演題:「弥生時代の用と美の誕生~青谷上寺地遺跡から吉田璋也まで~」
講師:工楽善通先生
青谷上寺地遺跡出土の木製品を中心に、弥生の匠の知恵、技術、美意識について、出土品1点1点をスライドで紹介しながらわかりやすくご解説いただきました。青谷上寺地遺跡出土木製品の美しさは、匠の技に裏付けられた機能美でもあるのだと気付かされるお話でした。
また、吉田璋也氏が昭和初期から「民芸運動」を鳥取の地で展開した背景には、青谷上寺地遺跡など弥生時代から受け継がれた「もの作りのDNA」があるのでは、という興味深いお話も披露されました。
これまでの土曜講座にはなかった視点から青谷上寺地遺跡の魅力を語っていただき、講演後のアンケートでは「もっと聴きたい」といったご感想を多数いただきました。

工楽先生の講演風景
対談:工楽善通先生、木谷清人先生(鳥取民藝美術館常務理事)
司会:中原斉(当センター所長)
鳥取民藝と吉田璋也研究の第一人者である木谷先生に工楽先生とご対談いただきました。青谷上寺地遺跡の人々はどのような食器で食事をしていたのか、木製品はどのような人々が作っていたのか、デザイナーはいたのか、職人にとっての道具とは、弥生のもの作りと民芸の共通点、など話題は多岐にわたりました。短い時間でしたが、中身の濃いお話をしていただき、会場は大変に盛り上がりました。

(右から)工楽先生、中原所長、木谷先生
第5回の講座は、「青谷上寺地遺跡の石器」と題して、平成28年1月16日(土)に開催します。
青谷上寺地遺跡からは、石器が3000点以上も出土しています。これらは、工具、農具、漁撈具、調理具など様々な用途に利用され、当時の人々の生活には無くてはならないものでした。これまで、鉄器、青銅器、木器、骨角器、玉・玉作関連資料などから青谷上寺地遺跡の集落像を考えてきましたが、今回は石器の調査研究から明らかになった青谷上寺地遺跡の新たな一面を見ていきたいと思います。
どうぞ、ご期待ください。
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