異なることは、制度上はやむを得ないところがあるのかなと思いますが、ただ、いろいろ関係者、それから保護者の御意見も聞いて、今、鳥取県としてもこういう自然保育を推進しているわけでございまして、その実を上げられるように今後とも制度の改善に努めていきたいと思います。



22 日韓関係の緊張によるインバウンド観光等への影響 

○共同通信社 遠矢直樹 記者

 インバウンドのところでちょっとお伺いしたいんですが、外交的意味合いとは今、日韓関係の緊張感も高まっている中で、ソウル便の就航が米子空港にありますが、今後鳥取県の来県の数に対して、そういった日韓関係の緊張関係というのが影響を与えるかどうかっていう懸念をもしお持ちであれば教えてください。


●知事

 これについては、国対国というベースではいろんな意見の対立はどこの国とでもあるわけでございます。ただ、私どもは隣人として、人と人、地域と地域との交流は進めていき、これが本当の意味での平和であるとか、それからそれぞれの経済の繁栄であるとか、そういう実利をもたらす、要は土台になるというふうに考えております。そういう意味で民際外交[国家の枠組を超えて草の根的に行う総合交流]というのは重要視しているところであり、北東アジア[地域]の中で鳥取県は日本海に面しているという地理的なこと[特徴]もありまして、この北東アジアとの協調関係というのを今までも確立をしてきたところであります。その成果として[米子]ソウル便の飛行機とか、それからDBSクルーズフェリー[の運航]がございます。今、そのソウル便については一定程度、乗客はある状況でございますし、そう大きな影響には現在は至ってないのかもしれませんが、今後もよくフォローしていかなければいけないと考えております。また、DBSクルーズフェリーについては7月5日に就航10周年の記念式典を行うということにいたしました。DBSクルーズフェリーが境港に寄港するかどうか、非常にデリケートな問題も内在されているんではないかというふうに我々としては心配もしておりまして、働きかけを船社側にしているところでもございますが、そういう中でムン・チュンウン代表理事がDBSクルーズフェリーを代表して式典に正式に参加されるということになり、この機会に山陰の見どころなども見てもらって、韓国の方でも心に響くような、そういう観光地、リゾート地であるということを理解してもらおうと、今、計画をしているところでございます。

 また、韓国におけるそういう、例えばブロガーであるとか、それからケーブルテレビであるとか、そうしたいろんなメディアを通じた鳥取県や山陰の観光の魅力を発信をする、これもやはりソウル便の今後や、あるいはDBSクルーズフェリーのことも考えて、これも強化をしていこうということにいたしております。いろいろとちょっと心配はないわけではないところでありまして、実は最近DBSクルーズフェリーも、[お客様が]大分乗っていますけども、去年より[も]少し減り気味であると。いろいろお客様の動向を見ていますと、関西[地方]のほうに流れる、人気があるようでございまして、山陰[地方]のプレゼンス[存在感]が少し低下しかけているのかなという懸念もあります。だから、そういう意味でこういう[空や海の]大動脈[となる路線]を維持していく、これが将来的な経済交流や人の交流の土台になることを考えれば、PR活動もしっかりとやっていかなきゃいけない時期だと思っております。



23 和牛遺伝資源の保護 

○共同通信社 遠矢直樹 記者

 すいません。もう1点、ちょっと話は変わってしまうんですが、和牛の遺伝資源のところに、国のほうでも申請中間とりまとめもあって、対策を進めているところですが、県のほうでも独自に条例を設定してということで検討会を進められていますけども、国の対策と県の対策で最終的に同じ方向を目指しているとはいえ、どういうふうに差別化を図っていくのかを教えてください。


●知事

 実はその射程といいますか、アプローチが大分違うというふうに分析しております。実は国の[有識者検討会の]中間報告で出てきたこと、また3年後に見直すと言っていまして、そのときに抜本的なことがあるのかもしれません。結局、知的財産権のほうとの関係で、この和牛の遺伝子というものが知的財産権の対象になるかどうかというところで多分引っかかっているんだと思うんですね。それで、そこは、要はこれから実例を積み重ねていって、それで、いずれ法の対象になるようなこともあるんではないかということじゃないかと思っています。それで当面やれることとして、取り締まりを、検査を抜き打ちでやって不正を防止するとか、それから受精師さんが大きな役割を果たすんですけども、そういうところにかかわる罰則等の規制を強化をするとか、それから、これは法律外のことだと思いますが、精液などにナンバーリングといいますか、バーコードをつけて、それでトレーサビリティーをしっかりと管理をして、それで不正の流通についての監視を強めるとか、こんなようなことを主として今回の国の中間報告には盛り込まれています。

 我がほう[鳥取県]は、もっと直截(ちょくさい)にいこうというふうに議論を進めておりまして、県の大事だと考えている種雄牛(優れた遺伝子を持つ雄牛)があるわけですね。これがいわば県民共通の財産でございまして、「白鵬85の3」であるとか、あるいは「元花江(もとはなえ)」であるだとか、県外からも人気で、これがほしくて不正が起こって[遺伝資源が]流出してしまうということになるものであります。それだけ経済価値も高い県民の財産であると。これを指定をして、特定種雄牛というようなことで指定をするわけです。その指定した種雄牛の精液や、それに派生をする受精卵、それからやはり遺伝資源として大切な雄牛、こういうものを保護の対象として、それについて不正な転売等について規制を加え、罰則も検討すると、こういうようなことでありまして、個別の牛からアプローチをしていくわけですね。国のほうは、そういう言わば関係者の行為規制などを強化をしたり、それから流通についての情報管理等のアプローチなんですけども、私どもはそれだけでは多分足りないだろうと。県外への流出のことも、国外だけでなくて、それも念頭に置いて、この種雄牛については知的財産権かどうかはともかくとして、我々はこれを保護対象として設定しますよっていう条例をつくっちゃうと。この辺は私もいろいろ頭の整理をしているんですけど、ぎりぎり可能な法制領域じゃないかなというふうに思っていまして、そういうアイデアも申し上げて、今、検討をしてもらっているところでございます。



24 職員の喫煙習慣と人事評価への影響、第25回参議院議員通常選挙の争点、路線価と中心市街地の活性化 

○時事通信社 今泉悠 記者

 はい。時事通信の今泉です。すいません、個別のちょっと3つのテーマで質問したいんですけれども、まず、改正健康増進法に関してなんですが、県としてその職員の禁煙をこう促していく、その誘導政策をするっていうことですが、その県の方針とは別で、職員は職員でその吸うという判断をして、その禁煙をしなかった場合とか、そういうときに、その県の方針とは逆の方向に進むことになると思うんですが、その職員の喫煙の有無とか、喫煙のその頻度というのは、その職員の評価として反映されるのかどうかという点が1つと、あともう1つ参院選の合区の話がありましたけれども、これ以外に争点として議論をするべき、あるいはしてほしいなと思っているようなことはあるのか。

 それで、あともう1つは、路線価が先日発表されましたけれども、鳥取県としてその最高価格が全国で最下位で、かつ全国で唯一下落しているという現状がわかりました。それで中山間地に特に6月補正では力を入れられたと思うんですけれども、それと同時に県のエリアの中心となる都市っていうものも、またもしかしたら手を入れなければならないのかもしれないと思うんですが、この路線価のこの結果を受けて、受け止めと、あと、今後何かお考えがあったらお願いします。


●知事

 まず職員の喫煙習慣についてでありますけども、人事評価の対象に直接するというところまでは、今は考えてはおりません。例えば、それでボーナスとか査定にかかわらせるということでは考えてません。ただ、健康管理、こちらのほうは先ほども申しましたように、禁煙サポートデスクみたいなことをやって、その辺については指導対象ということで把握はしていくということは考えられると思っています。先ほどもちょっといろいろと御意見もございましたけれども、必ずしも完全強制できる話でもないところもありまして、ちょっと依存症の課題などもあれば、これは1つの病気とも言えるようなこともございまして治療を要するというようなことでもあり、そういう意味では一概に、それで人事評価に直結をさせて何かこう制裁を加えるとか、そういうものには馴染まないのではないかというふうに思います。ただ、今やはり本人のことも考えなきゃいけませんし、また、受動喫煙の可能性ということも考えれば、やはり健康を推進し、本県はがんの死亡率ゼロ、がんの死亡率抑制を目指してこれから4年間重点的にやっていきたいと思っていますので、このテーマは、国のほうのこうした法規制があることも言わば追い風にして進めていくチャンスではないかというふうに考えております。

 [第25回]参議院[議員通常]選挙についてでありますけども、これについてはまず原則的立場を申し上げれば、国民の皆さんが主権者としてこの国の行く末を判断する貴重な機会でありますので、ぜひ投票に行っていただき、その政治参加の行使をしていただきたいということであります。その際には政党あるいは候補者で真剣な議論をしていただき、十分な選択肢を有権者に与えていただきたい、これが原則的立場でございます。

 個人の関心から申し上げれば、やはり今、地方創生ということを言い始めてもう5年の声がかかろうというときになっても、ただ人口流出が止まるどころか、東京に至っては転入転出相差を見ますと、どんどんまだ転入してきている状況でありまして、東京からの転出ということはこれは増えてないわけですね。地方のほうはどんどんまだ吸い出されていってしまっているという形が続いています。私どもはいろいろと移住者の数がふえるような施策もやり、多分全国でも人口規模の割には対策も取っているところだというふうに思いますけれども、それでも人口減少に歯止めをかけるにはなかなか至らない、この辺はやはりこの国のあり方としてもう一度問い直していただきたいなというふうに考えているところでございます。また、持続可能な社会保障の発展だとか、それから地域の発展、それから個個人の幸福の増進等持続可能な形でやっていく、そういう大きなシステムについてもやはり十分な議論が選挙戦を通じて行われることを念願をいたしているところでございます。あと3点目何でしたっけ、ごめんなさい。


○時事通信社 今泉悠 記者

 路線価。


●知事

 路線価については、これは今回も減少という形になっていますが、これ実はいろいろ考え方もあるのかなと私個人は思っています。例えば松江[市]から比べるとまだ高いですし、それから山口[市]等よりも高い、そういう中で多分ちょっと下げ幅がまだあるのかなというところなのかもしれないなと思います。いろいろと分析してみなければいけないことでありますが、根本の課題は、あれは鳥取市問題でありまして、路線価のその基準地点が鳥取[市]の繁華街に設定してあるわけです。今、鳥取市と協調しながら駅前ゾーンの再活性化を図ろうと、共同で今取りかかり始めてスクランブル交差点の議論も始まったりしているわけです。鳥取市も今、市役所が移転をする、そういう中でその中心市街地の活性化に舵を切ろうとしていますし、[鳥取]大丸をこれからどう動かしていくのか、中核テナントでございますので、その中核店舗のあり方、またコミュニティー、あるいは外国人も含めた外来の観光客の賑わいづくり、こんなようなことをこれから進めていく必要があるんだと思います。

 この辺が進んでいくことで、そうした地価の問題というのはおのずから解消されていくことだと思います。単に価格を吊り上げる政策ということは多分ないわけでありまして、根本は、あれは駅前問題でありますので、鳥取駅前の再活性化、これを鳥取市とも協力しながら促進してまいりたいと思います。



25 同性パートナーシップ制度 

○朝日新聞 鈴木峻 記者

 すいません。今日でないお話なんですけども、先日茨城県で同性パートナーシップ制度が、同性パートナーの制度が導入されたと思うんですれけども、県内では、去年米子市で陳情が採択されましたけれども、ほかに特に大きな動きがないかなというふうに思っているんですが、現時点で知事がお考え、今後の方針として何かお考えがあればお聞かせください。


●知事

 これについては、ちょっと原案に加えていただいて人権尊重の社会づくりの計画[鳥取県人権施策基本方針]の中に先般盛り込んでもらったところです。ですから、やはり県はどちらかというと戸籍だとか、住[民]基[本]台帳等の諸届けを、住民の管理をしているところではありませんので、市町村が多分そのパートナー宣言の多分中核だと思いますけども、我々はどちらかというと、さまざまな境遇の皆さんが人権を尊重されて、ともに生きていく社会づくり、これを目指すことが我々県の中心的責務かなというふうに思っています。そちらの意味での啓発活動やそれから職場への働きかけ等々ですね、今後も展開をしてまいりたいと思います。ただちに県としてのパートナー宣言というところを今検討しているわけではありませんけれども、そうした審議会等の議論もこれから出て来るでありましょうし、いろいろと各方面の状況もいろいろと調査させていただきながら、県も役割を果たしていきたいと考えております。



26 DBSクルーズフェリーの運航継続 

○読売新聞 田村勇雄 記者

 先ほどDBSクルーズフェリーの話が出まして10周年を迎えて、現在境港に寄港、今後も寄港するかどうかというデリケートな問題って話があったんですが、私も新聞報道で見たんですがそういう状況になっている根拠というか、背景を教えていただきたいのと、あと、10年間ずっと県のほう、県や周辺の自治体で補助金ですかね、を出してきていると思うんですが、今後もそれを続けていかれるのかというのと、あと、その場合のこう就航を継続させる上での意義というか、その狙いというか、県にとってどういう意義があるかというのをちょっと教えていただければ。


●知事

 どういう事態が今、進行中かと申しますと、突然だったんですが、我々も正直寝耳に水でありました。簡単に言うと、事実上、その親会社が変更になるというぐらいに考えていただいたほうがいいのかもしれません。今まではDBSクルーズフェリー、鳥取県の境港から出発をしまして、それで東海(トンへ)を経てウラジオストクに行く。この往復をしている航路でございまして。ただ、今回事実上、親会社が海運を主としている東海(トンへ)よりも南にありまして、慶州(キョンジュ)なんかにも近い所の浦項(ポハン)という鉄鋼の町ですね。浦項(ポハン)に拠点を置く会社に事実上、その親会社が移っていると。ただ、まだ資本関係はまだ残っているとこありまして、従来の方々も当然発言権はおありだと思います。ただ、これからどういうに今回の経営変更が進んでいくのかは、我々も見通せないところでございます。そこで、私どもは職員を、幹部を派遣しまして、向こうの新しいDBSクルーズフェリーのムン・チュンウン代表理事をはじめ、幹部の皆さんに状況を聞き、境港の重要性を訴え、境港を基点とした航路の維持発展をお願いをしてきているということです。

 それで、現状で向こうの返答は当面これは継続しますというお話でございます。だから、航路変更の計画は今ないという形の言い方です。ただ、それを額面どおりに考えていいのかどうかというのはやはり我々ある意味したたかに考えなければいけないところでございまして、こちらも。その浦項(ポハン)がベースの会社ということがどう今後影響してくるのか、これは航路計画の将来的な変更までも否定してはいないのではないか、そういう視点で我々はやはり注意深くフォローしていかなきゃいけないだろうと思います。そういう中で、今回ムン・チュンウン代表理事がわざわざ10周年の記念式典に来て、こちらで荷主関係者と出会う機会を我々もセットしましたし、それから観光の関係、さらには、実はその境港(さかいこう)、境港(さかいみなと)といったほうがいいのかもしれません。公共マリーナを中心に行われる[セーリング]レーザー級の世界選手権、こんなような魅力ある所だよというところも見たいという話でございまして、その辺を上手に我々もコーディネートをして境港(さかいみなと)その周辺の山陰の魅力というのを訴えかけてここにやはり寄港することの意味というのを最大限確立することは必要だろうと、今そういう段階ではないかというふうに考えております。


 それで、その助成金でありますけども、これは我々とそれから中海の市長会がそれぞれ助成制度を設けています。それで今、市長会長の[中村勝治]境港市長ともこれまでも相談をしてきておりますが、境港が拠点として使われている限りはやはりそれを変える理由はないので、実はDBSという会社にお約束している補助制度でございますから、ただちにこれを変えるというものではないだろうと。ただ、今後、仮に境港に寄港しないとかいうことになれば、当然ながら見直しをしていくとか、そういうことですよっていうことを先方のほうにはお伝えをしていくべきことだろうというふうに考えております。

 その意義はどういうことかといいますと、これ実は環日本海時代ということが言われはじめて、もうそうですね、30年ぐらいになるんじゃないかと思いますが、争うようにして、環日本海航路、あるいは航空路というのを日本海側の地域が中心になりまして、競争してつくろうとした時代があるんです。ただ、ロシアと韓国と日本を結ぶ、あるいは日本海側の港と韓国の東海岸を結ぶこの航路というのはうまくいったためしがないんですね。今までも新潟[県]とウラジオストクだとか、富山[県]とウラジオストクだとか、そういう所でやってきた時期もあったり、試みたいろんな航路もあるんですけども、採算がなかなか合わないものですから、すぐに撤退をしてしまったり、少なくとも今日ないんです。10年前にこのDBSクルーズフェリーの構想が持ち上がったときに、鳥取県のほうで江原道とかあるいは[ロシア]沿海地方ともチームを組みまして、ぜひこれの実現をしようと、それで、それに中海市長会も共同で助成しようということもあって、経営は現在も黒字とは言えないんですけども、ただ、鳥取県側との信頼関係を重視して航路を継続してきていると。そういう意味で10年間続いたこと自体が奇跡のようなそういう航路でございまして、日本海側では稀有な存在になっています。この海の道をやはり続けていくことで中長期的に将来を見渡してみればロシアと日本との交易も高まる可能性も当然ありますし、韓国も釜山(プサン)一辺倒ではない航路の体制というのは今後模索されるでありましょうから、パイオニアとして将来発展の見込みもあるんではないかと我々はそういうように希望しているところであります。ですから、戦略的にはこうした、いわば夢の航路として実現したものを存続・発展をさせるように我々も働きかけを続けてまいりたいと思っています。



27 令和元年6月補正予算ほか 

○中国新聞 小畑浩 記者

 すいません。話変わるんですけども、消費税の増税を控えるというタイミングで、過去に地方消費税がふえたにもかかわらず一般財源が減ったということを踏まえて10知事で訴えを強めているという段階だと思います。今回の肉付けの補正予算で、こうやって一般財源が減るという傾向の中で苦心した点を教えていただきたいのと、今後その10月に向けてどんな活動、訴えの展開をしていくのかということを教えていただければと思います。


●知事

 これからさらに[地方創生実現財政基盤強化知事連盟として]運動を展開をしていかなければいけないわけでありまして、つい昨日も長野県の阿部[守一]知事と相談をしましたところ、長野県もこの10県に加わると、ですから11県になるんではないかと思います。それで、やはり各県やっぱり同じ悩みを持っているわけでありまして、何であの地方消費税増税で県民が負担しているのに一般財源そのものが減っているのかと、このミステリーがどうしても説明がつかないわけです。それで、私は[普通]交付税の財源調整機能、これが低下しているというふうに訴えているわけでありますが、なかなか機械的な計算に終始するものですから、今、税収がどんどん増えていく局面でそれが大都市に偏在しているわけですから、当然ながらそれを補うように交付税の配分の仕方も大きく変えなきゃいけないんですよね。そこができていないと。この辺をやはり我々としても訴えていくべきだ、逆転現象というのは典型的なものだと、こういうように主張しているところであります。

 消費税[増税が]導入され、その後また税源偏在の是正措置も走るようになると思います。税源偏在の是正措置が走り始めると今度はそれに伴って交付税の収入支出についての算定も変わり得るところでございまして、ここで上手にやはり全体の構造改革をしていけば、今のこの逆転現象の解消だとか、それから、少なくとも[消費税が]10%に引き上がったところ、その段階では[消費税が]5%の時代から県民がみんなで負担しているようなそういうものは少なくとも手元に残る、さらには他の自治体のように税収増の恩恵を受ける、そして交付税のほうで補ってもらう、こういう、いわばモデルの姿をやはり追求していかなければならないのではないかなと思います。税の問題だけでなくて、多分交付税の算定の問題が非常に重要でございまして、この辺を我々なりにも分析をしながら、国のほうに訴えていこうと、今、関係の知事の間でも協議をしているところであります。

 苦労したところは、やはり財源がないところでございまして、今回、313億の予算を可決しましたけれども、ただ、一般財源がないもんですから、そこで手詰まり感がどうしてもありまして、繰越金の範囲内でしかちょっと事業ができなかったという状況であります。このたび、実質収支の見込みが立ちましたけど、昨年度[平成30年度]44億4,000万の実質収支の見込みとなりました。これ、決して大きくないです。ですから、やはり災害が続いていて、去年、本県もかなり一般財源を使わざるを得なかった。それで実質収支が我々のところの頼みの綱なんですけども、ここで44億4,000万だと17.5億ですかね、繰越財源、余剰でもその相差分ぐらいしかもうあとないということでありまして、非常に厳しい状況になっていると。本来であれば交付税、税収の増収が見込まれてしかるべきなんですが、逆に減らしていくというそういう見込みになっていまして、非常に厳しいと、これは我々もそうですし、新潟[県]なども本当に困ったというふうに言っています。


○朝日新聞 鈴木峻 記者

 ほかに質問のある社はいらっしゃいますか。それではどうもありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。


  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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