防災・危機管理情報

知事定例記者会見(2014年6月6日)

平成26年6月6日(金)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約72分) ※MPEG4形式

  

1 6月補正予算案の状況 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 それでは、知事お願いします。


●知事

 皆さま、おはようございます。来週6月11日からいよいよ私どもの県議会が開催をされることになります。そうした意味で、私ども執行部側からもいくつか重要な案件を、提案をしようと考えております。ほぼと言いますか、もう完全に予算案、まとめさせていただきました。総額の規模は87億7,000万円余りということになりました。その中には、現在の経済雇用に対する緊急的な対策であるとか、あるいは障がい者の施策であるとか、教育関係とかいろいろと盛り込ませていただいたところでございます。その他にも、いくつか重要な論点があろうかと思っております。例えば、医療だとか健康についてでありますが、いよいよ鳥取県東部[地域]における医療再編、医療の病病連携による再編強化が本格化をすることになります。今、日赤の病院[鳥取赤十字病院]の建設が進み始めておりますが、それと軌を一にして[県立]中央病院も建てていこうということになりますと、いよいよタイムリミットということになりました。従いまして、この6月県議会に基本設計、実施設計、地質調査といった予算5,100万円を提出をさせていただくことにしようと考えております。

 そこは、ちょうど交通の要所でございまして、山陰近畿[自動車]道、それからいずれは山陰[自動車]道や鳥取[自動車]道とつながってくるだろうというところ、今でも9号線のバイパスの上にございまして、非常にアクセスもいいわけであります。ただ、若干の難点を言えば、河口のほうにありまして土地が低めだということもかねて指摘をされております。従いまして、耐震構造にするための地下構造物を造る、それと併せて地盤を上に上げる、そういうような対策で建てていけば問題ないんではないかということになりまして、そういう基本コンセプトのもとに進めていこうということになりました。もちろん病院へのアクセスも、雨が降りすぎて昨日[5日]の高知[県]の四万十[川]のようなかたちがちょっと心配されるわけでありますが、そういうことになっても動線が確保されるような、そういう道路構造もアクセス路構造も考えていこう、こうしたことなどを含めながら、基本設計、実施設計、地質調査を進めて安全で安心できる病院、地域の医療の拠点、これを進めてまいりたいというふうに考えているところであります。

 また、最近は岩美病院などとの話合いの中でも非常に悲鳴に近いものがありましたが、薬剤師の確保が難しくなっているということがございます。この薬剤師対策、これ、今都会地のほうに集中をしているという状況があったり、それから国の薬剤師の育成のストーリーがややうまくいってないんですね。6年制化ということで薬科大学の教育の強化を図ることにしたわけでありますが、国家試験の合格率が非常に低くなりまして、マーケットに人材が供給されなくなっている。さらに、全国チェーンなどでの薬店の展開もございまして確保が難しくなり、さらに都会地等へ吸収されるという状況があります。ただ、鳥取県の子どもたちも他地域に行って薬学を学んでいるという子どもたちもいるわけでありますので、薬剤師会と協力をしてそうした薬剤師になろうとしている若者向けのサマーセミナーを開催をしようということにいたしました。

 また、飲酒が過ぎる場合に健康被害が出ます。これについては国のほうで法律[アルコール健康障害対策基本法]もできたわけでありますが、それに魂を入れていく意味でアルコール健康被害対策の予算も計上させていただき、PRや関係者の知見を入れて、それで皆さんに気をつけていただくと、そんなような予算組みもさせていただいたところであります。また、エネルギーの関係でも震災、東日本大震災のときもガソリンスタンドが機能しないということで問題が顕在化しました。それは、ガソリンを運べないということだけでなくて、例えば電気が止まってしまいますとガソリンスタンドが使えなくなるということになります。従いまして、そういう非常時の自家発電だとか、それから、いざ発災をしたときにある程度こう、大きなタンクを用意してそれで長期的に耐えられるようにしていく。これを特に中核的なサービスステーション、ガソリンスタンドとか、それに準ずるようなところ、こうしたところを強化をしていく必要があります。そこでそういう石油を取り扱っておられる県内の小売事業者の協会に対しまして、県のほうで支援をさせていただき、国のほうの制度も活用して一気にそういう耐震対策、災害対策を前へ進めようと、こういう予算を2,800万円ほど計上することにしようと考えているところでございます。こうしたことなど、予算も、予算措置も講じましてこの度の6月議会に提案をし、ご審議を賜りたいと考えているところでございます。



2 拉致問題の急展開を受けた県の体制づくり 

●知事

 昨日[5日]、G7[サミット先進7ヶ国首脳会議]の集まりがベルギーのブリュッセルのほうでなされました。これはロシアが入らないかたちで久方ぶりのG7[サミット先進7ヶ国首脳会議]ということになったわけでありますが、安全保障問題を中心として話合いがなされているところであります。その中でも鳥取県として注目すべき部分もございました。それは北朝鮮についてでありますが、北朝鮮につきましてこの度、安倍[晋三内閣]総理[大臣]のほうから、今の交渉状況あるいは日本における拉致被害対策、拉致の折衝のことなど、この問題を強く主張をされ各国の理解を得るに至りました。そのために声明のほうでも拉致問題を含む北朝鮮の人権課題についての懸念が表明をされるということになるわけでございますが、こうしたように、国際的にも拉致被害者の救出に向けた動きがいよいよ強まってきたと思います。これは安倍[晋三内閣]総理[大臣]初め政府側の熱心なご尽力によるものでありまして歓迎を申し上げたいと思いますが、ただ、これからが正念場でありますので、政府としてしっかり拉致対策を進めていただきたい、非常に切迫した状況、大舞台に今あるということだと思いますのでぜひとも全力を挙げて全員の救出をお願いを申し上げたいと思います。

 北朝鮮でも動きがありまして、昨日[5日]も報道関係へのインタビューが報じられておられましたが、宋日昊(ソン・イルホ)氏のコメントが出てまいりました。今、北朝鮮のほうでは特別調査委員会の設置に向けて動いているわけでありますが、いよいよそれも本格化していると、着々と進んでいると、そういうふうに準備の状況についてのコメントがございました。ですから、今回は福田[康夫]内閣のとき以上に具体性を持って調査に動き始めたと考えていい、そういう段階に至ったかなと思っております。昨日[5日]は国に対する要請を行うこと、さらに県内で拉致被害者のかたがもしご帰国なさった場合には心温かく感じていただけるような、そういう受け入れ体制をしようではないか、こんなように地元の米子市などと話し合いをしたところでございます。

 そこで見えてきたいろんな状況分析の中で、課題としては、いくつかのこうステップを踏んでいくと思います。これまで被害者が帰ってきた例を言えば、非常に政治的な問題、外交上の問題もありまして、あるとき急に事態が動き出すわけですね。今回も安倍[晋三内閣]総理[大臣]の発表はやや唐突感があるぐらいびっくりをしたもんでありまして、調査が始まるということになったわけでありますが、本当にお帰りになるというのは、いつ、どういうふうに展開をして帰ってくるか、それは、我々、外交を預かる立場でないものですから分からないという状況かと思います。ですから、情報収集、連絡調整等が初動では重要でありまして、特に東京には前の例で言えばご家族が出迎えに行くとか、重要なキーポイントになろうかと思います。それがいずれ数日間東京で滞在をして、さまざまなことをこなされながら、お疲れではありましょうけれども、今度は地元のほうへ、ふるさとへ帰られるというのが前回でございました。そこで、帰られたあとは徐々に生活を再建に向けて動いていくと。ここは被害者のかたのご意向というものを一つ一つ丁寧にお伺いをしたり、家族の思いをよく聞いて、それに寄り添いながら進めていくべき段階でありまして、ある程度時間をかけて順々に体制整備を図っていくことになろうかと思います。そのためのマニュアルづくりを、今、急がなければなりません。そうした観点で申しますと、初動で、東京で的確に動ける体制を作る必要がございますので、東京本部の中に拉致被害者対策調整室を来週の月曜日、設置をすることにいたしたいと思います。これは初動で動きやすくするために日頃から内閣府とも連絡調整をさせていただき、いわば信頼関係も鳥取県としても作っておく必要があります。

 また、いざ動き出したときに、東京での動き、これはご家族等のことなども含めたり、あるいは報道関係のこともありましょうけれども、そうしたことに対処していく能力を作っておく必要があります。いきなり、ある日突然帰ってくるということになって、それで大騒ぎが始まったときではやや遅いかなと思いますので、今、想定として拉致被害者対策が考えられる状況になりましたので、来週、設置をさせていただくということにしようと思います。具体的には初動段階でありますので、現有体制を活用しながら動くのが現実的選択肢と思います。東京本部の副本部長をその室長にしまして、担当者を室員としてスタートをさせたいと考えております。



3 「子育て同盟サミットinながの」の開催を受けて 

●知事

 先般、長野にまいりまして、仲間の知事らと子育て同盟について話合いをし、今後の施策を森まさこ[少子化担当]大臣に要請をしたり、意見交換をしました。いくつかポイントがあると見えてきたわけであります。それは、出会いとか結婚が大事である、それを呼びかけよう。また、移住がこれに絡んでこなければならない、これは、先般の日本創世会議で出された報告書の中でも書かれていますが、東京等は子育てが難しい、対して地方は保育所も整っていますし、子育てには易しい。そういうところで、むしろ若い人たちが集まってきたほうが日本の将来の人口の歯止めになる、さらには成長に向けていく起爆剤になる、こういう分析があるわけでありまして、それは我々が正に担うべき役割ではないか。ですから、地方への移住を呼びかけること、これも重要な視点ではないかという話合いをいたしました。さらに子育て、この環境を整える。それで、子育てが楽しいということを積極的に呼びかけていこうということになりました。これは大阪で活動されています助産師の小林[寿子]さんのお話を皆で聞いて会場のかたがたと体験を共有したわけでありますが、子育てというのはこんなに楽しいものはないというお話が聞かれたわけでありますし、特に子どもが増えてくれば増えてくるほどその喜びは増してくるということであったわけでございます。

 ただ、なかなかこうしたことがまだ正常理解されているわけではありませんので、我々としてもそうしたことの発信なども含めて、子育て環境整備を進めていく必要があると考えております。この度の6月[補正]予算の中でも、結婚、出会いや結婚、さらには出産、子育て、これの支援策を3,000万円余り計上させていただいて、さらに本県としてもこうした話合いの成果も踏まえて強化をしていく体制をとりたいと思います。



4 少子化対策及び移住対策の充実 

●知事

 そうした中で、この度、合計特殊出生率が国のほうで発表になりました。国のほうの平均を大きく上回りまして、鳥取県は1.62と急上昇をすることができました。1.57から1.62と0.05ポイント上がったわけでございますが、これは被災地の福島を除きますと全国トップレベルということになります。

 こういうように、県民の皆さまもこうした鳥取県のいろんな施策、今までも、例えば医療費の援助であるとか、それからこの度は保育料の無償化ということをさせていただきましたけれども、最近、高齢出産が増えている中から、不妊治療のテコ入れを財政支援も含めてさせていただいたり、こういうようなことがいろいろと効果が出てきているのではないかなというふうに思います。これから、子育て王国とっとり、新しい条例もできて、民間の有識者のかたがたも含めた会議も開催をされましたので、なお一層推進をしていきたいと思います。これ、移住対策に結び付けていくことが必要でございますが、移住につきましても、こういう子育て、あるいは田舎暮らしへの価値観の転換が図られたこともありまして、鳥取県もおかげさまで、今、増えてきております。それで、昨年度いっぱいまで、私、就任したときに移住2,000人という公約を数値目標として掲げさせていただきまして、移住2千人プロジェクトということを進めてまいりました。これについて、昨年度末で締め切った統計が出ましたが、2,172人とクリアすることができました。昨年度は900人以上の移住者のかたがいらっしゃいまして、非常に手応えのある状況だったかと思います。これをさらに一層進めていく上でも相談窓口の充実だとか、子育て等のすばらしさを分っていただく、こういうことも必要ではないかなと思います。

 この度、[6月]補正予算の中でも移住定住加速化事業というのを計上させていただき、子育て環境がいいことなどを若い県外のかたがたにPRをしていくと、これは、電子媒体だとかそうしたものを活用しながらやっていこう。また、実際にそれを見に来ていただく若い人たちの招請事業等をやろうということにいたしているところでございます。



5 産業と雇用に関する最近の動向 

●知事

 こういう若いかたがたの雇用の場等も重要であります。今日[6日]これから[株式会社]アクシスさんという県内企業の抜本的拡張のオープニングがございます。これは鳥取駅の南側のビルに入居されるんでありますが、130名の雇用ということを掲げておられます。ICT[情報通信技術]の事業でございます。県外での受託等も順調でありますし、太陽光パネルの制御等のシステムなど得意分野も出てきて、成長企業として県内で発展をして来られました。この度こうやって拡張しようというのは我々としても大変ありがたいことですし、これからの鳥取県の産業の方向性も示していただいたんではないかなというふうに思います。

 また企業さんと地域さんのコラボレーションも進めるわけでありますが、ポプラさんとこの程包括協定を締結をすることになりました。特に中山間地の見守り協定、これはポプラさんも宅配事業を始めましたのでそうした高齢者、少子高齢化が進んで心配となる地域での安全対策にもご貢献をいただこうということになった次第であります。報道が始まって、若干ネット上でも話題になっておりました案件がございました。グットスマイルカンパニーという会社でございます。このグットスマイルカンパニーさんとかねて話合いを進めてきてまいりましたけれども、先月も私も安藝[貴範]社長等にもお会いをして、意見交換をし、その後も会社のほうで、我々のほうで紹介したいろんな案件をリサーチ[調査]をされておられたところでございます。単に、製造工場ということでなくて、その製造にあたって県内の素形材産業と言われる技術や企業と出会っていただいて、活用していただくということを我々も念頭に置いていたわけでありまして、その辺の紹介をさせていただき会社側でも今実地に見ていただいたところでございます。

 その結果として、グットスマイルカンパニーとして、これは民間の企業同士の最終的な話合いが残っているわけでありますが、鳥取県の倉吉市に進出する方向で最終調整に入ることになりました。我々県側とも何らか合意を、早ければ月内にもしたいなということで、今、最終段階に入ったわけでございます。具体的にはフィギュアの製造工業でありますが、中国で展開をしておりましたけれども、人海戦術でやるんではなくて、国内でいろんな情報管理なんかもありましょうし、そうしたことも配慮をしながら県内の優秀な技術等を活用していく、例えば金型であるとか、あるいはバリ取りと言われるようなそういう製造過程であるとか、これはどちらかというと国外に流出していたような分野であります。それで、中国なんかでは人海戦術でやっているようなところですよね。そうした事業分野が実は鳥取県内にはかつてその電機[製造]メーカがかなり大大的に製造していたこともありして、そのシーズ[技術]が残っているわけであります。それとそうしたフィギュア製造とのコラボレーションということをやりながら、中国ではなくて日本で展開をすると。そうなりますと日本の中でも鳥取県で展開をするというような選択を最終段階として今、固めてくださっておられます。我々としてもそういうような意味で単なる製造事業ではなくて、最終工程として県内のその産業シーズ[技術]と出会いながらやっていくという意味で、応援を非常に強力にやる必要もあるかなというふうに判断をさせていただいているところでございます。



6 国土強靭化と交通網の整備促進 

●知事

 国土の強靱化につきましては、6月3日に閣議決定がなされました。早速鳥取県としても、国土強靱化に向けて計画づくりなど体制を作りたいと思います。この秋頃までに、その県内の計画を固めていくということになろうかと思います。この度の国土強靱化の閣議決定の中で、日本海側の活用ということがリダンダンシー[代替手段]の観点で盛り込ました。これは大変に喜ばしいことだというふうに思います。そんなようなことを我々としても訴えかけていたわけでありまして、今後の国土強靱化の方針の中でそれが盛り込まれたことは、歓迎を申し上げたいと思います。

 最近そうした中でハイウェイをつないだりという動きがありますが、1つ県内でちょっと声が挙がり始めましたのが北条道路の整備手法についてでございます。北条道路を、これをいずれ山陰道に位置付けていくということで、今検討を進めていただいておりまして、非常に国会の先生がたにもお世話になりながら、この訴えが実りつつあるわけでありますが、計画段階評価に向けた調査の過程の中で、今2つの案が示されたわけであります。第1案として示されたのは、東半分は高速道路の整備をしますが西半分は一般道路で整備をする。第2案としては、全線高速道路で整備をするというものであります。県内で、ただ一般道路がここに入って来るのはいかがなものかという声があります。安全性のことで言いましても、先般さる首長が交通事故で非常に甚大な怪我を負われたときも、ちょうどその区間、一般道と言われる区間でありましたし、事故が多発しているところでございますし、また山陰道は全部高速道路でつなげるからこそリダンダンシー[代替手段]は生まれるんではないんだろうか。なぜ瀬戸内側や太平洋側には全部高速道路で造るのに、ここだけなんで一般道路という話が出てくるのか、割り切れないというようなご意見が数々寄せられております。

 国のほうは選択肢として示したことでありまして、これから決めていくという段階でありましょうから、我々も冷静に対処すべきかなとは思いますが、緊急に国に申入れに行く必要があるだろうと、来週の月曜日に申し入れに行くことにさせていただきました。国土交通省のほうにも地元の意見を聞いてこの選択肢の中から選ぶんでしょうけれども、地元の意見に沿ったかたちでまとめていただきたいと、まずは早速にも声を届ける必要があるのではないかなと思います。こういうようなことでございますが、片方で国土交通省との間で鳥取空港のリモート化[飛行援助センターの航空管制運航情報官が無線で業務を行う]について議論がございました。これ結局、県内でもやはり職員の増強が必要であるとか、それから空港ビルの拡張が必要であるとか、国のほうはお金を出さないんですけれども、県のほうでやらざるを得ないものもありまして、若干そういう割り切れなさは残りますが、鳥取空港を5便化してもらったということで条件も飲んでもらったこともございますし、我々としても安全対策や全国の交通ネットワークの維持のために協力をしていくことにさせていただきたいと思います。



7 大交流時代を巡る最近の状況 

●知事

 それから大交流時代に向けて、いよいよ[大型クルーズ客船]ダイヤモンド・プリンセスが再来週ですか、16日に入港することになります。これは初めて2,700人という、3,000人規模の乗れるような船でありまして、11万7,000tの船でございまして、過去の入港では最高レベルということになりました。ぜひ、歓迎を申し上げたいと思いますし、このあとそうしたことをさらに推し進めていきたいと思います。ただ、大交流時代を巡っては、アシアナ便の搭乗率が低下をしておりまして懸念をしております。非常に危険水域と言っていい状況に今入っているかなと思います。従いまして、地元を中心として、緊急会議も開催していただいたりして対策を打っていく必要があるかなと思います。

 そういう中、この度江原道で崔文洵(チェ・ムンスン)知事が再選をされました。ニュースでご案内のとおり大激戦が全国で繰り広げられておりましたけれども、現職が勝利をされました。これで鳥取県とかねて友好関係を結び共同で観光開発を進めていこうというふうに言っておりましたが、そうした意味で協調体制が続くと見込まれます。かねて話し合っておりましたのは、東南アジアから江原道や鳥取県にお客さんを共同で引き込もうということでありまして、これで、この度タイから旅行者のかたを江原道さらにDBSクルーズに乗って鳥取にやって来て、ここからアシアナ[便]で帰ってもらうという、そういうルートで13日から呼び込むということで、そういう業者向けのキャンペーンをさせていただくことになりました。

 また、それだけでなくて、C&Mメディアワンというケーブルテレビの会社がありますが、こちらのほうも月内取材に来られることになったところでございます。こんなようなことなど一生懸命プロモーションをしていきたいと思います。今日はDBS[クルーズフェリー社]の尹(ユン)[・ギュハン代表理事]副社長と面談をいたしまして、今後の方策について話し合うことになりますが、向こうも前向きに考えようとしてくれていると思います。7月5日には就航5周年のイベントを予定どおり行う方向で話合いもできましたので、当面は運航継続に向けて努力をされる、それを我々も支えていくということになろうかというふうに考えているところでございます。このようなことなど、大交流時代に向けて我々としても舵を切っていく必要があります。

 週末には[SUN-IN]未来ウオークが開催をされます。韓国からも大韓ウォーキング連盟が来県をされることになりました。また、金メダリストの萩原[健司]さんもお見えになりますので、私も対談をさせていただきますが、鳥取県がこういうウォーキングリゾートとして国際的にも通用するところであるということを訴えかけてまいりたいと考えているところでございます。また、これから7月12日の[第14回全国]障がい者芸術・文化祭[とっとり大会]に向けまして1ヶ月前のイベントを来週行うことにさせていただいたり、いろいろと今後ですね、来週末ですね、させていただいたり、いろいろと今後の展開を図ってまいりたいと思います。



8 今後の日程 

●知事

 この週末には溝口[善兵衛 島根県]知事と一緒になりまして中海をきれいな海として甦らせるための美化活動を共同で行うことにいたしております。こういうようなことなど鳥取県が素晴らしい自然景観の地であるということを内外に発信していかなければなりません。いよいよスイカの季節となりました。今年は糖度が12.3度、さらに果物の重みも、これも9.6kgと非常に大玉で味もいいという仕上がりになっておりまして、農家のかたがたも自信を持っておられます。12日に大阪で初売りのセレモニーを行う運びとなりました。また今年は東京でもこの初売りセレモニーをやろうと、19日にしようということになり、あべのハルカスのあるところでも、今月末にスイカのキャンペーンをしよう、さらに関西スーパーでもやろう、来月にかけては伊丹等でもやっていこう、このようにあちこちでスイカを売り込んでいく、そんな時期になってまいりました。特に海外に向けては重要であります。

 TPP[環太平洋経済連携協定]向けやEPA[経済連携協定]向けにはこの予算の中でも畜産強化事業を計上させていただきまして、1,600万円かけて受精卵移植の推進等々、対策を強化をしているところでございますが、打って出る農業をやる、その1つのシンボルとして鳥取県はスイカがあるだろうと思います。香港に向けてこの月末に出荷をして、昨年に引き続き香港でもスイカを売るということをJA[全国農業協同組合連合会]や農業者と協力をして今進めているところであります。そういう意味で暑い夏が鳥取県にも厚い実りをもたらしていただけるように私どもとしても奮闘してまいりたいと思います。私のほうからは以上です。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 それでは、各社質問をどうぞ。



9 北条道路に関するルート帯案について 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 すいません。北条道路の関係で、先程地元のいろんな反応ということで、一般道を一部入れるのはいかがかということ、声を紹介されたんですけど、知事としてこの件に関してお考えをお聞かせいただけますでしょうか。半分高速道路、半分一般道とするとその工期が短いとかですね、そういうメリットも一方ではあると思うんですけど、いかがでしょう。


●知事

 これは一長一短あるからこそ1案、2案という選択肢を示されたんだと思います。今もおっしゃられましたけれども、工期の問題、工期よりも多分経費だと思いますね。どちらかというとコストパフォーマンス[費用対効果]の議論が専門家の委員会の中でも出たようでございます。それで、コストパフォーマンスのコストのことから言えば、それは違いがありまして、これは地元の負担金の額にも関わりますから、そうした意味では第1案と言われる西半分一般道という案も長所はあるんだろうとは思います。ただ、私としては、これまで山陰自動車道の全通を目指して沿線の自治体とタッグを組んでやってまいりました。その心はやはりなぜその太平洋ベルトにばかりにそうしたインフラが集中しなければならないのか。別にルートというのはどちらの海沿いにもあるわけでありますし、じゃ、人が住んでないからだと言いますけども、人は住んでいるわけでありまして、さらに言えば、医療関係で言えば命を救わなければならないとか、それから産業面でも高速道路が開通をするとやっぱり立地が進んでいるのは事実でありますし、そうした社会的影響も考えれば便益はコストを上回る十分なものがあるんではないか。特にこれは最終確定になりますので、永久にここが一般道路として残るということになりますとミッシングリンク[高規格道路の未整備区間]を残しながら山陰道は開通するという日を向かえなければならないというのはパラドックス[論理的矛盾]ではないかなと思います。

 地元の思いも非常に強くて、今回のこの選択肢が波紋を投げかけているわけでありまして、私としてもそうした声を届ける必要があるだろうと思います。安全性の観点であるとか、交通ネットワークとしてはつながっていないと意味がない、これは有識者の専門家の委員の中にもそういうご意見を出されたかたもいらっしゃったと伺っております。そういうようなことでありますとか、それから便益は恐らく全通したほうが高まります。それは一般道を推進した委員のかたは降りてそこで地元に効果が残るというお話を言っておられるわけでありますけども、ただ現状を申しますと、今、砂丘地の中をただ走っているだけの区間でありまして、それはむしろ上に上げたほうが街なかとは違いますから良いんではないかなと思います。言いたいことはいろいろ正直あるんですけども、ただ現状は、まずは計画段階評価に向けた調査を進めていただけるということ、これは我々としても望んでいたことで、それ自体は歓迎すべきことでございますので、水を差すのもいかんかなという思いもあります。

 ただ、地元のそういう声もあって選択肢から選ばれるときには2番目の選択肢が地元は望んでいるんですよと、そのことをやはり強く申し上げておく必要があるかなと思います。もちろん、まだ検討過程であり、これからいろいろ専門的見地で考察が加えられるわけでありますから、冷静に我々も対処をしなければなりません。そのことはよく認識をするわけでありますが、いささか波紋もございますので声を届ける必要があると緊急に考えたわけであります。



10 江原道と連携したツアールートについて 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 すいません、違うお話ですいませんけど、江原道との共同観光のことですけども、江原道と鳥取県を結ぶというんですか、移動手段はいろんなパターンが考えられると思うんです。ソウル便であったり、例えば、チャーター便で襄陽(ヤンヤン)空港から鳥取空港なり米子空港なりを結ぶといったようなこともありますし、それで、知事ご自身としてはどういった方法が望ましいとお考えでしょうか。


●知事

 今回、実際にタイの観光業者のかたに回っていただくのは船ルート、DBSクルーズフェリーで東海から行くルートですね、それで、江原道のかたがたも恐らく仁川から入られるんでしょうけども、タイからくるわけですから、船で来るのも大変ですから、仁川から入られるでしょうけれども、江原道の西から東まで巡ってもらうのはたぶん彼らもメリットがあるわけですね、それで、私どもはそうしたじゃ船でこう入ってきてもらうと、それで船で入ってきてもらって最後は飛行機でタイに帰ってもらうと、そんな組合せがタイの関係者向けであれば、こういう日韓共同プロモーションとしては考え得るんではないかなというふうに思います。

 ただ、最終的には選ばれるのは利便性だとか、コストも考えて、旅行者のかたが選ばれるわけでありますから、今おっしゃったように他のプランというのも決して捨去るものでもございません。いくつかこういうやり方がありますよとご紹介しながら、今回はおすすめコースとして船プラスエア[航空機]ということをご提言申し上げようと、そんな目論みであります。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 飛行機を使う場合に、既にあるソウル便を活用するというほうが良いというふうにお考えなのか、もしくはそれとは違った方法、チャーター便なりという方法が良いとお考えか、どちらになりますでしょうか。


●知事

 もちろんルートとしてかなり太くなれば、襄陽(ヤンヤン)国際空港と鳥取県の米子鬼太郎空港を結ぶ便というのも考えられると思います。今回、再選された雀文洵(チェ・ムンスン)知事は襄陽(ヤンヤン)[国際]空港の活用を熱心にやっておられまして、再選をされたことで襄陽(ヤンヤン)と米子やあるいは鳥取かもしれませんが、県内空港とのチャーターフライトの検討は前に進むんではないかなと思います。ただ、それはごく限定的なフライトになると思いますね。ですから、毎回毎回このチャーターフライトを飛ばせる程ですね、需要が一気に出るかと言うと、そうではないかもしれません。ただ、個人客も含めてこういうような鳥取県の楽しみ方がありますよ、さらに江原道まで、韓国まで見られますよと、1粒で2度美味しいようなそういう旅ができますよということを、東南アジア向けには国境を越えて展開ができるんではないかと、こんなことで両地域で話合いを進めてきたわけです。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 繰り返しになりますけども、知事おっしゃられたように、江原道側としては、襄陽(ヤンヤン)空港を使いたい。西のほうに引っ張ってきたいという思いがあるようですので、恐らく、向こうの思いとしては、そのチャーター便なりでということを推されるんだろうと思うんです。一方で、知事おっしゃられたようにソウル便の利用状況があんまり思わしくないということがある状況の中で、それはいいのかという論も出て来るだろうと思いますので、ちょっと繰り返しになりますけども。


●知事

 ですから、先程申しましたように襄陽(ヤンヤン)[国際]空港と県内空港を結ぶチャーターフライトの可能性は出てきていると思います。それは、韓国の今回の統一地方選挙、結果もありますし、鳥取県との友好関係もありますので、その可能性は出てきていると思います。ただそれは、ごく限定的なフライト、例えば、[鳥取県江原道友好交流]20周年の記念の行事や人の交流に合わせて飛ばすとか、そういうかなり限定的な話ではないかというふうに推測をしております。それで、他方で米子ソウル便は定期便でありますので、これは飛び続けてもらわなければならないと考えておりますが、こちらのほうについても、今乗客が少なくなってきているという状況がございますので、テコ入れを図る意味でこうした日韓協調というのも、1つのアイテムとしては使えるんではないかなとは思います。



11 拉致被害者帰国支援のための体制について 

○共同通信 江森林太郎 記者

 すいません。拉致の関係なんですけれども、東京本部に整備室を設けられるっていうこと、先程おっしゃられていたんですが、役割とかっていうのを具体的にもう1回、教えていただけますか。


●知事

 はい。この拉致被害者対策調整室は、情報収集、初動で今、これが重要になってきますので、日頃から情報収集をしている。どうしてもこちらから上京すると時間もかかりますし、なかなか密な話が聞けなかったりということがあったりします。また、地元で東京というほうから、東京からこう手配をしなきゃいけないこと、これもいろいろと出て来ようかと思います。例えば、ご家族がお見えになったときのそのアテンド[介添え]であるとか、そうしたことなど初動で急遽必要になるということは考えられるわけであります。それのノウハウも東京本部の職員のほうが良いかなと思います。そうしたことなどをやる部署ということで、拉致被害者対策調整室というのを設置をしようというものであります。


○共同通信 江森林太郎 記者

 ありがとうございます。


○中国新聞 川崎崇史 記者

 関連しまして、人員的なものですね、例えば副本部長を室長としてというふうにありましたけれども、今後その増強されるご予定があるのかと併せて、他県のその拉致被害者のかたの対応を進めている県、他県との連絡調整なども今後なされるお考えがあるのかとか、その辺ちょっと伺えますか。


●知事

 ええ。もちろん東京ベースで折衝が必要なことには、機動的に動いてもらおうという意味で東京に置くわけでありますから、他県とか、そうですね、報道関係だとか、いろいろと今後出てくるんじゃないかと思いますね、そういう場合には。そうした東京ベースでやれること、やらなきゃいけないことについては動き回ってもらいやすい東京の舞台ということになろうかと思います。それで、今後の増強についてでありますけども、今は2名体制で東京本部の現有人員を活用させていただいて活躍してもらおうと思いますが、ただ、今後もし事態が展開してきたときは、東京に人員を増強して、むしろ鳥取側からそういう拉致被害者対策に精通した者を張りつけて一緒に行動してもらう。東京のほうの拉致被害者対策調整室に鳥取のほうから人を持っていって張りつけるという増強も事態が展開するときには考えたいと思います。今は連絡調整が主でありますので現有人員で対処可能と思いますが、事態が動くときには、いろいろと中央省庁とのやり取りも出てきますし、それから[米子市の拉致被害者]松本[京子]さんのご家族の状況を、こちらで日頃接触してよく分かっている人間がその任を担うことは大切だと思います。

 例えば、いろんなことがあるわけです。ある程度国のほうがやる事業があるんですね、拉致被害者支援については。例えば給付金があります、被害者に対する。そういうものであったり、それから、もちろん情報は全部国から出てきましょうし、また、国のほうで措置すべき事柄というのはあります。我々のほうは例えば住宅だとか、それから学校の教育だとか、そんなようなことは私どものほうの領分でありますけども、拉致被害者の支援の法律に基づく、向こうの、国の施策の体系もありまして、そことコーディネートしながら拉致被害者の生活再建が始まるんですね。ですから、東京にやっぱり人がいないとスムーズに生活再建ができないという、そういう、今、仕組みになっていまして、それを考えますと、事が現実に動くときには、またこれ急遽、これは発令をして派遣をすると。それで東京のほうの調整室に入ってもらうという体制を考えたいと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 すみません。重ねてになりますけど、そうしますと、当面は現在の人員でなさるということでしたら、調整室を設けることで何か体制が変わるとか、仕事が変わるということではないということですか。


●知事

 今はその任務を与えていませんので。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 ああ、なるほど。


●知事

 ええ。つまりその電話の取り次ぎ的な話ですよね。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 はい。


●知事

 ただ、その任務を与えることで、拉致被害者対策の職ができます。それで折衝なりですね、そういう能力ができます。これ役所の権能の問題ですけども。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 連絡調整やなんかは、今はしていらっしゃらなかった。


●知事

 今は、アポ取りだとか。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 ああ、なるほど。


●知事

 平井が行くときの車の手配とか、そういう本当のロジ[後方支援]ですよね、だから、もちろん顔は知ってはいるでしょうけどもあんまり、そこはもうやっぱり本庁サイドの話です。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 うん。


●知事

 ただ、それをやはり分けた、分けた職能を東京側にも作っておくべきタイミングだろうと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 うん。


○NHK 林久美子 記者

 すみません。これまでに東京にそういう拠点がないことで、情報収集などで困られたなと感じられる点はございますでしょうか。


●知事

 これは、拉致の話はそうなんですけども、特にやっぱり外から見えにくいんですよね、何が起きているか。だからその辺のもどかしさは我々もありました。そういう意味で、東京でそうした日頃からその任に当たるものがいるというのは、我々としては心強いし、多分ご家族にもメリットがあると思います。あと正直な話を申し上げると、先程ご質問もございましたけども、いざ事が起こったとき、やっぱり東京の機能がないと多分この拉致被害者対策ができない。ですからそれを今からこう言わば受け皿を作って準備をしておくと、それも重要なことだろうと思っております。


○NHK 林久美子 記者

 東京のその整備室、調整室で得た情報というのは、一義的にはもう県のほうに、人権局のほうに行って、また隣に行くという仕組みですか。


●知事

 ええ、もちろん我々で共有しますし、日頃からそうですが私も上京していろいろと内閣府とお話をしたことはつぶさに松本孟さんにもお伝えをさせていただいております。もちろんそうやって情報共有をするわけでありますが、その情報収集に参加する人員が東京にできるということになります。


○産経新聞 坂下芳樹 記者

 その本庁とか担当者のかたというのは、従来の業務から離れてもう専任というかたちでやられるんですか。


●知事

 先程申しましたように、これは現有体制の中でありますので、現在の業務と兼ね合わせてやってもらおうと思います。


○中国新聞 川崎崇史 記者

 主にあれですか、情報交換というのか、そういった折衝の立場から内閣府ということで、例えばそれが警察庁であったり、外務省であったりと、その辺も含まれる想定になるんでしょうか。


●知事

 それはもちろん含まれることになろうかと思います。ただ特に我々自治体のほうで一番重要なのは、被害者支援の部分ですね。これは内閣府が主としてその任に当たるということになろうかと思います。ですから内閣府が中心になろうかと思いますが、その他のいろんな情報キャッチをしたり、いうようなことは幅広くやっていただく必要があると思います。



12 伸びのびトークの開催回数の増加について 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 すみません。ちょっと全く違う質問になって恐縮ですけども、最近伸びのびトークが割りと頻繁に開かれておるような気がするんですけども、いかがお感じになっておりますでしょうか。


●知事

 これは、元々やっていたものです。それが、ちょっと役所なんかの事情で滞っていたということがございまして、私のほうから督励を再三再四させていただいておりまして、ようやく動き始めたかなというのが1つ。それからあと、今伸びのびトークをやっているその役所の、私以外の役所の人間の多分モチベーションとしては、今、[鳥取県の]将来ビジョンの見直しをしておりますけども、将来ビジョンの見直しをする過程でやはり市町村ごとに意見を聞いて歩く必要があると、これも含めて今やっておりますので、そういう意味で今、回数は増えているよということだと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 何か任期の締めくくりの年ということが関係しておるのかと勝手に想像しておるところですが。


●知事

 それはありません。職員に聞いていただいたら分かりますけども、何でやらんだと言って去年も一昨年もだいぶ私が言っていますから。どうも、これはほんに役所的な事情だと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 はい、分かりました。



13 グッドスマイルカンパニーへの支援等について 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 すみません。企業進出の関係で、グットスマイルカンパニーと早ければ月内にも合意ということでしたけども、現段階でどういった支援を県としてお考えなのかということとか、あと、新規のそれに伴う、進出に伴う雇用数とか、あと鳥取進出を決められた決め手のほうをどのように知事として聞いておられるでしょうか。


●知事

 いや、まだ最終折衝過程で、ちょっと今のご質問はちょっと企業さんのほうが考えられることばかりで、ちょっとよく我々としても承知をしておりません。ただ、県からの支援ということで言えば、今我々折衝する中でだいぶ県内企業をある程度、こう関連企業として巻き込みながら展開が図られる方向性が出てきましたので、仮にそういう方向に向かっていただければ、我々としては通常10%の製造業支援であるべきところを、30%の要は特定事業者、特定事業種と言いますが、特定事業としてつまり県内波及効果が高い事業、今回は裾野ができるという感じになりますので、そういう事業として認定をする可能性もでてきたかなと思っております。ただ、まだ事業計画等は、今、会社側のほうで考えておられるところでありますから、それをよくお伺いをしながら相応しい支援をしてまいりたいと思います。


○山陰放送 秦卓史 記者

 すみません。以前での会見ではグッドスマイルカンパニーについては接触しているというのは知事はお認めになられましたけれども、今回最終段階に入ったということで発表されたのは、この他の県内企業とのこう関連性なり、業務提携のものができたというのも県として確認されたからということなんでしょうか。


●知事

 今おっしゃったようにいろんな企業さん絡みますので、その企業同士の折衝がほぼ固まってきたと、ただまだ判子をついたわけではないと、判子をついたわけではないが、だいぶ固まってきた最終段階であると、こういうお話を昨日までに確認をいたしましたので、今回の立地案件についてはファイナルステージと言っていいだろうと思っております。


○山陰放送 秦卓史 記者

 ちょっとその立地に関する民民の部分、すると物を作ることに関しての民民ですか。


●知事

 ちょっとそこは内部の問題かと思いますが、いろいろ立地にあたって当然ながら場所がないと作れませんしね、そうした意味で民間企業同志で話合いすべきことがどうしてもあるわけです。そうしたことを、今最終的に固める段階に来たということですね。




14 参議院の選挙制度改革について 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 すいません。またちょっと話変わりまして、参議院の選挙制度改革の話なんですが、4月25日に協議会の脇座長が22の選挙区を合区するという案を示しまして、その後自民党内で反発もあって、今10程度に圧縮してはどうかという案も出ています。これについて知事の所見を聞かせていただけませんでしょうか。


●知事

 これも度々この記者会見でも申し上げておりますが、結論から申し上げると、これ国会の重要な土俵作りに関わることでありますので、民主主義のシステムの根幹をなす部分を国会の採用の下に決めるのが選挙法であります。ですから、各党、各会派間で十分に議論をしていただきたい。それが結論でございます。ただ、若干の従来から申し上げておりますけれども、選挙制度にはその成り立ちの意味があるわけですよね。比例代表制にしても小選挙区制にしてもあるいは日本独自のこの中選挙区制的なシステムにしてもそうでありますが、それぞれの成り立ちの歴史なり考え方があります。それで、衆議院と参議院はカーボンコピーと揶揄をされるわけでありますが、衆議院と参議院はそれぞれ違った民意を代表するやり方、民意の代表させるやり方が違う。それで多様な民意を衆参両院で包括をして国権の最高機関として国の方針を決めるわけであります。ですから衆議院の選挙区選挙で言われている単なる投票価値の平等の議論だけで、参議院の選挙区制度、これを議論していいのかどうかというのは、それは必ずしもそうでないと思うんですね。

 それで、最高裁も繰り返しこれは言っていまして今も言っていますけども、基本的にはその立法裁量があるわけです。それで立法裁量の中に合理的な指標というのを盛り込むことは可能なわけですね。それで、そうした中で我が国ではアメリカの上院をある程度念頭に置いたんじゃないかと思いますが、都道府県という単位を尊重して、これを基本とした選挙区設定を参議院の選挙区についてやっているわけです。それで、これはもうデモクラシー[民主主義]がそれとつながって出来ていまして、それでこの都道府県のエリアに県庁というものがあり、県議会というものがあり、デモクラシー[民主主義]の単位になっています。それで、それがまた市町村がさらにあり、言わば1つの流れとして国会に地域の意見を反映させるその単位として都道府県が機能している、デモクラシー[民主主義]のユニット、単位と言っていいと思います。ですからこれを単純に阻却していいのかどうか、放り出していいのかどうか、これはやや疑問があります。ですから、10に合区が減ったからそれでOKだという以上に本来は哲学的な問題があるだろうと思います。ただ、さわさりながら、これについては国会の専権事項でありますから、国会の中で各党、各会派で議論をされる、それはまたデモクラシー[民主主義]としても尊重されるべきことでありますから、しっかりとしたこうした事情も踏まえた議論をしていただきたいと考えております。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 選挙区を10に、22はあまりにも急すぎるので10に合区の対象区を減らせばいいと、それでそうすると1票の格差というのはある程度拡大はする、拡大したままではあるんですが、そういった議論というのはどうでしょう。ちょっと地方からみると乱暴なところもあるんじゃないかなという気もしますし、一方で島根県の衆議院議員から、そういった鳥取島根の合区も含めた試案が出ているという状況もあるんですが、そのあたりは何かお考えになることはあるでしょうか。


●知事

 先程申しましたように、これは国会の土俵づくり、また参議員の選挙制度なんで参議員が本来議論すべきものだろうと思いますが、衆議院もさっき申しましたように、衆参両院でそれぞれ違った民意を反映するという意味で、それぞれに選挙改革をしますから、衆議院側からも意見が出てくる状況なのかなというふうには思います。ただ、先程申しましたように、我が国の戦後の民主主義の基本として、公選による国会議員を参議員で選ぶという制度が作られた当初から、各都道府県を単位とすると決めて、それも人口比例ではなくて、人口にある程度緩やかに、人口を考慮して緩やかに配分をするという言い方だったと思いますが、そういう緩やかな人口の考慮ということで、1人区、2人区、3人区、4人区というように制度がつけられていると、そのことの重みというのは、今日も本来は変わらないのではないかと思います。

 今おっしゃったように10選挙区の合区ということになった場合、2を超えるということになると。それで、じゃあそれが直ちに違憲かというと、それはいろんな考慮要素を入れたことが立法裁量の範囲内であれば違憲とは言えないということになりますので、それはそれで1つの考え方かもしれません。じゃあ、さらに言えば、今まではだいたい5倍だとか、そうしたところが違憲判断の基準ではないかと風評的には言われていたわけでありまして、その5倍なり4倍なり、3倍なりそうしたところに持っていくことを考えて、それで都道府県の選挙区を維持するということも選択肢としてすれば国会も本来考え得る内容ではないかなと思います。ですから、これは冷静にいろんな知見を入れて、よくよく議論をしていただく必要があるのではないかと思います。




15 安全保障に関する国の議論について 

○毎日新聞 高嶋将之 記者

 すいません。国の安全保障の問題で、発表は午後からではありますけれども、集団的自衛権保障について、安倍首相は閣議決定で早期に明記するように方針を明確にされておりますけれども、それについて、じゃあ知事のお考えを伺わせていただけますでしょうか。


●知事

 外交防衛の話は、これ先程と同じように国の専権事項で、我々地方レベルで、地方自治の、あるいは地方自治行政として物申し上げる部分ではないと思います。ただ、これは国の根幹にかかわることでもありますし、幅広い国民、県民の意見を聞いていただいて、それで慎重に考えていただきたいと思います。この議論が、私には少しずつ変遷しているように思います。今、自公協議が行われておりまして、それでどういう場合は解釈で自衛隊を派遣し得るかということを今、具体的にやっているんですね、それで、その中には自公双方で折り合える内容もあれば折り合えない内容もあるというように、今少しずつ何かこう作業が行われているように報道では見えるわけであります。ですから、それは解釈の幅をある程度厳格に考えようという公明党のスタンスも、これからの閣議決定の想定の中に入り始めているのかもしれません。

 それは公明党側からすれば、集団的安全保障ではなくて、個別的安全保障でできる内容なのかもしれません。そうなるとそれは今問題の設定が、集団的安全保障を認めるかどうかということでありますが、そうではない、どういう場合に具体的に、じゃあ自衛隊を派遣できるのかという議論に、今少しずつこう変わり始めているのかなというふうに見えるんですね。いずれにいたしましても慎重に、このことは我々も関心を持って見ていきたいと思いますし、政府におかれてもやはり憲法という、そういう重たい硬性憲法の国日本でありますから、憲法改正が難しいほどに憲法の価値というものを認めている日本でありますから、その憲法の規定を厳格に考えながら、この解釈論議にも臨んでいただきたいというふうに思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 その他質問ありますか。




16 ガイナーレ鳥取の「野人と漁師のツートッププロジェクト」について 

○山陰中央テレビ 末次勝 記者

 すいません。全く話がまた変わりますけれども、ガイナーレさんの野人と漁協さんのツートッププロジェクトというの、今日で1週間経つという、結構な反響があるというかたちで、県としてもどういうふうな考えと言いますか、この試みについてはどういうふうに思われているんでしょうか。


●知事

 鳥取県はふるさと納税大県になってきましたから、そういう意味でこのふるさと納税方式を、サッカーの盛り上がりに活用されるというのは大変着想としておもしろいと思いますし、鳥取県を逆にPRするいい手法にもなればなというふうに思います。ぜひ大漁でいっぱい量もあって、それでガイナーレも財務基盤を整えて、それで大量の魚の数と同じぐらいゴールも決めてもらえればありがたいなと思います。



17 人口対策促進に向けた組織の連携について 

○時事通信 平野実季 記者

 すいません。移住の、移住定住の加速事業なんですけど、これっていうのは今まで田舎暮らしという人を対象にして、に興味ある人を対象にしてきたという部分が大きいと思うんですけども、子育てという観点でこれからどんどん移住定住をさらに進めていこうという流れだと思うんですけど、今後子育ての鳥取のブランド化をどう進めていくとか、その課ごとで連携して、どのように発信していくかとか、ちょっとそういったところをもし具体的にあったら教えていただけませんか。


●知事

 今回ですね、合計特殊出生率が1.62に急上昇しまして、全国順位も7位まで上げたというのは、大変に我々としてもありがたい結果だと思っております。それで、これをもっと都会地の人にも訴えかけたい、それで子育て王国の推進局ではなくて、今回移住定住の担当部局ですけども、移住定住の担当部局が中心になりまして、子育てには鳥取は向いていますよと、それをアピールする意味で今回6月補正の予算もさせていただきました。さらにこれは飛行機の利用を活用するということに関連をしますが、こちらのほうに来ていただいて子育てのよさを感じてもらう、これに対する助成制度を、これも交通政策との関係で我々としても矢を放たせていただいたわけであります。

 こういうようにこれからは人口対策というのが全庁的に大きな問題になってきて、これをほどいていく意味で課だとか、部局を超えた力が必要になってくると思います。鳥取県としてもそのためのプロジェクトチームをこしらえましたし、そういうのと連動しながら今回もこういうように予算も提案をさせていただいて、子育てに向いている県として認知度を高めて住んでいただく若いかたがたの関心を呼び起こしてまいりたいと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 他に質問ありますか。よろしいですか。じゃあ、知事ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。



  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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