今春、壁倍率の国土交通大臣認定を取得した県内産耐力壁を使用した建物を鳥取県林業試験場内に建設中です。

 今春、鳥取県林業試験場が開発した「スギ厚板耐力壁(2.2倍)」及び協同組合レングスが開発した「CLT耐力壁(3.3倍)」が共に壁倍率の国土交通大臣認定を取得しました。
それらを使用した全国初の建物を場内に建設中です。
■ 建築概要
   建物名称:鳥取県林業試験場屋内試験棟(仮称)
   工事期間:平成29年10月17日(火)~平成30年2月23日(金)
   延べ面積:89.18平方メートル
■ 使用する主な県産材
  ◇耐力壁 
    ・鳥取県産スギ厚板耐力壁 厚30mm 壁倍率2.2倍〈鳥取県林業試験場〉
    ・鳥取県産スギCLT(3層パネル)厚36mm 壁倍率3.3倍〈協同組合レングス〉
    ◇屋根トラス
    ・上弦材・束材 LVL(単板積層材)〈株式会社オロチ〉
  ◇内装材
    ・鳥取県産スギ無垢板「とっとり杉ごころ」 厚9mm 〈鳥取木材協同組合〉
 
■外観

   

■耐力壁の使用箇所
  
■使用する耐力壁の概要
          
◆スギ厚板耐力壁  (平成29年4月13日 取得)
1 構造 :県産スギ厚板にダボ(ヒノキ木片)をはめ込んだ大壁工法
2 取得者:鳥取県知事 平井伸治 (*大臣認定:建築基準法施行令に「定められた壁」とし
      て認定。認定後は国土交通大臣認定耐力壁として建築に使用することが可能)
3 壁倍率:2.2倍 
4 特徴
   ○地震に粘り強く耐える構造特性をもつ
   ○接着剤を使わず、大工の伝統技術で製作・組立て
     ○耐力壁がそのまま意匠をもち、木の風合いが生かせる⇒クロス貼り等不要
    【壁倍率】壁の耐震性能を示す数値。水平力200kg/m の力に耐えられる壁を基準
    (壁倍率1.0倍)として表す。「壁倍率2.2倍」では、水平力440 kg/m までの力に
     耐えられる。                     
   



5 効果 
 ・県産スギ材の利用促進を図る。(A材利用の促進)→〈参考〉木材使用量0.15
  立法メートル/1間当たり
 ・耐震性に優れた木造住宅の建設を促進する。(中部地域の耐震リフォーム等)
 ・地域資源を利用する建設業者の活性化を図る。       



耐力壁
◆CLT耐力壁 (平成29年4月21日取得)
1 構造 :国産材三層クロスラミナパネル
      (36mm厚)を用いた大壁工
2 取得者:協同組合レングス(西伯郡南部町法勝寺70)
3 壁倍率:3.3倍 
4 特徴 :
   ○現(あらわ)しで使用できる(スギ)
   ○内側から釘が見えない。(外側から釘を打つため)

  


■工事の状況
(右下の写真は、平成30年3月5日現在、河原町稲常 林業試験場内から撮影)
   現在の写真
 
 
■空中写真(平成30年2月16日現在、試験場上空よりドローンで撮影)


               
  これまでの工事進捗状況(PDF 1684KB) 
      
    「スギ厚板耐力壁」については 12月6日(土)よる9時54分から 
    鳥取県情報番組「マルっと!とっとり」で紹介されました 

 林業試験場では本年度、燃焼性を確かめる燃焼試験機や、強度などを測定する実大試験機など新型の試験機器を導入し、CLT、LVLなど品質の確かな県産材の製品作りのためのオープンラボ機能を強化し、実用技術の協働開発拠点化を目指します。 
  

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